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デザインと日常における第一印象

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    ぺらぺらぺらぺらぺら
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    ぺらぺらぺらぺら
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    ぺらぺら ぺらぺらぺらぺらぺらぺら
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    ぺらぺらぺら ぺら
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    これは一体なんでしょう?
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    もちろん 分からないでしょう
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    不明瞭で理解できませんから
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    でも願わくば
    十分自信を持って語られたので
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    少なくともミステリアスで
    引きつけるものはあったのではないでしょうか
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    明快か ミステリアスか?
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    私は日々
    グラフィック・デザイナーとして
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    そしてまたニューヨーカーとして
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    両者のバランスを取ろうとしています
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    これは私の心を引きつけてやみません
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    例をあげてみましょう
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    これが何だか分かる方は?
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    では こうしたら
    何か分かりますか?
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    巧みな2筆を加えてくれた
    天才チャールズ・M・シュルツのおかけで
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    この散りばめられた
    7つの巧みな線が
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    感情に富んだ命を生み出し
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    半世紀にわたって
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    何億人ものファンを
    魅了してきました
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    実はこちらは本の表紙で
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    シュルツの作品と技法についての
    本の表紙デザインを手掛けました
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    この秋に出版予定で
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    これが表紙のすべてです
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    他の文字や視覚情報は
    表紙には一切ありません
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    この本のタイトルは
    『必要なものだけ』です
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    これは私が デザインを
    理解したり 生み出したりする上で
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    日々行っている選択を
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    象徴するものです
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    明快さ
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    明快なものは要点をつきます
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    単刀直入で 率直で
    嘘偽りがありません
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    ご自身に問うてみましょう
    [ いつ 明快であるべきか? ]
  • 2:07 - 2:13
    さて このようなものは
    読める読めないに関わらず
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    非常に明快であるべきですが
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    いかがでしょうか?
  • 2:21 - 2:27
    こちらは 最近の都会的明快さの例で
    私が大好きなものです
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    その理由は 私が遅刻魔で
    いつも急いでいるからです
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    数年前に こんな数字表示を
    通りで見かけるようになったとき
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    ワクワクしたものです
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    車に轢かれずに道を渡るには
    何秒で行けばよいか
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    分かるようになったからです
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    6秒? それならいける!(笑)
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    それでは明快な陽に対する
    陰を見て見ましょう
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    陰とはミステリーです
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    ミステリーとは その定義上
    ずっと込み入ったものです
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    ミステリーは解明されることを求めます
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    上手く作られた謎は
    どうしても解明したくなります
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    [ いつ ミステリアスになるべきか? ]
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    第二次世界大戦時のドイツは
    どうしても これを解読したかったのですが
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    できませんでした
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    これは 私が最近手がけたデザインです
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    村上春樹の小説で
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    彼の表紙デザインは
    これまで20年間ずっと手がけてきました
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    この小説の若い主人公は
    4人の親友がいますが
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    大学1年を過ぎると
    突然何の説明もなしに
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    一方的に絶縁を言い渡され
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    絶望感に胸をさいなまれます
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    友人たちの名字にはみんな
    色が含まれていて
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    アカ、アオ、シロ、クロと
    呼ばれていますが
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    主人公の多崎つくるだけは
    名前に色が入っておらず
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    いわば「色なし」です
    自分たちの関係を振り返って
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    5本の指のようだったと思う
    くだりがあるので
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    それを表現できるような
    抽象的なデザインを作りました
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    でも物語の表面下には
    もっと複雑なものがあり
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    この表紙の奥にも
    沢山のメッセージがあります
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    ここでは4本の指が
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    東京の地下鉄の
    4本の路線になっていて
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    それが物語の中で
    重要な意味を持っています
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    色のない路線が
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    他の色のそれぞれと交わっており
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    彼が物語の後半でやることを
    示唆しています
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    当時 親友だった
    一人ひとりと対峙して
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    なぜ絶交をつきつけられたのか
    探し求めます
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    こちらは3次元的な完成品で
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    私の机に飾ってあります
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    私が願うのは 皆さんがこのような
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    ミステリアスなデザインに魅了され
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    なぜこのような表紙なのか
    知りたいと思い
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    中身を読みたくなるということです
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    [ 視覚の言葉 ]
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    こちらはもっと馴染みのある謎を使います
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    どういうことでしょうか?
