機関よりも赤の他人 — 現代人に広がる新しい「信頼」とは
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0:01 - 0:03「信頼」の話をしましょう
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0:04 - 0:08何事も信頼が要であることは常識ですが
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0:08 - 0:10他人に対する信頼に関して言えば
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0:10 - 0:13とてつもないことが起こりつつあります
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0:14 - 0:15会場の皆さんの中で
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0:15 - 0:20Airbnbを ホストまたはゲストとして
利用したことのある人は手を挙げてください -
0:21 - 0:24わぁ とても多いですね
-
0:24 - 0:25ビットコインを所有している人?
-
0:27 - 0:28なかなか多いですね
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0:28 - 0:31では Tinderを使って
恋人を探そうとしたことがある人は? -
0:31 - 0:32では Tinderを使って
恋人を探そうとしたことがある人は? -
0:32 - 0:34(笑)
-
0:34 - 0:37これだと皆さん小さく手を挙げるので
数えるのが難しいですね -
0:38 - 0:39(笑)
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0:39 - 0:42今のは3つとも 技術の進歩により
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0:42 - 0:44未知の人 会社 アイデアを
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0:44 - 0:50信頼できるようにする仕組みが
生まれているという例です -
0:50 - 0:52しかし 同時に
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0:52 - 0:54既存の機関に対する信頼は
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0:54 - 0:57銀行 政府 そして教会に対してでさえ
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0:57 - 0:58崩れつつあります
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0:58 - 1:00一体何が起こっているのでしょうか?
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1:01 - 1:03今 私たちが信頼するのは誰なのでしょうか?
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1:03 - 1:07まず フランスにあるプラットフォーム
というか企業ですね -
1:07 - 1:09むしろ変な響きの名称ですが
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1:09 - 1:10BlaBlaCarです
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1:10 - 1:13長距離移動の際に同乗する人を探す
ドライバーと乗客を引き合わせるサービスです -
1:13 - 1:18長距離移動の際に同乗する人を探す
ドライバーと乗客を引き合わせるサービスです -
1:18 - 1:22移動距離は平均で
320キロメートルです -
1:22 - 1:27その間の同乗者は
賢く選びたいですよね -
1:27 - 1:31利用者はプロフィールやレビューを
参考にして相手を選びます -
1:31 - 1:36喫煙者かどうか
どんな音楽が好きか -
1:36 - 1:40犬を連れてくるかどうかも
わかるようになっています -
1:40 - 1:44でも実を言うと
ここでの人選に肝心な要素は -
1:44 - 1:47その人が車の走行中に
どれだけ喋る人なのか です -
1:47 - 1:48(笑)
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1:49 - 1:50「Bla」が1つなら口数少なめ
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1:50 - 1:522つなら 多少のお喋りを楽しむ人
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1:53 - 1:563つだと ロンドンからパリへの道中
話し出したら止まらない人 という意味です -
1:56 - 1:583つだと ロンドンからパリへの道中
話し出したら止まらない人 という意味です -
1:58 - 2:00(笑)
-
2:00 - 2:03これが上手くいっていること自体
驚きですよね -
2:03 - 2:07普通の人が 子供の頃に
言い聞かされてきたことと矛盾します -
2:07 - 2:09「知らない人の車に乗っちゃダメ」
-
2:10 - 2:14なのにBlaBlaCarで移動する人は
毎月毎月400万人以上いるのです -
2:14 - 2:16なのにBlaBlaCarで移動する人は
毎月毎月400万人以上いるのです -
2:17 - 2:19比較してみると これは
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2:19 - 2:23ユーロスターやジェットブルー航空の
利用者を超える数です -
2:23 - 2:27BlaBlaCarは 技術の力で
世界中何百人もの人々の間に実現している— -
2:28 - 2:31「信頼の飛躍」を表す
見事な実例であると言えます -
2:32 - 2:38「信頼の飛躍」とは 私たちが何か
新しいことや 従来と違うことをするという -
2:38 - 2:40リスクを冒すときに生まれるものです
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2:40 - 2:43これを頭に描いてみましょう
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2:43 - 2:47では 目を閉じてください
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2:47 - 2:50バッチリ目を見開いて
視線を送ってきている人がいますが -
2:50 - 2:53ステージ上の私には分かりますよ!
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2:53 - 2:54目は閉じて下さいね!
