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脳の見えない秘密を調べる新しい方法

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    みなさん こんにちは
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    赤ちゃんの紙おむつを持ってきました
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    今 その理由がお分かりになります
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    紙おむつには
    興味深い素材が使われています
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    紙おむつが水分を吸うと
    非常に膨れ上がることは
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    日々何百万人もの赤ちゃんが
    実証してくれています
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    (笑)
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    その理由というのは
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    紙おむつが巧妙に考案され
  • 0:21 - 0:24
    膨潤性のある素材から
    作られているからです
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    その特別な素材は
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    水を加えると驚く程膨れ上がり
  • 0:28 - 0:30
    千倍もの容積になります
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    これは有用な工業用ポリマーですが
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    MITの私のグループは
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    我々の脳にも同じような事が
    できないかと研究しています
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    脳をもっと大きく
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    脳内部を覗ける程大きくして
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    細かな構成部分の生体分子全てが
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    3次元的にどのような構成になっているか
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    脳の実体を見られないだろうかというものです
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    それができれば
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    我々の脳がどのように
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    思考 感情 行動 感覚を
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    生み出しているのか
    もっと良くわかるでしょうし
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    脳のどの箇所の変化が
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    様々な病気を起こしているかを
    的確に突き止められるかも知れません
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    アルツハイマー病、てんかん、
    パーキンソン病などです
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    これらの病気の完治は勿論のこと
    治療法はほとんどなく
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    何が原因で発症するか
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    はっきりとは分かっていません
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    MITの我々の研究グループは
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    今までとは異なる視点を持ち
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    過去 100年の神経科学とは
    違った方法を試みています
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    我々はデザイナーでもあり
    発明家でもあります
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    我々が研究しているのは
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    脳内を見て修復する技術を
    作り上げることです
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    そんな技術が必要な理由は
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    我々の脳は非常に複雑に
    できているからです
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    20世紀を通して
    我々が神経科学で学んだ事は
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    脳は非常に複雑なネットワークであり
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    特殊化した細胞 ニューロンが
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    とても込み入った配置をなし
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    この複雑に構成されたニューロンを通り
    電気が流れているということです
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    さらにネットワークを
    作っているニューロンは
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    シナプスという小さな結合部で繫がり
    化学物質で伝達し合い
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    互いに情報交換をしています
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    我々の脳の密度はとても高く
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    脳の1ミリ立方メートル内に
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    約十万個のニューロン
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    十億ものシナプスがあり得るということです
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    それだけではなく
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    1つのニューロンにズームインしてみると
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    もちろんこれは概念図にすぎませんが―
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    何千種もの生体分子が見られ
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    その小さなナノスケールの生体分子が
    複雑な3Dの形態で構成され
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    共に電気のパルスを送り
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    化学物質を交換し合い
    ニューロンを恊働させ
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    思考や感情などを生み出しています
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    ニューロンがどのように脳内に
    ネットワークを作っているのか
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    分かっていません
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    このような生体分子が
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    どのようにニューロン内で組織化され
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    こうした複雑に組織立った機能を
    持っているのか分かっていません
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    本当にこれを理解したいなら
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    新しいテクノロジーが必要になるでしょう
