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hockey warm-up

  • 0:21 - 0:25
    ここは 秋の終わりの
    広葉樹の森
  • 0:26 - 0:29
    落葉した木々の間から
    木漏れ日が差し込み
  • 0:31 - 0:35
    たくさんの野鳥たちが
    さえずっています
  • 0:36 - 0:41
    私は そんな森に分け入り
    獲物の痕跡を探します
  • 0:42 - 0:45
    獣道に残された 足跡
  • 0:47 - 0:51
    「これはイノシシが
    昨日の晩 通ってるな」
  • 0:52 - 0:56
    「鹿は3、4頭の群れがおって
    子連れやな」
  • 0:57 - 1:01
    木の幹に付いた傷や泥
  • 1:02 - 1:06
    「このイノシシは
    体重50kg ぐらいで雄やな」
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    「鹿の群れは昨日 来てへんけど
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    3日にいっぺんぐらいは来てる」
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    罠猟師は残された痕跡から
  • 1:17 - 1:20
    そこにいない動物の行動を
  • 1:20 - 1:23
    手に取るように把握します
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    私は街でも猟師です
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    例えば 3月の引っ越しシーズン
  • 1:30 - 1:34
    まだまだ使える家具や電化製品
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    そんな大型ゴミがたくさん出ます
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    「来週の大型ゴミは火曜日・・・」
    (笑)
  • 1:44 - 1:47
    取り壊し中の家を見つけると
  • 1:47 - 1:50
    「大将 その廃材
    ちょっともらえへんかな?」
  • 1:50 - 1:53
    「ええで ええで
    いくらでも持っていきや
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    こんなん どうせ
    ほかす(捨てる)もんやしな」
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    ただで必要なものを手に入れる
  • 1:59 - 2:03
    そういう点では山でも街でも
  • 2:03 - 2:06
    私は同じような感覚です
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    こんなことを言うと
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    野生動物をゴミ扱い
    しているように聞こえますか?
  • 2:12 - 2:17
    でも 野生動物を
    ゴミのように扱っているのは
  • 2:17 - 2:20
    実は この現代社会です
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    2009年に 狩猟によって
    捕獲された鹿の数は
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    156,700 頭
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    それとほぼ同じ数の
    154,800 頭の鹿が
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    有害な動物だということで
    殺されています
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    それは皆さんが食べる
    お米や野菜を
  • 2:40 - 2:43
    食い荒らす害獣だから
    という理由
  • 2:43 - 2:48
    そして その鹿は ほとんどが
    焼却 埋設処分されます
  • 2:48 - 2:51
    つまり
  • 2:51 - 2:54
    「野生動物も増えすぎて邪魔だ
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    ゴミとして 燃やしてしまえ
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    殺して土に埋めたらいい」
  • 2:59 - 3:01
    というわけです
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    罠に掛かった鹿の命を奪うとき
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    私は鹿の首をナイフで
  • 3:10 - 3:13
    頸動脈を切り取ります
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    そこから血が流れ出て
    約10分間の間に
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    鹿は息絶えます
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    ちょうど今日
    私に与えられた時間
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    このスピーチの時間くらいの間
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    山の中で 私は鹿と二人っきりで
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    静かな時間を過ごします
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    鹿は死ぬ間際 息を荒げ
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    痙攣し 足をつっぱり
    目を見開きます
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    「殺すことにもう慣れましたか?」
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    よく聞かれます
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    確かに命を奪う技術は
    向上しました
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    でも 慣れることはありません
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    本当に殺す必要があるのか
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    常に自分に問いかけています
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    猟師がこんなことを言うのは
    おかしいかも知れませんが
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    私はなるべくなら
    鹿は殺したくありません
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    自分や家族 友人たちが
  • 4:20 - 4:23
    生きていくため 食べるための
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    その為だけに私は猟をしています
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    猟を始める1年前
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    私は東ティモールにいました
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    そこでは 現地の独立を決める
  • 4:42 - 4:45
    住民投票が
    国連により準備されており
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    私は国際投票監視員として
    関わっていました
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    投票後 東ティモールの
    独立に反対する
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    インドネシア軍や民兵組織によって
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    多くの家が放火され
    銃声が響き
  • 5:02 - 5:05
    たくさんの人々が殺されました
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    私も国外に脱出し
    東ティモールに戻れたのは
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    独立が決まって
    半年も経った後のことでした
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    再び東ティモールに戻った私は
    ショックを受けました
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    現地の人々がまだ
    住む家もないというのに
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    国連やNGOが焼け残った建物を
    利用しています
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    金儲け目的の外国人も
    多数入国しており
