資本主義が民主主義を食い尽くす—今こそ立ち上がろう
-
0:01 - 0:02民主主義—
-
0:03 - 0:04西洋社会は
-
0:04 - 0:08それを当たり前に考えるという
大きな間違いを犯しています -
0:08 - 0:10私たちの目には
-
0:10 - 0:14花の如く実に脆い
民主主義の本当の姿ではなく -
0:14 - 0:17社会に備え付けのものとして
見えています -
0:18 - 0:22岩のように動かないもの
あって当然のものと思いがちです -
0:23 - 0:28資本主義こそが民主主義を生み出すと
誤解していますが -
0:28 - 0:29間違いです
-
0:29 - 0:34シンガポール元首相リー・クアンユーと
彼を見事に真似た中国政府が -
0:34 - 0:37合理的な疑いの余地なく
証明してみせたように -
0:37 - 0:41資本主義を繁栄させ
-
0:41 - 0:42目覚ましい経済発展を遂げるのは
-
0:43 - 0:46民主性ゼロの政治でも
完全に可能なのです -
0:46 - 0:50実際 我らが住処であるヨーロッパは
民主主義から -
0:50 - 0:52遠ざかりつつあります
-
0:52 - 0:55今年2015年の初め
新しく誕生したギリシャ政府の -
0:55 - 0:58財務大臣として
ユーロ圏の財務相が集まる— -
0:58 - 1:01ユーログループに出席した際
-
1:01 - 1:06我が国の民主的プロセス
つまり選挙によって -
1:06 - 1:07ギリシャで実施中の経済政策を
-
1:07 - 1:09ギリシャで実施中の経済政策を
-
1:09 - 1:12妨げることは許されないのだと
はっきり告げられました -
1:13 - 1:19リー・クアンユーや中国共産党のやり方を
これほど正当化した話は他にない -
1:19 - 1:20その時 そう感じました
-
1:20 - 1:24実際 何か少しでも
変化を起こす恐れがあれば -
1:24 - 1:28民主制自体禁止されかねないと
反体制的な友人たちがいつも言っていました -
1:30 - 1:33私は今夜 ここで
真の民主主義とは何か -
1:33 - 1:36経済的観点から
論証を行いたいと思います -
1:37 - 1:41皆さんにも
再び信じてほしいことがあります -
1:41 - 1:44リー・クアンユーや
-
1:44 - 1:46中国共産党
-
1:46 - 1:47ましてや ユーログループが
-
1:47 - 1:51民主主義なしで済ませられるなどと
考えるのは誤りであり -
1:52 - 1:55我々には 議論飛び交う
真の民主主義が 必要なのです -
1:55 - 1:58民主主義なしでは
-
1:58 - 2:01我々の社会はますます荒れていき
-
2:01 - 2:03未来に希望はなく
-
2:03 - 2:06人類の素晴らしい技術革新も
無駄になってしまいます -
2:06 - 2:07無駄といえば
-
2:08 - 2:10ひとつ 面白いパラドックスを
紹介させていただきましょう -
2:10 - 2:13今まさに 我々の経済を
脅かしている現象です -
2:13 - 2:15「ツインピークス・パラドックス」と呼びます
-
2:15 - 2:17片方のピーク(山)は
-
2:17 - 2:18もう見てお分かりですね
-
2:18 - 2:23アメリカやヨーロッパ、そして全世界に
長く暗い影を落としている— -
2:23 - 2:26山積みの負債のことです
-
2:26 - 2:28負債の山のことは誰でもわかります
-
2:29 - 2:33でも その双子の片割れが見えている人は
僅かでしょう -
2:34 - 2:36動かずに眠っている
莫大なお金の山です -
2:37 - 2:40金持ちや企業が溜めこみながら
-
2:41 - 2:44投資に二の足を踏んでいる資金です
-
2:44 - 2:47生産活動を通じて
収入を生み出し -
2:47 - 2:50ひいては巨額の負債を
返済に充てるための投資や -
2:50 - 2:54例えば再生可能エネルギーのように
人類が切に必要としているものを -
2:54 - 2:56生み出すための投資です
-
2:56 - 2:58ここで2つの数字に
注目してください -
2:58 - 2:59過去3ヶ月に
-
3:00 - 3:02アメリカ、イギリス
そしてユーロ圏にて -
3:02 - 3:07富を生み出す財への投資された額を
すべて合わせると -
3:07 - 3:093.4兆ドルにあたります
-
3:09 - 3:12例えば 工場、機械
-
3:12 - 3:15オフィスビル、学校
-
3:15 - 3:18道路、鉄道、機械設備など
まだまだあります -
