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機関よりも赤の他人 — 現代人に広がる新しい「信頼」とは

  • 0:01 - 0:03
    「信頼」の話をしましょう
  • 0:04 - 0:08
    何事も信頼が要であることは常識ですが
  • 0:08 - 0:10
    他人に対する信頼に関して言えば
  • 0:10 - 0:13
    とてつもないことが起こりつつあります
  • 0:14 - 0:15
    会場の皆さんの中で
  • 0:15 - 0:20
    Airbnbを ホストまたはゲストとして
    利用したことのある人は手を挙げてください
  • 0:21 - 0:24
    わぁ とても多いですね
  • 0:24 - 0:25
    ビットコインを所有している人?
  • 0:27 - 0:28
    なかなか多いですね
  • 0:28 - 0:31
    では Tinderを使って
    恋人を探そうとしたことがある人は?
  • 0:31 - 0:32
    では Tinderを使って
    恋人を探そうとしたことがある人は?
  • 0:32 - 0:34
    (笑)
  • 0:34 - 0:37
    これだと皆さん小さく手を挙げるので
    数えるのが難しいですね
  • 0:38 - 0:39
    (笑)
  • 0:39 - 0:42
    今のは3つとも 技術の進歩により
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    未知の人 会社 アイデアを
  • 0:44 - 0:50
    信頼できるようにする仕組みが
    生まれているという例です
  • 0:50 - 0:52
    しかし 同時に
  • 0:52 - 0:54
    既存の機関に対する信頼は
  • 0:54 - 0:57
    銀行 政府 そして教会に対してでさえ
  • 0:57 - 0:58
    崩れつつあります
  • 0:58 - 1:00
    一体何が起こっているのでしょうか?
  • 1:01 - 1:03
    今 私たちが信頼するのは誰なのでしょうか?
  • 1:03 - 1:07
    まず フランスにあるプラットフォーム
    というか企業ですね
  • 1:07 - 1:09
    むしろ変な響きの名称ですが
  • 1:09 - 1:10
    BlaBlaCarです
  • 1:10 - 1:13
    長距離移動の際に同乗する人を探す
    ドライバーと乗客を引き合わせるサービスです
  • 1:13 - 1:18
    長距離移動の際に同乗する人を探す
    ドライバーと乗客を引き合わせるサービスです
  • 1:18 - 1:22
    移動距離は平均で
    320キロメートルです
  • 1:22 - 1:27
    その間の同乗者は
    賢く選びたいですよね
  • 1:27 - 1:31
    利用者はプロフィールやレビューを
    参考にして相手を選びます
  • 1:31 - 1:36
    喫煙者かどうか
    どんな音楽が好きか
  • 1:36 - 1:40
    犬を連れてくるかどうかも
    わかるようになっています
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    でも実を言うと
    ここでの人選に肝心な要素は
  • 1:44 - 1:47
    その人が車の走行中に
    どれだけ喋る人なのか です
  • 1:47 - 1:48
    (笑)
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    「Bla」が1つなら口数少なめ
  • 1:50 - 1:52
    2つなら 多少のお喋りを楽しむ人
  • 1:53 - 1:56
    3つだと ロンドンからパリへの道中
    話し出したら止まらない人 という意味です
  • 1:56 - 1:58
    3つだと ロンドンからパリへの道中
    話し出したら止まらない人 という意味です
  • 1:58 - 2:00
    (笑)
  • 2:00 - 2:03
    これが上手くいっていること自体
    驚きですよね
  • 2:03 - 2:07
    普通の人が 子供の頃に
    言い聞かされてきたことと矛盾します
  • 2:07 - 2:09
    「知らない人の車に乗っちゃダメ」
  • 2:10 - 2:14
    なのにBlaBlaCarで移動する人は
    毎月毎月400万人以上いるのです
  • 2:14 - 2:16
    なのにBlaBlaCarで移動する人は
    毎月毎月400万人以上いるのです
  • 2:17 - 2:19
    比較してみると これは
  • 2:19 - 2:23
    ユーロスターやジェットブルー航空の
    利用者を超える数です
  • 2:23 - 2:27
    BlaBlaCarは 技術の力で
    世界中何百人もの人々の間に実現している—
  • 2:28 - 2:31
    「信頼の飛躍」を表す
    見事な実例であると言えます
  • 2:32 - 2:38
    「信頼の飛躍」とは 私たちが何か
    新しいことや 従来と違うことをするという
  • 2:38 - 2:40
    リスクを冒すときに生まれるものです
  • 2:40 - 2:43
    これを頭に描いてみましょう
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    では 目を閉じてください
  • 2:47 - 2:50
    バッチリ目を見開いて
    視線を送ってきている人がいますが
  • 2:50 - 2:53
    ステージ上の私には分かりますよ!