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    そんな地図を手に入れて
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    分子とニューロンや
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    ニューロンとネットワークの構成が
    見られたとしたら
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    恐らく我々の脳がどうやって
    知覚野からの情報を
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    処理して
  • 3:00 - 3:02
    感情や感覚とミックスして
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    我々を決断や行動に移らせるのか
    本当に理解できるかも知れません
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    的確にどの分子グループが
    脳の疾患を起こしているか
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    探し出せるかも知れません
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    一旦 分子がどのように
    変わったかが分かれば
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    問題の分子が増えようと
    パターンが変わろうと
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    その情報を新薬の標的として
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    脳にエネルギーを送り込む
    新しい方法の為に使い
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    脳疾患を持つ患者の脳機能を
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    修復することができるでしょう
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    前世紀に生まれた
    多種多様なテクノロジーを使い
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    我々はこの問題に取り組もうとして来ました
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    脳画像を撮る
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    MRIはご存知だと思います
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    これは非侵襲的で 高性能であり
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    生きているヒトに使えますが
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    空間解像度は低く
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    ボクセルと呼ばれる画素の1つ1つは
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    何百万ものニューロンを含んでいます
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    それで この解像度のレベルでは
  • 3:53 - 3:55
    分子レベルの変化や
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    ヒトの意識を制御する高い能力に関わる
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    神経ネットワークの配線の変化を
    突き止めることはできません
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    その一方 顕微鏡もありますね
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    勿論 顕微鏡は微細なものを
    見るために光を使います
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    何世紀もバクテリアのようなものを
    見るのに使われてきました
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    神経科学において
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    神経細胞は顕微鏡を使い発見された
    というのが始まりで
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    130年程前のことです
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    しかし顕微鏡で見られるものは
    基本的に限られています
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    普通の顕微鏡では
    分子は見分けられません
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    小さな結合部分を見ることができません
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    脳をもっと詳細を鮮明に見られるようにして
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    脳の構造を根本から把握したいならば
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    もっと進んだテクノロジーが
    必要になって来るでしょう
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    数年前 私の研究グループは
    こう考え始めました
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    「逆から考えてみよう
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    脳にズームインするのがそんなに難しいなら
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    脳を大きくできないだろうか?」
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    まず2人の大学院生の
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    フェイ・チェンとポール・ティルバーグ
    と共に始めました
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    今では私のグループの多くが
    このプロセスに参加しています
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    紙おむつに使われている
    ポリマーが使えるかどうか
  • 4:54 - 4:56
    脳内に実際埋め込んで
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    検討してみる事にしました
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    それが きちんと入り
    水を加えると
  • 5:00 - 5:02
    こうして脳を膨らますことができ
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    微細な生体分子の1つ1つが
    見分けられます
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    その結合の仕方を見て
    脳の地図ができます
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    これはかなり劇的なことになりかねません
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    その小さなデモを持ってきました
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    ここに精製された紙おむつの素材があります
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    ネットで買った方が
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    オムツに実際に含まれている
    少量のポリマーを抽出するよりは
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    ここに小さじ1杯分の
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    精製されたポリマーが入っています
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    ここに水があります
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    今から
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    一さじの紙おむつ素材 ポリマーが
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    大きくなるかどうか見ます
  • 5:37 - 5:40
    千倍ほどに膨らむのが
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    今 見えてきますよ
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    もっと水を入れてもいいのですが