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    こういうことです
    [ 別の何かのように見せる ]
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    視覚の言葉とは
    何か見慣れたものを
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    別のものに使うことで
    違う視点で見せる方法です
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    私がこの方法をとりたかったのは
    デビッド・セダリスのエッセイ集を手掛けた時で
  • 5:32 - 5:35
    当時はこんなタイトルでした
    [ 『貴方に必要な美のすべて』 ]
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    ここで頭を抱えたのは
    このタイトルには何の意味もないこと
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    本の中の どのエッセイとも 
    関連していません
  • 5:43 - 5:48
    著者の彼氏が夢で見たんだそうです
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    さようでございますか・・・(笑)
    普段 私が生み出すデザインは
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    たいてい文章を元にしていますが
    使える文章がこれしかないわけです
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    特に何の意味もなさない
    ミステリアスなタイトルだけ
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    頭をひねりました
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    意味がありそうで 実はそうではない
    謎めいた文章が何かなかったか?
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    すると案の定 しばらくして
  • 6:13 - 6:17
    夕飯に中華料理を食べた後のことです
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    テーブルに これが出てきたんです
    「ああ これだ アイデアで悶えそう!」(笑)
  • 6:23 - 6:29
    私はフォーチュンクッキーの
    可笑しいくらいに謎めいた文言が好きで
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    とても深い意味が
    ありそうに見えますが
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    よく考えると
    何の意味もないことが分かるでしょう
  • 6:36 - 6:42
    例えば こちら
    「未来を考えないことで得られるものを知る人は少ない」
  • 6:43 - 6:45
    そうですか (笑)
  • 6:45 - 6:51
    でも この視覚の言葉は
    セダリス氏の本に適用できます
  • 6:51 - 6:57
    私たちはフォーチュンクッキーの
    おみくじはすごく見慣れているので
  • 6:57 - 6:59
    もう あの小さなクッキーが
    なくとも分かるでしょう
  • 6:59 - 7:02
    この奇妙なものを目にし
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    大好きなデビッド・セダリスのことなので
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    きっと楽しいものに違いない
    と思うわけです
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    デイビッド・ラコフは素晴らしい作家で
    [ デイビッド ・ラコフ著『Fraud (インチキ)』 ]
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    最初の作品を『インチキ』と名づけました
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    なぜなら彼は自分に
    できそうもない仕事を
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    雑誌社から依頼されたからです
  • 7:21 - 7:24
    ラコフは小柄で華奢な
    都会の男性でしたが
  • 7:24 - 7:27
    雑誌GQは彼にコロラド川で
  • 7:27 - 7:30
    急流下りをさせて
    どうなるか試そうとしたんです
  • 7:32 - 7:37
    自分のことを偽って伝えていると
    感じたのでした
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    ですから この本の表紙も
    内容を偽って伝え
  • 7:42 - 7:47
    それに読者が異を唱えているように
    見せたいと思いました
  • 7:47 - 7:50
    この考えからグラフィティにたどり着きました
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    グラフィティには魅力を感じます
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    都会に住んでいる人なら
    グラフィティはよく目にしているでしょう
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    いろんな種類があります
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    こちらの写真は
    ロウアー・イースト・サイドで撮影した
  • 8:03 - 8:05
    歩道にある変圧器で
  • 8:05 - 8:07
    めちゃくちゃ落書きされています
  • 8:07 - 8:13
    皆さんは これを見て
    「素敵で都会的なものだな」と思うかもしれないし
  • 8:13 - 8:17
    「公共財を違法に汚している」と
    思うかもしれませんが
  • 8:17 - 8:20
    一つだけ誰もが同意するのは
  • 8:20 - 8:23
    これが読めない ということでしょう
  • 8:23 - 8:26
    そうでしょう? 