  • 2:53 - 2:54
    目は閉じて下さいね!
  • 2:54 - 2:57
    (笑)
    (拍手)
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    私も閉じますから
  • 2:58 - 3:01
    目を閉じて 思い浮かべてください
  • 3:01 - 3:04
    自分と未知の何かとの間に
    隔たりがあるとしましょう
  • 3:05 - 3:08
    この「何か」とは
    今 会ったばかりの人だったり
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    訪れたことのない場所だったり
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    全く経験のない物事かもしれません
  • 3:13 - 3:14
    頭に浮かびましたか?
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    では 目を開けてください
  • 3:17 - 3:20
    確信の世界から飛び出して
  • 3:20 - 3:23
    未知の何かや誰かに賭けてみようと
    思えるに至るまでには
  • 3:23 - 3:27
    隔たりの向こう側に
    引っ張り込んでくれる力が要ります
  • 3:27 - 3:30
    そんな驚くべき力が「信頼」です
  • 3:31 - 3:34
    「信頼」とは
    捉えどころのない概念ではありますが
  • 3:34 - 3:38
    人生が機能するためには
    欠かせない要素です
  • 3:38 - 3:40
    私は 自分の子供たちが
  • 3:40 - 3:43
    夜寝るときに電気を消すと言ったら
    子供たちを信頼します
  • 3:43 - 3:46
    ここに来るときは 安全運航をするはずだと
    パイロットを信頼しました
  • 3:46 - 3:49
    頻繁に使われる言葉ですが
  • 3:49 - 3:51
    使う人はこの言葉が
    実際に何を意味するのか
  • 3:51 - 3:55
    異なる状況下ではどう機能するのかなど
    常に考えたりはしません
  • 3:55 - 3:58
    事実 「信頼」という言葉には
    何百とおりもの定義があり
  • 3:58 - 4:03
    そのうちほとんどは煮詰めれば
    一種のリスクアセスメント—
  • 4:03 - 4:06
    物事がどれくらいうまくいきそうか
    という意味合いになります
  • 4:06 - 4:09
    でも私はこの定義は苦手です
  • 4:09 - 4:13
    「信頼」が合理的で
    意外性のないものに聞こえるし
  • 4:13 - 4:16
    信頼によって何が可能になるのかとか
  • 4:16 - 4:18
    他の人とのつながりを作るにあたって
  • 4:18 - 4:20
    どんな力を生み出すのかというような
  • 4:20 - 4:22
    人間の本質の部分に触れないからです
  • 4:22 - 4:24
    そこで私は 少し違う定義を考えました
  • 4:24 - 4:29
    「未知のものとの間に築く
    安心できる関係」です
  • 4:30 - 4:32
    このような見方で
    「信頼」を捉えると
  • 4:32 - 4:36
    なぜ信頼には
    唯一無二の性質があるのかが分かってきます
  • 4:36 - 4:39
    人に 先が見えない状況を切り抜け
  • 4:39 - 4:42
    赤の他人に信頼を置き
  • 4:42 - 4:44
    前に進み続ける力を与える性質です
  • 4:44 - 4:47
    人間は 信頼を飛躍させることに
  • 4:47 - 4:49
    驚くほどに長けています
  • 4:49 - 4:52
    クレジットカード情報を
    初めてオンラインで
  • 4:52 - 4:54
    入力したときのことを
    憶えていますか?
