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参入・退出と供給曲線:費用が一定の産業

  • 0:00 - 0:06
    ♪ [音楽] ♪
  • 0:09 - 0:12
    [アレックス] 今回はもう少し
    込み入った話になります。
  • 0:12 - 0:16
    この授業でお見せするのは
    費用が一定の産業が
  • 0:16 - 0:19
    平坦な供給曲線を
    形成するということです。
  • 0:19 - 0:21
    始めましょう。
  • 0:25 - 0:28
    費用が一定の産業とは、
  • 0:28 - 0:32
    費用を増加させることなく
    生産量を増加できる産業です。
  • 0:32 - 0:36
    例えば、鉛筆、カブ、
    ドメイン名の登録などは
  • 0:36 - 0:38
    費用が一定の産業に属します。
  • 0:38 - 0:40
    鉛筆を例にとりましょう。
  • 0:40 - 0:43
    鉛筆の生産量を増やそうと思ったら、
  • 0:43 - 0:47
    鉛筆の生産費用を増やすことなく
    かなりの量の鉛筆を生産できます。
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    なぜかって?鉛筆を生産する際
    必要なものはなんでしょうか。
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    木材と黒鉛、
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    ゴムが必要ですね。
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    しかし、増産に必要とする木材の量は
  • 0:58 - 1:00
    世界の木材供給量と比べたら
    微々たるものです。
  • 1:00 - 1:03
    黒鉛にしても、世界の供給量の
  • 1:03 - 1:04
    ほんの一部です。
  • 1:04 - 1:07
    ゴムにしても、世界の供給量の
  • 1:07 - 1:08
    一部です。
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    言い換えると、鉛筆を増産するには、
  • 1:13 - 1:17
    材料の供給量を、世界全体から見て
    気づかないほどの微量を
  • 1:17 - 1:19
    増やせばいいのです。
  • 1:19 - 1:22
    鉛筆を増産するといっても、
  • 1:22 - 1:25
    木材の価格が上昇する
    わけではないのです。
  • 1:25 - 1:28
    住宅産業では
    こうはいきません。
  • 1:28 - 1:31
    住宅の生産量を増やしたければ、
  • 1:31 - 1:34
    木材の需要は大幅に増え、
    木材の価格は
  • 1:34 - 1:35
    上昇しかねません。
  • 1:35 - 1:39
    これは、費用が増加する産業です。
  • 1:40 - 1:42
    カブはどうでしょうか?
    考え方は同じです。
  • 1:42 - 1:46
    土地や肥料などの
    投入の価格を増やすことなく
  • 1:46 - 1:49
    容易にカブの生産量を
  • 1:49 - 1:51
    増やすことができます。
  • 1:51 - 1:55
    土地や肥料の市場に占める
  • 1:55 - 1:57
    カブの生産量は小さすぎて
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    カブの生産を大幅に増産したところで
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    投入の価格が増える
    ことはありません。
  • 2:05 - 2:07
    ドメイン名の登録でも同じです。
  • 2:07 - 2:12
    インターネットは
    大きく拡張しましたが、
  • 2:12 - 2:15
    今日でもドメイン名登録は
    $6、7で済んでしまいます。
  • 2:15 - 2:17
    パソコンをいくつか使うだけで
  • 2:17 - 2:19
    登録できてしまうからです。
  • 2:19 - 2:22
    パソコンをもう少し増やせばー
  • 2:22 - 2:25
    それでも、パソコンの総数に
    比べれば微々たるものですがー
  • 2:25 - 2:28
    ドメイン名登録の供給量を
  • 2:28 - 2:30
    容易に増やすことができます。
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    どういう意味かというと
  • 2:35 - 2:38
    鉛筆やカブ、ドメイン名登録といった
    産業については、
  • 2:38 - 2:41
    長期的な供給曲線は
  • 2:41 - 2:43
    平坦になるということです。
  • 2:43 - 2:46
    図を用いて詳しく見ていきましょう。
  • 2:46 - 2:48
    この図では、
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    費用が一定の産業が
    いかにして需要の増加に
  • 2:51 - 2:53
    対応するのか、
  • 2:53 - 2:57
    同時に、費用が一定である
    理由についても見ていきます。
  • 2:58 - 3:00
    二つの図を見比べながら説明します。
  • 3:00 - 3:04
    左が市場、右が代表企業です。
  • 3:04 - 3:06
    この産業には企業がいくつもあるので、
  • 3:06 - 3:07
    その中から一つ選んで
  • 3:07 - 3:09
    説明していきます。
  • 3:09 - 3:11
    市場の図から始めましょう。
  • 3:11 - 3:13
    もう見慣れていますね。
  • 3:13 - 3:17
    こちらが需要曲線で、
    こちらが短期的な供給曲線です。
  • 3:18 - 3:21
    需要量が供給量と同値である時、
  • 3:21 - 3:24
    初期の、あるいは短期的な
    均衡となります。
  • 3:24 - 3:27
    実は、これは長期的な
    均衡ともなるのです。
  • 3:27 - 3:30
    理由は後ほど説明します。
  • 3:30 - 3:33
    今度は代表企業の均衡も
  • 3:33 - 3:35
    求めていきます。
  • 3:35 - 3:38
    企業が利潤を最大化している
    ということは
  • 3:38 - 3:40
    価格が限界費用と同値になる
    ということですね。
  • 3:40 - 3:43
    そして、価格は平均費用とも
    同値になります。
  • 3:43 - 3:47
