ローレンス・レッシグ「皆で共和国本来の国民の力を取り戻そう」
-
0:01 - 0:04昔々―
-
0:04 - 0:07「レスターランド」という
国がありました -
0:07 - 0:10レスターランドは
アメリカにそっくりです -
0:10 - 0:15人口もアメリカと同じ
3億1100万人ほど -
0:15 - 0:17その3億1100万人のうち
-
0:17 - 0:2214万4000人が
「レスター」という名前です -
0:22 - 0:23マット(グレイニング)さん
これをご覧になっていたら -
0:23 - 0:26マット(グレイニング)さん
これをご覧になっていたら -
0:26 - 0:28キャラクターをお借りしていますが
すぐお返しします -
0:28 - 0:3114万4000人が
「レスター」という名前で -
0:31 - 0:35つまり 人口の0.05%が
レスターというわけです -
0:35 - 0:39レスターランドのレスター達は
特別な権力を持っています -
0:39 - 0:42レスターランドでは
2つの大きな選挙があります -
0:42 - 0:44一つは「総選挙」
-
0:44 - 0:48もう一つは
「レスター選挙」と呼ばれています -
0:48 - 0:51総選挙では
一般市民が投票できます -
0:51 - 0:54でも レスター選挙では
レスターしか投票できません -
0:54 - 0:55ここで ややこしいのは
-
0:55 - 0:59総選挙に出馬するには
-
0:59 - 1:01レスター選挙で
良い結果を出す必要があります -
1:01 - 1:02レスター選挙で
良い結果を出す必要があります -
1:02 - 1:06必ずしも勝つ必要はありませんが
善戦しなければなりません -
1:06 - 1:10こんなレスターランドの民主主義
について 何が言えるでしょうか? -
1:10 - 1:11まず1点目は―
-
1:11 - 1:14シティズンズ・ユナイテッドに関する
最高裁判例が示したとおり -
1:14 - 1:18総選挙がある以上
選出議員の最終的な決定権は -
1:18 - 1:20一般市民が持っているということ
-
1:20 - 1:23ただし 総選挙に出馬したい
候補者は -
1:23 - 1:27レスターの承認を
受ける必要があります -
1:27 - 1:312点目は
このレスターへの依存が -
1:31 - 1:33微妙で目立たない
ある意味で隠された -
1:33 - 1:36レスターに有利な
-
1:36 - 1:39歪みを生じさせる
原因となっていることです -
1:39 - 1:42これが民主主義であることは
間違いありません -
1:42 - 1:44ただし その民主主義は
レスターに依存し -
1:44 - 1:46一般市民にも依存しています
-
1:46 - 1:49つまり
「競合する」依存関係であり -
1:49 - 1:51レスターが誰かによっては「相反する」
依存関係と言えるかもしれません -
1:51 - 1:55レスターが誰かによっては「相反する」
依存関係と言えるかもしれません -
1:55 - 1:58これがレスターランドの説明です
-
1:58 - 2:00この説明で気づいてほしい
ポイントが3つあります -
2:00 - 2:04まず1番目のポイント
アメリカはレスターランドです -
2:04 - 2:05アメリカがレスターランドなのです
-
2:05 - 2:08アメリカも似たような形で
2種類の選挙があります -
2:08 - 2:11一つは総選挙
-
2:11 - 2:14もう一つは
「資金選挙」とでも呼びましょうか -
2:14 - 2:16総選挙では18歳以上か
IDを持っている市民であれば -
2:16 - 2:19投票できます
-
2:19 - 2:22資金選挙で投票できるのは
政治資金提供者だけです -
2:22 - 2:25そしてレスターランドと同様に
-
2:25 - 2:27総選挙に出馬するためには
-
2:27 - 2:30資金選挙で
良い結果を出す必要があります -
2:30 - 2:33ジェリー・ブラウンの例もあり
必ずしも勝つ必要はありませんが -
2:33 - 2:35善戦しなければなりません
-
2:35 - 2:40この話のポイントというのは
アメリカの政治資金提供者数は -
2:40 - 2:45レスターランドのレスターくらい
ほんの一握りしかいないことです -
2:45 - 2:47「本当?」と
皆さん疑うかもしれません -
2:47 - 2:50本当に0.05%?
