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脳や癌細胞とインターネット アリ達が教えてくれる事

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    私はアリを研究しています
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    砂漠や 熱帯林の中のアリや
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    我が家のキッチンや
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    私の住むシリコンバレー周辺の丘でも
    アリを調べています
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    最近 私は ある事に気がつきました
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    アリ同士の「やりとり」は環境の違いで
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    異なった使われ方になるということです
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    また この事から
    他のシステムについて
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    学ぶ事があるのではと考えました
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    例えば 脳の仕組みや
    私達が設計するデータネットワークや―
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    癌についてでさえもです
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    これら全てのシステムには
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    中央司令塔はないのです
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    アリのコロニーは
    生殖機能が無いメスの働きアリ ―
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    皆さんが歩いている所を
    見かけるアリと
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    最低1匹の生殖を行うメスで
    成り立っています
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    このメスはひたすら卵を産むだけで
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    誰にも指示を与えません
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    「女王アリ」という名にもかかわらず―
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    なんら命令を出すわけではありません
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    つまり コロニーに リーダーはおらず
  • 0:54 - 0:57
    この類の集中制御機能の無い
    システムは全て
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    とても簡単な「やりとり」によって
    制御されています
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    アリ同士のやりとりには
    匂いが使われます
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    触角でにおいを感じ取り
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    触角でコミュニケーションを取り合います
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    アリ同士は触角を
    お互いに触れ合う事で
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    相手が同じ巣の仲間なのか
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    確認したり
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    相手の行動を知ることができます
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    これは研究用アリーナです
    沢山のアリが動き回り
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    相互に関わっています
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    他の2つのアリーナと チューブで
    つながっています
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    アリ同士が接触する際には
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    相手が誰かに関わらず
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    複雑な信号や
    メッセージのやりとりは
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    全く行っていません
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    アリにとって重要なのは
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    他のアリに出会う頻度なんです
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    そして このような出会いを総合して
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    ネットワークを 構成しています
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    これが アリの出会いの 相互作用が創る
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    アリーナの内部のネットワークです
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    この絶えず変化するネットワークは
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    コロニー全体の行動となって現れます
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    全てのアリが巣内に籠もるとか
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    何匹が 収穫に出るかなどを
    決めているのです
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    実は 脳も同じように機能していますが
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    アリの良いところは