    なぜなら、企業は
  • 3:47 - 3:49
    経済利益はゼロ、つまり
  • 3:49 - 3:51
    正常利潤を得るからです。
  • 3:51 - 3:54
    というわけで、
    市場の初期均衡では
  • 3:54 - 3:57
    供給量は需要量と同値です。
  • 3:57 - 4:00
    企業の方では、
    価格は限界費用と同値なので、
  • 4:00 - 4:03
    企業は利潤を最大化できています。
    そして価格は、
  • 4:03 - 4:07
    平均費用と同値なので、
    利潤は正常、つまりゼロです。
  • 4:08 - 4:11
    さて、今度は需要を
    増やすとどうなるか
  • 4:11 - 4:13
    見ていきましょう。
  • 4:13 - 4:15
    市場の図では
    二つのことが起こります。
  • 4:15 - 4:17
    需要曲線は動くので
    価格は上昇し、
  • 4:17 - 4:19
    新たな均衡点になります。
  • 4:19 - 4:21
    企業の方では、価格は
  • 4:21 - 4:25
    限界費用曲線に沿って
    増加していきます。
  • 4:25 - 4:28
    市場から見てみましょう。
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    この変化は同時に起こります。
  • 4:29 - 4:31
    まずは市場をみて、
  • 4:31 - 4:34
    そのあとに
    代表企業の変化を見ます。
  • 4:34 - 4:37
    それではいきましょう。
    需要が増加すると、
  • 4:37 - 4:41
    価格は上昇し、新たな均衡である、
  • 4:41 - 4:46
    点Bが求められます。
    企業の方では、
  • 4:46 - 4:50
    限界費用曲線に沿って増加するので、
  • 4:50 - 4:53
    新たな均衡は同じく点Bとなります。
  • 4:53 - 4:55
    もう一度ご覧ください。
  • 4:55 - 4:57
    今度は、
  • 4:57 - 4:58
    代表企業です。
  • 4:59 - 5:01
    代表企業を見ていくと、
  • 5:01 - 5:05
    需要が増えると、価格が上昇します。
  • 5:05 - 5:09
    すると企業は限界曲線に沿って
    増加していきます。
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    短期的な需要曲線が
  • 5:12 - 5:17
    上向きである理由は
  • 5:17 - 5:20
    産業内の企業は
    価格が上昇するとともに
  • 5:20 - 5:24
    限界費用曲線に沿って
    大きくなるからです。
  • 5:24 - 5:26
    短期的、というのは、
  • 5:26 - 5:30
    新たな企業が産業に参入する以前
  • 5:30 - 5:32
    ということです。
  • 5:32 - 5:36
    つまり、短期的な供給量の増加は
  • 5:36 - 5:41
    今ある企業による、
    価格の上昇に乗じて行われた、
  • 5:41 - 5:46
    供給量の増加によるもの
    ということです。
  • 5:47 - 5:51
    代表企業は当初
    経済利益がゼロ、
  • 5:51 - 5:55
    つまり正常利潤であることを
    思い出してください。
  • 5:55 - 5:58
    需要が増加すると、
    正常利潤以上の
  • 5:58 - 6:00
    利益を出しているのです。
  • 6:00 - 6:04
    (価格ー平均費用)×数量が
    利潤の出し方でしたね。
  • 6:04 - 6:07
    つまりこの時点の利益は
    プラス、正常利潤以上です。
  • 6:07 - 6:11
    この状態にあると、
    他の企業も例に倣います。
  • 6:11 - 6:14
    「あの企業が成功してるんだったら、
  • 6:14 - 6:16
    我が社もやろうじゃないか」と。
  • 6:16 - 6:19
    価格が平均費用以上の時に
  • 6:19 - 6:22
    参入が起きるのでした。
  • 6:22 - 6:25
    参入にはどのような
    影響があるのでしょうか。
  • 6:25 - 6:26
    二つのことが起こります。
  • 6:26 - 6:29
    市場の方では、
    短期的な供給曲線が
  • 6:29 - 6:31
    右に移動します。
  • 6:31 - 6:33
    短期的な供給曲線が
  • 6:33 - 6:38
    右に移動するので、
    価格は減少します。
  • 6:38 - 6:42
    価格が減少すると、
    企業は限界費用曲線に沿って
  • 6:42 - 6:46
    利潤と共々、正常利潤に
  • 6:46 - 6:47
    達するまで
  • 6:47 - 6:50
    減少していきます。
  • 6:50 - 6:52
    もう二回お見せしましょう。
  • 6:52 - 6:53
    最初に市場について、
  • 6:53 - 6:56
    次に代表企業を見ていきましょう。
  • 6:56 - 6:59
    短期的に起こる利潤は
    企業の参入を促します。
  • 6:59 - 7:02
    企業が参入すると、
    短期的な供給曲線は
  • 7:02 - 7:04
    増加して、
  • 7:04 - 7:07
    価格は、新たな均衡まで
  • 7:07 - 7:10
    減少します。ここですね。
  • 7:10 - 7:14
    こちらの図では利潤がゼロになります。
  • 7:14 - 7:17
    代表企業の方から
    見ていきましょう。
  • 7:17 - 7:19
    右側が代表企業です。
  • 7:19 - 7:21
    利潤は参入を促します。
  • 7:21 - 7:24
    参入によって
    価格が押し下げられ、
  • 7:24 - 7:25
    何が起きるでしょうか。
  • 7:25 - 7:28
    価格が減少すると、企業は
  • 7:28 - 7:29
    限界費用曲線に沿って減少します。
  • 7:29 - 7:33
    これで、長期的には平坦な曲線に
    なる理由がわかります。
  • 7:34 - 7:38
    平均費用曲線の最小値である
  • 7:38 - 7:43
    点Aから始めて、
    点Cまでいきます。
  • 7:43 - 7:46
    ここが点Cです。
    ここも平均費用曲線の
  • 7:46 - 7:48
    最小値です。
  • 7:48 - 7:53
    つまり、長期的に見ると供給曲線は
    平均費用曲線の最小値で
  • 7:53 - 7:54
    一定なのです。
  • 7:55 - 7:59
    では、産業費用が一定であるという憶測は
    どこから来るのでしょうか?
