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ローレンス・レッシグ「皆で共和国本来の国民の力を取り戻そう」

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    昔々―
  • 0:04 - 0:07
    「レスターランド」という
    国がありました
  • 0:07 - 0:10
    レスターランドは
    アメリカにそっくりです
  • 0:10 - 0:15
    人口もアメリカと同じ
    3億1100万人ほど
  • 0:15 - 0:17
    その3億1100万人のうち
  • 0:17 - 0:22
    14万4000人が
    「レスター」という名前です
  • 0:22 - 0:23
    マット(グレイニング)さん
    これをご覧になっていたら
  • 0:23 - 0:26
    マット(グレイニング)さん
    これをご覧になっていたら
  • 0:26 - 0:28
    キャラクターをお借りしていますが
    すぐお返しします
  • 0:28 - 0:31
    14万4000人が
    「レスター」という名前で
  • 0:31 - 0:35
    つまり 人口の0.05%が
    レスターというわけです
  • 0:35 - 0:39
    レスターランドのレスター達は
    特別な権力を持っています
  • 0:39 - 0:42
    レスターランドでは
    2つの大きな選挙があります
  • 0:42 - 0:44
    一つは「総選挙」
  • 0:44 - 0:48
    もう一つは
    「レスター選挙」と呼ばれています
  • 0:48 - 0:51
    総選挙では
    一般市民が投票できます
  • 0:51 - 0:54
    でも レスター選挙では
    レスターしか投票できません
  • 0:54 - 0:55
    ここで ややこしいのは
  • 0:55 - 0:59
    総選挙に出馬するには
  • 0:59 - 1:01
    レスター選挙で
    良い結果を出す必要があります
  • 1:01 - 1:02
    レスター選挙で
    良い結果を出す必要があります
  • 1:02 - 1:06
    必ずしも勝つ必要はありませんが
    善戦しなければなりません
  • 1:06 - 1:10
    こんなレスターランドの民主主義
    について 何が言えるでしょうか?
  • 1:10 - 1:11
    まず1点目は―
  • 1:11 - 1:14
    シティズンズ・ユナイテッドに関する
    最高裁判例が示したとおり
  • 1:14 - 1:18
    総選挙がある以上
    選出議員の最終的な決定権は
  • 1:18 - 1:20
    一般市民が持っているということ
  • 1:20 - 1:23
    ただし 総選挙に出馬したい
    候補者は
  • 1:23 - 1:27
    レスターの承認を
    受ける必要があります
  • 1:27 - 1:31
    2点目は
    このレスターへの依存が
  • 1:31 - 1:33
    微妙で目立たない
    ある意味で隠された
  • 1:33 - 1:36
    レスターに有利な
  • 1:36 - 1:39
    歪みを生じさせる
    原因となっていることです
  • 1:39 - 1:42
    これが民主主義であることは
    間違いありません
  • 1:42 - 1:44
    ただし その民主主義は
    レスターに依存し
  • 1:44 - 1:46
    一般市民にも依存しています
  • 1:46 - 1:49
    つまり
    「競合する」依存関係であり
  • 1:49 - 1:51
    レスターが誰かによっては「相反する」
    依存関係と言えるかもしれません
  • 1:51 - 1:55
    レスターが誰かによっては「相反する」
    依存関係と言えるかもしれません
  • 1:55 - 1:58
    これがレスターランドの説明です
  • 1:58 - 2:00
    この説明で気づいてほしい
    ポイントが3つあります
  • 2:00 - 2:04
    まず1番目のポイント
    アメリカはレスターランドです
  • 2:04 - 2:05
    アメリカがレスターランドなのです
  • 2:05 - 2:08
    アメリカも似たような形で
    2種類の選挙があります
  • 2:08 - 2:11
    一つは総選挙
  • 2:11 - 2:14
    もう一つは
    「資金選挙」とでも呼びましょうか
  • 2:14 - 2:16
    総選挙では18歳以上か
    IDを持っている市民であれば
  • 2:16 - 2:19
    投票できます
  • 2:19 - 2:22
    資金選挙で投票できるのは
    政治資金提供者だけです
  • 2:22 - 2:25
    そしてレスターランドと同様に
  • 2:25 - 2:27
    総選挙に出馬するためには
  • 2:27 - 2:30
    資金選挙で
    良い結果を出す必要があります
  • 2:30 - 2:33
    ジェリー・ブラウンの例もあり
    必ずしも勝つ必要はありませんが
  • 2:33 - 2:35
    善戦しなければなりません
  • 2:35 - 2:40
    この話のポイントというのは
    アメリカの政治資金提供者数は
  • 2:40 - 2:45
    レスターランドのレスターくらい
    ほんの一握りしかいないことです
  • 2:45 - 2:47
    「本当?」と
    皆さん疑うかもしれません
  • 2:47 - 2:50
    本当に0.05%?