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2:54 - 2:57(笑)
(拍手) -
2:57 - 2:58私も閉じますから
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2:58 - 3:01目を閉じて 思い浮かべてください
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3:01 - 3:04自分と未知の何かとの間に
隔たりがあるとしましょう -
3:05 - 3:08この「何か」とは
今 会ったばかりの人だったり -
3:08 - 3:10訪れたことのない場所だったり
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3:10 - 3:13全く経験のない物事かもしれません
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3:13 - 3:14頭に浮かびましたか?
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3:14 - 3:16では 目を開けてください
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3:17 - 3:20確信の世界から飛び出して
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3:20 - 3:23未知の何かや誰かに賭けてみようと
思えるに至るまでには -
3:23 - 3:27隔たりの向こう側に
引っ張り込んでくれる力が要ります -
3:27 - 3:30そんな驚くべき力が「信頼」です
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3:31 - 3:34「信頼」とは
捉えどころのない概念ではありますが -
3:34 - 3:38人生が機能するためには
欠かせない要素です -
3:38 - 3:40私は 自分の子供たちが
-
3:40 - 3:43夜寝るときに電気を消すと言ったら
子供たちを信頼します -
3:43 - 3:46ここに来るときは 安全運航をするはずだと
パイロットを信頼しました -
3:46 - 3:49頻繁に使われる言葉ですが
-
3:49 - 3:51使う人はこの言葉が
実際に何を意味するのか -
3:51 - 3:55異なる状況下ではどう機能するのかなど
常に考えたりはしません -
3:55 - 3:58事実 「信頼」という言葉には
何百とおりもの定義があり -
3:58 - 4:03そのうちほとんどは煮詰めれば
一種のリスクアセスメント— -
4:03 - 4:06物事がどれくらいうまくいきそうか
という意味合いになります -
4:06 - 4:09でも私はこの定義は苦手です
-
4:09 - 4:13「信頼」が合理的で
意外性のないものに聞こえるし -
4:13 - 4:16信頼によって何が可能になるのかとか
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4:16 - 4:18他の人とのつながりを作るにあたって
-
4:18 - 4:20どんな力を生み出すのかというような
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4:20 - 4:22人間の本質の部分に触れないからです
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4:22 - 4:24そこで私は 少し違う定義を考えました
-
4:24 - 4:29「未知のものとの間に築く
安心できる関係」です -
4:30 - 4:32このような見方で
「信頼」を捉えると -
4:32 - 4:36なぜ信頼には
唯一無二の性質があるのかが分かってきます -
4:36 - 4:39人に 先が見えない状況を切り抜け
-
4:39 - 4:42赤の他人に信頼を置き
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4:42 - 4:44前に進み続ける力を与える性質です
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4:44 - 4:47人間は 信頼を飛躍させることに
-
4:47 - 4:49驚くほどに長けています
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4:49 - 4:52クレジットカード情報を
初めてオンラインで -
4:52 - 4:54入力したときのことを
憶えていますか? -
4:54 - 4:55これが「信頼の飛躍」です
-
4:55 - 4:58私は今でもはっきり憶えていますが
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4:58 - 5:03eBayで見た中古の紺色のプジョーを
買おうと思っていると父に話したら -
