重力波天文学:宇宙の新しい窓 | マーティン・ヘンドリー | TEDxGlasgow
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0:15 - 0:17よく語られる都市伝説に
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0:17 - 0:22中国の全人口が
一斉にジャンプしたら -
0:22 - 0:24地球が揺れて 地軸が傾く
というのがあります -
0:24 - 0:27計算したんですから
信じて下さい -
0:27 - 0:29地球の軸は全く動じません
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0:29 - 0:32ただ 1980年代イギリスで育った方同様
私は -
0:32 - 0:37気象予報士マイケル・フィッシュの
ハリケーンの甘読み予報も 思い出します -
0:37 - 0:42とは言っても
たった1人でもジャンプしたなら -
0:42 - 0:45「地球を動かす」ことはできるんです
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0:45 - 0:48ただ 「動く」という程ではありませんが
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0:48 - 0:53そんな微小変化の測定が
できると仮定しましょう -
0:53 - 0:56科学者たちがジャンプして起きる
地球の振動とは関係ないのですが -
0:56 - 0:58精度の高い測定値が得られるなら
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0:58 - 1:02銀河を隔てた恒星の爆発によって起きる
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1:02 - 1:07空間そのものの変化や形がわかるのです
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1:07 - 1:10SFの話のようですが
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1:10 - 1:13実際そんな計測装置があるのです
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1:13 - 1:16レーザー干渉計と呼ばれる
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1:16 - 1:21最先端を行く科学的装置の1つです
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1:21 - 1:23数年で
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1:23 - 1:25この技術は
宇宙を全く違う見方で眺める -
1:25 - 1:31重力波天文学に未来を
開いてくれるに違いないと思っています -
1:31 - 1:37重力波は光とは異なります
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1:37 - 1:43電磁波のスペクトルは
ラジオ波からガンマ線まで広がりますが -
1:43 - 1:46重力波はそこには属しません
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1:46 - 1:48光には多くの様々な種類があります
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1:48 - 1:51過去60年程に
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1:51 - 1:54あらゆる種類の光を使った 宇宙探索が
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1:54 - 1:56かなり進んできました
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1:56 - 1:59地上に巨大電波望遠鏡を備え付けたり
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1:59 - 2:02ガンマ線観測衛星を打ち上げたりして
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2:02 - 2:05これら異なるのぞき窓から
私たちは宇宙を観測し -
2:05 - 2:09宇宙の仕組についての
驚くべき事象を発見し -
2:09 - 2:12星の誕生と死や
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2:12 - 2:14銀河の中心部を
探索して来ました -
2:14 - 2:21他の恒星を周回する
地球のような惑星も探し始めました -
2:21 - 2:25しかし重力波スペクトルは
全く別物となるでしょう -
2:25 - 2:27宇宙に開かれた1つの窓として
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2:27 - 2:32最も凄まじい高エネルギー天体現象—
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2:32 - 2:39恒星の爆発 ブラックホールの衝突 そして
ビッグバンさえも捉えられるでしょう -
2:39 - 2:40では 宇宙における重力波の窓から
何が分かるのでしょうか -
2:40 - 2:43では 宇宙における重力波の窓から
何が分かるのでしょうか -
2:43 - 2:47最も期待されるのは
まだ分からないこと— -
2:47 - 2:49いわゆる未知の未知—
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2:50 - 2:53つまり まだ誰も存在すら
知らないことに関してです -
2:53 - 2:56数年掛かるでしょうが
それ程遠い未来ではありません -
2:56 - 2:59重力波に関してお話しする前に
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2:59 - 3:01重力について考えてみましょう
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3:02 - 3:05皆さんもご存知の
もう1つの都市伝説 -
3:05 - 3:09ニュートンの頭に落ちた
りんごの話があります -
