信用履歴が(まだ)ない人のためのスマートローン
-
0:01 - 0:03ある人のことを
どれくらい知ったら -
0:03 - 0:05お金を貸してもいいと
思えるでしょうか? -
0:06 - 0:08例えばあなたの
2列後方に座っている人に -
0:09 - 0:11千ドル貸してあげたいとします
-
0:11 - 0:13その人について何を知ったら
-
0:13 - 0:15安心して貸せるでしょうか?
-
0:15 - 0:19私の母がインドからアメリカに移住したのは
30代後半のことでした -
0:20 - 0:21今はブルックリンの開業医です
-
0:21 - 0:25よく 友達や近所の人が
外来で受診しに来ますが -
0:25 - 0:28すぐ支払いができるかどうかは
気にしていません -
0:28 - 0:32母といるとき スーパーや道端で
母の患者にバッタリ会ったことがあります -
0:32 - 0:36その場で過去の診療費を
払う人もいました -
0:37 - 0:38母はお礼を言って
-
0:38 - 0:41患者の家族や体の具合について
たずねていました -
0:41 - 0:45患者を信用していたので
ツケで診てあげていたのです -
0:45 - 0:47私たちのほとんどは
母と同じような感じです -
0:48 - 0:51知っている人や隣に住んでいる人に
-
0:51 - 0:52貸しを作るのは平気です
-
0:52 - 0:56でも 見知らぬ他人に
貸そうとする人は少ないでしょう -
0:56 - 0:59その人について少しでも何か
知っている場合は別ですけどね -
1:00 - 1:03銀行、クレジットカード会社や
他の金融機関などは -
1:03 - 1:06私たちを個人的には知リませんが
-
1:06 - 1:09信用する方法は持っています
-
1:09 - 1:11クレジット・スコア(個人信用情報)
を使うのです -
1:11 - 1:13これは 私たち個人の
-
1:13 - 1:18一般消費者としての信用情報を
集積、分析したものです -
1:18 - 1:21この情報のおかげで
私たちには かなり簡単に -
1:21 - 1:23必要なモノやサービスが手に入ります
-
1:23 - 1:26例えば電気をひいたり
家を買ったり -
1:26 - 1:29リスクを負って事業を始めたりと
様々です -
1:30 - 1:31でも
-
1:31 - 1:35世界人口のうち25億人には
-
1:35 - 1:37クレジット・スコアがありません
-
1:37 - 1:40世界の全人口の
3分の1にあたる人数です -
1:41 - 1:43なぜスコアがないかというと
-
1:43 - 1:45その人についての
正式な公的記録が存在せず -
1:45 - 1:47つまり 銀行口座や
-
1:47 - 1:48信用履歴もなく
-
1:48 - 1:50社会保障番号もないからです
-
1:50 - 1:52スコアがないので
-
1:52 - 1:59暮らしを良くするのに役立つ
金融商品を利用できません -
2:00 - 2:02信用がないのです
-
2:03 - 2:06私の会社では
この25億人が信用を築いて -
2:06 - 2:10金融にアクセスできる方法を
見つけようと -
2:11 - 2:13携帯アプリを作りました
-
2:13 - 2:18携帯のデータを用いて
クレジット・スコアを積み重ねる仕組みです -
2:18 - 2:23現在 新興市場には10億台の
スマートフォンがあり -
2:23 - 2:26私たちが使うのと同じ方法で
使われています -
2:26 - 2:29友達にテキストメッセージを送ったり
ルート検索したり -
2:29 - 2:31ネットサーフィンしたり
-
2:31 - 2:33金融取引や決済さえ行われます
-
2:33 - 2:36使っているうちに
このデータがスマホに蓄積され -
2:36 - 2:40その人の生活の様子が
ありありと見えてきます -
2:41 - 2:43サービス利用者には
このデータへの -
2:43 - 2:46アクセス権を提供してもらい
アプリを通じて蓄積したデータを -
2:46 - 2:49その人の信用力がどれほどかを
理解するのに役立てます -
2:49 - 2:54例えば ケニアのナイロビで
小規模な事業を経営するジェニファー -
2:54 - 2:59ジェニファーは65歳です
何十年もの間 自分の屋台を -
2:59 - 3:01ナイロビの中心商業地区で
営んできました -
3:02 - 3:053人の息子がいて
職業専門学校に通わせています -
3:05 - 3:08地域の「chama」つまり
貯金サークルの -
3:08 - 3:09まとめ役もしています
-
3:10 - 3:12屋台の仕事は