5:03 - 5:05ごく正当な指摘を受けました
-
5:05 - 5:07「出品者名が『姿なき魔法使い』だぞ
-
5:07 - 5:10この人から買うのはやめたほうがいい」
-
5:10 - 5:12(笑)
-
5:12 - 5:16さて 私が携わる研究では
どのようにして 技術により -
5:16 - 5:18社会で人同士をつなぐ役割を持つ
人間の信頼関係に -
5:18 - 5:20変革が起きているのかを調べています
-
5:20 - 5:22非常に面白い研究分野です
-
5:22 - 5:26私たちが まだ知らないことが
本当にたくさんあるからです -
5:26 - 5:31例えば 男性と女性ではネットの世界での
心を開き方が異なるのかどうか -
5:31 - 5:36生身の人に会って信頼を築く方法が
オンラインでも通用するのか -
5:36 - 5:38信頼は使い回せるのか
-
5:38 - 5:40つまり Tinderでの恋人探しに
抵抗がない人は -
5:40 - 5:44BlaBlaCarで相乗りするのに
抵抗もないのかどうか -
5:44 - 5:48でも 何百もの
マッチングサービスを調べた結果 -
5:48 - 5:51利用者の行動に
共通のパターンが見られました -
5:51 - 5:53私が「信頼の階段を上ること」
と呼ぶ流れです -
5:53 - 5:56現実味を持たせるために
BlaBlaCarの例を使いますね -
5:57 - 5:58最初の段階では
-
5:58 - 6:01そのアイデアに対する
信頼から入ります -
6:01 - 6:02他人と相乗りすることを
-
6:02 - 6:05安全で試す価値があると
信頼しなければ始まりません -
6:06 - 6:10次の段階にあるのは
プラットフォームへの信頼です -
6:10 - 6:14何かあればサービスの運営側が
力になってくれると信じることです -
6:15 - 6:18そして第3段階では
手に入る多少の情報を使って -
6:18 - 6:22相手のユーザーが信頼に値するかを
決めるというわけです -
6:22 - 6:25この「信頼の階段」を上るとき
-
6:25 - 6:28初めは ぎこちなさや
リスクさえ感じるものですが -
6:28 - 6:33そのアイデアがごく普通だと
思えるようになった時点から -
6:33 - 6:35私たちの行動が一変します
-
6:35 - 6:38たいていは比較的 素早い変化です
-
6:38 - 6:42別の言い方をすれば
信頼は変化と革新をもたらすのです -
6:43 - 6:47さて 私にはとても
気になっていることがあります -
6:47 - 6:49社会における個人の行動が
大きく移り変わる傾向は -
6:49 - 6:53「信頼」というレンズを通すことで
-
6:53 - 6:56理解しやすくなるでしょうか?
-
6:56 - 6:59実を言うと
人類史の中で信頼の形は -
6:59 - 7:04大きく3つの段階を踏んで
変遷してきたに過ぎません -
7:04 - 7:06直接築く信頼
機関を通した信頼 -
7:06 - 7:08そして今 台頭している
分散型の信頼です -
7:09 - 7:11長い間
-
7:11 - 7:1219世紀中頃まで
-
7:12 - 7:16信頼とは ごく近しい人同士の間で
築かれるものでした -
7:16 - 7:18私が ある村に住んでいたとします
-
7:18 - 7:21前から5列目の皆さんまでが
村の住人です -
7:21 - 7:23誰もが誰もを知っている間柄で
-
7:23 - 7:26そこで私がお金を借りたいとします
-
7:26 - 7:29先ほど目をバッチリ見開いていた方は
貸してくれるかもしれません -
7:29 - 7:31もし私がお金を返さなかったら
-
7:31 - 7:33みんなの信用を失います
-
7:33 - 7:34評判が下がってしまい
-
7:34 - 7:37これからの取引は
断られてしまうというわけです -
7:37 - 7:42信頼とは主に身近な関係の中で作られ
責任に基づくものだったのです -
7:42 - 7:4319世紀の中頃に
-
7:43 - 7:46文明は凄まじい規模で
変遷を遂げました -
7:46 - 7:50人々はロンドンやサンフランシスコなど
急発展する都市部に移り -
7:50 - 7:55大企業が
地元の銀行業にとって代わりました -
7:55 - 7:58私たち客との
個人的な関係はありません -
7:58 - 8:00ここで人は 信頼を
「権威」という -
8:00 - 8:04中身の見えない仕組みに
託すようになりました -
8:04 - 8:08法的な契約書 規制や保険が
これにあたります -
8:08 - 8:12そして他人を直接信頼することは
減っていきました -
8:12 - 8:16機関や委託に基づく信頼に
移り変わったわけです -
8:16 - 8:21これは あちこちで言われていますが
機関や多くの企業ブランドへの信頼は -
8:21 - 8:24どんどん減少していますし
今後も その傾向が続きます -
8:24 - 8:30信頼を大きく裏切る事件の数々には
開いた口がふさがりません -
8:30 - 8:33大手メディアの電話盗聴スキャンダルに
