Return to Video

開発途上国の母親のためのシンプルな出産用キット

  • 0:01 - 0:05
    私が皆さんにお話しする
    この6分の間に
  • 0:05 - 0:07
    世界では子供を産む際
    3人の母親が
  • 0:08 - 0:09
    亡くなります
  • 0:10 - 0:14
    1人目は 深刻な合併症の為
  • 0:15 - 0:17
    2人目は 10代で
  • 0:17 - 0:21
    出産の準備が出来ていない
    未熟な母体である為
  • 0:21 - 0:27
    しかし3人目は 出産時に清潔で基本的な
    医療器具が手に入らなかったというだけで
  • 0:27 - 0:29
    亡くなっています
  • 0:30 - 0:32
    それは珍しい事ではありません
  • 0:32 - 0:36
    途上国では
    出産時の衛生状態が
  • 0:36 - 0:37
    十分でないというだけで
  • 0:37 - 0:41
    毎年100万人以上の
    母親や赤ん坊が
  • 0:41 - 0:43
    亡くなっているのです
  • 0:45 - 0:47
    私の道のりは ある暑い夏の午後に
    始まりました
  • 0:47 - 0:49
    2008年 インドでの事です
  • 0:49 - 0:53
    まる1日使って 現地の女性達に会い
    要望に耳を傾けた後
  • 0:53 - 0:56
    1人の助産師と
    藁葺き屋根の家に入りました
  • 0:57 - 1:02
    どうやって自宅で分娩を行うのか
    一人の母親として非常に興味がありました
  • 1:02 - 1:05
    なぜ この仕事を自分の天職だと
    強く信じているのかという
  • 1:05 - 1:09
    奥深く引き付けられる話を
    助産師から聞き
  • 1:09 - 1:11
    最後に こう質問をしました
  • 1:12 - 1:15
    「分娩の時 必要な器具はあるの?」
  • 1:16 - 1:18
    器具を見せてもらいました
  • 1:19 - 1:23
    「これで 赤ん坊のへその緒を切るのよ」
    彼女は言いました
  • 1:24 - 1:30
    私はどう反応すべきか分からず
    この農具を持ったま唖然としていました
  • 1:30 - 1:33
    そしてこの写真を撮り
    彼女とハグをして帰りました
  • 1:34 - 1:37
    頭の中に 自分が罹患した感染症の
    記憶が次々と蘇りました
  • 1:37 - 1:40
    妊婦として
    最高の医療に恵まれながらも
  • 1:40 - 1:43
    その病の為に 産後1年間に渡り
    苦しみ続けた事や
  • 1:43 - 1:46
    出産時に 母親を亡くしたという
    父との会話
  • 1:46 - 1:48
    出産時に 母親を亡くしたという
    父との会話
  • 1:48 - 1:50
    父は もしも母親の許で
    育っていたら
  • 1:50 - 1:53
    人生が如何に違うものになったか
    と話してくれました
  • 1:54 - 1:58
    製品開発者として まず
    リサーチすることから始めました
  • 1:58 - 2:01
    Clean Birth Kitという
    製品があるのだと知り
  • 2:01 - 2:02
    とてもワクワクしましたが
  • 2:03 - 2:05
    数か月間 それを
    買う事もできませんでした
  • 2:06 - 2:10
    資金が確保できて始めて
    製作されるものだったのです
  • 2:11 - 2:14
    ようやく手に入れた時
    私は再びショックを覚えました
  • 2:15 - 2:19
    自分なら出産の時 絶対に
    使わないだろうという代物でした
  • 2:19 - 2:22
    しかし自分の直観を確かめる為に
    私は女性達―
  • 2:22 - 2:25
    この製品を使った経験のある
    人達に話を聞きました
  • 2:25 - 2:28
    驚いた事に 彼女達の反応は
    同じか それ以上でした
  • 2:29 - 2:32
    血まみれの
    ビニールシートの上より
  • 2:32 - 2:34
    床の上で産んだ方が
    ましだと言うのです
  • 2:34 - 2:38
    全くその通りで それが感染症の
    罹患率を上げる可能性もあるのです
  • 2:38 - 2:40
    キットの中に入っていた糸は
    赤ん坊のへその緒を通して
  • 2:40 - 2:42
    バクテリアの感染源となり
  • 2:42 - 2:45
    剃刀は男性が髭剃りに
    使うような種類のもので
  • 2:45 - 2:48
    身近に置くなんてまっぴらだと
    女性達は言っていました
  • 2:49 - 2:52
    誰もこの製品を
    改善する気にならなかったのは
  • 2:52 - 2:54
    製品作成が
    慈善事業だったからです
  • 2:54 - 2:56
    女性の意見が求められる事は
    一度もありませんでした
  • 2:57 - 2:59
    驚いた事に キットの需要は
    家庭だけでなく
  • 2:59 - 3:03
    大規模な授産施設でも
    あったのです
  • 3:03 - 3:06
    遠隔地に於いては
    より困難な状況でした
  • 3:07 - 3:08
    これを変える必要がありました
  • 3:08 - 3:10
    私はこの問題を
    自らの課題と定めました
  • 3:11 - 3:14
    意見を集め 試作品を開発し
    世界標準の分娩介助法を
  • 3:15 - 3:16
    リサーチしている
  • 3:16 - 3:20
    様々な関係者と関わりながら
    設計を進めていきました
  • 3:20 - 3:23
    どの試作品についても
    女性達の意見を聞きました
  • 3:23 - 3:25
    確実に女性に役立つ製品を
    開発する為です
  • 3:26 - 3:28
    この過程を通して
    この女性達は
  • 3:28 - 3:30