3:18 - 3:213.4兆ドルって 大金に聞こえますよね
-
3:21 - 3:24でも 今言った国々で 同時期に
5.1兆ドルが -
3:25 - 3:27金融機関の中で
遊んでいるだけだとしたら -
3:27 - 3:29そうも思えなくなります
-
3:29 - 3:325.1兆ドルが まったく何もせず
-
3:33 - 3:38むしろ 株価と不動産価格の高騰を
招いたのみなのですからね -
3:38 - 3:44つまり 山積みの負債と
眠れる資産の山 -
3:44 - 3:47この2つの山が
経済市場の通常の活動の中では -
3:47 - 3:50相殺できていないのです
-
3:50 - 3:52これが賃金の停滞につながり
-
3:53 - 3:59アメリカ、日本、ヨーロッパにおける
25歳から54歳までの4人に1人は -
3:59 - 4:01失業者です
-
4:01 - 4:03結果 総需要も上がらないという
-
4:03 - 4:05悪循環は止まらず
-
4:05 - 4:08投資する側は悲観的になります
-
4:09 - 4:13需要不足を恐れて控えた投資が
みずから需要を減らしているのです -
4:13 - 4:15オイディプスの父親と全く同じ状況です
-
4:15 - 4:18実の息子に殺されるであろうという
-
4:18 - 4:21神託を恐れるあまりに
-
4:21 - 4:23図らずして
息子のオイディプスに -
4:23 - 4:26本当に殺されるための
お膳立てをしてしまう話です -
4:27 - 4:29資本主義がおかしいと思うのはここです
-
4:29 - 4:31全体的な無駄や
-
4:31 - 4:33この眠れる大金こそ
-
4:33 - 4:37人々の生活の質を向上するため
-
4:37 - 4:38人材を開発するため
-
4:38 - 4:41そして何より
様々な技術を開発するため— -
4:41 - 4:43特に 地球を守るために必要不可欠な
-
4:43 - 4:46環境に優しい技術開発に
投資するべきです -
4:46 - 4:50民主主義がこの課題を解決すると
信じていいのでしょうか? -
4:50 - 4:51私は信じていますが
-
4:51 - 4:52次の話に移る前に
-
4:52 - 4:54民主主義の定義を見ておきましょう
-
4:55 - 4:57アリストテレスによれば
-
4:57 - 5:02大多数を占める 自由人や貧乏人が
-
5:02 - 5:04政府を支配する制度を指します
-
5:05 - 5:08もちろん アテネの民主政は
多くの人を除外するものでした -
5:08 - 5:11女性、移民、そして当然
奴隷も除外されていました -
5:12 - 5:14しかし 除外された人がいたからと言って
-
5:14 - 5:17古代アテネの民主政の重要性を
-
5:17 - 5:19否定するのは間違いだと思います
-
5:20 - 5:22それより重要なのは
-
5:22 - 5:25低所得の労働者は
含まれていたという点です -
5:25 - 5:28今でも大事なことです
-
5:28 - 5:33言論の自由も得ていましたが
-
5:33 - 5:35それより重要な 肝心な点は
-
5:35 - 5:38労働者階級が参政権を持ち
-
5:38 - 5:40一人一人が 同じ重みを与えられて
-
5:40 - 5:44国を動かす意思決定に関わったのです
-
5:44 - 5:47もちろん アテネの民主政は
長続きしませんでした -
5:47 - 5:52輝くろうそくのように
すぐに燃え尽きてしまいました -
5:52 - 5:53事実
-
5:53 - 5:57今日の自由民主主義の根源は
古代アテネではありません -
5:57 - 5:59むしろ マグナ・カルタや
-
5:59 - 6:031688年の名誉革命や
-
6:03 - 6:05アメリカ合衆国憲法から
発展したものです -
6:05 - 6:10アテネの民主政は
所有者のいない市民を中心に据え -
6:10 - 6:12貧しい労働者階級に力を与えたのに対し
-
6:13 - 6:17我々の自由民主主義は
マグナ・カルタ— -
6:17 - 6:21つまり支配者のための憲章という
伝統に基づいています -
6:21 - 6:25事実 自由民主主義が
浮上したのは -
6:25 - 6:29政治を経済の領域から
完全に切り離して -
6:29 - 6:34民主政治のプロセスを政治の領域内に
限定することができてからでした -
6:34 - 6:36これにより 経済の領域—
-
6:36 - 6:38いわば 営利企業の世界が
-
6:38 - 6:40民主主義とは無関係になりました
-
6:42 - 6:45さて 現代の民主主義においては