-
8:33 - 8:35フォルクスワーゲンの排ガス検査不正
-
8:35 - 8:39カトリック教会に蔓延する性的虐待
-
8:39 - 8:42金融危機が起こってから捕まった
ケチな銀行家は -
8:42 - 8:45たった1人であったということ
-
8:45 - 8:47もっと最近のパナマ文書では
-
8:47 - 8:53富豪によるオフショア取引が
明るみに出ましたよね -
8:53 - 8:55本当に驚かされるのは
-
8:55 - 8:58上に立つ人々の態度です
-
8:58 - 9:02信頼を裏切ったことに対し
誠実に謝罪するのをここまで渋るとは -
9:02 - 9:05理解できません
-
9:05 - 9:09機関への信頼は機能していないと
結論づけるのは簡単です -
9:10 - 9:11だって 私たちはもう
-
9:11 - 9:14嘘つきのエリートたちの
厚かましさにうんざりなのですから -
9:14 - 9:16でも 現在起こっている現象は
-
9:16 - 9:22機関の仕組みや規模への猛烈な不信よりも
もっと深いところにあります -
9:22 - 9:24みんな 気づき始めているのです
-
9:24 - 9:25機関への信頼は
-
9:25 - 9:28デジタル時代には向かないのだと
いうことです -
9:28 - 9:32信頼が築かれ 管理され
失われ 修復されてきた従来の形— -
9:32 - 9:34信頼が築かれ 管理され
失われ 修復されてきた従来の形— -
9:34 - 9:37ブランドや 指導者や
制度全体でのやり方は -
9:37 - 9:39ひっくり返ってしまいました
-
9:40 - 9:42この状況に期待は膨らみますが
-
9:42 - 9:43恐ろしくもあります
-
9:43 - 9:46多くの人にとっては
信頼がどのように築かれ -
9:46 - 9:48壊れるのかという常識が覆されるからです
-
9:48 - 9:52顧客や雇用先との間だけでなく
愛する人々との間の信頼もです -
9:54 - 10:00先日 世界有数のホテルのCEOと
話していたときのことです -
10:00 - 10:03よくあることなのですが
Airbnbの話になりました -
10:04 - 10:09Airbnbの成功の理由が
全くわからないと言われました -
10:09 - 10:11他人同士 信頼し合おうとする—
-
10:11 - 10:15人の気持ちに依存している企業が
どうやったら191か国で -
10:15 - 10:19こんなにも繁盛できるのだろうかと
理解に苦しんでいるようでした -
10:20 - 10:23そこで「実は今まで言わなかったれど」
と切り出すと -
10:23 - 10:25その人は訝しげな顔をしました
-
10:25 - 10:26私はこう言いました—
-
10:26 - 10:28覚えのある人も多いはずです—
-
10:29 - 10:31「ホテルを出るときは タオルを
-
10:31 - 10:34散らかしておくこともあるけれど
-
10:34 - 10:37Airbnbで宿泊するときは
絶対にしません」 -
10:38 - 10:41なぜ 絶対にしないのかというと
-
10:41 - 10:45ホストに評価を書かれると
分かっているからです -
10:45 - 10:48この評価次第で
今後 同サービスを利用するのに -
10:48 - 10:50不都合が出るかもしれないからです
-
10:51 - 10:54シンプルな一例ですが
オンラインでの信頼によって -
10:54 - 10:56私たちのリアルでの行動が
変わるという— -
10:56 - 11:00しかも 私たちには
到底想像できないような形で -
11:00 - 11:02責任ある行動が促されるという例です
-
11:03 - 11:06ホテルや従来の権威が必要ないと
-
11:06 - 11:08言っているわけではありません
-
11:08 - 11:10でも 確実に言えるのは
-
11:10 - 11:15社会における信頼の流れが
変わりつつあるということです -
11:15 - 11:17大きな方向転換が起こりつつあり
-
11:17 - 11:19機関への信頼で成り立っていた
20世紀に背を向けて -
11:19 - 11:22機関への信頼で成り立っていた
20世紀に背を向けて -
11:22 - 11:24分散型の信頼で動かされる
21世紀を突き進んでいるのです -
11:24 - 11:27分散型の信頼で動かされる
21世紀を突き進んでいるのです -
11:27 - 11:32信頼は もはや
トップダウン型ではなく -
11:32 - 11:34バラバラになって
反転した形になっています -
11:34 - 11:37不透明な 直線型の信頼は
もうありません -
11:37 - 11:40信頼を作る新たな方法が登場しました
-
11:40 - 11:44繰り返しになりますが
人と人との間に分散する信頼であり -
11:44 - 11:46各自の責任ある行動で
成り立つ信頼です -
11:46 - 11:50ブロックチェーンの台頭により
この動向は高まる一方です -
11:50 - 11:52ブロックチェーンの台頭により