  • 4:54 - 4:55
    これが「信頼の飛躍」です
  • 4:55 - 4:58
    私は今でもはっきり憶えていますが
  • 4:58 - 5:03
    eBayで見た中古の紺色のプジョーを
    買おうと思っていると父に話したら
  • 5:03 - 5:05
    ごく正当な指摘を受けました
  • 5:05 - 5:07
    「出品者名が『姿なき魔法使い』だぞ
  • 5:07 - 5:10
    この人から買うのはやめたほうがいい」
  • 5:10 - 5:12
    (笑)
  • 5:12 - 5:16
    さて 私が携わる研究では
    どのようにして 技術により
  • 5:16 - 5:18
    社会で人同士をつなぐ役割を持つ
    人間の信頼関係に
  • 5:18 - 5:20
    変革が起きているのかを調べています
  • 5:20 - 5:22
    非常に面白い研究分野です
  • 5:22 - 5:26
    私たちが まだ知らないことが
    本当にたくさんあるからです
  • 5:26 - 5:31
    例えば 男性と女性ではネットの世界での
    心を開き方が異なるのかどうか
  • 5:31 - 5:36
    生身の人に会って信頼を築く方法が
    オンラインでも通用するのか
  • 5:36 - 5:38
    信頼は使い回せるのか
  • 5:38 - 5:40
    つまり Tinderでの恋人探しに
    抵抗がない人は
  • 5:40 - 5:44
    BlaBlaCarで相乗りするのに
    抵抗もないのかどうか
  • 5:44 - 5:48
    でも 何百もの
    マッチングサービスを調べた結果
  • 5:48 - 5:51
    利用者の行動に
    共通のパターンが見られました
  • 5:51 - 5:53
    私が「信頼の階段を上ること」
    と呼ぶ流れです
  • 5:53 - 5:56
    現実味を持たせるために
    BlaBlaCarの例を使いますね
  • 5:57 - 5:58
    最初の段階では
  • 5:58 - 6:01
    そのアイデアに対する
    信頼から入ります
  • 6:01 - 6:02
    他人と相乗りすることを
  • 6:02 - 6:05
    安全で試す価値があると
    信頼しなければ始まりません
  • 6:06 - 6:10
    次の段階にあるのは
    プラットフォームへの信頼です
  • 6:10 - 6:14
    何かあればサービスの運営側が
    力になってくれると信じることです
  • 6:15 - 6:18
    そして第3段階では
    手に入る多少の情報を使って
  • 6:18 - 6:22
    相手のユーザーが信頼に値するかを
    決めるというわけです
  • 6:22 - 6:25
    この「信頼の階段」を上るとき
  • 6:25 - 6:28
    初めは ぎこちなさや
    リスクさえ感じるものですが
  • 6:28 - 6:33
    そのアイデアがごく普通だと
    思えるようになった時点から
  • 6:33 - 6:35
    私たちの行動が一変します
  • 6:35 - 6:38
    たいていは比較的 素早い変化です
  • 6:38 - 6:42
    別の言い方をすれば
    信頼は変化と革新をもたらすのです
  • 6:43 - 6:47
    さて 私にはとても
    気になっていることがあります
  • 6:47 - 6:49
    社会における個人の行動が
    大きく移り変わる傾向は
  • 6:49 - 6:53
    「信頼」というレンズを通すことで
  • 6:53 - 6:56
    理解しやすくなるでしょうか?