-
6:45 - 6:48経済と政治の領分の分離
-
6:48 - 6:50これが始まった途端に
-
6:51 - 6:55双方の間に 手のつけられない
壮大な争いが勃発しました -
6:55 - 6:58経済界が 政界に侵食し
-
6:58 - 7:00政治を乗っ取り始めたのです
-
7:00 - 7:04昔に比べると ろくな政治家がいないと
思ったことはありませんか? -
7:05 - 7:07DNAが劣化したからではありませんよ
-
7:07 - 7:09(笑)
-
7:09 - 7:13現代では 内閣の一員だからといって
権力者だとは限りませんん -
7:13 - 7:18権力が 政界から離れて
経済界に移動してしまったせいです -
7:19 - 7:21先ほど
-
7:21 - 7:23資本主義はおかしいと思う
と言いましたが -
7:23 - 7:25考えてみると
-
7:25 - 7:28これは 例えるならば
肉食動物が -
7:29 - 7:34食糧である被食動物を獲りすぎて
根絶やしにしてしまい -
7:35 - 7:37最終的には
飢えに苦しむようなものです -
7:37 - 7:38これと同じように
-
7:38 - 7:42経済界による政治の
乗っ取りや共食いが -
7:42 - 7:45あまりに行きすぎて
経済そのものが蝕まれ -
7:45 - 7:47経済危機が起きているのです
-
7:47 - 7:49企業が持つ力は拡大し
-
7:49 - 7:51「政治財」の価値は下がります
-
7:51 - 7:53不平等が進み
-
7:53 - 7:55総需要が収縮し
-
7:55 - 8:01企業経営者達は 自社資金での
投資を渋るというわけです -
8:02 - 8:08つまり 資本主義が 民主主義から
人民(デモス)を除外すればするほど -
8:08 - 8:102つの山は高くなり
-
8:10 - 8:13人材の無駄や
人類の富の無駄が -
8:13 - 8:15増すばかりなのです
-
8:16 - 8:18これが正しいとすれば
-
8:19 - 8:22政治と経済の領域を
合体させねばなりません -
8:22 - 8:25できれば 人民が中心となって
行うべきでしょう -
8:25 - 8:28古代アテネに倣うのです
ただし 奴隷はなしで -
8:28 - 8:31女性や移民を除外せずに行うべきです
-
8:32 - 8:34これは何も目新しい考えではなく
-
8:34 - 8:37100年前 マルクス主義左派が
既に唱えていました -
8:37 - 8:38でも失敗しましたね
-
8:39 - 8:42ソヴィエト崩壊からの学びは
-
8:42 - 8:49新たな残虐行為や無駄を生み出さすことなく
低所得労働者が 古代アテネのように -
8:49 - 8:51再び力を得るのは
-
8:51 - 8:54奇跡が起こらないと無理だ
ということでした -
8:55 - 8:56でも 解決策はあります
-
8:57 - 8:59低所得労働者をなくせばいい
-
8:59 - 9:01資本主義では
-
9:01 - 9:06低賃金労働者を自動機械、アンドロイド
ロボットなどで置き換えています -
9:07 - 9:08ここでの問題は
-
9:08 - 9:12政治と経済の領域が
別々に存在する限りは -
9:12 - 9:16どんなに自動化を進めても
2つの山はさらに高くなり -
9:17 - 9:18ゴミの山は積み上がり
-
9:18 - 9:20社会の葛藤は深くなるのみ
-
9:20 - 9:22もうすぐ
-
9:22 - 9:24中国のような地域でも
-
9:24 - 9:25そうなるでしょう
-
9:27 - 9:29だから我々は
今までのやり方を見直し -
9:29 - 9:33経済と政治の領域を
再び合体させねばなりません -
9:33 - 9:38ただし 合体した領域を
民主化させる必要があります -
9:38 - 9:44さもなくば がんじがらめに監視された
超独裁世界が待っています -
9:44 - 9:48『マトリックス』が
ドキュメンタリー映画になってしまいます -
9:48 - 9:50(笑)
-
9:50 - 9:53ここでの問題は
次々に生まれる技術革新の中で -
9:53 - 9:55資本主義が生き延びるかでは
ありません -
9:56 - 9:58それよりも
-
9:58 - 10:03資本主義が『マトリックス』のような
暗黒世界に取って代わられるか -
10:03 - 10:08それとも『スタートレック』のように
-
10:08 - 10:10機械が人間に仕え
-
10:10 - 10:15人間は宇宙の探検に力を注ぎ
-
10:15 - 10:19古代アテネのアゴラ(政治を論ずる場)の
