人類の台頭はいかにして起こったか?
-
0:01 - 0:067万年前 我々人類の祖先は
取るに足りない程のちっぽけな動物でした -
0:06 - 0:09先史時代の人類について知っておくべき
最も重要なことは -
0:09 - 0:13人類は重要な存在でなかったということです
-
0:13 - 0:18人類がおよぼす地球への影響は
クラゲやホタルやキツツキと -
0:18 - 0:20大して変らなかったのです
-
0:21 - 0:24ところが 今日では
人間がこの地球をコントロールしています -
0:25 - 0:26ここで疑問が湧きます
-
0:26 - 0:29いかに その先史時代から
ここまでに至ったのか? -
0:30 - 0:33アフリカ大陸の片隅で
自分たちが生きるのに精一杯な -
0:33 - 0:37取るに足らない存在の類人猿から
-
0:37 - 0:39地球の支配者になったのか
-
0:40 - 0:45大抵 この疑問に対し
人間とそのほか全ての動物を比較して -
0:45 - 0:47個々の違いに目を向けます
-
0:47 - 0:50我々が信じたいのは - 私が信じたいのは
-
0:50 - 0:54人間には 特別な何かがあるということです
-
0:54 - 0:56人間の身体や脳に
-
0:56 - 1:02犬や豚やチンパンジーより ずっと優れている
特別な何かがあると信じたがります -
1:03 - 1:07しかし 実は 個々の能力のレベルでは
-
1:07 - 1:10恥ずかしながら
チンパンジーと差はないのです -
1:10 - 1:15さらに言えば もし私ひとりと一匹のチンパンジーを
孤島に置き去りにした場合 -
1:15 - 1:21生き残りをかけて必死になりますが
どちらが上手く生き延びる可能性があるかー -
1:21 - 1:25私なら チンパンジーに賭けますね
-
1:25 - 1:28これは私に問題があるわけではなくて
-
1:28 - 1:33ほとんどの人が たった一人で
-
1:33 - 1:35チンパンジーと孤島に置かれたら
-
1:35 - 1:38チンパンジーの方が
よっぽど生存可能性が高いでしょうね -
1:39 - 1:43人間とそのほか全ての動物の
本当の違いは -
1:43 - 1:45個々の能力のレベルではなく
-
1:45 - 1:47集団としての違いにあるのです
-
1:48 - 1:52人間が地球をコントロールしているのは
人間が唯一 -
1:52 - 1:58柔軟かつ大勢で協働できる動物だからです
-
1:58 - 2:00さて ほかの動物でも
-
2:00 - 2:03蜂や蟻のような社会性のある
昆虫がいますね -
2:03 - 2:08多数で協働しています
ただ 柔軟性があるわけではないんです -
2:08 - 2:11彼らの協働は とても柔軟性に欠けています
-
2:11 - 2:15ミツバチの巣は基本的に
ひとつの方法でのみ機能しています -
2:15 - 2:19もし ミツバチが 新しい環境や
初めて遭遇する危険に出くわしても -
2:19 - 2:24一夜にして 新しい社会システムに
作り変えることはできません -
2:24 - 2:27例えば 女王蜂を処刑して
-
2:27 - 2:28ミツバチ共和国を設立したり
-
2:28 - 2:32働き蜂の共産主義独裁政権を設立したり
そんなことはできません -
2:32 - 2:35ほかにも 社会性のある哺乳類はいます
-
2:35 - 2:39オオカミや象やイルカやチンパンジーです
-
2:39 - 2:41彼らは もっと柔軟に協働できます
-
2:41 - 2:45でも それは少数に限っての場合です
-
2:45 - 2:48というのも チンパンジーの協働は
-
2:48 - 2:52チンパンジー同士がお互いを
よく知っていなければ成立しません -
2:52 - 2:55私はチンパンジー あなたもチンパンジー
-
2:55 - 2:56あなたと一緒に協働したいんです
-
2:56 - 2:59あなたのことをよく知る必要があります
-
2:59 - 3:01あんたはどんなチンパンジー?
-
3:01 - 3:02善良なチンパンジー?
-
3:02 - 3:04それとも悪いヤツ?
-
3:04 - 3:05信頼していい?