  • 2:50 - 2:52
    2010年の統計を紹介します
  • 2:52 - 2:55
    連邦議会の議員候補者に
    200ドル以上献金したのは
  • 2:55 - 2:57
    アメリカの人口全体の0.26%
  • 2:57 - 3:02
    候補者ひとりの限度額まで
    献金したのは0.05%
  • 3:02 - 3:05
    0.01%は
    ―これは1%の1%ですが
  • 3:05 - 3:08
    1万ドル以上の
    政治資金提供を行いました
  • 3:08 - 3:12
    また 直近の選挙期間の統計で
    忘れられない数字は
  • 3:12 - 3:15
    0.000042%
  • 3:15 - 3:19
    計算してみるとわかりますが
    132人のアメリカ人です―彼らが
  • 3:19 - 3:23
    この期間中に(献金限度額のない)
    特別政治活動委員会資金として
  • 3:23 - 3:26
    使われた資金の6割を提供しました
  • 3:26 - 3:29
    私はただの弁護士ですが
    この数字を基に
  • 3:29 - 3:31
    アメリカでの実質的な資金提供者は
  • 3:31 - 3:35
    0.05%しかいない と言い切って
    差支えはないでしょう
  • 3:35 - 3:38
    この意味で 政治資金提供者は
    私たちの「レスター」といえます
  • 3:38 - 3:42
    さて アメリカの民主主義について
    何が言えるでしょうか?
  • 3:42 - 3:44
    シティズンズ・ユナイテッドに関する
    最高裁判例が示したとおり
  • 3:44 - 3:47
    当然ながら
    総選挙がある以上は
  • 3:47 - 3:51
    選出議員の最終的な決定権は
    一般市民が持っています
  • 3:51 - 3:54
    ただし 総選挙に出馬したい
    候補者は
  • 3:54 - 3:58
    資金提供者の承認を
    受ける必要があります
  • 3:58 - 4:01
    2点目は 明らかに
  • 4:01 - 4:03
    この資金提供者への依存は
  • 4:03 - 4:07
    微妙で目立たない
    ある意味で隠された
  • 4:07 - 4:10
    資金提供者に有利な歪みを
    生じさせる原因となっていること
  • 4:10 - 4:13
    連邦議会の
    議員候補者と現職議員は
  • 4:13 - 4:17
    彼らの時間の30%から70%を
  • 4:17 - 4:19
    次の選挙で当選し
    政権を獲得するための
  • 4:19 - 4:21
    政治資金集めに費やします
  • 4:21 - 4:24
    考えてみて下さい
  • 4:24 - 4:26
    議員たちも人間です
    彼らがそのように
  • 4:26 - 4:30
    一度も会ったことがない
    1%に満たない ごく少数の人々への
  • 4:30 - 4:33
    資金集めの電話に時間を費やす
    ことで どんな影響があるでしょうか
  • 4:33 - 4:36
    誰もがそうなるように 議員たちも
  • 4:36 - 4:40
    彼らの行動が資金集めに
    どう影響するかを
  • 4:40 - 4:43
    敏感に察知する第六感を
    獲得するのです
  • 4:43 - 4:44
    『Xファイル』の登場人物が
    自由に顔を変えられるように
  • 4:44 - 4:48
    『Xファイル』の登場人物が
    自由に顔を変えられるように
  • 4:48 - 4:51
    議員たちは常に自らの意見を調整して
    資金集めを優位に進めようとします
  • 4:51 - 4:52
    主要な政策以外の
  • 4:52 - 4:55
    こまごました政策における調整です
  • 4:55 - 4:59
    ヴァージニア州の民主党議員
    レスリー・バーンは新米議員のころ
  • 4:59 - 5:03
    同僚から「常に『緑』の側につけ」
    と教わったとか
  • 5:03 - 5:07
    もちろん「環境保護とは関係ないほうの『緑』」だそうです
  • 5:07 - 5:09
    (笑)
    [緑=ドル紙幣の色]
  • 5:09 - 5:11
    これだって民主主義です
  • 5:11 - 5:13
    ただし この民主主義は
    資金提供者に依存し
  • 5:13 - 5:15
    一般市民にも依存しています
  • 5:15 - 5:17
    誰が資金提供者かによって
    この依存関係は
  • 5:17 - 5:19
    「競合する」依存関係から
    「相反する」依存関係になります
  • 5:19 - 5:22
    「競合する」依存関係から
    「相反する」依存関係になります