-
2:50 - 2:522010年の統計を紹介します
-
2:52 - 2:55連邦議会の議員候補者に
200ドル以上献金したのは -
2:55 - 2:57アメリカの人口全体の0.26%
-
2:57 - 3:02候補者ひとりの限度額まで
献金したのは0.05% -
3:02 - 3:050.01%は
―これは1%の1%ですが -
3:05 - 3:081万ドル以上の
政治資金提供を行いました -
3:08 - 3:12また 直近の選挙期間の統計で
忘れられない数字は -
3:12 - 3:150.000042%
-
3:15 - 3:19計算してみるとわかりますが
132人のアメリカ人です―彼らが -
3:19 - 3:23この期間中に(献金限度額のない)
特別政治活動委員会資金として -
3:23 - 3:26使われた資金の6割を提供しました
-
3:26 - 3:29私はただの弁護士ですが
この数字を基に -
3:29 - 3:31アメリカでの実質的な資金提供者は
-
3:31 - 3:350.05%しかいない と言い切って
差支えはないでしょう -
3:35 - 3:38この意味で 政治資金提供者は
私たちの「レスター」といえます -
3:38 - 3:42さて アメリカの民主主義について
何が言えるでしょうか? -
3:42 - 3:44シティズンズ・ユナイテッドに関する
最高裁判例が示したとおり -
3:44 - 3:47当然ながら
総選挙がある以上は -
3:47 - 3:51選出議員の最終的な決定権は
一般市民が持っています -
3:51 - 3:54ただし 総選挙に出馬したい
候補者は -
3:54 - 3:58資金提供者の承認を
受ける必要があります -
3:58 - 4:012点目は 明らかに
-
4:01 - 4:03この資金提供者への依存は
-
4:03 - 4:07微妙で目立たない
ある意味で隠された -
4:07 - 4:10資金提供者に有利な歪みを
生じさせる原因となっていること -
4:10 - 4:13連邦議会の
議員候補者と現職議員は -
4:13 - 4:17彼らの時間の30%から70%を
-
4:17 - 4:19次の選挙で当選し
政権を獲得するための -
4:19 - 4:21政治資金集めに費やします
-
4:21 - 4:24考えてみて下さい
-
4:24 - 4:26議員たちも人間です
彼らがそのように -
4:26 - 4:30一度も会ったことがない
1%に満たない ごく少数の人々への -
4:30 - 4:33資金集めの電話に時間を費やす
ことで どんな影響があるでしょうか -
4:33 - 4:36誰もがそうなるように 議員たちも
-
4:36 - 4:40彼らの行動が資金集めに
どう影響するかを -
4:40 - 4:43敏感に察知する第六感を
獲得するのです -
4:43 - 4:44『Xファイル』の登場人物が
自由に顔を変えられるように -
4:44 - 4:48『Xファイル』の登場人物が
自由に顔を変えられるように -
4:48 - 4:51議員たちは常に自らの意見を調整して
資金集めを優位に進めようとします -
4:51 - 4:52主要な政策以外の
-
4:52 - 4:55こまごました政策における調整です
-
4:55 - 4:59ヴァージニア州の民主党議員
レスリー・バーンは新米議員のころ -
4:59 - 5:03同僚から「常に『緑』の側につけ」
と教わったとか -
5:03 - 5:07もちろん「環境保護とは関係ないほうの『緑』」だそうです
-
5:07 - 5:09(笑)
[緑=ドル紙幣の色] -
5:09 - 5:11これだって民主主義です
-
5:11 - 5:13ただし この民主主義は
資金提供者に依存し -
5:13 - 5:15一般市民にも依存しています
-
5:15 - 5:17誰が資金提供者かによって
この依存関係は -
5:17 - 5:19「競合する」依存関係から
「相反する」依存関係になります -
5:19 - 5:22「競合する」依存関係から
「相反する」依存関係になります -
5:22 - 5:25アメリカはレスターランドです
これが1番目のポイントです -
5:25 - 5:272番目のポイントにいきましょう
-
5:27 - 5:30実はアメリカはレスターランドより
酷いんです -