  • 6:56 - 6:59
    実を言うと
    人類史の中で信頼の形は
  • 6:59 - 7:04
    大きく3つの段階を踏んで
    変遷してきたに過ぎません
  • 7:04 - 7:06
    直接築く信頼
    機関を通した信頼
  • 7:06 - 7:08
    そして今 台頭している
    分散型の信頼です
  • 7:09 - 7:11
    長い間
  • 7:11 - 7:12
    19世紀中頃まで
  • 7:12 - 7:16
    信頼とは ごく近しい人同士の間で
    築かれるものでした
  • 7:16 - 7:18
    私が ある村に住んでいたとします
  • 7:18 - 7:21
    前から5列目の皆さんまでが
    村の住人です
  • 7:21 - 7:23
    誰もが誰もを知っている間柄で
  • 7:23 - 7:26
    そこで私がお金を借りたいとします
  • 7:26 - 7:29
    先ほど目をバッチリ見開いていた方は
    貸してくれるかもしれません
  • 7:29 - 7:31
    もし私がお金を返さなかったら
  • 7:31 - 7:33
    みんなの信用を失います
  • 7:33 - 7:34
    評判が下がってしまい
  • 7:34 - 7:37
    これからの取引は
    断られてしまうというわけです
  • 7:37 - 7:42
    信頼とは主に身近な関係の中で作られ
    責任に基づくものだったのです
  • 7:42 - 7:43
    19世紀の中頃に
  • 7:43 - 7:46
    文明は凄まじい規模で
    変遷を遂げました
  • 7:46 - 7:50
    人々はロンドンやサンフランシスコなど
    急発展する都市部に移り
  • 7:50 - 7:55
    大企業が
    地元の銀行業にとって代わりました
  • 7:55 - 7:58
    私たち客との
    個人的な関係はありません
  • 7:58 - 8:00
    ここで人は 信頼を
    「権威」という
  • 8:00 - 8:04
    中身の見えない仕組みに
    託すようになりました
  • 8:04 - 8:08
    法的な契約書 規制や保険が
    これにあたります
  • 8:08 - 8:12
    そして他人を直接信頼することは
    減っていきました
  • 8:12 - 8:16
    機関や委託に基づく信頼に
    移り変わったわけです
  • 8:16 - 8:21
    これは あちこちで言われていますが
    機関や多くの企業ブランドへの信頼は
  • 8:21 - 8:24
    どんどん減少していますし
    今後も その傾向が続きます
  • 8:24 - 8:30
    信頼を大きく裏切る事件の数々には
    開いた口がふさがりません
  • 8:30 - 8:33
    大手メディアの電話盗聴スキャンダルに
  • 8:33 - 8:35
    フォルクスワーゲンの排ガス検査不正
  • 8:35 - 8:39
    カトリック教会に蔓延する性的虐待
  • 8:39 - 8:42
    金融危機が起こってから捕まった
    ケチな銀行家は
  • 8:42 - 8:45
    たった1人であったということ
  • 8:45 - 8:47
    もっと最近のパナマ文書では
  • 8:47 - 8:53
    富豪によるオフショア取引が
    明るみに出ましたよね
  • 8:53 - 8:55
    本当に驚かされるのは
  • 8:55 - 8:58
    上に立つ人々の態度です
  • 8:58 - 9:02
    信頼を裏切ったことに対し
    誠実に謝罪するのをここまで渋るとは
  • 9:02 - 9:05
    理解できません
  • 9:05 - 9:09
    機関への信頼は機能していないと
    結論づけるのは簡単です
  • 9:10 - 9:11
    だって 私たちはもう
  • 9:11 - 9:14
    嘘つきのエリートたちの
    厚かましさにうんざりなのですから
  • 9:14 - 9:16
    でも 現在起こっている現象は
  • 9:16 - 9:22
    機関の仕組みや規模への猛烈な不信よりも
    もっと深いところにあります
  • 9:22 - 9:24
    みんな 気づき始めているのです
  • 9:24 - 9:25
    機関への信頼は
  • 9:25 - 9:28
    デジタル時代には向かないのだと
    いうことです
  • 9:28 - 9:32
    信頼が築かれ 管理され
    失われ 修復されてきた従来の形—
  • 9:32 - 9:34
    信頼が築かれ 管理され
    失われ 修復されてきた従来の形—
  • 9:34 - 9:37
    ブランドや 指導者や
    制度全体でのやり方は