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    ネットワーク全体をリアルタイムで
    観察出来る事です
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    アリはあらゆる環境下に生息し
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    12,000種にものぼります
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    それぞれの異なった
    環境の問題に対応する為に―
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    「やりとり」を様々な形で利用しています
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    まず どのシステムもが直面する
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    環境上の課題は
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    システムの維持に必要な
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    「運転コスト」です
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    もう1つの環境上の
    課題は「資源」です
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    「資源」を見つけ出し
    集めるという事です
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    砂漠では 水が乏しい為
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    システム運用コストは
    高くなります
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    私が砂漠で観察した
    植物の種を食べるアリは
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    水を得るために
    水を消費しなければなりません
  • 2:46 - 2:48
    巣の外で収穫活動をしているアリは
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    灼熱の太陽に照らされている為に
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    体内の水分が蒸発してしまうからです
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    でも コロニーは種に含まれる
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    脂肪を代謝することにより
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    水を得ています
  • 2:57 - 3:00
    このような環境下では
    アリ間のやりとりが
  • 3:00 - 3:02
    収穫行動を促進させます
  • 3:02 - 3:04
    収穫に向かうアリは
    戻ってくるアリとの
  • 3:04 - 3:07
    やりとりが十分でなければ
    巣から出ません
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    これは 収穫を終えたアリの隊列が
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    巣に戻るためにトンネルを
    通過する様子ですが
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    収穫に向かうアリたちと
    接触し合っています
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    これは理にかなっています
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    沢山の餌があれば あるほど
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    それを見つける時間が短くなるので
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    出たアリがすぐに戻り
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    より沢山のアリを
    送り出す仕組みになっています
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    これは通常止まっていて
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    好条件下でのみ稼動するシステムです
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    アリ間のやりとりが
    収穫活動を促進するのです
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    私達は このシステムの
    進化についても研究しています
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    まず コロニーによる
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    微妙な違いに注目しました
  • 3:38 - 3:41
    乾燥時に収穫活動を
    減らすコロニーもあります
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    つまり コロニーによって
  • 3:42 - 3:44
    トレードオフの管理 つまり
  • 3:44 - 3:47
    どれだけ 水分を消費して種を探し
  • 3:47 - 3:50
    見返りに種から水分を得るかの
    管理に差があるのです
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    私たちは 収穫活動を減らす―
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    コロニーが存在する訳を
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    アリをニューロン(神経細胞)に見立てて
  • 3:56 - 3:59
    神経科学のモデルから
    理解しようとしています
  • 3:59 - 4:01
    神経細胞が
    外部からの刺激を加算して
  • 4:01 - 4:03
    発火するかを決めるように
  • 4:03 - 4:06
    アリも 他のアリとの
    やりとりの量を加算して
  • 4:06 - 4:08
    収穫を行うか 決めています
  • 4:08 - 4:10
    ですので コロニーによる
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    微妙な違い―
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    それぞれのアリが
    収穫に向かうのに必要な―
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    やりとりの量に差があって
