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幸福は親には高すぎるハードル

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    私が生まれた頃
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    子どもの育て方に関する本は
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    1冊しかありませんでした
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    著者はスポック博士です
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    (笑)
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    ありがとうございます
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    このジョーク やってみたかったんです
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    本当はベンジャミン・スポックの
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    『スポック博士の育児書』という本です
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    著者の存命中に約5千万部
    売れました
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    今日 私が6歳の子を持つ親として
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    大型書店へ行くと
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    目に飛び込んでくるのは これです
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    圧巻です
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    こうした棚には多種多様の本が
    並べられています
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    手引書はいろいろ
    環境に優しい子どもを育てるガイドに
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    グルテン抜き子育てガイド
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    病気知らずの子育て なんてのは
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    私に言わせれば
    ちょっと気味が悪いです
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    1ヶ国語しか話さない家庭でも
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    バイリンガルが育つガイドもありますし
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    経済に長けた子を育てるガイドから
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    科学志向の子どもや
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    ヨガの達人の子どもの育て方も
    あります
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    幼児に原爆処理の仕方を教える本は
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    さすがに ありませんが
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    それ以外は だいたい揃っています
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    こうした本は どれも
    善意から出版されています
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    きっと多くは素晴らしい本でしょう
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    でも全体としては 申し訳ないのですが
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    この棚を見たとき 私の目に映るのは
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    「救い」ではありません
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    そこにあるのは「不安」です
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    巨大でカラフルな
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    皆のパニックの象徴が
    そびえ立っています
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    それで私は知りたくなりました
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    なぜ私たちの子育ては
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    こんなにも多くの苦悩や
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    戸惑いを伴うのでしょう
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    育児掲示板もなく
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    研究発表もなかった大昔から
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    人類が何千年もの間
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    ずっと上手くやってきたことなのに
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    いま私たちが
    大混乱しているのは何故でしょう
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    大勢のお母さん お父さんが
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    子育てを ある種の危機として
    経験しているのは何故でしょう
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    「危機」は言い過ぎと
    思われるかも知れませんが
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    データによると
    言い過ぎではなさそうです
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    その名もズバリ
    『育児という危機』という論文が
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    1957年に発表されています
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    以来50年余りの間に
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    多くの研究がなされ
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    育児の苦悩について
    ある明確なパターンが
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    示されてきました
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    子どもがいる人は いない人より
    ストレスが多く
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    結婚の満足度が低いのです
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    自分の子どもと一緒に
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    時間を過ごす際の
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    親の感情を調べた研究は
    たくさんありますが
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    結果は多くの場合
    あまり芳しくありません
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    去年 私はマシュー・キリングワースという
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    研究者と話しました
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    彼の研究は大変 創意に富んでいて
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    人々の幸福を追跡しているのですが
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    こんな発見があったそうです
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    「友達とのやり取りは
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    配偶者との やり取りよりマシで
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    配偶者との やり取りは
    親戚との やり取りよりマシで
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    親戚との やり取りは
    知り合いとの やり取りよりマシで
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    知り合いとの やり取りは
    親との やり取りよりマシで
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    親との やり取りは
    子どもとの やり取りよりマシ
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    子どもは赤の他人と同等」
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    (笑)
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    しかしポイントはここです
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    私は このデータの根拠を
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    3年間 調べているのですが
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    問題は子どもではないのです
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    問題は 現在の
    今まさに行われている―
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    育児にあるのです
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    具体的に言えば
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    育児とは何なのか
    誰も知らないということです
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    「子どもを育てる」という言葉が
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    一般的に使われるようになったのは
    つい最近 1970年のことです
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    母親 父親としての役割が変わりました
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    子どもの役割も変わりました
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    現在 私たちは皆
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    台本のない難局を必死になって
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    即興で切り抜けている状態です
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    もし あなたがジャズの名奏者なら
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    即興も結構でしょうけど
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    そうでない私たちにとっては
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    それは まるで危機なのです
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    では何故こんなふうに
    なったのでしょう?
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    何故 私たちは現在のように
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    ガイドの基準も持たず
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    子育ての舵を取ることに
    なったのでしょう?