5:30 - 5:33レスターランドの次のような状況を
想像してみてください -
5:33 - 5:35レスターの貴族としての特権か何かで
-
5:35 - 5:39「総選挙に出馬する候補者を
選ぶことができます」 -
5:39 - 5:43と書かれた手紙が
政府から届いたとしましょう -
5:43 - 5:45レスターは社会の様々な階層に
属しています -
5:45 - 5:48金持ちのレスター 貧しいレスター
黒人も白人もいるはずです -
5:48 - 5:50女性のレスターは少ないでしょうが
まあいいでしょう -
5:50 - 5:52様々なバックグラウンドを持つ
レスターが -
5:52 - 5:55「レスターランドを良くするには」と
きちんと考えて -
5:55 - 6:00レスターランドの公益のために
行動することも想定されます -
6:00 - 6:04一方 アメリカにも
-
6:04 - 6:06今日ここに来ている
皆さんの一部も含め -
6:06 - 6:08素晴らしいレスターがいることは
確かです -
6:08 - 6:13しかし 圧倒的多数のレスターは
利己的に行動します -
6:13 - 6:17人口の0.05%を占めるグループは
流動的に結託しながら -
6:17 - 6:19社会の公益ではなく
私利私欲を追求します -
6:19 - 6:23この点 アメリカはレスターランドより
酷い状況にあると言えます -
6:23 - 6:26最後に3番目のポイントです
-
6:26 - 6:29レスターランドの歴史・伝統などに
ついて誰が何と言おうと -
6:29 - 6:31レスターランドの歴史・伝統などに
ついて誰が何と言おうと -
6:31 - 6:36私たちにとって アメリカにとって
レスターランドは腐敗を意味します -
6:36 - 6:38「腐敗」です
-
6:38 - 6:42ここで私が腐敗というのは
茶色の紙袋に入った現金を -
6:42 - 6:43議員が着服することではなくて
-
6:43 - 6:47ロッド・ブラゴジェビッチのような
汚職でもありません -
6:47 - 6:48犯罪行為でもありません
-
6:48 - 6:52ここで私が言っている「腐敗」は
完全に合法です -
6:52 - 6:57アメリカ建国の理念から見ると
腐敗なのです -
6:57 - 7:00合衆国憲法起草者は「共和国」の
理念を私たちに与えました -
7:00 - 7:05彼らが意図した共和国というのは
議会制民主主義で -
7:05 - 7:08議会制民主主義というのは
-
7:08 - 7:11『ザ・フェデラリスト』第52編で
ジェームズ・マディスンが示した様に -
7:11 - 7:16政府の権限が
一般市民のみに依存するものです -
7:16 - 7:17この政府のモデルでは
-
7:17 - 7:19市民と政府の間に
-
7:19 - 7:22排他的な依存関係があります
-
7:22 - 7:26ここでの問題は
議会が依存する対象に -
7:26 - 7:28市民だけでなく
-
7:28 - 7:31資金提供者が加わり
その依存度が高まりつつあること -
7:31 - 7:34資金提供者への依存も
依存の一種ですが -
7:34 - 7:38資金提供者と一般市民が
同一でない限り -
7:38 - 7:42一般市民への依存とは異質で
相反するものです -
7:42 - 7:44これが腐敗というものです
-
7:44 - 7:47さて この腐敗について
良いところと悪いところがあります -
7:47 - 7:49良いところというのは
-
7:49 - 7:52これが超党派的で
機会均等の腐敗ということです -
7:52 - 7:56私たちリベラルが重要視する課題の
多くは議会を通りません -
7:56 - 7:59保守派側でも同じことが起こります
-
7:59 - 8:03保守派の主張を通すことは
ますます困難になっています -
8:03 - 8:05保守派は小さな政府を目指します
-
8:05 - 8:07アル・ゴアが副大統領だったときに
彼のチームは -
8:07 - 8:11電気通信産業の大規模な
規制緩和策を推進しようとしました -
8:11 - 8:14規制緩和策を議会に持っていき
-
8:14 - 8:16それに対する
議会の反応はこうでした -
8:16 - 8:18「冗談じゃない!