うまくいっており -
3:12 - 3:15収入と支出はトントンです
-
3:15 - 3:17でも 経済的な保証はありません
-
3:18 - 3:21緊急事態が起これば
借金を抱える可能性もあります -
3:21 - 3:23自由裁量所得がないので
-
3:23 - 3:25家族の生活を向上するのに使ったり
-
3:25 - 3:26緊急事態に備えたり
-
3:26 - 3:29事業拡大に投資するお金は
ありません -
3:30 - 3:33ジェニファーが借り入れをしたい場合
選択肢は限られています -
3:34 - 3:35小口融資を得るとしたら
-
3:35 - 3:39信用性を保証してくれる人を
何人か確保しなければなりません -
3:39 - 3:42それでさえ 得られる融資額は
あまりに小さく -
3:42 - 3:44投資効果が望めるような
額ではありません -
3:44 - 3:47平均150ドル程度ですから
-
3:48 - 3:50もちろん消費者金融から
借りる手もありますが -
3:50 - 3:54300パーセントを大幅に超える
利子がつくので -
3:54 - 3:56リスクがつきまといます
-
3:56 - 4:00ジェニファーには
担保にできる財産も信用履歴もないので -
4:00 - 4:04銀行に行って
事業融資を受けることもできません -
4:04 - 4:06でも ある日
-
4:06 - 4:10息子に説得されて
携帯アプリをダウンロードし -
4:10 - 4:11ローンを申請しました
-
4:11 - 4:14携帯を使って
いくつか質問に答え -
4:14 - 4:18デバイスの主要データポイントに
アクセスを許可してくれました -
4:19 - 4:20出てきた情報とは・・・
-
4:20 - 4:22マイナス部分から言います
-
4:23 - 4:28貯金残高は少なく
融資履歴はありません -
4:28 - 4:30こういった点は
-
4:30 - 4:33従来型の銀行にすれば
危険信号だったでしょう -
4:33 - 4:35しかし 出てきた履歴の中の
他の情報から -
4:35 - 4:39ジェニファーの秘める資質が
より くっきりと読めたのです -
4:39 - 4:401つ挙げると
-
4:41 - 4:45ウガンダにいる家族に
定期的に電話をかけていました -
4:46 - 4:48実は データによると
-
4:48 - 4:51少数の連絡先と
規則正しいく連絡を取る人は -
4:51 - 4:56返済率が4パーセント高いのです
-
4:57 - 4:58また ジェニファーは
-
4:58 - 5:01日中 たくさん移動するものの
-
5:01 - 5:03実際の移動パターンは
ほぼ同じで -
5:03 - 5:07家にいるか屋台にいるかの
どちらかでした -
5:07 - 5:09これもデータによると
-
5:09 - 5:14安定して同じ場所で
1日のほとんどを過ごす利用者は -
5:14 - 5:16返済率が6パーセント高いのです
-
5:17 - 5:20また ジェニファーは
たくさんの人々と -
5:20 - 5:221日を通じて交流があり
-
5:22 - 5:25深い協力関係を築いていました
-
5:25 - 5:27データによれば
-
5:27 - 5:31交流先が58以上ある利用者は
-
5:31 - 5:34優良な借り手である可能性が
高い傾向にあります -
5:34 - 5:36ジェニファーの場合
-
5:36 - 5:4089人と個別に交流があることがわかり
-
5:40 - 5:43これにより返済率が
9パーセント高く予想されました -
5:44 - 5:48これらは 我が社が個人の信用力を
理解する際にチェックする— -
5:48 - 5:51何千とある様々なデータポイントの
ほんの数例です -
5:51 - 5:54こういった 異なるデータポイントを
すべて分析したうえで -
5:54 - 5:56我が社は初期リスクを負って
-
5:56 - 5:59ジェニファーに融資をしました
-
5:59 - 6:03参考にしたデータは
書類上の履歴や -
6:03 - 6:05いかなる公式の取引履歴にも
見つかりませんが -
6:06 - 6:08信用の裏付けになります
-
6:08 - 6:11収入以上のものに目を向けると
見えてくるのは -
6:11 - 6:16一見 ハイリスクで行動が読めなさそうな
新興国の人々に -
6:16 - 6:20実際は返済の意思も能力もある
ということです -
6:21 - 6:27独自のクレジット・スコアを使って
我が社ではケニアでの20万件の融資を -
6:27 - 6:28この1年で達成しました
-
6:28 - 6:31返済率は90パーセントを超えています
-