  • 5:22 - 5:25
    アメリカはレスターランドです
    これが1番目のポイントです
  • 5:25 - 5:27
    2番目のポイントにいきましょう
  • 5:27 - 5:30
    実はアメリカはレスターランドより
    酷いんです
  • 5:30 - 5:33
    レスターランドの次のような状況を
    想像してみてください
  • 5:33 - 5:35
    レスターの貴族としての特権か何かで
  • 5:35 - 5:39
    「総選挙に出馬する候補者を
    選ぶことができます」
  • 5:39 - 5:43
    と書かれた手紙が
    政府から届いたとしましょう
  • 5:43 - 5:45
    レスターは社会の様々な階層に
    属しています
  • 5:45 - 5:48
    金持ちのレスター 貧しいレスター
    黒人も白人もいるはずです
  • 5:48 - 5:50
    女性のレスターは少ないでしょうが
    まあいいでしょう
  • 5:50 - 5:52
    様々なバックグラウンドを持つ
    レスターが
  • 5:52 - 5:55
    「レスターランドを良くするには」と
    きちんと考えて
  • 5:55 - 6:00
    レスターランドの公益のために
    行動することも想定されます
  • 6:00 - 6:04
    一方 アメリカにも
  • 6:04 - 6:06
    今日ここに来ている
    皆さんの一部も含め
  • 6:06 - 6:08
    素晴らしいレスターがいることは
    確かです
  • 6:08 - 6:13
    しかし 圧倒的多数のレスターは
    利己的に行動します
  • 6:13 - 6:17
    人口の0.05%を占めるグループは
    流動的に結託しながら
  • 6:17 - 6:19
    社会の公益ではなく
    私利私欲を追求します
  • 6:19 - 6:23
    この点 アメリカはレスターランドより
    酷い状況にあると言えます
  • 6:23 - 6:26
    最後に3番目のポイントです
  • 6:26 - 6:29
    レスターランドの歴史・伝統などに
    ついて誰が何と言おうと
  • 6:29 - 6:31
    レスターランドの歴史・伝統などに
    ついて誰が何と言おうと
  • 6:31 - 6:36
    私たちにとって アメリカにとって
    レスターランドは腐敗を意味します
  • 6:36 - 6:38
    「腐敗」です
  • 6:38 - 6:42
    ここで私が腐敗というのは
    茶色の紙袋に入った現金を
  • 6:42 - 6:43
    議員が着服することではなくて
  • 6:43 - 6:47
    ロッド・ブラゴジェビッチのような
    汚職でもありません
  • 6:47 - 6:48
    犯罪行為でもありません
  • 6:48 - 6:52
    ここで私が言っている「腐敗」は
    完全に合法です
  • 6:52 - 6:57
    アメリカ建国の理念から見ると
    腐敗なのです
  • 6:57 - 7:00
    合衆国憲法起草者は「共和国」の
    理念を私たちに与えました
  • 7:00 - 7:05
    彼らが意図した共和国というのは
    議会制民主主義で
  • 7:05 - 7:08
    議会制民主主義というのは
  • 7:08 - 7:11
    『ザ・フェデラリスト』第52編で
    ジェームズ・マディスンが示した様に
  • 7:11 - 7:16
    政府の権限が
    一般市民のみに依存するものです
  • 7:16 - 7:17
    この政府のモデルでは
  • 7:17 - 7:19
    市民と政府の間に
  • 7:19 - 7:22
    排他的な依存関係があります
  • 7:22 - 7:26
    ここでの問題は
    議会が依存する対象に
  • 7:26 - 7:28
    市民だけでなく
  • 7:28 - 7:31
    資金提供者が加わり
    その依存度が高まりつつあること
  • 7:31 - 7:34
    資金提供者への依存も
    依存の一種ですが
  • 7:34 - 7:38
    資金提供者と一般市民が
    同一でない限り
  • 7:38 - 7:42
    一般市民への依存とは異質で
    相反するものです
  • 7:42 - 7:44
    これが腐敗というものです
  • 7:44 - 7:47
    さて この腐敗について
    良いところと悪いところがあります
  • 7:47 - 7:49
    良いところというのは
  • 7:49 - 7:52
    これが超党派的で
    機会均等の腐敗ということです
  • 7:52 - 7:56
    私たちリベラルが重要視する課題の
    多くは議会を通りません
  • 7:56 - 7:59
    保守派側でも同じことが起こります