    明快なメッセージはありません
  • 8:26 - 8:32
    これとは別種のグラフィティで
    ずっと面白いのがあって
  • 8:32 - 8:35
    私は校閲グラフィティと呼んでいます
  • 8:35 - 8:39
    こちらは私が最近
    地下鉄の駅で撮った写真です
  • 8:39 - 8:43
    よく卑わいなのや
    くだらないのを目にしますが
  • 8:43 - 8:46
    これは面白いなと思いました
  • 8:46 - 8:50
    エアビーアンドビーを
    持ち上げるポスターなんですが
  • 8:50 - 8:53
    誰かがマジックペンを手に
  • 8:53 - 8:56
    これについてどう思うか
    校注として書き込んでいます
  • 8:56 - 8:59
    これは私の注意を引きました
  • 8:59 - 9:03
    これを本の表紙に使えないかと
    考えたのです
  • 9:03 - 9:08
    彼の本を手にとり
    読み始めて思ったのは
  • 9:08 - 9:13
    彼は主張しているような人物ではない
    インチキだということ
  • 9:13 - 9:17
    そこで赤のマジックペンを手に
  • 9:17 - 9:21
    表紙に思いっきり書きなぐりました
    [ FRAUD (インチキ) ]
  • 9:21 - 9:25
    デザインの出来上がりです(笑)
  • 9:26 - 9:30
    なんとこれが好評だったんです!(笑)
  • 9:30 - 9:32
    著者も出版社も気に入り
  • 9:32 - 9:35
    それでこんな本が
    世に出ることになりました
  • 9:35 - 9:40
    見ていて楽しかったですね
    この本を地下鉄で読んでいる人とか
  • 9:40 - 9:42
    この本を持ち歩いている人とか
  • 9:42 - 9:46
    頭がおかしいんじゃないかと映りました
  • 9:46 - 9:48
    (笑)
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    ジェイムズ・エルロイは類まれなる犯罪小説作家で
    [ ジェイムズ・エルロイ著『Perfidia (背信)』 ]
  • 9:53 - 9:55
    良き友でもあります
    長年 一緒に仕事をしてきました
  • 9:55 - 9:57
    彼の代表作といえば
  • 9:57 - 10:00
    『ブラック・ダリア』と
    『L.A.コンフィデンシャル』でしょう
  • 10:00 - 10:05
    彼の最新作が『背信』
    とてもミステリアスなタイトルで
  • 10:05 - 10:09
    多くの方がその意味をご存知でしょうが
    知らない方も多いと思います
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    小説の舞台は 1941年のロサンゼルスで
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    日系人の探偵が
    殺人事件を捜査します
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    そこに真珠湾攻撃が起こり
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    ただでさえ大変な彼の人生に
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    人種間の軋轢が加わります
  • 10:28 - 10:33
    日系人収容所が瞬く間にでき
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    緊張が走り
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    災難が降りかかる中
    主人公は殺人事件を解決しようとします
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    最初に考えたのは
    そのまんまのデザインで
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    真珠湾攻撃にロサンゼルスを足して
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    街の地平線に訪れる
    黙示録的な夜明けを描こうとしました
  • 10:56 - 10:59
    言ってみれば 真珠湾攻撃の画を
  • 10:59 - 11:02
    ロサンゼルスに接木したわけです
  • 11:02 - 11:05
    編集長は
    「うーん 面白いけど
  • 11:05 - 11:10
    もっと良いのができるだろう
    シンプルにできるはずだ」と
  • 11:10 - 11:15
    それでいつもするように
    はじめから考え直しました
  • 11:15 - 11:19
    私は周りのものに
    注意を払っています
  • 11:19 - 11:23
    職場はミッドタウンの高層ビルにあって
  • 11:23 - 11:26
    毎晩オフィスから出る時にやっているのが
  • 11:26 - 11:29
    このボタンを押すことで
  • 11:29 - 11:32
    大きくて重たいガラスのドアが開いて
    エレベーターに乗ることができます
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    ある晩のことですが ふと
  • 11:36 - 11:41
    これがいつもとは違って見えたのです
  • 11:41 - 11:44
    大きな赤い丸 危険を意味しています
  • 11:44 - 11:47
    このシンボルはあまりに明らかで
  • 11:47 - 11:50