    極度の貧困にも拘らず
  • 3:30 - 3:32
    健康や幸福に大きな価値を
    見出している事を学びました
  • 3:32 - 3:35
    彼女達の心は
    少しも貧しくはなかったのです
  • 3:35 - 3:38
    自分達の要望に沿って
    開発され 適切に設計された製品を
  • 3:38 - 3:40
    有難いと考えるのは私達と同じでした
  • 3:40 - 3:43
    専門家、医療従事者
  • 3:43 - 3:44
    そして女性達と共に
  • 3:44 - 3:46
    何度も改良を重ねた結果
  • 3:46 - 3:50
    それは容易い作業と言えるものでは
    全くありませんでしたが―
  • 3:50 - 3:52
    シンプルで 素晴らしい
    設計が出来上がったのです
  • 3:54 - 3:58
    今まで提供されていた製品より
    1ドル高い3ドルという価格で
  • 3:58 - 4:01
    「janma」という
    清潔でコンパクトな
  • 4:01 - 4:03
    出産キットが実現しました
  • 4:04 - 4:07
    「誕生」を意味するjanmaには
    女性が出産する際に敷く
  • 4:07 - 4:09
    血液を吸収するシートをはじめ
  • 4:09 - 4:13
    外科解剖用メス、へその緒の留め金
    石鹸1個、手袋
  • 4:13 - 4:15
    産まれてすぐ赤ん坊を拭く布が
    入っています
  • 4:15 - 4:18
    これら全てが入った
    綺麗なポーチが
  • 4:18 - 4:21
    出産という大仕事を労う為に
    母親に贈られ
  • 4:21 - 4:24
    母親はそれを繁栄の象徴として
    誇りをもって家に持ち帰ります
  • 4:26 - 4:28
    1人の女性は この贈り物に
    こう反応しました
  • 4:28 - 4:31
    「これ本当に私の物?
    持ってていいの?」
  • 4:32 - 4:35
    別の女性はこう言いました
    「次の子の時は
  • 4:35 - 4:36
    色違いを貰えるかしら?」
  • 4:36 - 4:38
    (笑)
  • 4:38 - 4:41
    さらに素晴らしい事に
    こう言った女性もいます
  • 4:41 - 4:43
    これは生涯で
    初めて手にしたポーチだと
  • 4:43 - 4:46
    その象徴的意味や簡素さは別として
    このキットは
  • 4:46 - 4:49
    世界的に推奨される分娩介助法に
    基づいて設計されたもので
  • 4:49 - 4:54
    手順に着実に従うだけで 人々の行動を
    変えていく道具として役立っています
  • 4:54 - 4:58
    これは家庭だけでなく授産施設でも
    使用が可能なのです
  • 4:59 - 5:03
    このキットは 世界で
    60万人以上の母親と赤ん坊に
  • 5:03 - 5:04
    役立ってきました
  • 5:04 - 5:08
    数字が伸びていくのを見て
    身の引き締まる思いがしますが
  • 5:08 - 5:11
    1億人に達する日が
    待ち遠しいです
  • 5:13 - 5:16
    しかし女性の健康問題は
    ここで終わりではありません
  • 5:16 - 5:20
    低コストの処置を必要とする
    単純な問題が数多くあるのです
  • 5:20 - 5:23
    私達が証明すべき真実とは
    女性達の為に資金を投入し
  • 5:23 - 5:25
    より多くの 健康と幸福を与えれば
  • 5:25 - 5:30
    地域社会をより健康、幸福で、豊かに
    してくれるのだという事です
  • 5:30 - 5:34
    女性の健康問題に 簡素な解決策と尊厳を
    もたらす事から始めなければなりません
  • 5:34 - 5:37
    母体死亡率を下げる事
    タブーを破る事
  • 5:37 - 5:41
    自分の人生を自ら決定する力を
    女性に与える事です
  • 5:41 - 5:43
    それが 私の夢です
  • 5:43 - 5:48
    しかし世界中の男女が等しく問題解決に
    関わる事なく それを達成するのは
  • 5:48 - 5:49
    不可能なのです
  • 5:49 - 5:51
    そう 皆さんの力が必要です
  • 5:53 - 5:56
    最近レナード・コーエンの
    この詩を耳にしました
  • 5:57 - 6:00
    「鐘を鳴らそう 鳴らせる限りは
  • 6:00 - 6:03
    完璧なものを追い求めるな
  • 6:03 - 6:06
    あらゆるものには疵があり
  • 6:06 - 6:09
    そこに光が差し込むのだから」
  • 6:09 - 6:12
    これは私の照らす僅かな光ですが
  • 6:12 - 6:13
    もっと光が必要です
  • 6:13 - 6:16
    実際 より良い明日を求めるのならば
    女性の健康の分野に
  • 6:16 - 6:19
    巨大なスポットライトが必要なのです
  • 6:19 - 6:23
    女性は未来に続く世界の中心であり
    女性がいなければ私達は存在しない事を
  • 6:24 - 6:26
    決して忘れるべきではないのです
  • 6:26 - 6:27
    ありがとうございました
  • 6:27 - 6:30
    (拍手)
Title:
開発途上国の母親のためのシンプルな出産用キット
Speaker:
ズバイダ・バイ
Description:

TEDフェローのズバイダ・バイは医療従事者や助産師等と共に、女性の公衆衛生に尊厳や、低コストな対策をもたらす努力をしています。この短く、示唆に富むトークでは、ポーチに入った清潔でコンパクトな出産用キットを紹介します。このキットは、妊産婦が世界中どこにいようとも、どんなに医療機関から離れた所にいたとしても、衛生的で安全な出産をする為に必要な全ての物を備えています。

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
06:44

Japanese subtitles

Revisions Compare revisions