-
3:05 - 3:09あんたのことをよく知りもしないで
協働なんてできるわけないでしょ? -
3:10 - 3:13ふたつの能力を持ち合わせ
-
3:13 - 3:19柔軟性を持って 大勢でも
協働できるのは 唯一我々 -
3:19 - 3:21ホモ・サピエンスだけなのです
-
3:21 - 3:251対1 あるいは 10対10なら
-
3:25 - 3:28チンパンジーの方が良い成果を出す場合もあります
-
3:28 - 3:33しかし 1,000人の人間に対し
1,000匹のチンパンジーなら -
3:33 - 3:37容易に人間が勝ちます
理由は簡単です -
3:37 - 3:41数が1,000匹となると
チンパンジーは協働できないからです -
3:41 - 3:4510万匹のチンパンジーを
オックスフォード・ストリートや -
3:45 - 3:49ウェンブリー・スタジアム はたまた
天安門広場やバチカンに -
3:49 - 3:52連れてきて押し込んだら
-
3:52 - 3:54もうそこは完全なるカオスです
-
3:54 - 3:58想像してみてください ウェンブリー・
スタジアムに10万匹のチンパンジー -
3:59 - 4:00大混乱ですよね
-
4:00 - 4:06対照的に 何万もの人が普通に
スタジアムに集まりますが -
4:06 - 4:09それでもカオスにはなりませんよね
-
4:09 - 4:15その代わりに 極めて洗練された
効率的な協力の輪を築きます -
4:17 - 4:21これまで人類が成し遂げた偉業は
-
4:21 - 4:24ピラミッドであれ 月への飛行であれ
-
4:24 - 4:27それらは全て 個人の才能によるものではなく
-
4:27 - 4:31大勢が柔軟性をもって協働できるという
人間の能力によるものなのです -
4:31 - 4:35このプレゼンテーションひとつを
とってもそうです -
4:35 - 4:41今 300から400人の観衆の皆さんの前に
立っていますが -
4:41 - 4:44ほとんどの方が 私にとって初めて
お会いする方々です -
4:45 - 4:49同様に このイベントを
運営している人々のことも -
4:49 - 4:52私はよく知ってるわけではありません
-
4:52 - 4:57昨日 飛行機でロンドンまで来ましたが
操縦していたパイロットや搭乗員のことも -
4:57 - 4:59私はよく知りません
-
4:59 - 5:05プレゼンを録画している このマイクやあのカメラを
発明した人や製造した人も -
5:05 - 5:08私は知りません
-
5:08 - 5:13このプレゼンを準備するのに本や論文を
読みましたが その著者たちのことを -
5:13 - 5:14私は知りません
-
5:14 - 5:17そして インターネットで
このプレゼンを見る人々 -
5:17 - 5:22ブエノスアイレスやニューデリーのどこかで
見ている人々のことを -
5:22 - 5:24私は もちろん知りません
-
5:24 - 5:28それにもかかわらず
お互いに知らない同士でも -
5:28 - 5:34ここでアイデアをグローバルに交換するために
私達は協働することができます -
5:34 - 5:37チンパンジーにはこれはできません
-
5:37 - 5:39もちろん チンパンジーも
-
5:39 - 5:45お互いにコミュニケーションをしますが
遠く離れたチンパンジーの群れに -
5:45 - 5:49バナナや象や その他チンパンジーが興味が
ありそうなことについて -
5:49 - 5:52遠路はるばるプレゼンしにやってくる
チンパンジーなんていません -
5:53 - 5:57たしかに 協働がいつも良いわけではありません
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5:57 - 6:01これまで人間がしてきた忌まわしいことも
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6:01 - 6:04実際 我々がしてきた酷いことも
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6:04 - 6:09大規模な協力から生まれたものです
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6:09 - 6:12監獄も 協力体制の上に成り立っていますし
-
6:12 - 6:15大虐殺もそうですし
-
6:15 - 6:18強制収容所も然りです
-
6:18 - 6:24チンパンジーの世界には
大虐殺も監獄も強制収容所もありません -
6:24 - 6:28皆さんは納得されるでしょう
人間は大勢でも柔軟性をもって -
6:28 - 6:33協働することができるから
地球をコントロールするまでになったと -
6:34 - 6:36すると 探究心のある方々は
-
6:36 - 6:39すぐに 次の疑問が湧いてきますよね
-
6:39 - 6:42まさにどうやって
協働しているのか -
6:42 - 6:48ほかの動物にはできないような協働を
可能にするのは何か -
6:50 - 6:52答えはズバリ 想像力です
-
6:53 - 6:58人間は 無数の知らない人たちとも
柔軟性をもって協働することができます -
6:58 - 7:02それは この地球上で人間だけが唯一
-
7:02 - 7:07想像したり架空の物語を作り
それを信じることができるからです -
7:07 - 7:12全員が 同じフィクションを信じれば
-
7:12 - 7:16同じルールや基準や価値観に従って
-
7:16 - 7:18全員が行動します
-
7:19 - 7:23その他の動物が行うコミュニケーションは
-
7:23 - 7:25事実を伝えることだけに使います
-
7:26 - 7:30チンパンジーの場合
「見て!ライオンがいる!逃げろ!」とか -
7:30 - 7:34「見て!あっちにバナナの木がある!