-
8:18 - 8:20電気通信業界の
規制緩和を行えば -
8:20 - 8:24業界からの献金がなくなってしまう」
-
8:24 - 8:28つまり このシステムは現状維持を
目的としてデザインされています -
8:28 - 8:31出しゃばりで大きな政府の
現状維持も含まれます -
8:31 - 8:34右派・左派双方の動きを
阻止するという意味で -
8:34 - 8:35良いところと言えるかもしれません
-
8:35 - 8:37一方 悪いところというのは
-
8:37 - 8:41腐敗が 病的に民主主義を
破壊してしまうということです -
8:41 - 8:43つまり
どのようなシステムであっても -
8:43 - 8:45その構成員がごく少数の
構成員によって選ばれる場合には -
8:45 - 8:48その構成員がごく少数の
構成員によって選ばれる場合には -
8:48 - 8:51それは ごく少数の構成員が
-
8:51 - 8:53ごくごく少数の構成員が
-
8:53 - 8:55改革を阻止できることを意味します
-
8:55 - 8:58このスライドは
石とかの方がよかったんですが -
8:58 - 9:00チーズしかなかったので
これで失礼します -
9:00 - 9:02改革を阻止してしまうんです
-
9:02 - 9:06ここには影響力に依拠した
経済システムが存在しており -
9:06 - 9:09それは ロビイストを中心とした
経済システムです -
9:09 - 9:12二極化を加速させ
システムは機能不全に陥ります -
9:12 - 9:13二極化を加速させ
システムは機能不全に陥ります -
9:13 - 9:16状況が悪ければ悪いほど
-
9:16 - 9:20資金集めにとっては
好都合なのです -
9:20 - 9:23ヘンリー・デイビッド・ソローは
「悪の枝葉に打ちかかる人は千人いても -
9:23 - 9:28根元に斧を打ちつける人は
一人しかいない」と言いました -
9:28 - 9:31これがまさに「根元」なのです
-
9:31 - 9:36ここにいる皆さんも全員
このことを知っています -
9:36 - 9:39知らなければここに来ないはずです
知ったうえで 無視しています -
9:39 - 9:43この解決不可能な難題について
知らんぷりをしています -
9:43 - 9:45皆さんは
解決可能な問題に注目します -
9:45 - 9:49例えば―
世界からポリオを撲滅したり -
9:49 - 9:52世界中の道路の写真を撮ったり
-
9:52 - 9:55世界初の万能翻訳機を開発したり
-
9:55 - 9:59ガレージで核融合炉を作ったり
-
9:59 - 10:01これらは扱いやすい問題です
そして 皆さんは― -
10:01 - 10:07(笑)(拍手)
-
10:07 - 10:10皆さんは腐敗の問題を
無視します -
10:10 - 10:15しかし 私たちは腐敗の問題を
これ以上無視することはできません -
10:15 - 10:18(拍手)
-
10:18 - 10:22きちんと機能する政府が必要です
-
10:22 - 10:25左派と右派の一方ではなく
-
10:25 - 10:27左派と右派の双方の
政治家と市民にとって -
10:27 - 10:29機能する政府が必要なのです
-
10:29 - 10:33なぜならばこの腐敗の問題に
終止符を打たない限り -
10:33 - 10:35まともな改革は不可能だからです
-
10:35 - 10:39ここで 皆さんが最も大切だと思う
問題を考えてください -
10:39 - 10:42私の場合は気候変動ですが
皆さんは金融改革かもしれません -
10:42 - 10:44税制の簡素化とか
社会の不平等でもいいです -
10:44 - 10:47その問題を選んで
考えてみてください -
10:47 - 10:50その問題を直視して 今年の
クリスマスは来ないと言ってください -
10:50 - 10:52クリスマスは永遠に来ないんです
-
10:52 - 10:55今日お話した問題を
解決しない限り -
10:55 - 10:58皆さんの問題は
永遠に解決しません -
10:58 - 11:01私の問題が
一番重要なのではありません -
11:01 - 11:05皆さんの問題はそれぞれが
重要な問題ですが -
11:05 - 11:08まず第一に
腐敗の問題を解決しない限り -
11:08 - 11:10皆さんの問題の解決はありません
-
11:10 - 11:13まともな改革なくして
世界や未来に希望はありません -
11:13 - 11:17まともな改革なくして
世界や未来に希望はありません -
11:17 - 11:20ではどうしたらいいか?