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    東ティモール人のための
    食堂や市場が出来る前に
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    外国人向けのバーやカフェが
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    そしてそこで働く
    東ティモール人の給料は
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    一日たったの1ドル
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    呆然としました
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    これが新たに
    独立を決めた国の姿か
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    そして そこでは私も
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    その他大勢の外国人の一人でした
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    すぐに帰国を決意しました
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    ここはもう 私の居るべき場所ではない
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    その一方で東ティモールの人々は
    独立を勝ち取り
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    喜び 新たな国作りを
    始めていました
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    それを見て思いました
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    私も自分にとって
    責任のある場所に戻り
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    自分自身の側の問題に
    取り組もう
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    帰国してまずは自分自身の生き方を
    見つめなおそうと思いました
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    その中で自分の食べる肉を
    自分で確保したい
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    そういう思いが生まれました
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    そして 狩猟を始めました
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    始めてびっくりしたのは
    すごく楽になったこと
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    見知らぬ誰かに殺してもらって
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    自分はただ パック詰めされた
    お肉を食べるだけ
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    そういうのが嫌だったんですね
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    そんな後ろめたさから
    開放されました
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    また 山には山菜やキノコ
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    川魚などの豊富な食べ物に加えて
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    杉や檜の間伐材が
    利用されずに転がっていました
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    私はそれを 薪として利用しました
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    これで我が家の
    暖房 ストーブ お風呂
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    石油やガスに
    頼る必要はなくなりました
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    ここには自分自身の生活を
    自ら作りあげていっている という
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    喜びがありました
    開放感がありました
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    全てのことが
    自分に責任がある代わりに
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    間に他人が入らない
    シンプルで自由な暮らしです
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    そして 私の生活は貨幣経済から
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    緩やかな脱出を始めました
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    一部の人々が便利さを
    求めるあまり
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    非効率で無駄が多いのが
    この現代社会
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    その隙間を縫うように
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    私の生活は出来上がっていきました
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    便利さと引き換えに
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    やりたくもない仕事を
    させられていませんか?
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    近くの山に鹿がたくさんいるのに
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    レストランで出る鹿肉は外国産
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    まだまだ使える
    大型ゴミがたくさん出るのは
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    新しい商品を常に
    売らないといけない企業の理屈
  • 8:41 - 8:44
    エコ? CO2 削減?
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    いつから商品の
    宣伝文句になったんでしょうか?
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    修理するより買ったほうが安い
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    採算が合わない
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    そういって無駄になっているものが
    あまりにも多い
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    私にとっての狩猟採集生活は
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    今の経済優先の社会が
    放棄している
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    様々な資源
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    そして 見捨ててきた
    技術や価値観
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    そういったものを取り戻す
    という意味を持ち始めています
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    「社会を変えよう」
    声高に叫ぶのではなく
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    自らの生活として
    実践していくことが
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    最終的に
    力を持つと信じています
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    東ティモールの友人が獲った肉と
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    私が獲った肉に
    価値の違いはありません
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    いつか 笑顔で
    食べ比べしてみたいな
  • 9:46 - 9:48
    そう思います
  • 9:48 - 9:53
    ありがとうございました
    (拍手)
Title:
hockey warm-up
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Video Language:
English
Duration:
0:38
Maggie S (Amara staff) edited Japanese subtitles for hockey warm-up

Japanese subtitles

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