6:31 - 6:37従来型の銀行融資の
返済率と並ぶ数字です -
6:38 - 6:40クレジット・スコアのような
シンプルなものでも -
6:40 - 6:44自分の未来を築き上げる力を
人々に与えられるのです -
6:45 - 6:48利用者の融資の使い道は
家計費にはじまり -
6:48 - 6:50緊急時、旅行に
-
6:50 - 6:53自分の事業を拡大するための
再投資などです -
6:54 - 6:57これによって
経済や地域社会が活性化され -
6:57 - 7:00住民が成功しやすい場へと
育っていっています -
7:01 - 7:03過去2年間を通して
我が社のサービスを利用し -
7:03 - 7:08ジェニファーの貯金は
60パーセント増えました -
7:08 - 7:10さらに 屋台も2つ増設
-
7:10 - 7:13自分のレストランを始める
計画もしています -
7:13 - 7:17現在 商業銀行の中小企業向け融資を
申し込んでいるところです -
7:17 - 7:22今では信用履歴がついて
融資を受ける資格を証明できるからです -
7:22 - 7:25先週 ナイロビで
ジェニファーに会いました -
7:25 - 7:28初めて融資を受けるとき
どんなにワクワクしたか話してくれました -
7:28 - 7:30こう言っていました
-
7:30 - 7:36「できると信じてくれたのは息子だけ
私自身は向いてないと思っていたのよ」 -
7:36 - 7:39ジェニファーは
それまでの人生ずっと -
7:39 - 7:43自分には縁のない 閉ざされた世界が
あると思って生きていました -
7:44 - 7:48我が社の現在の使命は
ジェニファーのような -
7:48 - 7:52信用に値する何十億人もの人々に
開かれた世界を作ることです -
7:52 - 7:53ありがとうございました
-
7:53 - 7:58(拍手)
- Title:
- 信用履歴が(まだ)ない人のためのスマートローン
- Speaker:
- シヴァーニ・シロヤ
- Description:
-
「信用」というものはどうやって得るのでしょうか? 銀行は利用者の信用度、つまり融資を受けるに値するかどうかを、クレジット・スコアを使って判断しています。しかし、世界人口のうち25億人はそもそもクレジット・スコア自体がないため、事業を始めたり、家を買ったり、または暮らしをよくするために使えるローンを組んだりもできないでいます。TEDフェローのシヴァーニ・シロヤのスタートアップ企業InVentureでは、携帯電話のデータを使って個人の信用情報を作り上げることで、新興世界に眠っている購買力を目覚めさせようという事業をしています。「クレジット・スコアのようなシンプルなもので、自分の未来を自分で築き上げる力を人々に与えることができるのです」
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 08:11
Riaki Ponist approved Japanese subtitles for A smart new business loan for people with no credit | ||
Riaki Ponist edited Japanese subtitles for A smart new business loan for people with no credit | ||
Kei Kamimura accepted Japanese subtitles for A smart new business loan for people with no credit | ||
Kei Kamimura edited Japanese subtitles for A smart new business loan for people with no credit | ||
Riaki Ponist edited Japanese subtitles for A smart new business loan for people with no credit | ||
Riaki Ponist edited Japanese subtitles for A smart new business loan for people with no credit | ||
Kei Kamimura declined Japanese subtitles for A smart new business loan for people with no credit | ||
Kei Kamimura edited Japanese subtitles for A smart new business loan for people with no credit |