3:09 - 3:13実際にりんごが
関わっていたかは別として -
3:13 - 3:19どこからかインスピレーションを得て
ニュートンはうまい理論を編み出しました -
3:19 - 3:23その構築した同じ物理法則を使い
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3:23 - 3:26彼は木から落ちるリンゴも
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3:26 - 3:28地球を周回する月をも
説明付けたのです -
3:29 - 3:32彼はこれを「万有引力の法則」
と呼びました -
3:32 - 3:37これは基本的に宇宙の全ての物は
互いに引き合うという -
3:37 - 3:41美しい理論であり
非常に実用的でもあり -
3:41 - 3:44300年以上 様々なことに
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3:44 - 3:47役立ってきました
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3:47 - 3:49そのお陰で世界を
半周する飛行機や -
3:49 - 3:53月と地球を往復するロケットが
作られているのです -
3:53 - 3:59しかしニュートンの万有引力の法則には
哲学的問題があります -
3:59 - 4:04極めて基本的なレベルで
意味をなさない点があります -
4:04 - 4:08ニュートンの説明では
地球と月の間に力が働くのです -
4:08 - 4:12月はどうして地球に引かれていると
わかるのでしょうか -
4:12 - 4:15地球からの引力がどうやって
月まで届くのでしょう -
4:16 - 4:2020世紀初頭
アインシュタインもこの問題に -
4:20 - 4:22頭をひねりました
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4:22 - 4:27そして 実に見事な解答に
行き着いたのです -
4:27 - 4:32アインシュタインは
科学者セレブ第一号かもしれません -
4:32 - 4:341955年に他界したものの
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4:34 - 4:411999年に「20世紀の人」として
タイム誌に選ばれたのです -
4:41 - 4:44もっとも ネットの投票では
別の人物が選ばれていますが -
4:44 - 4:46エルヴィス・プレスリーです
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4:46 - 4:47(笑)
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4:47 - 4:50私は皆さんのように
エルヴィスの大ファンですが -
4:50 - 4:53ここはタイム誌の編集者に同意します
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4:53 - 4:58現に大学の私の研究室には
アインシュタインの人形があります -
4:58 - 4:59(笑)
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4:59 - 5:03アインシュタインが「20世紀の人」なら
彼は一体何をしたのでしょう -
5:03 - 5:08重力とは何なのか
私たちに再考させたのです -
5:08 - 5:11彼の理論は
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5:11 - 5:15地球と月の間 リンゴと木の間に
重力が働いている というより -
5:15 - 5:20それらの間の時空そのものが
歪んでいるというものです -
5:20 - 5:22こう1つ例えてみるといいでしょう
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5:22 - 5:25地球がピーンと張った
トランポリンのネットのような -
5:25 - 5:27ゴム製のシートの上に乗り
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5:27 - 5:30非常に大きな質量の地球が
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5:30 - 5:33ゴムシートを大きく凹ませている
というものです -
5:33 - 5:35ここで必要でなくなるのは
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5:35 - 5:39地球から月への引力の説明です
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5:39 - 5:43月は 地球周囲の時空の
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5:43 - 5:46自然な曲がりや凹みに
沿って動いているだけです -
5:46 - 5:48実際アインシュタインは
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5:48 - 5:52時間と空間は個別に
扱うべきではないとして -
5:52 - 5:56時空の織りなす構造の理論を
展開しました -
5:56 - 6:02重力は 時空の歪みだ
だというものです -
6:02 - 6:06もう1人の物理学者
ジョン・ホイーラーは これを -
6:06 - 6:13時空は物体の動きを規定し
物体は時空の歪みを決定すると簡潔に述べました -
6:14 - 6:17これは自然と宇宙に関する
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6:17 - 6:18壮大なる基本ですが
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6:18 - 6:23実用的な応用も多く含まれます
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6:23 - 6:26微弱な重力の地球上においても
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6:26 - 6:29アインシュタインの理論により
ある大きなことが予測されています -
6:29 - 6:32たぶんお気づきでないかも知れません
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6:32 - 6:34例えば このことを知っていましたか?