  • 7:59 - 8:03
    保守派の主張を通すことは
    ますます困難になっています
  • 8:03 - 8:05
    保守派は小さな政府を目指します
  • 8:05 - 8:07
    アル・ゴアが副大統領だったときに
    彼のチームは
  • 8:07 - 8:11
    電気通信産業の大規模な
    規制緩和策を推進しようとしました
  • 8:11 - 8:14
    規制緩和策を議会に持っていき
  • 8:14 - 8:16
    それに対する
    議会の反応はこうでした
  • 8:16 - 8:18
    「冗談じゃない!
  • 8:18 - 8:20
    電気通信業界の
    規制緩和を行えば
  • 8:20 - 8:24
    業界からの献金がなくなってしまう」
  • 8:24 - 8:28
    つまり このシステムは現状維持を
    目的としてデザインされています
  • 8:28 - 8:31
    出しゃばりで大きな政府の
    現状維持も含まれます
  • 8:31 - 8:34
    右派・左派双方の動きを
    阻止するという意味で
  • 8:34 - 8:35
    良いところと言えるかもしれません
  • 8:35 - 8:37
    一方 悪いところというのは
  • 8:37 - 8:41
    腐敗が 病的に民主主義を
    破壊してしまうということです
  • 8:41 - 8:43
    つまり
    どのようなシステムであっても
  • 8:43 - 8:45
    その構成員がごく少数の
    構成員によって選ばれる場合には
  • 8:45 - 8:48
    その構成員がごく少数の
    構成員によって選ばれる場合には
  • 8:48 - 8:51
    それは ごく少数の構成員が
  • 8:51 - 8:53
    ごくごく少数の構成員が
  • 8:53 - 8:55
    改革を阻止できることを意味します
  • 8:55 - 8:58
    このスライドは
    石とかの方がよかったんですが
  • 8:58 - 9:00
    チーズしかなかったので
    これで失礼します
  • 9:00 - 9:02
    改革を阻止してしまうんです
  • 9:02 - 9:06
    ここには影響力に依拠した
    経済システムが存在しており
  • 9:06 - 9:09
    それは ロビイストを中心とした
    経済システムです
  • 9:09 - 9:12
    二極化を加速させ
    システムは機能不全に陥ります
  • 9:12 - 9:13
    二極化を加速させ
    システムは機能不全に陥ります
  • 9:13 - 9:16
    状況が悪ければ悪いほど
  • 9:16 - 9:20
    資金集めにとっては
    好都合なのです
  • 9:20 - 9:23
    ヘンリー・デイビッド・ソローは
    「悪の枝葉に打ちかかる人は千人いても
  • 9:23 - 9:28
    根元に斧を打ちつける人は
    一人しかいない」と言いました
  • 9:28 - 9:31
    これがまさに「根元」なのです
  • 9:31 - 9:36
    ここにいる皆さんも全員
    このことを知っています
  • 9:36 - 9:39
    知らなければここに来ないはずです
    知ったうえで 無視しています
  • 9:39 - 9:43
    この解決不可能な難題について
    知らんぷりをしています
  • 9:43 - 9:45
    皆さんは
    解決可能な問題に注目します
  • 9:45 - 9:49
    例えば―
    世界からポリオを撲滅したり
  • 9:49 - 9:52
    世界中の道路の写真を撮ったり
  • 9:52 - 9:55
    世界初の万能翻訳機を開発したり
  • 9:55 - 9:59
    ガレージで核融合炉を作ったり
  • 9:59 - 10:01
    これらは扱いやすい問題です
    そして 皆さんは―
  • 10:01 - 10:07
    (笑)(拍手)
  • 10:07 - 10:10
    皆さんは腐敗の問題を
    無視します
  • 10:10 - 10:15
    しかし 私たちは腐敗の問題を
    これ以上無視することはできません
  • 10:15 - 10:18
    (拍手)
  • 10:18 - 10:22
    きちんと機能する政府が必要です
  • 10:22 - 10:25
    左派と右派の一方ではなく
  • 10:25 - 10:27
    左派と右派の双方の
    政治家と市民にとって
  • 10:27 - 10:29
    機能する政府が必要なのです
  • 10:29 - 10:33
    なぜならばこの腐敗の問題に
    終止符を打たない限り
  • 10:33 - 10:35
    まともな改革は不可能だからです
  • 10:35 - 10:39