-
11:20 - 11:24分析自体は簡単でシンプルです
-
11:24 - 11:26議員がアメリカのごくわずかな一部
から資金を集めるために -
11:26 - 11:30莫大な時間を費やしていることが
問題であれば -
11:30 - 11:34議員の資金集めの時間を
削減させて -
11:34 - 11:37より多くの市民から資金を
集めるようにすればいいのです -
11:37 - 11:38資金集めの対象を広げることで
資金提供者の影響力を低下させ -
11:38 - 11:41資金集めの対象を広げることで
資金提供者の影響力を低下させ -
11:41 - 11:44一般市民のみに依存する
政治の姿を取り戻すことができます -
11:44 - 11:48このために
憲法を改正する必要もありません -
11:48 - 11:49このために
憲法を改正する必要もありません -
11:49 - 11:52必要となるのは
-
11:52 - 11:54小口に分散された市民からの
資金による政治活動を規定する -
11:54 - 11:57小口に分散された市民からの
資金による政治活動を規定する -
11:57 - 11:59一つの法律だけです
-
11:59 - 12:01いくつもの提案が出てきています
例えば― -
12:01 - 12:03公正選挙法や
-
12:03 - 12:05米国反腐敗法のほかにも
-
12:05 - 12:08私の著書で「グラント・フランクリン
・プロジェクト」として紹介した -
12:08 - 12:11市民が政治献金に使える
バウチャー制度の導入や -
12:11 - 12:14ジョン・サーベンスが提唱した
草の根民主主義法など― -
12:14 - 12:18これらの施策はどれも
資金提供者の影響力を -
12:18 - 12:22一般市民に分散させ
腐敗の問題を解決するでしょう -
12:22 - 12:25解決策の分析は簡単です
-
12:25 - 12:31厄介なのは政治の部分です
どうしようもないほど困難なのです -
12:31 - 12:37改革はKストリート(ロビイスト街)を
弱体化させます -
12:37 - 12:42テネシー州選出の民主党議員の
-
12:42 - 12:45ジム・クーパー議員が言ったように
-
12:45 - 12:50米国議会はKストリートの「二軍」に
成り下がってしまいました -
12:50 - 12:52議員と議会職員と官僚の
頭の中には -
12:52 - 12:54共通のビジネスモデルがあります
-
12:54 - 12:59政府から引退した後の
ロビイストとしての第二の人生です -
12:59 - 13:031998年から2004年の間に
上院議員の50% 下院議員の42%が -
13:03 - 13:07引退後ロビイストになっています
この割合は増えるばかりです -
13:07 - 13:09昨年4月の
ユナイテッド・リパブリックの調査では -
13:09 - 13:12追跡した調査対象者の
年収の伸び率の平均は― -
13:12 - 13:181452%でした
-
13:18 - 13:24この状況を変えることなどできない
という見方も理解できます -
13:24 - 13:28懐疑的な人もいるでしょう
-
13:28 - 13:33冷笑したり無理だと思う気持ちもわかります
-
13:33 - 13:35しかし
私はそうは思いません -
13:35 - 13:39これは解決可能な問題なのです
-
13:39 - 13:44私たちの親の世代が20世紀に
取り組んだ問題を考えてみると -
13:44 - 13:48例えば
人種差別や性差別などの問題 -
13:48 - 13:51あるいは今世紀に私たちが
取り組んでいる同性愛嫌悪など― -
13:51 - 13:53これらの問題は
確かに難しい問題です -
13:53 - 13:56ある朝 起きて人種差別主義者で
なくなることはありません -
13:56 - 14:00人の心に深く根付いた差別意識を
除去するには長い年月を要します -
14:00 - 14:03人の心に深く根付いた差別意識を
除去するには長い年月を要します -
14:03 - 14:06一方 腐敗の問題は
単なるインセンティブの問題です -
14:06 - 14:09インセンティブを変えれば
行動も変わります -
14:09 - 14:11小額選挙のシステムを
取り入れた州では -
14:11 - 14:14それまでのやり方が短期間で
大きく変わりました -
14:14 - 14:16コネチカット州では
小額選挙のシステム導入後 -
14:16 - 14:211年目から当選議員の78%が
高額の献金を断り -
14:21 - 14:25小額な献金のみを
受け取るようになりました -
14:25 - 14:27だから 解決可能なんです
-
14:27 - 14:30民主党だからでもなく
-
14:30 - 14:31共和党だからでもありません
-
14:31 - 14:35一般市民(Citizens)だからこそ
解決できるんです -
14:35 - 14:38TEDの仲間(TEDizens)だから
できるんです -
14:38 - 14:42この改革を推し進めて―
-
14:42 - 14:46「共和国」を取り戻すために
必要なコストは -
14:46 - 14:49エネルギー政策改革のコストの