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6:34 - 6:38時計は地上では
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6:38 - 6:40はるか上空の時計よりゆっくり進むのです
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6:40 - 6:42地上の方が重力場が強いせいです
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6:42 - 6:44ある映画の1場面を
覚えておられるでしょう -
6:44 - 6:46『ミッション : インポッシブル
ゴースト・プロトコル』で -
6:46 - 6:49トム・クルーズが
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6:49 - 6:53世界一高い超高層ビル
ブルジュ・ハリファをよじ登るのを -
6:53 - 6:56地上800mでさえ—
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6:56 - 6:58トムはそんな余裕もなかったでしょうが—
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6:58 - 7:03彼の時計は地上の時計より
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7:03 - 7:05数十億分の1秒速く
動いていたのです -
7:05 - 7:08数十億分の1秒の差だけ?
と思うでしょう -
7:08 - 7:11それだけでGPSには
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7:11 - 7:13十分に違いが出てくるのです
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7:13 - 7:18GPS衛星のデータが
補正の必要があるのは -
7:18 - 7:21衛星のある高度では
時間が速く進むからです -
7:21 - 7:25それが なんと1日に
40マイクロ秒もあるのです -
7:26 - 7:29衛星からの無線信号や
マイクロ波信号の伝播速度は -
7:29 - 7:3340マイクロ秒に約10キロなので
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7:33 - 7:37もし衛星ナビゲーションが
10キロ内しか正確に機能しないとしたら -
7:37 - 7:39どれ程酷いことになるか考えてみて下さい
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7:39 - 7:42それでは私たちは瞬く間に
道に迷ってしまいます -
7:42 - 7:46それでアインシュタインの
重力理論や一般相対性理論は -
7:46 - 7:51私たちの日常生活に実際に
大きく影響しているのです -
7:51 - 7:55しかしそれは深宇宙では
最大限の形で現れています -
7:55 - 7:58重力とはすなわち時空の湾曲であるなら
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7:58 - 8:00こういう思考実験が出来ます
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8:00 - 8:05微小な空間に物質を
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8:05 - 8:08時空が曲がる程 詰め込むと
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8:08 - 8:12光さえ重力にガッチリと捕まり
抜け出すことはできません -
8:12 - 8:15ブラックホールを作ってしまったのです
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8:15 - 8:19アインシュタイン時代に
ブラックホールは推論立てられました -
8:19 - 8:231916年にアインシュタインの
理論が発表された直後 -
8:23 - 8:26ある若い科学者の
素晴らしい論文が出ました -
8:26 - 8:29その科学者は
第1次世界大戦で前線にいた -
8:29 - 8:31カール・シュヴァルツシルトです
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8:31 - 8:34彼の論文がブラックホールの始まりでした
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8:34 - 8:39ブラックホールは確かに
SFの分野に属する話のようですが -
8:39 - 8:42私たち天文学者はブラックホールは
実在すると確信しており -
8:42 - 8:45ブラックホールから光が抜け出すことは
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8:45 - 8:48まさしくミッション・インポシブルです
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8:48 - 8:51最期を迎え爆発した星の残骸に
ブラックホールがあります -
8:51 - 8:54宇宙の ほとんどどの銀河にも
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8:54 - 8:58その中心に超巨大な
ブラックホールがあるようです -
8:58 - 9:03ブラックホールが光速に近い速さで動くなら
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9:03 - 9:05時空が大幅に揺らぐでしょう
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9:05 - 9:09トランポリンのネットに
大砲の弾丸を落とすようにです -
9:09 - 9:11それで広がる波紋が
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9:11 - 9:15重力波と呼ばれるものです
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9:15 - 9:19重力波はブラックホールや
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9:19 - 9:22それよりもやや質量の小さい
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9:22 - 9:24中性子星から生まれているのです
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9:24 - 9:26その両方が光速に近い速さで
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9:26 - 9:28衝突するなら
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9:28 - 9:30実に大きな波が発生するでしょう
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9:30 - 9:32それが私たちが
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9:32 - 9:37重力波天文学分野に乗り出し
探し求めているものです -
9:38 - 9:39それが簡単ならいいのですが
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9:39 - 9:42これが計画で
実際の仕事が困難な理由は -
9:42 - 9:44重力波がブラックホールのある時空を
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9:44 - 9:47大きく揺さぶり
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9:47 - 9:51池の水面に広がる水紋のように
宇宙中に広がっても -
9:51 - 9:53次第に弱くなって行き
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9:53 - 9:55地球に届くころには—
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9:55 - 9:58時空の振動を測定するなら—
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9:58 - 10:02大雑把に言って100京分の1メートル
程しかありません -
10:02 - 10:04これでは なかなか測れません
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10:04 - 10:06では その方法とは?