バナナ取りに行こう!」とかです -
7:34 - 7:40対して 人間は事実を伝えるためだけではなく
-
7:40 - 7:45新しい現実や 架空の現実を創り出すために
言葉を使うのです -
7:45 - 7:49人間は「ほら 雲の上に神様がいる
-
7:49 - 7:51もし私の言う通りにしなかったら
-
7:51 - 7:55死んだ時に 罰として地獄に
送られてしまうよ」と言えるのです -
7:55 - 7:59もし全員が 今私が作ったこの話を信じたら
-
7:59 - 8:03同じ規範 法律 価値観に従うことになり
-
8:03 - 8:04協働が可能になります
-
8:04 - 8:07人間にしかできないことです
-
8:07 - 8:11バナナを渡すよう チンパンジーを
説得するのに -
8:11 - 8:15「死んだら 天国に行けるよ」と約束してもダメです
-
8:15 - 8:16(笑)
-
8:16 - 8:19「その善行によって 天国で
たっくさんのバナナをもらえるよ… -
8:19 - 8:21だからバナナちょうだい」
-
8:21 - 8:24チンパンジーは 絶対に
この話を信じませんよね -
8:24 - 8:26人間だけが こういった話を信じる
-
8:26 - 8:29これが人間が地球をコントロールし
一方で -
8:29 - 8:33チンパンジーが動物園や研究所の檻の中に
閉じ込められている理由です -
8:35 - 8:38同意いただけると思いますが
-
8:38 - 8:44宗教では 同じフィクションを信じることで
信者は団結しています -
8:44 - 8:49何百万人という人が一緒になって
大聖堂やモスクを建てたり -
8:49 - 8:55十字軍やジハードで戦うのは
-
8:55 - 8:57神 天国 地獄といったことを
皆が信じているからです -
8:58 - 9:03しかし ここで強調したいのは
人間がなし得る大規模な協働は どれも -
9:03 - 9:09まったく同じメカニズムに
もとづいているということです -
9:09 - 9:12宗教に限ったことではないのです
-
9:12 - 9:14法律の分野を例として挙げてみます
-
9:15 - 9:21現在では 世界の法律制度のほとんどは
人権に対する信念を基本としています -
9:21 - 9:23ところで 人権とは何でしょうか?
-
9:24 - 9:28神や天国と同じように
人権も ホモ・サピエンスが作った話なのです -
9:28 - 9:31客観的な現実ではありません
-
9:31 - 9:34人類になんら生物学的影響をおよぼすものでもありません
-
9:35 - 9:39人間のカラダを切って開いて 中を見ると
-
9:39 - 9:44心臓 腎臓 ニューロン ホルモン DNA
-
9:44 - 9:46でも人権は見つからないでしょう
-
9:46 - 9:50人権が見つけられるのは
-
9:50 - 9:54我々が作って ここ数世紀かけて広めてきた
話の中だけです -
9:55 - 10:00それらは とても前向きで
とてもいい話かもしれませんが -
10:00 - 10:03やはり我々が作り上げた架空の話です
-
10:04 - 10:06これは 政治の分野でも当てはまります
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10:07 - 10:13近代政治において最も重要な要素は国家です
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10:13 - 10:15ところで 国家とは何でしょうか?
-
10:16 - 10:18これらも 客観的には実在しません
-
10:18 - 10:20山は物理的に存在します
-
10:20 - 10:24見ることができ 触れることができ
匂いを嗅ぐことができます -
10:24 - 10:26しかし 国家ー
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10:26 - 10:30イスラエル イラン フランス ドイツなど
-
10:30 - 10:33国家は 人間が作ったストーリーにすぎませんが
-
10:33 - 10:35その考えは非常によく定着していきます
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10:35 - 10:37経済の分野も同様です
-
10:38 - 10:42グローバル経済で
重要な役割を担っているのが -
10:42 - 10:44企業や法人です
-
10:44 - 10:48おそらく ここにいらっしゃる多くの方が
どこかの法人に勤めていると思います -
10:48 - 10:51グーグルやトヨタやマクドナルド
-
10:52 - 10:53これらって つまりは何でしょう?