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    始まりは
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    大きな歴史的変化でした
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    ごく最近まで
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    子どもは働いていました
    主な職場は農場ですが
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    他に工場や鉱山でも働いていました
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    子どもは経済的資産と
    考えられていました
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    進歩主義時代と呼ばれた頃に
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    この仕組みは廃止されました
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    子どもには権利があると認め
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    子どもの労働を禁止し
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    代わりに教育に力を入れ
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    学校が子どもの仕事になりました
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    そうなって良かったですよね
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    ただ この変化のせいで親の役割は
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    以前より 分かりにくく なりました
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    昔の仕組みは
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    道徳的ではないにせよ
    お互い様の関係ができていました
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    親は子どもに
    食べ物や住まい
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    道徳教育などを与え
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    子どもは お返しとして
    家にお金を入れる
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    子どもが働けなくなってから
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    子育ての経済的側面に
    変化が起きました
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    冷酷ですが優秀な
    ある社会学者の言葉を借りれば
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    それ以降の子どもの存在は
    こうなりました
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    「経済的には無価値だが
    感情的に大きな価値がある」
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    子どもに働いてもらう代わりに
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    親が子どものために
    働くようになりました
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    その理由は ほんの数十年のうちに
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    はっきりしてきました
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    子どもの成功を望むなら
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    学校だけでは足りないということです
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    現在 子どもの仕事として
    新たに課外活動が加わっていますが
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    それは親の仕事でもあります
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    サッカーの練習に連れて行くのは
    親ですからね
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    山のような宿題は
    今の子どもの仕事ですが
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    親の仕事でもあります
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    宿題のチェックがありますから
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    3年ほど前 あるテキサスの女性の
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    ある言葉に
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    ひどく胸が痛みました
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    彼女はサラッと こう言いました
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    「今どきの宿題は夕食と同じくらい
    手間がかかる」
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    現代の中流階級は
    すべての時間と
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    エネルギーとお金を
    子どものために使っています
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    その中流階級でさえ
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    以前ほどの持ち合わせは
    なくなってきています
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    1965年 ほとんどの女性が
    働いていなかった頃の
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    母親たちと比べ 現代の母親は
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    より多くの時間を
    子どもと一緒に過ごしています
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    もし親たちが 自分のしていることが
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    子どもの何の役に立つのか
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    わかっていたら
    親の役割も簡単になるでしょう
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    これもまた 今どきの子育てを
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    とてつもなく複雑にしている一因です
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    親に知恵があるとしても
    その どこが子どもの役に立つのか
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    さっぱり わからないのです
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    世界の変化は速く
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    予測のしようがありません
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    私の若い頃も すでにそうでした
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    子どもの頃
    厳密には高校のとき
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    新時代のグローバル経済において
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    これができなかったら
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    どうにもならない と言われていたのが
    「日本語」です
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    日本人に対して失礼を承知で
    言いますが
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    そうはなりませんでした
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    昨今は中流階級の中に
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    子どもに熱心に中国語を
    教えている親がいます
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    彼らの予感は当たるかもしれませんが
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    確信は持てません
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    つまり 未来を予測できない以上
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    良き親として せいぜいできることは
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    どんな未来にも対応できるように
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    私たちの努力が一つでも
    報われることを願って
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    とりあえず子どもに
    準備をさせておくことなのです
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    分析の技術が必要になった時に備えて
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    子どもにチェスを教えるし
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    協力の技術が必要になった時に備えて
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    子どもをチームスポーツに
    入れるわけです
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    ハーバード経営大学院への進学に備え
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    とりあえず経済に長けて
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    科学志向で環境に優しく
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    グルテン抜きの子育てを
    やっておくというわけです
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    ここで申し上げておきますが
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    私は環境に優しくもグルテン抜きでもなく
    育てられました
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    離乳食はマカロニ・ビーフでした
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    そして何と 私はちゃんと生きてます
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    税金も納めてますし
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    安定した仕事にも就いています
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    TEDに招かれ講演までしています
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    ただ 恐らくは
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    私や同世代の子たちには
    十分だったことも
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    もはや十分ではないということです
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    だから私たちは猛ダッシュで
    あの本棚に駆けつけるのです
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    何かやり残していることが あるような
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    何もできていないような
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    子どもに対する義務を
    怠っているような気がするからです
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    現代の母親や父親として
    舵を取るのは
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    それだけで大変なことです
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    この問題に さらにもう一つ
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    夫や妻としての舵取りが
  • 9:05 - 9:06
    加わります
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    現代女性のほとんどは
    仕事を持っていますからね
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    私はこれも
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    育児を危機と感じる理由だと思います
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    ルールもない 台本もない 基準もない
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    さらに子どもができた時には
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    ママもパパも仕事があるのです
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    作家のマイケル・ルイスは
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    上手く言ったものです
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    夫婦ゲンカを始めるのに
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    いちばん確実な方法は
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    労働の分担がほんの少しだけ違う
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    他の夫婦と一緒に
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    食事に出かけること
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    なぜなら帰宅する車内での会話が
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    こんなふうになるから
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    「ねぇ聞いた?