この動向は強まる一方です -
11:52 - 11:56これはビットコインの基盤である
革新的な台帳管理技術です -
11:57 - 12:00さて 正直な話
-
12:00 - 12:03ブロックチェーンの仕組みを
頭で理解しようとすると -
12:03 - 12:05訳がわからなくなります
-
12:06 - 12:07そうなる理由の1つは
-
12:07 - 12:12この仕組みが
極めて複雑な概念から成る処理を要し -
12:12 - 12:13用語もひどく難解だからです
-
12:13 - 12:18「暗号アルゴリズム」に
「ハッシュ関数」 -
12:18 - 12:21「マイナー」(採掘者)という者が認証する
「トランザクション」(取引) -
12:21 - 12:24そして これを全て作り出したのが
-
12:24 - 12:27「中本 哲史」なる謎の人物
または集団であるなんて -
12:27 - 12:33これこそ とんでもない信頼の飛躍です
こんなことは前代未聞です -
12:33 - 12:36(笑)
-
12:36 - 12:37でも 想像してみましょう
-
12:37 - 12:41『エコノミスト』誌では
ブロックチェーンのことを -
12:41 - 12:45物事への信頼が連鎖した
見事な仕組みであると雄弁に述べています -
12:45 - 12:50私の言葉で できるだけ噛み砕いて言うと
ブロックはスプレッドシートのようなもので -
12:50 - 12:53アセット(資産)で埋まっています
-
12:53 - 12:55土地の所有権であったり
-
12:55 - 12:57株式であったり
-
12:57 - 13:01音楽の著作権といった
創作物としての資産もあります -
13:01 - 13:04ここで 何らかのアセットが
-
13:04 - 13:08台帳内の ある場所から
別の場所に移動すると -
13:08 - 13:11そのたびにタイムスタンプがついて
-
13:11 - 13:14ブロックチェーン内の
公開記録となります -
13:14 - 13:16こんなにもシンプルな話なのです
-
13:17 - 13:20ブロックチェーンがもたらす
真の影響は何かというと -
13:20 - 13:24取引を円滑化するのに
いかなる第三者も— -
13:24 - 13:25つまり弁護士や
-
13:25 - 13:29信用ある仲介業者
おそらく国の仲介機関さえも -
13:29 - 13:31関わらずに済んでしまうことです
-
13:31 - 13:33「信頼の階段」に話を戻すと
-
13:33 - 13:36アイデア自体への信頼も
-
13:36 - 13:38プラットフォームへの信頼も必要です
-
13:38 - 13:41でも 今までの常識的な意味での
相手に対する信頼は -
13:41 - 13:43必要なくなります
-
13:43 - 13:45これは重大な影響をもたらすでしょう
-
13:45 - 13:48インターネットによって
情報化時代の扉が -
13:48 - 13:51誰に対しても開かれたのと同様に
-
13:51 - 13:55ブロックチェーンによって
「信頼」に世界規模の革命が起きるでしょう -
13:56 - 14:00さて ここまで意図的に
Uberには触れないようにしていました -
14:00 - 14:04賛否両論があり ネタとしても
使われ過ぎだと見ているからですが -
14:04 - 14:06賛否両論があり ネタとしても
使われ過ぎだと見ているからですが -
14:06 - 14:10新しい信頼の時代という文脈では
Uberは優れた事例になります -
14:10 - 14:15この先 分散型の信頼を
悪用したケースが現れるでしょう -
14:15 - 14:18実際に発生してもいますし
最悪な事態が起こる可能性もあります -
14:18 - 14:24世界中でタクシー協会が
抗議運動を起こしており -
14:24 - 14:25安全性に問題があるとして
-
14:25 - 14:30政府に対してUberの禁止を訴えているのは
意外なことではありません -
14:30 - 14:35これらの抗議運動が起こったとき私は
たまたまロンドン市内にいたのですが -
14:35 - 14:37たまたま見かけたツイートが
-
14:37 - 14:40ビジネス・エネルギー・産業戦略大臣
マット・ハンコックのものでした -
14:40 - 14:42こんなツイートでした
-
14:42 - 14:46「みんなが話題にしている#Uberの
アプリについて教えてほしい -
14:46 - 14:47(笑)
-
14:48 - 14:51今日まで知らなかったんだ」
-
14:52 - 14:55さて ここでタクシー協会は
-
14:56 - 14:59Uberに対する信頼の
最初の段階を証明してくれました -
14:59 - 15:02自分たちが廃絶しようとしている
アイデアの正当性を証明してしまい -
15:02 - 15:0724時間でUberの登録者数が
850パーセント伸びたのです -
15:07 - 15:10これは 非常に分かりやすい例です
-
15:10 - 15:16いったん ある行動についての信頼や
