ボンネットの内側:自動車にまつわる化学 ― シンシア・チュバック
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0:08 - 0:12現在 世界には
10億台以上もの自動車があり -
0:12 - 0:13行くべきところに
人びとを運んで行きます -
0:13 - 0:16しかし自動車は
移動手段というだけではなく -
0:16 - 0:19化学の勉強の場ともなっています
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0:19 - 0:22自動車を動かすプロセスは
エンジン内部のシリンダーから始まります -
0:22 - 0:25そこでは 燃料噴射装置から
噴霧されたガソリンと -
0:25 - 0:27インテークバルブから
一気に取り込んだ空気が -
0:27 - 0:30混合され
スパークプラグにより点火すると -
0:30 - 0:32膨張しピストンを押す
気体となります -
0:33 - 0:37しかし燃焼は発熱反応なので
熱を発生します -
0:37 - 0:39それも大量の熱です
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0:39 - 0:41熱の大部分は
マフラーから放出されますが -
0:41 - 0:46シリンダーブロックに残った熱は
吸熱 運搬と放散する必要があり -
0:46 - 0:49そうすることで金属部品を
変形や融解から守ります -
0:50 - 0:52ここで冷却システムの出番です
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0:52 - 0:54液体をエンジンの内部に循環させますが
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0:54 - 0:57どんな種類の液体が
熱をすべて吸収できるのでしょうか? -
0:57 - 0:59明らかに 水が最初の選択肢として
挙げられるでしょう -
0:59 - 1:01何といっても水の比熱 ―
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1:01 - 1:04つまり 一定の量の物質の温度を
1℃上昇させるのに -
1:04 - 1:06必要なエネルギー量は
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1:06 - 1:08他のどんな一般的な物質よりも
高いのです -
1:08 - 1:11吸収しなければならない
熱エネルギーは膨大ですが -
1:11 - 1:13水を使うことには
大きな問題を伴います -
1:13 - 1:17ひとつには水の凝固点は0℃です
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1:17 - 1:19水は凍結すると膨張するので
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1:19 - 1:23寒冷な冬の夜には ラジエーターの亀裂や
シリンダーブロックの破損につながり -
1:23 - 1:25凍り付くような事態となります
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1:25 - 1:28しかも 自動車のエンジンが
どれくらい高熱になるかを考慮すると -
1:28 - 1:30水の沸点は100℃と比較的低いので
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1:30 - 1:33蒸気が発生する状況に至ります
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1:33 - 1:36そこで水の代わりに
溶液を使用します -
1:36 - 1:39これは溶質と溶媒からなる
均質な混合物です -
1:40 - 1:44溶液の特性のいくつかは
含まれる溶質の比率によって異なります -
1:45 - 1:48束一的性質と呼ばれる特性があり
その中には運が良ければ得られる ― -
1:48 - 1:51凝固点降下や沸点上昇があります
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1:52 - 1:57溶液は 純粋な溶媒よりも低い凝固点と
高い沸点を同時に得られ -
1:57 - 2:00しかも溶質の比率が高くなると
それらの温度差も大きくなります -
2:00 - 2:02ではなぜ これらの特性が
変化するのでしょうか? -
2:02 - 2:05まず 温度は粒子の平均運動エネルギーの
尺度であることを -
2:05 - 2:08理解する必要があります
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2:08 - 2:10液体の温度が低いほど
エネルギーは小さく -
2:10 - 2:12分子の運動もゆっくりとしています
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2:12 - 2:15液体が凝固すると
分子の運動は低下し -
2:15 - 2:17分子間力が働くほどに
運動が十分に抑えられると -
2:18 - 2:20結晶構造を形成します
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2:20 - 2:24しかし媒質の粒子が
分子間力を阻害するため -
2:24 - 2:28結晶を形成するためには
さらなる冷却が必要になります -
2:28 - 2:31液体が沸騰する温度 沸点に達すると
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2:31 - 2:33蒸気で満たされた
気泡が生成されますが -
2:33 - 2:37気泡が形成されるためには
蒸気圧が -
2:37 - 2:40液体表面に常に力を及ぼす大気圧に
匹敵する大きさにならねばなりません -
2:40 - 2:43液体が熱せられると蒸気圧は上昇し
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2:43 - 2:46これが大気圧と等しくなると
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2:46 - 2:48気泡が形成され 沸騰が起こります
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2:48 - 2:51溶液の蒸気圧は
純粋な溶質より低いため -
2:51 - 2:54大気圧に等しくなるためには
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2:54 - 2:57より高い温度にまで
熱しなければなりません -
2:57 - 2:59副次的な効果として
ラジエーター内の圧力は -
2:59 - 3:01大気圧より高く保たれ
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3:01 - 3:05沸点をさらに25℃ほど
上昇させます -
3:05 - 3:08自動車の冷却システムで
通常 使用される溶媒は -
3:08 - 3:11エチレングリコールと水の
50対50の混合液です -
3:11 - 3:17凝固点はマイナス37℃
沸点は106℃です -
3:18 - 3:21推奨される配合比は 最大で70対30で
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3:21 - 3:25凝固点は さらに低いマイナス55℃
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3:25 - 3:29沸点は113℃まで上昇します
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3:29 - 3:31お分かりの通り
エチレングリコールを加えていくと -
3:31 - 3:35より保護力が高まりますが
なぜ更に配合比率を上げないのでしょうか -
3:35 - 3:37それはやりすぎだと分かります
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3:37 - 3:39より配合比率が高まると
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3:39 - 3:41凝固点はなんと上昇し始めるからです
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3:42 - 3:45溶液の特性は
エチレングリコールの特性 ― -
3:45 - 3:48凝固点マイナス12.9℃に近づきます
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3:48 - 3:51これでは 達成済みの溶液の凝固点より
高くなってしまいます -
3:51 - 3:55冷却用の溶液はエンジン内を
熱を吸収しながら流れます -
3:55 - 3:58ラジエーターに達すると
車の前面に流れ込む空気と -
3:58 - 4:00ファンによって冷却され
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4:00 - 4:03その後 高温のエンジン部分に戻されます
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4:03 - 4:05ですから 効率的かつ安全な
エンジン冷却水は -
4:05 - 4:09高い比熱と低い凝固点と高い沸点を
合わせ持つ必要があります -
4:09 - 4:13この問題に対する完璧な液体を
世界中から探し出す代わりに -
4:13 - 4:16解決できる溶液を
創り出すことだって可能です
- Title:
- ボンネットの内側:自動車にまつわる化学 ― シンシア・チュバック
- Description:
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現在、世界には10億台以上もの自動車があり、A 地点から B 地点へと人々を運んでいます。しかし自動車は移動手段というだけではなく、化学の素晴らしい勉強の場ともなっています。シンシア・チュバックが自動車のエンジンが高温や低温になりすぎるのを防ぐ複雑な化学反応の世界を案内します。
講師:シンシア・チュバック
アニメーション:FOX Animation Domination High-Def.*このビデオの教材:http://ed.ted.com/lessons/under-the-hood-the-chemistry-of-cars-cynthia-chubbuck
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 04:34
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