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    これでポリマーが
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    とても興味深い分子だと
    お分かりになると思います
  • 5:56 - 5:58
    正しく使えば
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    今までのテクノロジーでは
    できないやり方で
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    本当に脳内にズームイン
    できるかもしれません
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    今度は 化学をちょっと
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    紙おむつのポリマーでは
    何が起きているのでしょう?
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    ズームインしてみると
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    スライドのように
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    ポリマーは原子が細長い鎖状になったものです
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    鎖はとても細く
  • 6:18 - 6:20
    生体分子の太さくらいです
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    とても密度が高く
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    鎖間の距離は
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    生体分子サイズ位です
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    これが とてもいいことなのは
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    脳内の全てのものを分離させられる
    かもしれないからです
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    水を加えると
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    この膨潤性のある材料は水を吸収します
  • 6:34 - 6:37
    ポリマーの鎖同士の距離間が広がり
  • 6:37 - 6:39
    素材全体が膨張します
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    ポリマーの鎖はとても細く
  • 6:41 - 6:44
    その間隔は生体分子サイズなので
  • 6:44 - 6:46
    詳しく見られるほど
    脳を膨らませることができるでしょう
  • 6:46 - 6:47
    詳しく見られるほど
    脳を膨らませることができるでしょう
  • 6:48 - 6:49
    しかし 問題は
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    脳の生体分子を分離するため
    どうやって こんなポリマーの鎖を
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    脳内につくれるか
    ということです
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    それができれば
  • 6:56 - 6:59
    脳地図を作ることが可能となり
  • 6:59 - 7:00
    神経回路が見られるでしょう
  • 7:00 - 7:03
    こうして中をのぞき
    分子を見る事ができます
  • 7:04 - 7:06
    これを説明するため
    アニメーションを作成しました
  • 7:06 - 7:09
    この概念図で示すのは
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    生体分子がどのように見えるか
    そして それらの分離の様子です
  • 7:13 - 7:15
    ステップ1:まず しなくてはならない事は
  • 7:15 - 7:19
    茶色で示してある
    生体分子全てに
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    小さな取っ手をつけます
  • 7:21 - 7:24
    脳の分子を1つずつ
    離さなくてはならないので
  • 7:24 - 7:26
    それには 小さな取っ手が要ります
  • 7:26 - 7:29
    ポリマーを取っ手と結合させ
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    力を伝えます
  • 7:31 - 7:34
    ただ紙おむつのポリマーを
    脳の上に置いたら
  • 7:34 - 7:36
    脳の表面に乗っかっているだけです
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    ポリマーを脳内に入れる方法を
    考え出す必要があります
  • 7:39 - 7:41
    ここがとても幸運なところで
  • 7:41 - 7:43
    モノマーと呼ばれる単量体を
  • 7:43 - 7:44
    これに使えるのです
  • 7:44 - 7:46
    それを脳内に入れて
  • 7:46 - 7:48
    化学反応を引き起こさせ
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    この長いポリマーの鎖を
    作る事ができるのです
  • 7:51 - 7:53
    脳の組織内 その場でです
  • 7:53 - 7:56
    ポリマーは生体分子の周りや
  • 7:56 - 7:57
    分子間に巻き付き
  • 7:57 - 7:59
    複雑な網を作り
  • 7:59 - 8:02
    最後には分子を
    お互いから引き離します
  • 8:02 - 8:03
    最後には分子を
    お互いから引き離します
  • 8:03 - 8:06
    取っ手の1つがあれば
  • 8:06 - 8:09
    ポリマーは取っ手に結合します
    まさにこれが必要なことで
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    これが分子をお互いから引き離すのです
  • 8:12 - 8:14
    実は ここで重要な事が1つ
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    試料を薬品で処理し
  • 8:16 - 8:18
    分子の繫がりをほぐさなくてはなりません
  • 8:18 - 8:21
    そうすれば水を加えると
  • 8:21 - 8:24
    膨潤性のある素材は
    水を吸い始めるのです
  • 8:24 - 8:26
    ポリマーの鎖は互いに遠のき始め
  • 8:26 - 8:29
    それと共に生体分子が
    お互い遠のき合います
  • 8:29 - 8:31
    それは風船に
    絵を描くのと似ています
  • 8:31 - 8:32
    そのまま風船を膨らませても
  • 8:32 - 8:34
    上に描かれたイメージは同じですが
  • 8:34 - 8:36
    絵のインク分子は
    1つ1つ遠のいて行きます
  • 8:36 - 8:40
    それと同じ事が3Dでできたのです
  • 8:40 - 8:42
    最後に1つの工夫があります
  • 8:42 - 8:43
    ここに見られるように
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    生体分子は全部茶色に
    色分けしてあります
  • 8:45 - 8:47
    どれもみんな似ているからです
  • 8:47 - 8:49
    生体分子は同じ原子からできていますが
  • 8:49 - 8:52
    ただその並び方が違うのです
  • 8:52 - 8:53
    それで最後にあるものが
  • 8:53 - 8:55
    分子を見分ける為に必要です
  • 8:55 - 8:56
    小さな名札です
  • 8:56 - 8:59
    光る染料で生体分子を
    見分けるようにします
  • 8:59 - 9:02
    ある種の生体分子は青で
  • 9:02 - 9:04
    別の種類は赤という風に
  • 9:05 - 9:06
    種類別に色を変えます
  • 9:06 - 9:07
    それが最後の段階です
  • 9:07 - 9:10
    これで脳の
  • 9:10 - 9:11
    分子を1つ1つ見る事ができます
  • 9:12 - 9:14
    なぜなら分子同士が十分離れているので
  • 9:14 - 9:16
    個々の分子を識別できるからです
  • 9:16 - 9:20
    ここでは今まで視認できなかったものを
    見えるようにすることが目標です
  • 9:20 - 9:22
    小さくはっきりしないしないものを
  • 9:22 - 9:23
    膨らませて
  • 9:23 - 9:26
    生物が持つ情報の集合体が
    星座のように見られます
  • 9:26 - 9:28
    これがその様子を示す
    実際のビデオです
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    培養皿に小さな脳が・・・
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    脳の一部が少しあります
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    ポリマーが注入されています
  • 9:34 - 9:35
    これに水を加えます
  • 9:35 - 9:37
    皆様の目の前で起こるのは・・・
  • 9:37 - 9:40
    このビデオは60倍に
    圧縮されています
  • 9:40 - 9:43
