現実に使える技能をゲームプレイから得る | リズ・フィアッコ | TEDxChapmanU

リズ・フィアッコはクリエィティブな起業家でゲーム・デザイナーであり、Fallstreak Studioの共同創業者です。彼女は、TVゲームが技術の習熟を指導して促し、現実の社会に違いを生み出せるということを主張します。
このビデオはTEDカンファレンスとは独立して運営されるTEDxイベントにおいて収録されたものです。

世界中には学び習熟すべきことが
これほど沢山あるのに

人はどうしたら 偶像や天才
一匹狼の先駆者になれるのでしょうか？

思うに ここにいる私たちのほとんどが

アニメ『アドベンチャー・タイム』の
デーモンキャットとなっているのです

例の「多くのことを だいたい知っているんだ」
というキャラのように

幸運なことに ひとつのことに関する知識は
実際 他のことを習得する助けとなったり

少なくとも 有利なスタートを
切る助けとなります

私の名は リズ・フィアッコ

私はここチャップマン大学を昨年卒業しました

視覚芸術とゲーム開発の分野で
美術学士を習得しました

『Axel』というゲームの開発をした
仲間たちと一緒に

卒業後は Fallstreak Studio
という会社を立ち上げました

私たちは２万ドルの資金をKickstarterを通し
クラウドファンディンクで得ましたが

それには 大変な仕事と
大幅な方針転換が伴いました

それには 大変な仕事と
大幅な方針転換が伴いました

私は絵コンテを専門に

4年間アニメと映像を勉強していました

それから突然 ビジネスマンと

ビジネスウーマンばかりの世界に
飛び込んだのです

そう私は少しだけ場違いだったのです

幸運なことに ここにいる皆さんは
時々こんな体験をしています

それは学外で学んだ何かが

どこかで予想外に
使えるものになったという経験です

例えば 子どもの頃にマシュマロを焼いている時

息を吹きかけると火が強くなる
ということを学習します

また 水や砂などを用いて
火を消すということも

習得しているのです

マシュマロを焼くだけでも
素晴らしいですよね

それから高校の化学の授業で

燃焼反応を勉強する時には すぐさま

物が燃えるには酸素が必要である
理由を理解します

元々この知識を持っているからです

でも マシュマロを焼いていた時には
化学のことなど考えていなかったでしょう

もちろん 両親がそのことを教えるほどの
オタクでなければね

私は卒業後にこの能力 ―

応用の利く技能を
活用しました

アニメ映像の教育成果を

ビジネスに転用したのです

まず最初に 業界で
私が感じた戸惑いは

皆が私にこの質問を聞いてばかり
ということでした

「誰が顧客ですか？」

私は大抵こう答えました
「誰でも

誰か お願いです　
私の製品を買ってください！」

しかし それは
期待された答ではありません

そして Kickstarter用の
動画を作る時になって

業界の人が
マーケティングの対象を聞いてくるのは

映像制作者たちが 「誰が観客ですか？」と
聞くのと同じだと分かったのです

それは実にはっきりした展望を私に示してくれました

それから私は マーケットを立ち上げ
ゲームを売り込むことについて

もっと良い選択ができるようになったのです

応用が利く技能とは
とても便利ですが

ある意味で予測のできないものなのです

ある場所で学んだことが
いつになったら

他所でも役に立つのか
見当もつきません

しかも 全員が違った背景と経験を持っているので

共有することが難しいのです

もし あなたが応用の利く技能を
誰かに教えたとしても

その人は その技能を
経験したことにはならないのです

しかし それは素晴らしい学習の手段なので

日々の問題解決の一部にする方法があるべきです

それはテレビゲームがまさに輝くことができる場所であると
私は考えます

ゲームは応用が利く技能を磨くための
完璧なメディアです

でも TVゲームで
何か技能を学ぶと言われたら

あるポケモンを
きわめて簡単に手に入れられる技能なんてことを

考えるかもしれません

それは日常では
さほど有用な技能ではありません

でも ゲームの
『ロック・バンド』を考えたら