  • 9:37 - 9:39
    ひっくり返ってしまいました
  • 9:40 - 9:42
    この状況に期待は膨らみますが
  • 9:42 - 9:43
    恐ろしくもあります
  • 9:43 - 9:46
    多くの人にとっては
    信頼がどのように築かれ
  • 9:46 - 9:48
    壊れるのかという常識が覆されるからです
  • 9:48 - 9:52
    顧客や雇用先との間だけでなく
    愛する人々との間の信頼もです
  • 9:54 - 10:00
    先日 世界有数のホテルのCEOと
    話していたときのことです
  • 10:00 - 10:03
    よくあることなのですが
    Airbnbの話になりました
  • 10:04 - 10:09
    Airbnbの成功の理由が
    全くわからないと言われました
  • 10:09 - 10:11
    他人同士 信頼し合おうとする—
  • 10:11 - 10:15
    人の気持ちに依存している企業が
    どうやったら191か国で
  • 10:15 - 10:19
    こんなにも繁盛できるのだろうかと
    理解に苦しんでいるようでした
  • 10:20 - 10:23
    そこで「実は今まで言わなかったれど」
    と切り出すと
  • 10:23 - 10:25
    その人は訝しげな顔をしました
  • 10:25 - 10:26
    私はこう言いました—
  • 10:26 - 10:28
    覚えのある人も多いはずです—
  • 10:29 - 10:31
    「ホテルを出るときは タオルを
  • 10:31 - 10:34
    散らかしておくこともあるけれど
  • 10:34 - 10:37
    Airbnbで宿泊するときは
    絶対にしません」
  • 10:38 - 10:41
    なぜ 絶対にしないのかというと
  • 10:41 - 10:45
    ホストに評価を書かれると
    分かっているからです
  • 10:45 - 10:48
    この評価次第で
    今後 同サービスを利用するのに
  • 10:48 - 10:50
    不都合が出るかもしれないからです
  • 10:51 - 10:54
    シンプルな一例ですが
    オンラインでの信頼によって
  • 10:54 - 10:56
    私たちのリアルでの行動が
    変わるという—
  • 10:56 - 11:00
    しかも 私たちには
    到底想像できないような形で
  • 11:00 - 11:02
    責任ある行動が促されるという例です
  • 11:03 - 11:06
    ホテルや従来の権威が必要ないと
  • 11:06 - 11:08
    言っているわけではありません
  • 11:08 - 11:10
    でも 確実に言えるのは
  • 11:10 - 11:15
    社会における信頼の流れが
    変わりつつあるということです
  • 11:15 - 11:17
    大きな方向転換が起こりつつあり
  • 11:17 - 11:19
    機関への信頼で成り立っていた
    20世紀に背を向けて
  • 11:19 - 11:22
    機関への信頼で成り立っていた
    20世紀に背を向けて
  • 11:22 - 11:24
    分散型の信頼で動かされる
    21世紀を突き進んでいるのです
  • 11:24 - 11:27
    分散型の信頼で動かされる
    21世紀を突き進んでいるのです
  • 11:27 - 11:32
    信頼は もはや
    トップダウン型ではなく
  • 11:32 - 11:34
    バラバラになって
    反転した形になっています
  • 11:34 - 11:37
    不透明な 直線型の信頼は
    もうありません
  • 11:37 - 11:40
    信頼を作る新たな方法が登場しました
  • 11:40 - 11:44
    繰り返しになりますが
    人と人との間に分散する信頼であり
  • 11:44 - 11:46
    各自の責任ある行動で
    成り立つ信頼です
  • 11:46 - 11:50
    ブロックチェーンの台頭により
    この動向は高まる一方です
  • 11:50 - 11:52
    ブロックチェーンの台頭により
    この動向は強まる一方です
  • 11:52 - 11:56
    これはビットコインの基盤である
    革新的な台帳管理技術です
  • 11:57 - 12:00
    さて 正直な話
  • 12:00 - 12:03
    ブロックチェーンの仕組みを
    頭で理解しようとすると
  • 12:03 - 12:05
    訳がわからなくなります
  • 12:06 - 12:07
    そうなる理由の1つは
  • 12:07 - 12:12
