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Not Synced
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短いお話を1つ。
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「おい、植木屋」
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「へい、お越し」
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「お前んとこ、どんな花でもあるか?」
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「へぇ、うちはどんな花でも木でもおまっせ」
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「ほんなら、物言う花てあるか?」
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「物言う花?」
「こいつなぶりに来おったな」
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「へぇ、おまっせ。」
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「あるか?」
「へい、おます。」
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「うちは花でも木でも皆、物言います。
なんなら、名前なと尋ねてみなはれ
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返事しよるさかいに。」
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「ホンマかいな?」
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「ほんならお前、名前なんちゅうねん?」
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「さくら」
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「ほんに、こいつ、もの言いよったがな。ほしたら、お前は?」
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「うめ」
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「なるほどな〜。お前は?」
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「ぼたん」
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「ほー、感心やな。」
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「お前は?」
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Not Synced
「お前は?」
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「おい、植木屋。
こいつ、物言いよらへんがな。」
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「え?あー、こいつ、くちなしや」
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Not Synced
[拍手]
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突然の小噺でしたけれども、
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これは私が68歳で落語を習い始めたときに一番初めに教えていただいた小噺でございます。
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Not Synced
なぜ、68歳で落語を習い始めたかといいますと、
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Not Synced
社会とのつながりがなくなることに不安を感じたからでございます。
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Not Synced
それまで私は仕事を持っておりました。
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Not Synced
毎日、人と接する生活をしておりました。
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ところが、定年になりまして、もう子供たちも独立しておりますし、
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Not Synced
孫の手も離れて、これから私は毎日家で、独りで、誰とも喋らない暮らしが、
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Not Synced
続くのかと思いました時に、それが強くなったのでございます。
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Not Synced
なんとか世間との接点を持った暮らしが続けられないものか?
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Not Synced
そう考えたのが、68歳でございました。
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Not Synced
たまたま、神戸に落語教室があるというのを知りました。
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Not Synced
落語なら私は若い頃から見に行くのが好きだったものですから、
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Not Synced
いっぺんやってみようか?くらいの軽い気持ちで受講を決めました。
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Not Synced
初めてお教室へ行ってみますと、
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Not Synced
先輩の生徒さん方が、師匠の前でもうプロの噺家さんのように落語を演じてらっしゃいます。
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Not Synced
わーすごいな。私もこんな風になれるのかしら?と思いました。
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Not Synced
一年もしますと、発表会というのが開かれるんですけれども、
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Not Synced
私は生まれて初めて、赤い毛氈の敷き詰められた、高座というところに上がりまして、
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Not Synced
覚えたての落語を披露いたしました。
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Not Synced
すると、客席から笑い声がおきたんです。
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Not Synced
わー、私みたいな落語にでも笑ってくださった。
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Not Synced
もう、この感激が忘れられずに、それからは、すっかり、落語にはまってしまいます。
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Not Synced
そのうちに、生徒方で開いてらっしゃる
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素人落語会というのに、私も出していただけるようになりました。
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Not Synced
そうなりますと、落語のネタを増やさないといけません。
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Not Synced
落語を覚えないといけません。
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Not Synced
私は一生懸命落語を覚えました。
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Not Synced
そのうちに、私自身にも出演依頼をいただけるようになりました。
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Not Synced
地域の自治会とか、老人会から呼んでいただけるんです。
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Not Synced
会場へ伺いますと、お集まりいただいたお客様方が、
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Not Synced
私の落語を聞いてとっても喜んで下さるんです。
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Not Synced
主催者の方もよろこんでくだすって、また次の落語会の依頼をくださいます。
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Not Synced
こういう人とのつながりが、落語を始めるまでは感じたことのない、
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Not Synced
生きがいとか、やりがいを感じまして、
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気がついたら6年が過ぎておりました。
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Not Synced
この年の発表会では、私は30分の大ネタで、
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Not Synced
トリを取らせていただくまでになっておりました。
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Not Synced
聞きに来てくださったお友達は、
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Not Synced
口を揃えて、すばらしかった、感心したと、お褒めの言葉をくださいます。
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Not Synced
しかし私は、このとき75歳も間近に迫っておりまして、
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Not Synced
新しい落語のネタを覚えるにも、もう四苦八苦のありさまでございます。
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Not Synced
また来年の発表会に、このままで新しいネタを今年ほめていただけたような落語を、
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Not Synced
できるのだろうか?