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10:06 - 10:09ラスベガスのマジックショーみたいに
聞こえるかもしれませんが -
10:09 - 10:12鏡とレーザーを使って測ります
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10:13 - 10:17レーザー光線を鏡に照射し
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10:17 - 10:21互いに直角をなす2本の光線に分割し
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10:21 - 10:24それを鏡に反射させ
再び重ね合わせて -
10:24 - 10:26それを解析するというものです
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10:26 - 10:30その両方の光線が
全く同じ距離を進んだなら -
10:30 - 10:34両方は完全に一致する光になります
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10:34 - 10:37他の全ての光のように光の波であり
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10:37 - 10:39波の連なりがぴたりと合うのですが
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10:39 - 10:42進んだ距離が異なると
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10:42 - 10:45波列がずれて
お互いに干渉し合うのです -
10:45 - 10:48それを干渉現象と呼びます
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10:48 - 10:53それで「レーザー干渉計」という
名前がついているのです -
10:53 - 10:57重力波を捕まえるためには
レーザー干渉計は -
10:57 - 11:00素晴らしい装置なのです
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11:00 - 11:03恐ろしく微小な重力波シグナルを
キャッチしなくてはならないので -
11:03 - 11:08その開発は大変困難な技術課題です
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11:08 - 11:11アインシュタインの理論では
重力波が通り過ぎると -
11:11 - 11:16その周りの時空は
伸びたり縮んだりするのですが -
11:16 - 11:18驚く程の微細な変化です
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11:18 - 11:22私たちはレーザー光線と干渉縞を使って
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11:22 - 11:25重力波が通ったかどうかを検出しています
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11:25 - 11:29しかし実験規模を拡大しなくては
全くどうにもなりません -
11:29 - 11:32さてここで LIGO の出番です
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11:32 - 11:37LIGOは
レーザー干渉計重力波観測所の略語です -
11:37 - 11:40今 最も野心的で最先端をいく
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11:40 - 11:45全米科学財団の科学プロジェクトです
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11:45 - 11:47実は LIGOは2カ所あり
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11:47 - 11:52ルイジアナ州に1つ
ワシントン州にもう1つあります -
11:52 - 11:54それに加え 干渉計のある2観測所—
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11:54 - 11:59ドイツのGEOとイタリアのVirgoと共に
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11:59 - 12:02重力波検知の早期発見システムを
作っています -
12:02 - 12:05かなり人里離れた場所に
LIGOは建てられており -
12:05 - 12:08地元の人は それが本当は何なのか
知らないと思います -
12:08 - 12:12LIGOの私の同僚の1人は
リビングストン上空の機内から -
12:12 - 12:16観測装置を見下ろしている
隣席の乗客にこう話しかけられたのです -
12:16 - 12:18「私が思うに きっとこれは
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12:18 - 12:21政府の秘密のタイムマシンよ」
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12:21 - 12:24私の同僚は それに
何と答えていいか分からず -
12:24 - 12:27「じゃあ なぜ L字形なんでしょう?」
みたいなことを言うと -
12:27 - 12:29彼女は「あぁ それは また
戻ってこなくちゃいけないからよ」 -
12:29 - 12:31(笑)
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12:31 - 12:34タイムトラベルは
確かにSFの話ですが -
12:34 - 12:37私たちは重力波発見を
心から期待しています -
12:37 - 12:39数年で科学的事実となるでしょう
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12:39 - 12:41それは大変なことです
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12:41 - 12:43私たちが測定しようとしている