    毎朝 子どもを学校へ送ってるのは
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    デイブの方だって言ってたわよね?」
  • 9:53 - 9:57
    (笑)
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    この素晴らしき新世界で
    台本もなく
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    誰が何をすると決まっていなければ
    夫婦ゲンカも起きます
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    そして母親と父親の双方が
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    当然の苦情を持つことになります
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    家にいる時の母親は
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    同時に複数の仕事をこなす傾向が強く
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    家にいる時の父親は
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    一度に一つの仕事しか
    こなせない傾向が強いです
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    男性が家にいたら まず間違いなく
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    何でも一つずつやっているでしょう
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    実際 UCLAは最近の研究で
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    最もよくある中流階級の
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    家族の構図を調べました
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    何だったと思います?
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    「パパが部屋で一人っきり」でした
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    American Time Use Survey(米国民の
    時間の使い方に関する調査)によると
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    母親が育児にかける時間は
    いまだに父親の2倍
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    アーマ・ボンベックの時代よりは
    マシですが
  • 10:46 - 10:48
    彼女が書いたことは
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    今日にも大いに通ずると思います
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    「10月以来ずっとトイレでも
    一人になれなかった」
  • 10:55 - 10:59
    (笑)
  • 10:59 - 11:04
    でも大事なことがあります
    男性も たくさんのことをしているのです
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    現代の男性はその前の世代に比べて
  • 11:06 - 11:09
    多くの時間を子どもと過ごしています
  • 11:09 - 11:11
    平均して妻よりも
  • 11:11 - 11:13
    労働時間が長く
  • 11:13 - 11:15
    協力的な良い父親になりたいと
  • 11:15 - 11:16
    心から望んでいます
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    今日 仕事と生活の両立の難しさを
    最もよく訴えるのは
  • 11:20 - 11:24
    母親ではなく父親です
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    いずれにせよ
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    もし この役割の問題を解決するのが
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    従来型の家庭にとって難しいなら
  • 11:30 - 11:32
    従来とは異なる型の家庭ではどうか
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    ちょっと想像してみてください
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    父親が2人いる家族や
    母親が2人いる家族
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    ひとり親の家庭
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    彼らはまさに その場その場で
    乗り切っていますよ
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    もっと先進的な国に目を移せば