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お教室に通っておりましても、技術の向上もままならないのではないかと考えまして、
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Not Synced
そこで落語教室をやめたのでございます。
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Not Synced
ところが翌年、2013年の3月に、神戸で、
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Not Synced
「素人女性落語家コンテスト」というのが開かれました。
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Not Synced
いっぺん、力試しがしてみたい。
私は、応募いたしました。
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Not Synced
予選44人の中の7人に選んでいただけたのです。
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Not Synced
もう、これだけで、嬉しくて、
お友達に言い回りました。
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Not Synced
本戦までは1週間です。
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7人のうちで3人が受賞となります。
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Not Synced
なんとかこの3人に入りたい。
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Not Synced
私はもう、1週間の間、自分のネタを一生懸命何度も練習いたしまして、本番に臨みました。
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Not Synced
審査の結果は、3位には入っておりません。
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Not Synced
2位にも無理でした。
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Not Synced
あーやっぱりだめだったかと、もうあきらめかけたその時、
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Not Synced
「1位は、丸々亭おはぎさん」という声が聞こえてきたんです。
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Not Synced
もう、私は気が遠くなるような、
指の先までが冷たくなるような感覚で、
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Not Synced
賞状を受け取っておりました。
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全応募者の中で、私が最高齢でしたので、
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Not Synced
審査員の先生方も、おまけで1位をくださったのだと思います。
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Not Synced
このコンテストの結果が新聞に載ります。
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Not Synced
テレビが私のことを紹介してくださいます。
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それをご覧になった方々が私に出演依頼をくださいます。
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Not Synced
東京のテレビ局までが、私のことを取材してくれまして、全国放送で流してくれました。
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Not Synced
その上、今日はこのステージに立たせていただくという機会まで与えていただきました。
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Not Synced
このどこにでもいる普通のおばあさんが、
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1年前まではもう想像もすることもできなかったような
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素晴らしい体験をさせていただいでおります。
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もう、こんな嬉しいありがたいことはございません。
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しかし、私はあと10日もしない間に
76歳を迎えてしまいます。
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Not Synced
68歳から落語を始めたこの8年間は
30代40代の8年間とはもう全然違います。
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Not Synced
体力や頭脳のおとろえは目に見えて速くなっております。
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しかし、私はこの先も落語をやめようとは思いません。
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Not Synced
いくら歳を重ねても、
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Not Synced
人、お客様を喜ばせる力、お客様に喜んでもらおうと思う力、パワーというものは
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Not Synced
おとろえるものではないからです。
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Not Synced
人を喜ばせる力は、人との交流が楽しければ、そこから自然に湧いてくるものです。
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Not Synced
そもそも世間との交流を続けたいという気持ちから私は落語を始めました。
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Not Synced
落語を習い始めまして、老人会などで落語をすることも楽しかった。
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落語教室へ通うことも楽しかった。
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Not Synced
人との交流が楽しかったのです。
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Not Synced
老人会などで交流が私の落語を磨いてくれました。
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Not Synced
力を与えてくれました。
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Not Synced
1つの交流が新しい交流を生み、
新たな可能性を生んでくれました。
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Not Synced
落語クイーンになれたのも、
今ここに立てているのも、
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Not Synced
誰かとの交流がきっかけになったのは、間違いございません。
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Not Synced
大切なのは、交流の場へ自分から足を踏み入れることです。
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Not Synced
人との交流が、考えることのできないほど、
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Not Synced
大きな可能性を育んでくれるものと信じて、
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Not Synced
私は、これからも落語を続けていこうと思っております。
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Not Synced
それではここで、
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Not Synced
会場の皆様と楽しく交流をいたしましょう。
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Not Synced
こちらに、小噺がでてまいりました。
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Not Synced
「かなづち」という、小噺ですけれども、
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Not Synced
これを私が今から読ませていただきますので、一度聞いていてください。
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Not Synced
「お隣へ行ってかなづち借りてきなはれ
この釘打ってしまうさかいに」
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Not Synced
「行ってきたけど、貸してくれしまへんねん。」
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Not Synced
「なんで、貸さんねん?」
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Not Synced
「かなづち何すんねんいうさかい
釘打ちますねんいうたら」
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Not Synced
「釘と金槌とがすれてちびるいうて
貸してくれしまへん」
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Not Synced
「なんとケチな奴がおるなあ世の中には。」
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Not Synced
「なんぼほどちびるねん、そんなもん。
借るな借るな、そんなケチな奴から借らいでもええ」
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Not Synced
「うちのん出して使え。」
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Not Synced
[笑]
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Not Synced
こういう小噺でございますけれども。
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Not Synced
これを会場の皆様、
いままで黙って座っていらしゃいましたので、
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Not Synced
ちょっと声を出すのも楽しいかと思いますので、
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Not Synced
ご一緒に、えー、かなづちは退けまして、「お隣へ」から、
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Not Synced
声を揃えて読んでいただきましょう。
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Not Synced
では、まいります。
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Not Synced
さん、はい。
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Not Synced
お隣へ行ってかなづち借りてきなはれ。
この釘を打ってしまうさかいに。
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Not Synced
行ってきたけど、貸してくれまへん。
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Not Synced
なんで、貸さんねん。
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Not Synced
かなづち何すんねんいうさかい、
釘打ちますねんいうたら、
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Not Synced
釘とかなづちとがすれてちびるいうて
貸してくれしまへん。
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Not Synced
なんとケチな奴がおるな世の中には。
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Not Synced
なんぼほどちびるねん、そんなもん。
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Not Synced
借るな、借るな、そんなケチな奴から借らいでもええ。
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Not Synced
うちのん出して使え。
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Not Synced
[拍手]
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Not Synced
ありがとうございます。
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Not Synced
それではね、どのへんになるのかな?
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Not Synced
ここからか?こっちからこの通路からこっち側の方は、黒地に白で書いてあるところを
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Not Synced
この通路からこっちの方は、
白地に黒で書いてあるところを
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Not Synced
大きな声で、両方負けずに、読んでいただきたいと思います。
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Not Synced
では、こちらから行きます。
「お隣へ」からですよ。
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Not Synced
さん、はい。
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Not Synced
お隣へ行ってかなづちを借りてきなはれ。
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Not Synced
この釘を打ってしまうさかい。
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Not Synced
行ってきたけど貸してくれしまへん。
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Not Synced
なんで貸さんねん?
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Not Synced
かなづち何すんねん言うさかい
釘打ちますねんいうたら、
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Not Synced
釘とかなづちとが擦れてちびる言うて
貸してくれしまへん。
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Not Synced
なんとケチな奴がおるなあ、世の中には。
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Not Synced
なんぼほどちびるねん、そんなもん。
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Not Synced
借るな借るな、そんなケチな奴から
借らいでもええ。
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Not Synced
うちのん出して使え。
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Not Synced
[拍手]
ありがとうございました。
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Not Synced
ありがとうございました。
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Not Synced
それでは、これで私の話は終わらせていただきます。