    この小さな脳組織が大きくなります
  • 9:43 - 9:46
    百倍あるいはそれ以上の大きさにもなり得ます
  • 9:46 - 9:49
    これが巧くできているのは
    ポリマーがとても小さいので
  • 9:49 - 9:51
    生体分子を等間隔に
    分離させている事です
  • 9:51 - 9:53
    スムーズな膨張です
  • 9:53 - 9:56
    情報の配置関係は失われてはいません
  • 9:56 - 9:58
    ただ見やすくしているだけです
  • 9:59 - 10:02
    これで実際の脳の神経回路を
    見る事ができます
  • 10:02 - 10:05
    例えば ここに記憶を司る
    脳の部分があります
  • 10:05 - 10:06
    ここにズームインして
  • 10:06 - 10:09
    神経回路がどのように配線されているか
    見る事ができます
  • 10:09 - 10:12
    恐らく将来は記憶を
    読み取れるようになるかも
  • 10:12 - 10:13
    神経回路がどのようになって
  • 10:13 - 10:15
    感情を生み出しているのか
  • 10:15 - 10:18
    神経回路の繫がりがどうなって
    ヒトとしての我々を作っているのか
  • 10:18 - 10:20
    見られるようになるかも知れません
  • 10:20 - 10:22
    もちろん うまく行けば
    的確に
  • 10:22 - 10:26
    脳内の実際の問題箇所を
    分子レベルで突き止められるので
  • 10:26 - 10:28
    脳内の細胞を実際に見て
  • 10:28 - 10:33
    「この17個の分子が脳組織に変化を起こして
    てんかんの原因となっているんだ」
  • 10:33 - 10:35
    とか
  • 10:35 - 10:36
    パーキンソン病における推移を見られ
  • 10:37 - 10:39
    または修復できるとしたらすごいですね
  • 10:39 - 10:41
    悪い箇所の系統立ったリストが手に入るなら
  • 10:41 - 10:43
    それが治療の標的となり
  • 10:43 - 10:45
    そこに結合する薬が作られます
  • 10:45 - 10:48
    脳の特定箇所に
    集中的にエネルギー照射をして
  • 10:48 - 10:50
    パーキンソン病やてんかんの患者や
  • 10:50 - 10:53
    その他の脳疾患を持つ
    世界中の十億以上の人々を
  • 10:53 - 10:54
    助けられるかも知れません
  • 10:55 - 10:57
    面白いことが今起きています
  • 10:57 - 11:01
    医学において生体分子を
    拡大して観察できることが
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    助けとなる他の問題があるのです
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    これは乳がん患者の生検材料です
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    このように癌や
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    免疫組織など
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    また加齢や成長過程を見ると
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    これらは全て
    生物学的システム全体が関与していますが
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    もちろん それらの問題は
    人体が機能する為の細胞や臓器を作る
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    ナノスケールの分子から始まっています
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    そこで今 我々は
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    様々な病気に広く使えないかと
    このテクノロジーを使い
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    生命の構成単位の地図作りに
    取り組んでいます
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    癌に起きる分子の変化を
    ピンポイントで見つけ
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    巧い方法でそれを捉えて
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    ちょうどその箇所に薬を運び
    除きたい細胞だけをとり除けないか?
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    ご存知のように薬の多くには
    危険を伴い
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    時には当てずっぽうで投与されます
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    私の希望は月に行くかのような
    危険性の高い無謀な治療を
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    もっと確かなものにすることです
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    もっとも実際にあった月旅行は
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    月に着陸したので
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    堅固な科学に基づいていました
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    重力や
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    空気力学の理解に基づき
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    宇宙船は作られました
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    リスクが科学的にコントロールされた
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    それは それは偉大なる
    技術の集結でしたが
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    医療では そんな法則が
    必ずしもあるとは言えません
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    医療に重力や空気力学のような
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    そんな法則がありますか?
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    今日私が話しているような
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    テクノロジーを使いそんな法則を
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    導き出せるかもしれません
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    生体のシステム内で
    起きているパターンの地図を作り
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    我々を悩ます病気を克服する方法を
    見つけられます
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    私と妻には幼い二人の子供たちがいます
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    生物工学者として私は
    子供たちのために今より良い未来をと
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    願っています
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    そして生物学と医療を
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    偶然と運にだけに頼る
    危険性の高い試みから
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    日々精進して技能を磨き
    可能なものにできるならば
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    それは 大きな進歩となるでしょう
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    ありがとうございました
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    (拍手)
Title:
脳の見えない秘密を調べる新しい方法
Speaker:
エド・ボイデン
Description:

神経工学者のエド・ボイデンは、私達の脳の小さな生体分子がどのように感情、思考、感覚を生み出すのか知ろうとしています。また、てんかんやアルツハイマー病のような脳の疾患を引き起こす生体分子の変化を突き止めたいとも願っています。「見えない構造を顕微鏡で拡大するより、脳組織を物理的に拡大したら見やすくなるのでは?」と彼は考えました。紙おむつの吸収材に使われるポリマーが、なぜ私達の脳をもっと良く理解する為のカギとなり得るのか、知りたいと思いませんか。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
13:15

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