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    それが コロニーの収穫活動の減少に
    つながるのかを模索しています
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    これは 脳に対しても
    同様な疑問を投げかけます
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    よく 脳について話をしますが
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    もちろん それぞれの脳も微妙に違い
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    それぞれの性質や
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    それぞれの状況によって
  • 4:31 - 4:34
    ニューロンの電気的特性等に
    違いが生じ
  • 4:34 - 4:38
    発火に より多量の刺激が
    必要になり
  • 4:38 - 4:42
    その差が脳の機能の
    違いに繋がるかもしれません
  • 4:42 - 4:44
    進化の過程を知る為には
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    繁殖に成功しているかどうか
    知る必要があります
  • 4:47 - 4:49
    これは私が28年間
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    アリ数の追跡調査を行ってきた地域の
  • 4:52 - 4:55
    収穫アリのコロニーの地図です
  • 4:55 - 4:57
    この年数は
    コロニーの寿命とほぼ同じです
  • 4:57 - 4:59
    各シンボルは コロニー
  • 4:59 - 5:03
    大きさは 子孫の数を表しています
  • 5:03 - 5:05
    遺伝子の情報を利用して
  • 5:05 - 5:07
    親と子孫をマッチさせ
  • 5:07 - 5:11
    どのコロニーが
    2世代目女王アリによって―
  • 5:11 - 5:12
    設けられたのか
    更には
  • 5:12 - 5:15
    どの親コロニーの
    出身なのか解明しました
  • 5:15 - 5:17
    そして長年の調査の末
    驚きの事実が判明しました
  • 5:17 - 5:20
    例えば この154番のコロニーは
  • 5:20 - 5:22
    私が 長年調査しているのですが
  • 5:22 - 5:24
    第一世代の
    親コロニーです
  • 5:24 - 5:25
    これが 娘のコロニーで
  • 5:25 - 5:28
    これが 孫のコロニーです
  • 5:28 - 5:30
    そして これらは
    ひ孫世代のコロニーになります
  • 5:30 - 5:32
    この調査によって
    解った事は
  • 5:32 - 5:36
    子孫と親コロニーは
  • 5:36 - 5:38
    どのくらい暑ければ収穫に出ないかの
  • 5:38 - 5:40
    判断が似ています
  • 5:40 - 5:41
    この子孫のコロニーは
    親コロニーとは
  • 5:41 - 5:44
    決して出会うことの無いほど
    離れているので
  • 5:44 - 5:46
    子孫コロニーのアリは
    親コロニーから
  • 5:46 - 5:49
    この知識を教わったはずはありません
  • 5:49 - 5:50
    ですから 次のステップは
  • 5:50 - 5:55
    この相似を生み出す
    遺伝子の違いを探す事です
  • 5:55 - 5:59
    そこから どのアリが 繁栄しているかを
    探ることもできます
  • 5:59 - 6:01
    これまでの研究の中で
  • 6:01 - 6:02
    特にこの10年間は
  • 6:02 - 6:06
    南西部アメリカでは
  • 6:06 - 6:08
    厳しい干ばつに襲われていますが
  • 6:08 - 6:11
    水を節約するために
  • 6:11 - 6:15
    猛暑の日は 巣の中に留まり
  • 6:15 - 6:18
    最大限の収穫を犠牲にするコロニーが
  • 6:18 - 6:21
    より’多くの子孫を残す事が解りました
  • 6:21 - 6:23
    それまで 154番のコロニーは
  • 6:23 - 6:26
    「負け組」だと考えていました
  • 6:26 - 6:28
    特に乾燥した日には収穫をほとんどせず
  • 6:28 - 6:29
    その間 他のコロニーは収穫に出て
  • 6:29 - 6:31
    沢山の餌を手に入れていたからです
  • 6:31 - 6:34
    しかし 154番コロニーは
    沢山の子孫を残しました
  • 6:34 - 6:36
    彼女は偉大な女王です
  • 6:36 - 6:39
    この場所で稀な
    3世代のコロニーを築き上げました
  • 6:39 - 6:42
    私の知る限り
    初めてではないでしょうか
  • 6:42 - 6:43
    自然な動物群の集団行動が
  • 6:43 - 6:46
    進化する過程を追跡調査して
  • 6:46 - 6:48
    どの行動によって
  • 6:48 - 6:53
    いちばん繁栄するのかを
    明らかにしました
  • 6:53 - 6:55
    インターネットは
    データの流れの制御に
  • 6:55 - 6:58
    アルゴリズムを使用していますが
  • 6:58 - 7:00
    この仕組みは
  • 7:00 - 7:03
    収穫アリが 餌集めに送り出す個体数を
  • 7:03 - 7:04
    制御する仕組みによく似ています
  • 7:04 - 7:08
    この類似を なんと呼んでいるか
    ご存知ですか?
  • 7:08 - 7:09
    「anternet (アンターネット)」です
  • 7:09 - 7:11
    (拍手)
  • 7:11 - 7:14
    データの伝送路容量が
  • 7:14 - 7:17
    十分に確保されているという
    信号を受けるまで
  • 7:17 - 7:20
    発信元コンピュータはデータを
    送出しません
  • 7:20 - 7:21
    インターネット初期は
  • 7:21 - 7:24
    運用コストは非常に高く
  • 7:24 - 7:27
    データを紛失しない事が
    極めて重要だったので
  • 7:27 - 7:29
    システムは信号のやりとりによって
  • 7:29 - 7:32
    データ送信を開始するように
    設計されました
  • 7:32 - 7:35
    アリが使用するアルゴリズムと
  • 7:35 - 7:38
    近年発明されたシステムの酷似は
    興味深いものがあります
  • 7:38 - 7:41
    しかし それは私達が知っている
    一握りのアリのアルゴリズムの
  • 7:41 - 7:43
    ほんの1つに過ぎません
  • 7:43 - 7:46
    一方 アリ達は1億3千万年の過程で
    素晴らしいものを
  • 7:46 - 7:48
    数多く進化させてきました
  • 7:48 - 7:50
    ですから 他の12,000種の
  • 7:50 - 7:52
    アルゴリズムの中には
  • 7:52 - 7:55
    私達が考え付かなかった
  • 7:55 - 7:56
    データネットワークに関しての
  • 7:56 - 7:59
    役立つヒントが
    あるに違いありません
  • 7:59 - 8:02
    では 運用コストが
    低い場合はどうでしょう?