    ここで 皆さんが最も大切だと思う
    問題を考えてください
  • 10:39 - 10:42
    私の場合は気候変動ですが
    皆さんは金融改革かもしれません
  • 10:42 - 10:44
    税制の簡素化とか
    社会の不平等でもいいです
  • 10:44 - 10:47
    その問題を選んで
    考えてみてください
  • 10:47 - 10:50
    その問題を直視して 今年の
    クリスマスは来ないと言ってください
  • 10:50 - 10:52
    クリスマスは永遠に来ないんです
  • 10:52 - 10:55
    今日お話した問題を
    解決しない限り
  • 10:55 - 10:58
    皆さんの問題は
    永遠に解決しません
  • 10:58 - 11:01
    私の問題が
    一番重要なのではありません
  • 11:01 - 11:05
    皆さんの問題はそれぞれが
    重要な問題ですが
  • 11:05 - 11:08
    まず第一に
    腐敗の問題を解決しない限り
  • 11:08 - 11:10
    皆さんの問題の解決はありません
  • 11:10 - 11:13
    まともな改革なくして
    世界や未来に希望はありません
  • 11:13 - 11:17
    まともな改革なくして
    世界や未来に希望はありません
  • 11:17 - 11:20
    ではどうしたらいいか?
  • 11:20 - 11:24
    分析自体は簡単でシンプルです
  • 11:24 - 11:26
    議員がアメリカのごくわずかな一部
    から資金を集めるために
  • 11:26 - 11:30
    莫大な時間を費やしていることが
    問題であれば
  • 11:30 - 11:34
    議員の資金集めの時間を
    削減させて
  • 11:34 - 11:37
    より多くの市民から資金を
    集めるようにすればいいのです
  • 11:37 - 11:38
    資金集めの対象を広げることで
    資金提供者の影響力を低下させ
  • 11:38 - 11:41
    資金集めの対象を広げることで
    資金提供者の影響力を低下させ
  • 11:41 - 11:44
    一般市民のみに依存する
    政治の姿を取り戻すことができます
  • 11:44 - 11:48
    このために
    憲法を改正する必要もありません
  • 11:48 - 11:49
    このために
    憲法を改正する必要もありません
  • 11:49 - 11:52
    必要となるのは
  • 11:52 - 11:54
    小口に分散された市民からの
    資金による政治活動を規定する
  • 11:54 - 11:57
    小口に分散された市民からの
    資金による政治活動を規定する
  • 11:57 - 11:59
    一つの法律だけです
  • 11:59 - 12:01
    いくつもの提案が出てきています
    例えば―
  • 12:01 - 12:03
    公正選挙法や
  • 12:03 - 12:05
    米国反腐敗法のほかにも
  • 12:05 - 12:08
    私の著書で「グラント・フランクリン
    ・プロジェクト」として紹介した
  • 12:08 - 12:11
    市民が政治献金に使える
    バウチャー制度の導入や
  • 12:11 - 12:14
    ジョン・サーベンスが提唱した
    草の根民主主義法など―
  • 12:14 - 12:18
    これらの施策はどれも
    資金提供者の影響力を
  • 12:18 - 12:22
    一般市民に分散させ
    腐敗の問題を解決するでしょう
  • 12:22 - 12:25
    解決策の分析は簡単です
  • 12:25 - 12:31
    厄介なのは政治の部分です
    どうしようもないほど困難なのです
  • 12:31 - 12:37
    改革はKストリート(ロビイスト街)を
    弱体化させます
  • 12:37 - 12:42
    テネシー州選出の民主党議員の
  • 12:42 - 12:45
    ジム・クーパー議員が言ったように
  • 12:45 - 12:50
    米国議会はKストリートの「二軍」に
    成り下がってしまいました
  • 12:50 - 12:52
    議員と議会職員と官僚の
    頭の中には
  • 12:52 - 12:54
    共通のビジネスモデルがあります
  • 12:54 - 12:59
    政府から引退した後の
    ロビイストとしての第二の人生です
  • 12:59 - 13:03
    1998年から2004年の間に
    上院議員の50% 下院議員の42%が
  • 13:03 - 13:07
    引退後ロビイストになっています
    この割合は増えるばかりです
  • 13:07 - 13:09