-
10:54 - 10:58法律家は これを法的擬制と呼びます
-
10:58 - 11:04法人も 人間が考案した作り事ですが
強力な魔法使い達によって守られています -
11:04 - 11:05まぁ 法律家たちのことですが...
-
11:05 - 11:07(笑)
-
11:07 - 11:10法人は 一日中いったい何をやっているのか?
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11:10 - 11:13大部分は 金を稼ごうとしているんですよね
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11:13 - 11:15ところで お金って何でしょう?
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11:15 - 11:20またしても お金とは 客観的には実在せず
客観的価値もありません -
11:20 - 11:23この緑色のドル紙幣
-
11:23 - 11:26見てください 何の価値もありません
-
11:26 - 11:28食べられないし 飲めないし
-
11:28 - 11:29着ることもできません
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11:30 - 11:34でもこれが優れた語り部の手にかかると
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11:34 - 11:35大手の銀行マンや
-
11:35 - 11:37財務大臣や
-
11:37 - 11:38首相が語ると
-
11:38 - 11:41とても説得力のある話になります
-
11:41 - 11:43「ほら この緑色の紙が見えますね?
-
11:43 - 11:45これは 実はバナナ10本分の価値が
あるんですよ」 -
11:46 - 11:48もし 私がこれを信じたら そしてあなたも信じたら
-
11:48 - 11:49みんな信じたら
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11:49 - 11:51成立するのです
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11:51 - 11:54この価値のない紙っぺらを持って
-
11:54 - 11:56スーパーマーケットに行って
-
11:56 - 12:00会ったこともない見知らぬ人に渡して
-
12:00 - 12:04代わりに バナナを手に入れます
バナナは実際に食べられますからね -
12:05 - 12:07驚くべきことですよ
-
12:07 - 12:09チンパンジー相手に これはできません
-
12:09 - 12:11もちろん チンパンジーも交換はします
-
12:11 - 12:13「ココナッツをくれたら バナナをあげるよ」
-
12:13 - 12:15これなら あります
-
12:15 - 12:18しかし 価値のない紙っぺらを渡されて
-
12:18 - 12:20バナナをくれってどういうこと?
-
12:20 - 12:21とんでもない!
-
12:21 - 12:23僕を人間だとでも思ってるの?
-
12:23 - 12:25(笑)
-
12:25 - 12:29実際のところ お金は 人間が考案し
受け継がれてきたものの中で -
12:29 - 12:32もっとも成功した例です
-
12:32 - 12:36全ての人が信じる唯一のストーリーだからです
-
12:37 - 12:40全員が神を信じているわけではありません
-
12:40 - 12:43全員が人権を信じているわけではありません
-
12:43 - 12:45全員が国家主義というわけではありません
-
12:45 - 12:49ところが お金やドルは
全員が信じるところとなっています -
12:50 - 12:52オサマ・ビン・ラディンでさえもです
-
12:52 - 12:55彼は アメリカの政治と宗教と文化を
-
12:55 - 12:57憎んでいましたが
-
12:57 - 13:00アメリカ・ドルに
たてつくことはありませんでした -
13:00 - 13:02実際のところ 相当好きだったと思います
-
13:02 - 13:04(笑)
-
13:04 - 13:06つまりは
-
13:06 - 13:12人間は 二重の現実にいるので
世界をコントロールしているんです -
13:13 - 13:16他の全ての動物は
客観的実在の世界だけに生きています -
13:17 - 13:22彼らの現実は
実在的に存在するもので構成されています -
13:22 - 13:26川や木やライオンや象のような
実在です -
13:26 - 13:30我々人間も 実在の世界に生きています
-
13:30 - 13:35川や木もあれば ライオンも象もいます
-
13:35 - 13:37しかし 何世紀にもわたって
-
13:37 - 13:42この実在の世界に加えて
-
13:42 - 13:46フィクションの世界という
もうひとつの層を形成していったのです -
13:46 - 13:49虚構の世界です
-
13:49 - 13:54国家 神 お金 法人のようなものです
-
13:54 - 13:59そして 驚くべきことに
歴史の過程で -
13:59 - 14:05この架空の現実が
よりパワーをもつようになり -
14:05 - 14:09今日の世界では
この架空の存在が -
14:09 - 14:12もっとも力を有しています
-
14:12 - 14:19今や 川や木やライオンや象が
生き残れるかどうかは まさに -
14:19 - 14:24架空の世界の決定や願いにかかっているのです
-
14:24 - 14:28アメリカ合衆国やグーグルや世界銀行のような
-
14:28 - 14:32人間の想像の中だけにある存在にかかっているのです
-
14:33 - 14:34ありがとうございました
-
14:34 - 14:39(拍手)
-
14:42 - 14:46ブルーノ・ジュッサーニ:
ユバルさん 新しい本を出版されましたね -
14:46 - 14:48『Sapiens』出版の後 次の本を執筆して
-
14:48 - 14:51原書はヘブライ語で
まだ翻訳されていないということですが… -
14:51 - 14:54ハラーリ:
鋭意 翻訳に取り組んでいるところです -
14:54 - 14:57ジュッサーニ: 私の理解が間違ってなければ この本では
-
14:57 - 15:01いま私達が経験している驚くべき
ブレイクスルーについて論じていますね -
15:01 - 15:04それは 将来的に 私達の生活を
良くする可能性を秘めているだけではなく -
15:04 - 15:06あなたはこう記しています
-
15:06 - 15:11「まさに産業革命のように
新しい階級や階級闘争をもたらす」と -
15:11 - 15:12少し説明していただけますか?