    この仕組みが
    極めて複雑な概念から成る処理を要し
  • 12:12 - 12:13
    用語もひどく難解だからです
  • 12:13 - 12:18
    「暗号アルゴリズム」に
    「ハッシュ関数」
  • 12:18 - 12:21
    「マイナー」(採掘者)という者が認証する
    「トランザクション」(取引)
  • 12:21 - 12:24
    そして これを全て作り出したのが
  • 12:24 - 12:27
    「中本 哲史」なる謎の人物
    または集団であるなんて
  • 12:27 - 12:33
    これこそ とんでもない信頼の飛躍です
    こんなことは前代未聞です
  • 12:33 - 12:36
    (笑)
  • 12:36 - 12:37
    でも 想像してみましょう
  • 12:37 - 12:41
    『エコノミスト』誌では
    ブロックチェーンのことを
  • 12:41 - 12:45
    物事への信頼が連鎖した
    見事な仕組みであると雄弁に述べています
  • 12:45 - 12:50
    私の言葉で できるだけ噛み砕いて言うと
    ブロックはスプレッドシートのようなもので
  • 12:50 - 12:53
    アセット(資産)で埋まっています
  • 12:53 - 12:55
    土地の所有権であったり
  • 12:55 - 12:57
    株式であったり
  • 12:57 - 13:01
    音楽の著作権といった
    創作物としての資産もあります
  • 13:01 - 13:04
    ここで 何らかのアセットが
  • 13:04 - 13:08
    台帳内の ある場所から
    別の場所に移動すると
  • 13:08 - 13:11
    そのたびにタイムスタンプがついて
  • 13:11 - 13:14
    ブロックチェーン内の
    公開記録となります
  • 13:14 - 13:16
    こんなにもシンプルな話なのです
  • 13:17 - 13:20
    ブロックチェーンがもたらす
    真の影響は何かというと
  • 13:20 - 13:24
    取引を円滑化するのに
    いかなる第三者も—
  • 13:24 - 13:25
    つまり弁護士や
  • 13:25 - 13:29
    信用ある仲介業者
    おそらく国の仲介機関さえも
  • 13:29 - 13:31
    関わらずに済んでしまうことです
  • 13:31 - 13:33
    「信頼の階段」に話を戻すと
  • 13:33 - 13:36
    アイデア自体への信頼も
  • 13:36 - 13:38
    プラットフォームへの信頼も必要です
  • 13:38 - 13:41
    でも 今までの常識的な意味での
    相手に対する信頼は
  • 13:41 - 13:43
    必要なくなります
  • 13:43 - 13:45
    これは重大な影響をもたらすでしょう
  • 13:45 - 13:48
    インターネットによって
    情報化時代の扉が
  • 13:48 - 13:51
    誰に対しても開かれたのと同様に
  • 13:51 - 13:55
    ブロックチェーンによって
    「信頼」に世界規模の革命が起きるでしょう
  • 13:56 - 14:00
    さて ここまで意図的に
    Uberには触れないようにしていました
  • 14:00 - 14:04
    賛否両論があり ネタとしても
    使われ過ぎだと見ているからですが
  • 14:04 - 14:06
    賛否両論があり ネタとしても
    使われ過ぎだと見ているからですが
  • 14:06 - 14:10
    新しい信頼の時代という文脈では
    Uberは優れた事例になります
  • 14:10 - 14:15
    この先 分散型の信頼を
    悪用したケースが現れるでしょう
  • 14:15 - 14:18
    実際に発生してもいますし
    最悪な事態が起こる可能性もあります
  • 14:18 - 14:24
    世界中でタクシー協会が
    抗議運動を起こしており
  • 14:24 - 14:25
    安全性に問題があるとして
  • 14:25 - 14:30
    政府に対してUberの禁止を訴えているのは
    意外なことではありません
  • 14:30 - 14:35
    これらの抗議運動が起こったとき私は
    たまたまロンドン市内にいたのですが
  • 14:35 - 14:37
    たまたま見かけたツイートが
  • 14:37 - 14:40
    ビジネス・エネルギー・産業戦略大臣
    マット・ハンコックのものでした
  • 14:40 - 14:42
    こんなツイートでした
  • 14:42 - 14:46
