Return to Video

宇宙線は宇宙の解明にどのように役立つのか ―ヴェロニカ・ビンディ

  • 0:08 - 0:12
    私たちは銀河の外の宇宙について
    どの程度知ることができるのでしょうか?
  • 0:12 - 0:14
    ハッブル望遠鏡を使うことで
  • 0:14 - 0:18
    私たちは130億光年も遠く離れた物体を
    見ることができますが
  • 0:18 - 0:22
    それでも私たちの全ての問い
    に答えてはくれません
  • 0:22 - 0:25
    たとえば
    「宇宙は何からできているのか?」
  • 0:25 - 0:29
    「最も多くある元素は何なのか?」
  • 0:29 - 0:33
    「宇宙には未発見の物質やエネルギーがあるのか?」
  • 0:33 - 0:38
    「反物質の星や銀河は存在するのか?」など
  • 0:38 - 0:42
    目に見える映像からだけでは
    答えられない質問がいくつかあります
  • 0:42 - 0:45
    しかし もし探査機や人工衛星が届かない
  • 0:45 - 0:47
    宇宙の遥か遠くにある領域から
  • 0:47 - 0:50
    物理的なデータを届ける
    メッセンジャーがいたらどうでしょうか
  • 0:50 - 0:57
    実は私たちには 宇宙線と呼ばれる
    「宇宙のメッセンジャー」がいるのです
  • 0:57 - 1:00
    宇宙線は1912年にヴィクトール・ヘスによって
    初めて発見されました
  • 1:00 - 1:05
    彼はそれまで地球の地殻から
    放射すると考えられていた
  • 1:05 - 1:08
    大気中の放射線のレベルの変化を
    測定しようとしました
  • 1:08 - 1:12
    ヘスは日食が起きている間に
    気球に乗って測定することで
  • 1:12 - 1:15
    高度が高いほど放射線量が増えること
  • 1:15 - 1:20
    また太陽がその線源ではないことを
    証明したのです
  • 1:20 - 1:23
    放射線が地球の大気より内側からではなく
    宇宙から来たことは
  • 1:23 - 1:28
    衝撃的な結論でした
  • 1:28 - 1:32
    宇宙は数多くの天体からできています
  • 1:32 - 1:38
    様々な大きさの何十億もの恒星や
    ブラックホール 活動銀河核
  • 1:38 - 1:41
    小惑星 惑星などなど
  • 1:41 - 1:46
    例えば大きな恒星が爆発し超新星になる時など
    激しい変化が起こった場合
  • 1:46 - 1:50
    何十億もの粒子が
    宇宙に放出されます
  • 1:50 - 1:52
    宇宙線は「線」と呼ばれていますが
  • 1:52 - 1:55
    光線を作る光子ではなく
  • 1:55 - 1:58
    高エネルギーの粒子からできています
  • 1:58 - 2:01
    星の爆発から放出された光は
    有名な不変の速さで
  • 2:01 - 2:03
    まっすぐに進むのに対して
  • 2:03 - 2:05
    これらの粒子は
    爆発による磁力の衝撃波により
  • 2:05 - 2:09
    果てしないループに捕らわれます
  • 2:09 - 2:12
    これらの磁力線の間を
    行ったり来たりしながら
  • 2:12 - 2:17
    脱出するまでの間には
    光とほぼ同じ速さまで加速します
  • 2:17 - 2:21
    宇宙は大量の宇宙線で溢れていて
    地球に届くものの中には
  • 2:21 - 2:24
    何十億年も旅をしてきたものもあります
  • 2:24 - 2:28
    大気圏に突入すると
    宇宙線は大気中の分子と衝突し
  • 2:28 - 2:31
    元の宇宙線よりもエネルギーが低く
    軽い粒子の
  • 2:31 - 2:35
    二次宇宙線を作りだします
  • 2:35 - 2:37
    これらの粒子のほとんどは
    大気中に吸収されますが
  • 2:37 - 2:42
    一部は地表まで届き
    私たちの体を通過することもあります
  • 2:42 - 2:45
    海水面では この線量は
    そこそこ低くなります
  • 2:45 - 2:49
    しかし標高が高い場所で
    多くの時間を過ごす人―
  • 2:49 - 2:53
    例えば航空機の乗員は
    ずっと多くの宇宙線に晒されます
  • 2:53 - 2:56
    宇宙線がメッセンジャーとして有益なのは
  • 2:56 - 2:59
    その起源の痕跡を運ぶからです
  • 2:59 - 3:03
    異なる粒子の検出頻度を
    調べることにより
  • 3:03 - 3:06
    科学者達は 宇宙における
    水素やヘリウムなどの
  • 3:06 - 3:10
    元素の割合を特定できます
  • 3:10 - 3:13
    しかし宇宙線は
    宇宙自体の構造に関する
  • 3:13 - 3:16
    さらに興味深い情報を
    もたらしてくれます
  • 3:16 - 3:21
    最近アルファ磁気分光器(AMS)と
    呼ばれる実験装置が
  • 3:21 - 3:24
    国際宇宙ステーションに設置されました
  • 3:24 - 3:26
    宇宙線の速さ 軌道
    放射 質量やエネルギーなどを
  • 3:26 - 3:33
    個別に測定する
    複数の検知器を積んだもので
  • 3:33 - 3:37
    その粒子が物質なのか反物質なのかも
    知ることが出来ます
  • 3:37 - 3:40
    2つは通常は判別できませんが
  • 3:40 - 3:45
    反対の電荷を持っているため
    磁石の力を借りて検知することができます
  • 3:45 - 3:50
    AMSは毎日5,000万の粒子を観測し
  • 3:50 - 3:54
    宇宙ステーションから
    CERNにあるAMSコントロールルームに
  • 3:54 - 3:57
    個々の粒子に関する情報が
    リアルタイムで送られます
  • 3:57 - 3:59
    今後 数ヶ月から数年かの間に
  • 3:59 - 4:03
    反物質や
  • 4:03 - 4:05
    ダークマターの存在の可能性
  • 4:05 - 4:08
    宇宙旅行の際の
    宇宙線被曝の影響を軽減する方法など
  • 4:08 - 4:11
    衝撃的かつ有益な情報が
    得られることが期待されています
  • 4:11 - 4:15
    新しい発見を待つまでの間
    晴れた夜に空を観察すれば
  • 4:15 - 4:18
    国際宇宙ステーションを
    見ることができるでしょう
  • 4:18 - 4:22
    そこでは宇宙の秘密を運ぶ
    小さなメッセンジャーを
  • 4:22 - 4:24
    AMSが受け取っています
Title:
宇宙線は宇宙の解明にどのように役立つのか ―ヴェロニカ・ビンディ
Description:

私たちは宇宙を構成している物質とエネルギーの4%しか把握していません。銀河の彼方に何があるのか・・・また、そこに未知の物質があるのか知ることができるのでしょうか?幸運なことに、「宇宙線」という宇宙のメッセンジャーがいます。宇宙線は私たちが到達できない宇宙領域から物理的なデータを運んでくれます。ヴェロニカ・ビンディが宇宙線とは何か、また宇宙線は遥か宇宙の彼方からどのように情報を運ぶのかを教えてくれます。

講師: ヴェロニカ・ビンディ
アニメーション: TED-Ed

*このビデオの教材: http://ed.ted.com/lessons/how-cosmic-rays-help-us-understand-the-universe-veronica-bindi

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
04:40

Japanese subtitles

Revisions