    何度も使われてきたに違いないと思い
  • 11:50 - 11:53
    Googleで画像検索したところ
  • 11:53 - 11:57
    このようなデザインの表紙は
    ついぞ見つからず
  • 11:57 - 11:59
    結局 このデザインを使用することになり
  • 11:59 - 12:02
    視覚的にも面白い
  • 12:02 - 12:06
    ロサンゼルスとアメリカに
    迫りつつある日の出という
  • 12:06 - 12:11
    緊張感ある構図を
    生み出すことができました
  • 12:12 - 12:14
    [ メアリー・ローチ著
    『ごっくん ― ヒトの消化器系について』 ]
  • 12:14 - 12:17
    メアリー・ローチは素晴らしい作家で
  • 12:17 - 12:20
    退屈になりがちな科学テーマを取り上げて
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    退屈とは正反対の とても面白いものに
    変えてしまいます
  • 12:24 - 12:25
    こちらの本は
  • 12:25 - 12:28
    ヒトの消化器官の話です
  • 12:28 - 12:33
    この本の表紙について
    思いを巡らせました
  • 12:34 - 12:38
    これは私の自撮り写真です(笑)
  • 12:38 - 12:44
    毎朝 自分の姿を
    洗面台の鏡に映しながら
  • 12:44 - 12:47
    自分の舌が黒くないか確認します
  • 12:47 - 12:50
    もし黒くなければ バッチリです
  • 12:50 - 12:53
    (笑)
  • 12:55 - 12:58
    皆さんにもお勧めしますよ
  • 12:58 - 13:02
    私が考え始めたのは
    そこは入り口だということ
  • 13:02 - 13:05
    でしょう? 消化器系への入り口です
  • 13:06 - 13:08
    ただ皆さんも同意すると思いますが
  • 13:08 - 13:12
    実際のヒトの口の写真というのは
    これで見る限り
  • 13:12 - 13:16
    美しくありません(笑)
  • 13:16 - 13:20
    ですから表紙には
    イラストを使い
  • 13:20 - 13:22
    口当たり良くしました
  • 13:22 - 13:27
    それに消化器系へと案内するには
    こっち側の入り口の方が
  • 13:27 - 13:29
    いいのは確かです
  • 13:29 - 13:32
    (笑)
  • 13:32 - 13:35
    その理由は お分りいただけますよね
  • 13:36 - 13:37
    [ 無用なミステリー ]
  • 13:37 - 13:41
    明快さとミステリーが
    混在したらどうなるでしょうか?
  • 13:42 - 13:43
    これはよくあるケースです
  • 13:43 - 13:46
    私は無用なミステリーと呼んでいます
  • 13:46 - 13:49
    地下鉄の駅に行くと
    ―私はよく地下鉄を使いますが―
  • 13:49 - 13:53
    こんな紙が柱に張り出されています
  • 13:54 - 13:58
    ありますよね? 
    私は「まずいぞ」と思い
  • 13:58 - 14:02
    電車は近づいてくるし
    何が書かれているのか理解しようとしますが
  • 14:02 - 14:05
    大変厄介です
  • 14:05 - 14:09
    ここでの問題は 分かりやすく
    情報を細分化しているつもりが
  • 14:09 - 14:12
    全然役に立っていないということです
  • 14:12 - 14:16
    これは必要ないミステリーと言えます
  • 14:16 - 14:24
    必要なのは明快で役に立つものですから
    遊び半分で ちょっと変えてみました
  • 14:24 - 14:26
    全く同じ内容を使っています
  • 14:26 - 14:29
    (拍手)
  • 14:30 - 14:34
    どうも 都市交通局からのお誘い
    お待ちしています(笑)
  • 14:34 - 14:38
    使っている色は
    元のより少ないんですよ
  • 14:38 - 14:41
    路線の4番と5番を
    緑色にしないなんて
  • 14:41 - 14:44
    頭が悪いですね(笑)
  • 14:45 - 14:48
    最初に目に付くのは
    何か運行に変更があることで
  • 14:48 - 14:52
    それから2つの完結した文があり
    冒頭・中盤・終盤という構成で
  • 14:52 - 14:56
    変更が何で
    何が起こるか伝えています
  • 14:56 - 15:00
    こんなに簡単なんです!(笑)
  • 15:02 - 15:04
    [ 有用なミステリー ]
  • 15:04 - 15:10
    次は私が愛してやまない
    ミステリー作品です
  • 15:10 - 15:11
    パッケージです
  • 15:11 - 15:15
    ダイエット・コーラの新デザインは
  • 15:15 - 15:20
    ターナー・ダックワースが手掛けたものですが
    芸術の域だと思います
  • 15:20 - 15:24
    まさに芸術品で 美しいです
  • 15:24 - 15:27
    デザイナーとしての私に
    強く訴えかけるのは
  • 15:27 - 15:31
    ダイエット・コーラの
    視覚の言葉である
  • 15:31 - 15:35
    書体と色と
    銀色の背景を取り出し
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    最も本質的なところまで
    そぎ落としているところです