本当に微細な変化は -
12:43 - 12:48宇宙空間での現象ではなく
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12:48 - 12:50地上で起きる
あらゆる日常の現象に影響され -
12:50 - 12:54埋没してしまう可能性があります
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12:54 - 12:56それで何をすべきかというと
鏡を― -
12:56 - 12:58マテリアルテクノロジーの
限界に挑戦するような -
12:58 - 13:02非常に複雑な懸架装置の上に設置します
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13:02 - 13:05レーザー光線の光路にある
空気の流れさえ -
13:05 - 13:06シグナルを擾乱するので
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13:06 - 13:09地上で最も高度な超真空システム中で
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13:09 - 13:12レーザーを往復させなくてはなりません
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13:12 - 13:17私たちが呼吸している大気圧の
1兆分の1ほどです -
13:17 - 13:21これら全ての装置を作るのに
数億ドルかかるので -
13:21 - 13:23重力波が少しは
検知されて欲しいところです -
13:23 - 13:26それには多くの科学者の協力が必要です
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13:26 - 13:30私たちはグラスゴー大学で
LIGO科学コラボレーションの -
13:30 - 13:33世界中からの900人を超える
科学者やエンジニアと共に -
13:33 - 13:35重力波を探し求めています
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13:35 - 13:37まだ検知されてはいません
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13:37 - 13:41干渉計が世界に複数あるのは
割引価格があるからではありません -
13:41 - 13:472基のLIGO干渉計が
重力波を同時に検知したなら -
13:47 - 13:50確かに何かが検出されたと
確信できるからです -
13:50 - 13:54それがVirgoやGEOでも検知されれば
さらに確信度は高まります -
13:54 - 13:59高性能検出器の世界的ネットワークが
もう直ぐ出来上がります -
13:59 - 14:02現在のLIGO干渉計は
感度が十分ではありません -
14:02 - 14:04もっと重い鏡を取り付け
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14:04 - 14:08改良された鏡懸架装置を設置し
さらに強力なレーザーを使う計画です -
14:08 - 14:11これは2016年までに終わる予定です
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14:11 - 14:15性能の高い重力波干渉計のネットワークができ
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14:15 - 14:17重力波を探し出すことになるでしょう
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14:17 - 14:20では 見つかるまで
どれ程かかるでしょうか -
14:20 - 14:23はっきりは分かりませんが
言えることは -
14:23 - 14:25数ヶ月もかからないだろう
と思っています -
14:26 - 14:28去年のカンファレンスでは
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14:28 - 14:31ポーランドの私たちの研究チームは
見つけられる日を -
14:31 - 14:33割り出そうとして
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14:33 - 14:35ちょっと冗談で
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14:35 - 14:392017年の元旦だと予測しました
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14:39 - 14:42その日は大学で
仕事をしている人はまずいない -
14:42 - 14:43と付け加えてね
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14:43 - 14:44(笑)
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14:44 - 14:46しかしながら 重力波の検出は間近です
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14:46 - 14:49私たちは宇宙のこの新しい窓を
開けようとしています -
14:49 - 14:52今や 天文学者にとって
大きなときめきを感じる時代です -
14:52 - 14:54ありがとうございました
-
14:54 - 14:56(拍手)
- Title:
- 重力波天文学:宇宙の新しい窓 | マーティン・ヘンドリー | TEDxGlasgow
- Description:
-
重力が時空を歪めることや、超高層ビルの屋上では時計が速くなる、ということを知っていましたか。マーティン・ヘンドリーは、どのようにアインシュタインの重力理論がこの世界を理解する基礎となり、史上最も精度の高い機能を持つ科学機械であるレーザー干渉計の真髄にあるレーザーが、どのように宇宙に新しい窓を開くかを説明します。
このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは http://ted.com/tedx をご覧ください。 - Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDxTalks
- Duration:
- 15:07