  • 7:59 - 8:00
    ここからきます。
  • 8:00 - 8:04
    参入によって
  • 8:04 - 8:08
    産業が拡大する時、
  • 8:08 - 8:10
    代表企業の費用は上昇しません。
  • 8:10 - 8:14
    なぜなら、投入市場に比べると、
  • 8:14 - 8:16
    産業自体はとても小さいからです。
  • 8:16 - 8:20
    つまり、産業が拡大する時には、
    投入価格は
  • 8:20 - 8:21
    上昇しないのです。
  • 8:21 - 8:24
    産業が拡大しようと縮小しようと
  • 8:24 - 8:28
    平均費用曲線は変わりません。
  • 8:28 - 8:31
    なぜなら、代表企業の費用曲線は
  • 8:31 - 8:34
    変化せず、経済利益がゼロである
  • 8:34 - 8:37
    唯一の均衡点は最小値の時、
  • 8:37 - 8:39
    価格が平均費用と同値の時だからです。
  • 8:39 - 8:43
    長期的に見ると、価格は常に
  • 8:43 - 8:47
    平均費用曲線の最小値まで、
  • 8:47 - 8:50
    経済利益がゼロのところ
    まで減少します。
  • 8:50 - 8:55
    点Aと点Cは産業の
    長期的な供給曲線に沿っています。
  • 8:55 - 8:57
    平坦ですね。
  • 8:57 - 9:00
    新しい情報が色々出てきました。
  • 9:00 - 9:03
    図を使ってちょっと復習しましょう。
  • 9:04 - 9:08
    点Aは初期の均衡です。
  • 9:08 - 9:10
    短期的な需要の増加によって
  • 9:10 - 9:15
    点Bに移動しました。
    企業はプラスの利益を出していました。
  • 9:16 - 9:20
    プラスの利益によって
    新しい企業の参入が促されました。
  • 9:20 - 9:22
    企業の参入によって
    短期的な供給曲線が
  • 9:22 - 9:26
    右に移動し、価格が減少しました。
  • 9:26 - 9:30
    価格は長期的な均衡まで
    減少しました。
  • 9:30 - 9:33
    新たな長期的均衡は、
  • 9:33 - 9:35
    経済利益がゼロの時、
  • 9:35 - 9:38
    つまり、平均費用曲線が
  • 9:38 - 9:40
    最小値の時です。
  • 9:40 - 9:44
    平均費用曲線は動きません。
    なぜなら投入価格は
  • 9:44 - 9:48
    産業が拡張しようが
    縮小しようが変わらないからです。
  • 9:48 - 9:51
    だからこそ、長期的な
    供給曲線は平坦なのです。
  • 9:52 - 9:55
    そんな感じです。
    情報量が多かったですね。
  • 9:56 - 9:59
    費用が増加する産業では
  • 9:59 - 10:01
    供給曲線が上向きで、
  • 10:01 - 10:03
    費用が一定の産業では
  • 10:03 - 10:05
    供給曲線が平坦であることが
    わかりました。
  • 10:05 - 10:08
    次回は、費用が減少する産業という
  • 10:08 - 10:12
    珍しい産業の場合、
    一定の範囲において下向きの曲線を
  • 10:12 - 10:14
    描くことをお見せします。
  • 10:14 - 10:16
    次の動画でまた会いましょう。
  • 10:17 - 10:18
    [告知] 自分の知識を
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    確認したい方は「練習問題」を
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Title:
参入・退出と供給曲線:費用が一定の産業
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Video Language:
English
Team:
Marginal Revolution University
Project:
Micro
Duration:
10:29

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