半分もかからないはずです -
14:49 - 14:52エネルギー政策改革のコストの
半分もかからないはずです -
14:52 - 14:56まだ 私の話を信じられず
-
14:56 - 14:59解決不可能だと思っている方が
いるかもしれません -
14:59 - 15:03私が5年前にTEDで講演してから
-
15:03 - 15:06この問題について話し続けていて
分かったことは― -
15:06 - 15:09不可能だという思いは
重要ではないんです -
15:09 - 15:11何の意味もないんです
-
15:11 - 15:15ダートマス大学で講演した時に
1人の女性が私に言いました -
15:15 - 15:17本にも書きましたが
彼女は立ち上ってこう言いました -
15:17 - 15:22「先生のお話でわかりました
解決の望みはありません -
15:22 - 15:25打つ手はありません」
-
15:25 - 15:27そう言われた時
私はびっくりして -
15:27 - 15:29彼女の失望感にどう答えるべきか
-
15:29 - 15:31その失望感はいったい何なのか
考えました -
15:31 - 15:36そこで頭に浮かんだのが
私の6歳になる息子の事です -
15:36 - 15:39もし 医者が私のところに来て
こう告げられたら どう感じるか -
15:39 - 15:46「息子さんは 脳腫瘍の末期で
打つ手がありません -
15:46 - 15:49打つ手がありません」
-
15:49 - 15:52もし このように言われたら
何もしないでしょうか? -
15:52 - 15:54座ったまま 何もせず
宣告を受け入れるでしょうか? -
15:54 - 15:58仕方がないので グーグル・グラスの
開発でもするでしょうか? -
15:58 - 16:02もちろん違います
できることは何でもするでしょう -
16:02 - 16:05何でもやってみる
それこそが愛の証です -
16:05 - 16:07確率など気にせず
できることを -
16:07 - 16:11がむしゃらにやるんです
確率なんて関係ありません -
16:11 - 16:15これと一緒なんです
なぜなら 私たちリベラルでさえ -
16:15 - 16:17この国を愛しています
-
16:17 - 16:20(笑)
-
16:20 - 16:22いくら
政府評論家や政治家が -
16:22 - 16:25改革なんて無理だと言おうとも
-
16:25 - 16:28この国に対する愛国心から
言い返すのです -
16:28 - 16:30「そういう問題ではないのだ」
-
16:30 - 16:33共和国を失うことは
-
16:33 - 16:36この会場にいる皆さんが愛し
大切にしてきたものを -
16:36 - 16:40失うことを意味します
-
16:40 - 16:45ですから できる事はなんでもやって
評論家の誤りを証明するのです -
16:45 - 16:47ここで皆さんにお聞きしたい
-
16:47 - 16:52皆さんに その愛はありますか?
-
16:52 - 16:55皆さんに その愛はありますか?
-
16:55 - 16:57もしあるのなら―
-
16:57 - 17:02皆さん・・・いや私たちは
一体何をしているのでしょうか? -
17:02 - 17:06年老いたベンジャミン・フランクリンが
1787年9月に憲法制定会議の議場から -
17:06 - 17:10担がれて出てきたときに
道端の女性がこう尋ねました -
17:10 - 17:14「フランクリンさん
何を作ったのですか?」 -
17:14 - 17:22フランクリン氏は答えました
「共和国です 皆で維持できれば」 -
17:22 - 17:27共和国
議会制民主主義国家 -
17:27 - 17:34一般市民のみに依存する政府
-
17:34 - 17:38私たちは
その共和国を失いました -
17:38 - 17:43私たちは皆で力を合わせて
共和国を取り戻す必要があります -
17:43 - 17:44どうもありがとうございました
-
17:44 - 17:50(拍手)
-
17:50 - 18:01ありがとう
(拍手)
- Title:
- ローレンス・レッシグ「皆で共和国本来の国民の力を取り戻そう」
- Speaker:
- Lawrence Lessig
- Description:
-
アメリカ政治の中心に存在する腐敗は、連邦議会議員の資金調達がごく一部の国民に依存していることに起因している。これが法学者ローレンス・レッシグの見解です。この講演では、めまぐるしく変わるスライドを使って、アメリカの政治資金調達プロセスがいかに共和国を根底から弱体化させているか説明し、改革に向けた超党派的な連携の必要性をアメリカ国内外に訴えます。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 18:19
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for We the People, and the Republic we must reclaim | ||
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