    昨年4月の
    ユナイテッド・リパブリックの調査では
  • 13:09 - 13:12
    追跡した調査対象者の
    年収の伸び率の平均は―
  • 13:12 - 13:18
    1452%でした
  • 13:18 - 13:24
    この状況を変えることなどできない
    という見方も理解できます
  • 13:24 - 13:28
    懐疑的な人もいるでしょう
  • 13:28 - 13:33
    冷笑したり無理だと思う気持ちもわかります
  • 13:33 - 13:35
    しかし
    私はそうは思いません
  • 13:35 - 13:39
    これは解決可能な問題なのです
  • 13:39 - 13:44
    私たちの親の世代が20世紀に
    取り組んだ問題を考えてみると
  • 13:44 - 13:48
    例えば
    人種差別や性差別などの問題
  • 13:48 - 13:51
    あるいは今世紀に私たちが
    取り組んでいる同性愛嫌悪など―
  • 13:51 - 13:53
    これらの問題は
    確かに難しい問題です
  • 13:53 - 13:56
    ある朝 起きて人種差別主義者で
    なくなることはありません
  • 13:56 - 14:00
    人の心に深く根付いた差別意識を
    除去するには長い年月を要します
  • 14:00 - 14:03
    人の心に深く根付いた差別意識を
    除去するには長い年月を要します
  • 14:03 - 14:06
    一方 腐敗の問題は
    単なるインセンティブの問題です
  • 14:06 - 14:09
    インセンティブを変えれば
    行動も変わります
  • 14:09 - 14:11
    小額選挙のシステムを
    取り入れた州では
  • 14:11 - 14:14
    それまでのやり方が短期間で
    大きく変わりました
  • 14:14 - 14:16
    コネチカット州では
    小額選挙のシステム導入後
  • 14:16 - 14:21
    1年目から当選議員の78%が
    高額の献金を断り
  • 14:21 - 14:25
    小額な献金のみを
    受け取るようになりました
  • 14:25 - 14:27
    だから 解決可能なんです
  • 14:27 - 14:30
    民主党だからでもなく
  • 14:30 - 14:31
    共和党だからでもありません
  • 14:31 - 14:35
    一般市民(Citizens)だからこそ
    解決できるんです
  • 14:35 - 14:38
    TEDの仲間(TEDizens)だから
    できるんです
  • 14:38 - 14:42
    この改革を推し進めて―
  • 14:42 - 14:46
    「共和国」を取り戻すために
    必要なコストは
  • 14:46 - 14:49
    エネルギー政策改革のコストの
    半分もかからないはずです
  • 14:49 - 14:52
    エネルギー政策改革のコストの
    半分もかからないはずです
  • 14:52 - 14:56
    まだ 私の話を信じられず
  • 14:56 - 14:59
    解決不可能だと思っている方が
    いるかもしれません
  • 14:59 - 15:03
    私が5年前にTEDで講演してから
  • 15:03 - 15:06
    この問題について話し続けていて
    分かったことは―
  • 15:06 - 15:09
    不可能だという思いは
    重要ではないんです
  • 15:09 - 15:11
    何の意味もないんです
  • 15:11 - 15:15
    ダートマス大学で講演した時に
    1人の女性が私に言いました
  • 15:15 - 15:17
    本にも書きましたが
    彼女は立ち上ってこう言いました
  • 15:17 - 15:22
    「先生のお話でわかりました
    解決の望みはありません
  • 15:22 - 15:25
    打つ手はありません」
  • 15:25 - 15:27
    そう言われた時
    私はびっくりして
  • 15:27 - 15:29
    彼女の失望感にどう答えるべきか
  • 15:29 - 15:31
    その失望感はいったい何なのか
    考えました
  • 15:31 - 15:36
    そこで頭に浮かんだのが
    私の6歳になる息子の事です
  • 15:36 - 15:39
    もし 医者が私のところに来て
    こう告げられたら どう感じるか
  • 15:39 - 15:46
    「息子さんは 脳腫瘍の末期で
    打つ手がありません
  • 15:46 - 15:49
    打つ手がありません」
  • 15:49 - 15:52
    もし このように言われたら
    何もしないでしょうか?