  • 8:02 - 8:03
    熱帯地方では 運用コストは下がります
  • 8:03 - 8:06
    なぜなら 多湿の為に
    巣外での作業が
  • 8:06 - 8:08
    アリの負担にならないからです
  • 8:08 - 8:10
    しかし 熱帯地方では
    アリの数が多く
  • 8:10 - 8:12
    種類も多く存在しますので
  • 8:12 - 8:14
    沢山の競争があります
  • 8:14 - 8:16
    ある種が使っている資源は
  • 8:16 - 8:20
    別の種のアリも同時に
  • 8:20 - 8:22
    狙っているかもしれません
  • 8:22 - 8:25
    ですので この環境では 「やりとり」は
  • 8:25 - 8:26
    逆の目的で使われます
  • 8:26 - 8:28
    これは常に「オン」のシステムで
  • 8:28 - 8:29
    不都合がある場合のみ
    ストップします
  • 8:29 - 8:32
    私が観察したアリの1種は
  • 8:32 - 8:34
    木の幹や枝に収穫アリが経路を形成し
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    巣と餌場との往復を
  • 8:37 - 8:38
    何回も繰り返します
  • 8:38 - 8:40
    不都合が発生しない限り --
  • 8:40 - 8:41
    例えば 他の種のアリと
  • 8:41 - 8:44
    出くわしたりしない限り やめません
  • 8:44 - 8:47
    アリのセキュリティの1例を
    お見せしましょう
  • 8:47 - 8:49
    中央部で 1匹のアリが
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    自らの頭で巣の入口を塞いでいますが
  • 8:51 - 8:54
    これは他の種に出くわした結果です
  • 8:54 - 8:56
    相手は 腹部を上に曲げて
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    動き回っているアリです
  • 8:59 - 9:01
    脅威が去るとすぐに
  • 9:01 - 9:03
    入口は 開けられます
  • 9:03 - 9:05
    コンピュータのセキュリティでも
  • 9:05 - 9:06
    状況によって
  • 9:06 - 9:08
    運用コストが安い場合には
  • 9:08 - 9:12
    直面する脅威に対して
    一時的に対応して
  • 9:12 - 9:14
    接続をブロックし
  • 9:14 - 9:16
    再度 接続を開始する方が
  • 9:16 - 9:17
    恒久的なファイアウォールや
  • 9:17 - 9:21
    フォートレスを築くよりも
    効率的かもしれません
  • 9:21 - 9:23
    さて もう一つの環境問題
  • 9:23 - 9:25
    全てのシステムにおいて
    必要なのが
  • 9:25 - 9:30
    「資源」です
    「資源」を見つけ 集める事です
  • 9:30 - 9:32
    アリは この問題の解決に
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    集団探索を行っています
  • 9:33 - 9:35
    この行為は 現在ロボット工学で
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    注目されている問題です
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    なぜなら 例えばですが
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    他の星の探査や
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    火災のビルの捜索などに
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    洗練された高価な
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    ロボットを1台使用するより
  • 9:47 - 9:50
    最小限の情報を交換する
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    安価なロボットを複数使った方が
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    効率的だと考えられていますが
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    これは まさにアリのやり方と同じなのです
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    侵略的な アルゼンチンアリは
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    拡張可能なサーチ網を形成します
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    このアリは 集団探索の重大な課題に
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    上手く対応しています
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    徹底的に探索するか
  • 10:10 - 10:11
    広い面積を探索するかの
  • 10:11 - 10:13
    トレードオフの問題に対して
  • 10:13 - 10:14
    このアリのやり方は
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    狭い面積に沢山のアリがいる場合
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    それぞれが
    自分の周りを徹底的に探索します
  • 10:19 - 10:20
    なぜならその周辺は他のアリが
  • 10:20 - 10:22
    すでに探索を行っているからです
  • 10:22 - 10:23
    しかし より大きな範囲で
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    数匹のアリしかいない場合は
  • 10:25 - 10:28
    遠くまで出向いて
  • 10:28 - 10:29
    捜索範囲を広げる必要があります
  • 10:29 - 10:32
    アリ同士はやりとりから
    密度を評価していると思います
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    非常に密な状況では
  • 10:34 - 10:35
    仲間に頻繁に出会うので
  • 10:35 - 10:37
    より 徹底的な捜索を行うのです
  • 10:37 - 10:41
    それぞれの種のアリに
    様々なアルゴリズムがあるはずです
  • 10:41 - 10:43
    なぜなら どのアリも色々な環境に
  • 10:43 - 10:45
    対応しながら進化してきたからです
  • 10:45 - 10:47
    これを学ぶことは非常に役立つと考え
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    アリに 極限の環境で
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    集団捜索の問題を
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    解いてもらうことにしました
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    国際宇宙ステーション内の
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    微小重力環境での実験です
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    最初に写真を見た時は
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    「うわっ アリの箱が垂直になっている!」
    と思いましたが
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    その後 「そうか 問題無いんだ」と
    気付きました
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    実験の目的は アリ達は―
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    壁面や床面に
    あたる場所へ
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    しがみつくのに必死で
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    やりとりをする機会が減り
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    アリの密度と
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    アリ同士が接触する頻度の関係が
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    めちゃくちゃになるか というものです
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    まだ データは分析中ですので
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    結果は解りませんが
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    地球上でも 異なった環境で
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    様々な種の問題の解決方法を