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    ちょうどあのチャーリー・ブラウンの
    顔のように
  • 15:43 - 15:47
    それが何か理解できる
    最低限の情報は何かと考え
  • 15:47 - 15:51
    人々が既に持っている
    商品の知識を
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    うまく利用しています
  • 15:52 - 15:56
    素敵です
    食料品店に行くと
  • 15:56 - 16:01
    棚にこの缶が並んでいるというのは
    本当に素晴らしいです
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    そして お次はこちら—
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    がっかりさせられるものだと
    [ 無用な明快さ ]
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    私は思います
  • 16:09 - 16:12
    また地下鉄に戻りますが
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    あのコーラが発売された後に
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    撮った写真があるんですが
  • 16:16 - 16:19
    場所は地下鉄タイムズ・スクエア駅
  • 16:19 - 16:24
    コカ・コーラ社が広告スペースを
    買い占めています
  • 16:24 - 16:28
    皆さんの中には 何の話か
    分かる人もいるでしょう
  • 16:29 - 16:30
    エヘン
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    「ニューヨークにやってきた
    あるのは背負った着替えと
  • 16:33 - 16:36
    ポケットのお金と
    胸に抱いた夢だけ
  • 16:36 - 16:39
    さあ出番だ コーク」
    (おまえコカインやってるな)
  • 16:45 - 16:48
    「ニューヨークにやってきた
    あるのはMBAの資格と
  • 16:48 - 16:50
    1着のきれいなスーツと
    かたい握手だけ
  • 16:50 - 16:53
    さあ出番だ コーク」
    (おまえコカインやってるだろ)
  • 16:54 - 16:58
    これ本物の広告ですよ!(笑)
  • 16:58 - 17:02
    柱すら犠牲になっていますが
  • 17:02 - 17:06
    こちらはヨーダ調になっています(笑)
  • 17:08 - 17:11
    「コーク さあ出番だ」
    (やってるよな コカイン)
  • 17:11 - 17:14
    [ はい? 私が何をやってるって? ]
  • 17:14 - 17:18
    この広告は大失敗でした
  • 17:18 - 17:22
    消費者からの反発で
    すみやかに撤去され
  • 17:22 - 17:27
    ネットには ありとあらゆる
    パロディが溢れています
  • 17:27 - 17:29
    (笑)
  • 17:29 - 17:34
    ちなみに「出番だ (YOU'RE ON)」の横にある点は
    ピリオドではなく 商標の印です
  • 17:35 - 17:36
    やれやれ
  • 17:36 - 17:40
    私にとって 不思議でならないのは
  • 17:40 - 17:46
    缶のパッケージをこんなにも
    ミステリアスで見事に仕上げたのに
  • 17:46 - 17:51
    付随するメッセージが耐え難いほど
    明らかに間違っていることです
  • 17:51 - 17:54
    信じられませんでしたね
  • 17:54 - 17:58
    本日は皆さんに
    明快さとミステリーを
  • 17:58 - 18:04
    私が仕事でどのように使っているか
    お話しさせていただきました
  • 18:04 - 18:09
    皆さんの判断のお役に立てば幸いです
    もっと明快にしようというとき
  • 18:09 - 18:15
    あるいは もう少しミステリアスになって
    「シェア」しすぎないようにしようというときに
  • 18:15 - 18:18
    (笑)
  • 18:19 - 18:24
    今日の話で皆さんに覚えていただきたいものを
    一つだけあげるなら
  • 18:24 - 18:26
    こちらです
  • 18:26 - 18:29
    ペラペラペラぺら ぺらぺらペラペラ
    [ チップ・キッド著『Judge This』 ]
  • 18:29 - 18:32
    ペラペラぺらぺらぺら ぺらぺらぺら
    [ チップ・キッド著『Judge This』 ]
  • 18:32 - 18:34
    ぺらぺら
  • 18:34 - 18:38
    (拍手)
Title:
デザインと日常における第一印象
Speaker:
チップ・キッド
Description:

装丁家のチップ・キッドは、私達が最初の見た目から判断することがどれほど多いかよく心得ています。楽しく軽快なこの講演で、キッドはデザイナーが瞬時にメッセージを伝えるためによく使う「明快さとミステリー」の手法を取り上げ、それが、いつ、どうして、どのように作用するのか解説します。美しく役立つデザインを称え、残念な作品をこき下ろし、自らの代表的な表紙デザインを生んだ思考過程を明かします。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
18:57

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