  • 15:52 - 15:54
    座ったまま 何もせず
    宣告を受け入れるでしょうか?
  • 15:54 - 15:58
    仕方がないので グーグル・グラスの
    開発でもするでしょうか?
  • 15:58 - 16:02
    もちろん違います
    できることは何でもするでしょう
  • 16:02 - 16:05
    何でもやってみる
    それこそが愛の証です
  • 16:05 - 16:07
    確率など気にせず
    できることを
  • 16:07 - 16:11
    がむしゃらにやるんです
    確率なんて関係ありません
  • 16:11 - 16:15
    これと一緒なんです
    なぜなら 私たちリベラルでさえ
  • 16:15 - 16:17
    この国を愛しています
  • 16:17 - 16:20
    (笑)
  • 16:20 - 16:22
    いくら
    政府評論家や政治家が
  • 16:22 - 16:25
    改革なんて無理だと言おうとも
  • 16:25 - 16:28
    この国に対する愛国心から
    言い返すのです
  • 16:28 - 16:30
    「そういう問題ではないのだ」
  • 16:30 - 16:33
    共和国を失うことは
  • 16:33 - 16:36
    この会場にいる皆さんが愛し
    大切にしてきたものを
  • 16:36 - 16:40
    失うことを意味します
  • 16:40 - 16:45
    ですから できる事はなんでもやって
    評論家の誤りを証明するのです
  • 16:45 - 16:47
    ここで皆さんにお聞きしたい
  • 16:47 - 16:52
    皆さんに その愛はありますか?
  • 16:52 - 16:55
    皆さんに その愛はありますか?
  • 16:55 - 16:57
    もしあるのなら―
  • 16:57 - 17:02
    皆さん・・・いや私たちは
    一体何をしているのでしょうか?
  • 17:02 - 17:06
    年老いたベンジャミン・フランクリンが
    1787年9月に憲法制定会議の議場から
  • 17:06 - 17:10
    担がれて出てきたときに
    道端の女性がこう尋ねました
  • 17:10 - 17:14
    「フランクリンさん
    何を作ったのですか?」
  • 17:14 - 17:22
    フランクリン氏は答えました
    「共和国です 皆で維持できれば」
  • 17:22 - 17:27
    共和国
    議会制民主主義国家
  • 17:27 - 17:34
    一般市民のみに依存する政府
  • 17:34 - 17:38
    私たちは
    その共和国を失いました
  • 17:38 - 17:43
    私たちは皆で力を合わせて
    共和国を取り戻す必要があります
  • 17:43 - 17:44
    どうもありがとうございました
  • 17:44 - 17:50
    (拍手)
  • 17:50 - 18:01
    ありがとう
    (拍手)
Title:
ローレンス・レッシグ「皆で共和国本来の国民の力を取り戻そう」
Speaker:
Lawrence Lessig
Description:

アメリカ政治の中心に存在する腐敗は、連邦議会議員の資金調達がごく一部の国民に依存していることに起因している。これが法学者ローレンス・レッシグの見解です。この講演では、めまぐるしく変わるスライドを使って、アメリカの政治資金調達プロセスがいかに共和国を根底から弱体化させているか説明し、改革に向けた超党派的な連携の必要性をアメリカ国内外に訴えます。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
18:19

Japanese subtitles

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