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    月並みな例で申し訳ないですが
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    ご存知 スウェーデンでは
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    親は支援について
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    行政を当てにすることができます
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    母親や父親の不安や
  • 11:59 - 12:01
    役割の変化を
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    認める国もあります
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    残念ながらアメリカは
    その中には入っていません
  • 12:06 - 12:08
    パプアニューギニアやリベリアと
  • 12:08 - 12:14
    アメリカとの共通点って
    何かなと思われたら
  • 12:14 - 12:17
    これが答えです
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    有給の産休制度がないということです
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    この制度がないのは世界に8カ国で
    アメリカはその一つです
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    極めて混沌としたこの時代に
  • 12:31 - 12:35
    すべての親が賛同できる
  • 12:35 - 12:37
    ゴールはただ一つです
  • 12:37 - 12:38
    それは どんな親でも
  • 12:38 - 12:43
    タイガー・マザーだろうと ヒッピーだろうと
    ヘリコプター・ペアレンツだろうと
  • 12:43 - 12:47
    子どもの幸せは何物にも変えがたい
    ということです
  • 12:47 - 12:49
    それが「経済的には無価値だが
  • 12:49 - 12:51
    感情的に大きな価値がある」
  • 12:51 - 12:53
    と言われる時代に
  • 12:53 - 12:55
    子どもを育てる意味です
  • 12:55 - 12:59
    私たち親の役目は
    子どもの自尊心を育み 見守ることです
  • 12:59 - 13:03
    親なら当然と思える合言葉があります
  • 13:03 - 13:08
    「願いはただ一つ
    我が子に幸せになってもらいたい」
  • 13:08 - 13:10
    誤解しないでいただきたいのですが
  • 13:10 - 13:15
    幸福は子どものゴールとして
    素晴らしいとは思います
  • 13:15 - 13:19
    ただ それでは捉えどころがないのです
  • 13:19 - 13:23
    幸福や自信を
    子どもに教えるというのは
  • 13:23 - 13:25
    畑の耕し方を
  • 13:25 - 13:26
    教えるのとは違います
  • 13:26 - 13:29
    自転車の乗り方を教えるのとも
    違います
  • 13:29 - 13:31
    カリキュラムはありません
  • 13:31 - 13:35
    幸福や自信は他のことをやった
    副産物であって
  • 13:35 - 13:38
    それ自体が目的ということは
    ありえないのです
  • 13:38 - 13:40
    子どもの幸せを
  • 13:40 - 13:44
    親の責任にするのは
    あまりにも不当です
  • 13:44 - 13:46
    幸福を子どもの責任にするのは
  • 13:46 - 13:49
    もっと不当です
  • 13:49 - 13:51
    お伝えしたいことがあります
  • 13:51 - 13:55
    とても奇妙な考え過ぎに
    つながりそうですが
  • 13:55 - 13:58
    今の私たちは不安でいっぱいです
  • 13:58 - 14:01
    世界の醜いことから
    子どもを守るべく
  • 14:01 - 14:06
    子どもを『セサミストリート』から
    遠ざけなくちゃいけないほどです
  • 14:06 - 14:08
    冗談だったらよかったのですが
  • 14:08 - 14:10
    『セサミ・ストリート』の初期の放映分が
  • 14:10 - 14:13
    DVDになっています
    私は懐かしくて買いました
  • 14:13 - 14:16
    皆さんもご覧になれば わかります
  • 14:16 - 14:20
    冒頭に こんな警告が出るんですよ
  • 14:20 - 14:22
    「子どもには
  • 14:22 - 14:24
    不適切な内容です」
  • 14:24 - 14:26
    (笑)
  • 14:26 - 14:27
    もう一度 言いますよ
  • 14:27 - 14:30
    『セサミストリート』の内容は
    もともと
  • 14:30 - 14:33
    子どもには不適切だったのです
  • 14:33 - 14:37
    ニューヨーク・タイムズ紙に
    この意味を問われて
  • 14:37 - 14:40
    番組プロデューサーが
    さまざまな説明をしました
  • 14:40 - 14:43
    その一つは ある場面で