    「みんなが話題にしている#Uberの
    アプリについて教えてほしい
  • 14:46 - 14:47
    (笑)
  • 14:48 - 14:51
    今日まで知らなかったんだ」
  • 14:52 - 14:55
    さて ここでタクシー協会は
  • 14:56 - 14:59
    Uberに対する信頼の
    最初の段階を証明してくれました
  • 14:59 - 15:02
    自分たちが廃絶しようとしている
    アイデアの正当性を証明してしまい
  • 15:02 - 15:07
    24時間でUberの登録者数が
    850パーセント伸びたのです
  • 15:07 - 15:10
    これは 非常に分かりやすい例です
  • 15:10 - 15:16
    いったん ある行動についての信頼や
    ある産業における信頼が転換してしまえば
  • 15:16 - 15:19
    もう後戻りはきかないということです
  • 15:19 - 15:23
    毎日 500万人が
    信頼を飛躍させて
  • 15:23 - 15:25
    Uberを利用しています
  • 15:25 - 15:28
    中国では Didiという
    ライドシェア(相乗り)サービスを利用して
  • 15:28 - 15:31
    毎日1100万件の相乗りが起きています
  • 15:31 - 15:34
    1秒あたり127件の計算です
  • 15:34 - 15:37
    この現象が文化を超えて
    起こっているという証拠です
  • 15:37 - 15:41
    何が面白いかって
    ドライバーと乗客の双方が
  • 15:41 - 15:44
    名前が見えるということや
  • 15:44 - 15:47
    誰かの写真や評価が見えることで
  • 15:47 - 15:49
    安心感が高まると証言しており
  • 15:49 - 15:51
    経験者もいるかもしれませんが
  • 15:51 - 15:55
    タクシーに乗るときよりも
    多少感じよく振る舞うかもしれないのです
  • 15:55 - 15:59
    UberやDidiは
    まだ進化途上ながらも
  • 15:59 - 16:03
    技術によって 人と人の間の信頼が
    かつて存在しなかった方法や
  • 16:03 - 16:06
    かつては不可能だった規模で
    生まれているという格好の例です
  • 16:07 - 16:13
    こんにち 知らない人が運転する車に
    平気で乗れる人はたくさんいます
  • 16:13 - 16:17
    アプリで条件が合う相手を見つけて
    実際に会ったりもします
  • 16:18 - 16:21
    自分の家を見知らぬ他人と
    シェアしたりもします
  • 16:21 - 16:24
    これは ほんの始まりでしかありません
  • 16:24 - 16:27
    いま社会に起こっている真の変動とは
  • 16:27 - 16:29
    技術そのものではなく
  • 16:29 - 16:31
    技術によって起こる
    「信頼の変革」だからです
  • 16:32 - 16:37
    私自身は この新しい信頼の時代を
    人々が理解するための力になりたいと思います
  • 16:37 - 16:39
    私たちが道を外すことなく
  • 16:39 - 16:43
    より透明性が高く 懐も広く
    責任の所在も明確な社会を求めて
  • 16:43 - 16:47
    世の中を変えていけるチャンスを
    喜んで迎えられるように
  • 16:47 - 16:48
    ありがとうございました
  • 16:48 - 16:51
    (拍手)
  • 16:51 - 16:52
    ありがとうございました
  • 16:52 - 16:54
    (拍手)
Title:
機関よりも赤の他人 — 現代人に広がる新しい「信頼」とは
Speaker:
レイチェル・ボツマン
Description:

私たちの考える「信頼」の概念に、何かとてつもない変化が起きつつある、とレイチェル・ボツマンは語ります。かつては政府や銀行といった機関に信頼を置いていたのに、現代では他人、しかも赤の他人や、AirbnbやUberといったプラットフォーム、そしてブロックチェーンのような技術に、どんどん頼るようになってきています。この「新しい信頼の時代」、私たちが道を外さない限り、より透明性が高く、懐も広く、責任の所在も明確な世の中に変わっていくでしょう。これからの時代、誰を信頼しますか?

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
17:08

Japanese subtitles

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