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    知ることは 興味深い事です
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    ですので 私達は
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    世界中の子供たちに
    色々な種のアリで
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    この実験にトライしてもらう計画を
    立てています
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    非常に簡単で―
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    安価な材料で実験ができるので
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    世界中のアリの集団捜索に関する
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    アルゴリズム・マップも作成出来るかもしれません
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    侵略的な種で建物の中に
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    侵入するタイプのものには
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    素晴らしいアルゴリズムがあるでしょう
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    台所にまで入って来て
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    食糧や水をうまく探し出すのですから
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    アリがよく集まってくるのが
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    ピクニックです
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    これは まとまった資源です
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    果物を見つけたら
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    そのすぐ側にも
    果物があるはずですから
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    まとまった食糧に
    特化している種のアリは
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    「やりとり」を 仲間の召集に使います
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    ですから 他のアリや
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    地面に残された匂いに
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    出会った場合
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    アリは方向転換をして
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    やりとりの方に向かいます
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    このようにして ピクニックの食べ物に
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    アリの行列がやってくるわけです
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    この状況から癌について
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    何か学べるかもしれません
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    もちろん
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    癌予防のためには
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    私たちの体内で 癌の発生を促進する
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    有害物質の拡散や売買の禁止も
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    大切な事ですが
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    これは アリから学ぶ事はできません
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    アリは自らコロニーを
    有害物質で汚染しませんから
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    でも癌の治療法については
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    学ぶ事があるかもしれません
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    癌にも 沢山の種類があります
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    それぞれの癌は体内の
    決まった場所で発生し
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    その中のいくつかは 広がって
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    癌細胞が必要とする
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    資源を得られる細胞へ転移します
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    ですので 早期の
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    転移性がん細胞が
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    必要とする資源を
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    探し回っているとき
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    まとまった資源をみつけたら
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    仲間を招集する
    やりとりをするかもしれません
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    もし 癌細胞が仲間を集める仕組みを
    解明出来れば
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    罠を仕掛け―
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    癌細胞が定着する前に
    捕えられるかもしれません
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    アリは 様々な環境の中
    様々な方法で
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    「やりとり」を利用しています
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    私達はこれらの やりとりから
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    他の「集中制御機能の無いシステム」―
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    についても学ぶ事が出来ます
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    単純なやりとりを利用するのみで
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    アリのコロニーは驚くべき偉業を
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    1億3千万年以上成し遂げてきました
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    私達はアリからまだまだ学ぶ事があるのです
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    ありがとう
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    (拍手)
Title:
脳や癌細胞とインターネット アリ達が教えてくれる事
Speaker:
デボラ・ゴードン
Description:

生態学者のデボラ・ゴードンは砂漠や熱帯地方や彼女のキッチンなど、いたる所でアリを観察しています。この魅力的なトークの中で彼女は、私達の殆んどが何も考えずに追い払っている昆虫について、彼女が取りつかれている訳を説明してくれます。彼女は、アリの生態が私達の病気やテクノロジー、人間の脳についても学ぶ事があるのだと主張します。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
14:09

Japanese subtitles

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