    クッキー・モンスターが
  • 14:43 - 14:45
    パイプを吸った後 飲み込んだ
  • 14:45 - 14:46
    悪いお手本…ですかね
  • 14:46 - 14:49
    ただ 私が気になったのは
  • 14:49 - 14:52
    プロデューサーのこの言葉です
  • 14:52 - 14:56
    今だったら ひねくれ者のオスカーは
    生み出せなかったかも
  • 14:56 - 15:01
    精神的に問題がありすぎるから
  • 15:01 - 15:03
    おかげで私も何度落ち込んだことか
  • 15:03 - 15:05
    (笑)
  • 15:05 - 15:07
    皆さんの目の前にいる この私は
  • 15:07 - 15:10
    『マペット』のキャラクターを配した
    元素周期表を
  • 15:10 - 15:13
    オフィスの壁に貼っている人間です
  • 15:13 - 15:17
    例の問題児キャラが そこにいます
  • 15:18 - 15:23
    これは生まれたばかりの うちの息子です
  • 15:23 - 15:25
    私はモルヒネで
    ひどく興奮した状態でした
  • 15:25 - 15:29
    急に帝王切開になったのです
  • 15:29 - 15:33
    鎮静剤のせいで
    もうろうと しながらも
  • 15:33 - 15:36
    息子を初めて抱いたとき
  • 15:36 - 15:38
    ある明確な考えを持つことができました
  • 15:38 - 15:40
    私はそれを息子の耳元で囁きました
  • 15:40 - 15:49
    「あなたを傷つけないよう
    一生懸命 頑張るわ」
  • 15:49 - 15:51
    それは「ヒポクラテスの誓い」
  • 15:51 - 15:54
    その時は自分が何を言っているかも
    わかりませんでした
  • 15:54 - 15:57
    でも今になって わかるのです
  • 15:57 - 15:59
    あのヒポクラテスの誓いは
  • 15:59 - 16:03
    「幸福」よりも
    ずっと現実的な目標です
  • 16:03 - 16:07
    実際 親たちが口を揃えて言うように
  • 16:07 - 16:10
    とんでもなく難しいことです
  • 16:10 - 16:14
    親なら誰しも
    なかったことにしてほしいと神に祈るほど
  • 16:14 - 16:20
    傷つけるようなことを言ったりやったり
    するものです
  • 16:20 - 16:23
    今ほど自分たちに多くを望む時代は
  • 16:23 - 16:27
    過去になかったと思います
  • 16:27 - 16:31
    重要なのは
    今度また胸を高鳴らせて
  • 16:31 - 16:35
    あの本棚を見つめることがあったら
  • 16:35 - 16:39
    それを思い出すことでしょう
  • 16:40 - 16:44
    今の世界に合うような
    新しい基準の作り方は
  • 16:44 - 16:45
    私にはわかりません
  • 16:45 - 16:48
    でも私は思います
  • 16:48 - 16:52
    子どもの幸せのため
    必死に努力する中で 私たち親は
  • 16:52 - 16:55
    誤った道徳的責任を勝手に
    背負い込んでいるかもしれません
  • 16:55 - 16:56
    私が目標としてより良く
  • 16:56 - 16:59
    あえて言うなら
    より立派だと思うのは
  • 16:59 - 17:01
    生産力がある子や
    道徳的な子を
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    一生懸命 育てて
  • 17:03 - 17:05
    子どもの善行や 成果や
  • 17:05 - 17:08
    自分に注がれていると感じる親の愛に
  • 17:08 - 17:10
    見合うだけの幸福が
  • 17:10 - 17:13
    子どもに巡ってくるよう
    そっと願うことでしょう
  • 17:13 - 17:18
    それも結局 台本がないおかげで
    起きることなのです
  • 17:18 - 17:22
    現代版の台本はなくても
  • 17:22 - 17:25
    本には古くからの教えが載っています
  • 17:25 - 17:31
    礼儀 勤労 愛
    それに従うだけです
  • 17:31 - 17:35
    幸福や自信は
    自然にどうにかなるでしょう
  • 17:35 - 17:37
    もし親が全員そうしても
  • 17:37 - 17:41
    子どもたちは大丈夫
  • 17:41 - 17:44
    親たちも大丈夫
  • 17:44 - 17:48
    もしかしたら 双方にとって
    その方が ずっとマシかも知れません
  • 17:48 - 17:49
    ありがとうございました
  • 17:49 - 17:53
    (拍手)
Title:
幸福は親には高すぎるハードル
Speaker:
ジェニファー・シニア
Description:

書店の育児コーナーには圧倒されます。作家のジェニファー・シニアが言うとおり、それは「巨大でカラフルな、皆のパニックの象徴」です。親であることは何故こんなにも不安だらけなのでしょうか?その理由は、現代の中流家庭の親たちが目指す、「幸せな子どもを育てる」という目標があまりに捉えどころがないからです。この歯に衣着せぬトークでは、より私たちに寄り添った達成しやすい目標が示されます。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
18:11

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