『ロック・バンド』で
ドラムのたたき方を学び

最終的に
シンコペーションのリズムや

基本的なドラムのテクニックを
習うことになるのです

とても素敵ですね

それらのゲームの優れた点は
学びと確認のサイクルが早いことです

プレイヤーは新しいことを学んだら
すぐに実行に移せます

それから繰り返し試されることになるわけです

大ヒットしたゲームである『Portal』は
実に70％がチュートリアルです

ですからそれは 無味乾燥な教材ではなく

むしろTVゲームを通して教えることで
うまく伝えているのです

さらに ゲームなら
失敗から学ぶことも出来ます

私は『ドンキー・コング・カントリー・リターンズ』を
クリアするまでに

おそらく何百回と道に迷い 死にました

もしも 私が学校で何百回とテストに失敗したなら
とてもつらい時期を過ごすことになるでしょう

しかし TVゲームなら幸運なことに
失敗から学ぶことが出来るのです

また 今日のテクノロジーでは
TVゲームは実に複雑な

システムをまねることが出来ます
そしてそれらは対話的です

すなわち 生徒やプレイヤーは
システムについての要素を変更することができるし

そのゲーム世界での反応を見ることが出来ます

そのような力の全てが
TVゲームにはあるのです

しかし
現実の技能や内容を反映した技法でなければ

そこから応用が利く技能は得られません

たとえばゲームの『リスク』
私は『リスク』が好きで結構強いんです

『リスク』がうまくなるためには
地図を理解する必要があります

全ての国がどこにあり
どことどこが国境を接するのか

その知識が『リスク』で
強くなるには必要です

そしてその知識は世界地理を勉強する時に
助けとなるのです

またもっと心をとらえるゲームの例は『Foldit』です

『Foldit』はタンパク質を「折りたたむ」ゲームです

科学者たちが実際に研究していることですが

それはパズルゲームですし
とても楽しいものです

そのうえ プレイヤーは実際
タンパク質の折りたたみを

ゲームが発売されて
実に２～３週間で完成したのです

それは科学者たちが
何年も頭を悩ませたものでした

とてもかっこいいです
すごい威力です

また 自分で何かを発見しながら進めるように
デザインされたゲームもあります

戦略や技能を見つけ出すと

その重要性がとてもよく理解できます

『リスク』をまた例にとりますが
ナポレオンがロシアを通って軍を東に進めている時

どんなに困難に遭遇したか
私は 初めて身に染みてわかった気がします

不可能なことだったのです

そうです 応用が利く技能は非常に重要です

しかし歴史的にそれらは
偶然や必要に駆られた時

そして大ピンチの時だけに使われていました

もし私たちがそれらを心に留めていたら

それらをよりパワフルなものに
することが出来ます

私たちの開発したゲームや
その他メディアへの導入を開始できます

ですから　ゲームを単なる暇つぶしだと
考えている教師たちに

見直すことを促してください

ゲームの中に現実世界に使えるアイデアと
概念と内容を見いだす努力をして下さい

実際にその内容を教室に持ち込むためにです

なぜならこれらのゲームは必ずしも
教育目的ではないからです

『リスク』は
教育ゲームだとは思われていません

そして『Foldit』はまさに
パズルゲームなのです

しかし それらのゲームには
価値ある経験が含まれています

ですから 積極的につながりを探すことで

あなたは実際に応用が利く技能 を
有益に使うことが出来ます

もしも ご自身の経験がバラバラのままなら

『アドベンチャータイム』の
デーモン・キャットのままで終わります

「多くのことを だいたい知っているんだ」
に過ぎません

しかし応用が利く技能を使うことは

知識が豊富であるだけなのと
天才であることの違いとなりえます

私は皆さんに外へ出て あなたにとっても

多くの人にとっても応用の利く可能性のある

経験を積む努力をしてほしいのです

現在 広い応用の利く経験が

TVゲームを通して得られ

この世代のすべての人に偶像や天才
一匹狼の先駆者になる―

チャンスがあることを認識してほしいのです

ありがとうございました

（拍手）