-
15:13 - 15:15ハラーリ:はい 産業革命では
-
15:15 - 15:20都市部に労働者階級という
新しい階級が生まれました -
15:20 - 15:25過去200年の政治的また社会的な歴史は
-
15:25 - 15:28この階級の扱い 新たな問題や機会
といったことが大いに関係してきました -
15:28 - 15:33そして 今日は 「役に立たない人々」という
巨大な新しい層ができています -
15:33 - 15:34(笑)
-
15:34 - 15:39コンピューターがより多くの分野において
より高度に利用されるようになり -
15:39 - 15:44多くのタスクにおいて コンピューターが
人間を超越し -
15:44 - 15:48人間が不必要になる可能性が
はっきりとしてきました -
15:48 - 15:51そして 21世紀における
-
15:51 - 15:53政治的かつ経済上の大きな疑問は
-
15:53 - 15:55「何のために人間が必要なのか?」
となるでしょう -
15:55 - 15:59控えめに言えば 「何のために こんなにも
多くの人間が必要なのか?」 -
15:59 - 16:01ジュッサーニ:この本の中に 答えは書かれていますか?
-
16:01 - 16:05ハラーリ:今のところ 最も妥当な答えは
彼らをハッピーにさせておくことです -
16:05 - 16:07ドラッグとコンピューターゲームで…
-
16:07 - 16:08(笑)
-
16:08 - 16:11まぁ これはあまり好ましい将来とは
思えませんね -
16:11 - 16:14ジュッサーニ:あなたは著書 とこの場において
こう主張されていますね -
16:14 - 16:17著しい経済的不平等を示す傾向が
顕著になっているという議論において -
16:17 - 16:21我々は まだ そのプロセスの
-
16:21 - 16:22初期段階にあると
-
16:22 - 16:24ハラーリ:これは予言ではありませんが
-
16:24 - 16:28我々の前に その可能性が示されてきています
-
16:28 - 16:33ひとつの可能性は 「役に立たない人々」
という新たな巨大な層の誕生です -
16:33 - 16:36もうひとつは 今までとは違った
生物学的な階級にー -
16:36 - 16:39区分されていくということです
-
16:39 - 16:43富裕層は 仮想の神へと成り上がり
-
16:43 - 16:48貧困層は 役立たずの層に成り下がっていくのです
-
16:48 - 16:51ジュッサーニ:1〜2年の内に もう一回 TEDで
お話して頂きたいものです -
16:51 - 16:52ユバルさん 遠路はるばる ありがとうございました
-
16:52 - 16:54ハラーリ:ありがとうございました!
-
16:54 - 16:55(拍手)
- Title:
- 人類の台頭はいかにして起こったか?
- Speaker:
- ユヴァル・ノア・ハラリ
- Description:
-
7万年前、人類の祖先は取るに足らない程のちっぽけな存在で、アフリカ大陸の片隅で他の動物と同様、ただ生きるのに精一杯でした。しかし、今や人類が地球を支配しているということに異を唱える人はほぼいないでしょう。地球全土において、ほか全ての動物の運命(ひょっとしたら地球自体の運命さえも)を左右しています。いかにして、そんなちっぽけな存在から地球を支配するような存在に至ったのか?歴史学者のユヴァル氏が、人類が台頭したその驚くべき理由を提示します。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 17:08
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for What explains the rise of humans? | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for What explains the rise of humans? | ||
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Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for What explains the rise of humans? | ||
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