ある産業における信頼が転換してしまえば -
15:16 - 15:19もう後戻りはきかないということです
-
15:19 - 15:23毎日 500万人が
信頼を飛躍させて -
15:23 - 15:25Uberを利用しています
-
15:25 - 15:28中国では Didiという
ライドシェア(相乗り)サービスを利用して -
15:28 - 15:31毎日1100万件の相乗りが起きています
-
15:31 - 15:341秒あたり127件の計算です
-
15:34 - 15:37この現象が文化を超えて
起こっているという証拠です -
15:37 - 15:41何が面白いかって
ドライバーと乗客の双方が -
15:41 - 15:44名前が見えるということや
-
15:44 - 15:47誰かの写真や評価が見えることで
-
15:47 - 15:49安心感が高まると証言しており
-
15:49 - 15:51経験者もいるかもしれませんが
-
15:51 - 15:55タクシーに乗るときよりも
多少感じよく振る舞うかもしれないのです -
15:55 - 15:59UberやDidiは
まだ進化途上ながらも -
15:59 - 16:03技術によって 人と人の間の信頼が
かつて存在しなかった方法や -
16:03 - 16:06かつては不可能だった規模で
生まれているという格好の例です -
16:07 - 16:13こんにち 知らない人が運転する車に
平気で乗れる人はたくさんいます -
16:13 - 16:17アプリで条件が合う相手を見つけて
実際に会ったりもします -
16:18 - 16:21自分の家を見知らぬ他人と
シェアしたりもします -
16:21 - 16:24これは ほんの始まりでしかありません
-
16:24 - 16:27いま社会に起こっている真の変動とは
-
16:27 - 16:29技術そのものではなく
-
16:29 - 16:31技術によって起こる
「信頼の変革」だからです -
16:32 - 16:37私自身は この新しい信頼の時代を
人々が理解するための力になりたいと思います -
16:37 - 16:39私たちが道を外すことなく
-
16:39 - 16:43より透明性が高く 懐も広く
責任の所在も明確な社会を求めて -
16:43 - 16:47世の中を変えていけるチャンスを
喜んで迎えられるように -
16:47 - 16:48ありがとうございました
-
16:48 - 16:51(拍手)
-
16:51 - 16:52ありがとうございました
-
16:52 - 16:54(拍手)
- Title:
- 機関よりも赤の他人 — 現代人に広がる新しい「信頼」とは
- Speaker:
- レイチェル・ボツマン
- Description:
-
私たちの考える「信頼」の概念に、何かとてつもない変化が起きつつある、とレイチェル・ボツマンは語ります。かつては政府や銀行といった機関に信頼を置いていたのに、現代では他人、しかも赤の他人や、AirbnbやUberといったプラットフォーム、そしてブロックチェーンのような技術に、どんどん頼るようになってきています。この「新しい信頼の時代」、私たちが道を外さない限り、より透明性が高く、懐も広く、責任の所在も明確な世の中に変わっていくでしょう。これからの時代、誰を信頼しますか?
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 17:08
Riaki Ponist approved Japanese subtitles for We've stopped trusting institutions and started trusting strangers | ||
Riaki Ponist edited Japanese subtitles for We've stopped trusting institutions and started trusting strangers | ||
Tomoyuki Suzuki accepted Japanese subtitles for We've stopped trusting institutions and started trusting strangers | ||
Tomoyuki Suzuki edited Japanese subtitles for We've stopped trusting institutions and started trusting strangers | ||
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Riaki Ponist edited Japanese subtitles for We've stopped trusting institutions and started trusting strangers | ||
Tomoyuki Suzuki declined Japanese subtitles for We've stopped trusting institutions and started trusting strangers |