ハイテク版を作り -
10:19 - 10:23人生の意味について存分に議論できる
世界に発展するかです -
10:24 - 10:28楽観的に見る余地はあると思いますが
-
10:29 - 10:31暗黒の『マトリックス』より
-
10:31 - 10:33『スタートレック』ユートピアを
実現するには -
10:33 - 10:38どうしたらよくて
どんな世界になるのでしょうか? -
10:38 - 10:39現実的な観点で
-
10:40 - 10:41手短に 2つの例について
-
10:41 - 10:42お話しましょう
-
10:43 - 10:45まずは 企業のレベルで
-
10:45 - 10:47働くほど資本が増える資本市場を
-
10:47 - 10:50思い浮かべてください
-
10:51 - 10:56仕事を移ったり
会社を移ると -
10:56 - 10:58資本もついてきます
-
10:58 - 10:59会社の方は
-
10:59 - 11:02その時 自分が
どの会社で働いていても -
11:03 - 11:07内部で働く人間が
完全に所有しています -
11:07 - 11:12収入はすべて
資本や利益から発生し -
11:12 - 11:16賃金労働の概念自体が
時代遅れのものとなります -
11:17 - 11:23会社を所有してはいるが
中で働いてはいない人と -
11:23 - 11:26働いているが所有しない人との
乖離がなくなります -
11:26 - 11:30資本と労働の間の
綱引き競争は終わりです -
11:30 - 11:35投資と貯金の間の
深い溝が無くなります -
11:35 - 11:38高くそびえる
負債と余剰金の山も消えます -
11:39 - 11:41世界政治経済のレベルでは
-
11:41 - 11:43我々の国の通貨が
-
11:43 - 11:48自由に変動する相場を持ち
-
11:48 - 11:52IMFやG−20が
人類を代表して発行する— -
11:52 - 11:57世界共通のデジタル通貨に
なったとしたら -
11:57 - 11:59どうでしょうか
-
12:00 - 12:01さらに発展させて
-
12:01 - 12:05この共通通貨—
仮に「コズモス」とします— -
12:05 - 12:07国際貿易はすべて
-
12:07 - 12:09コズモス建てで行います
-
12:10 - 12:14どの国の政府も
共通の通貨基金に -
12:14 - 12:20貿易赤字 または
貿易黒字に比例する額を -
12:20 - 12:23コズモス建てで
払い入れる協定を結びます -
12:24 - 12:29この基金を
環境のための技術への投資に活用し -
12:29 - 12:34特に 世界の中でも
投資が不足している地域に投入します -
12:35 - 12:36これは何も新しい考えではなく
-
12:36 - 12:40ジョン・メイナード・ケインズが
事実上 -
12:40 - 12:431944年のブレトンウッズ会議で
提案したものです -
12:44 - 12:45問題は 当時
-
12:45 - 12:49この考えを実践するための
技術がなかったことです -
12:49 - 12:50でも 今はあります
-
12:50 - 12:56政治と経済を融合すれば
もっと確実です -
12:57 - 12:59今お話している世界は
様々な側面を有しています -
12:59 - 13:02まず自由主義—
-
13:02 - 13:06個人に力を与えることを
優先するからです -
13:06 - 13:07次にマルクス主義—
-
13:07 - 13:11資本と労働の間の境界を
過去のものとして -
13:11 - 13:13捨て去るからです
-
13:13 - 13:153つめは 世界規模の
-
13:15 - 13:17ケインズ主義です
-
13:18 - 13:20しかし何よりも
-
13:20 - 13:25その世界では
真の民主主義が実現できるのです -
13:26 - 13:28そんな世界が来るでしょうか?
-
13:28 - 13:33『マトリックス』の暗黒世界に
堕ちるほうがいいでしょうか? -
13:33 - 13:37答えは 我々が集団として行う
政治的選択にかかっています -
13:38 - 13:39選ぶのは我々自身です
-
13:39 - 13:42ですから
民主的に選ぶべきでしょう -
13:42 - 13:44ありがとうございました
-
13:44 - 13:47(拍手)
-
13:49 - 13:51ブルーノ・ジュッサーニ:ヤニス…
-
13:52 - 13:56自己紹介文に「自由マルクス主義者」と
書いておられましたね -
13:58 - 14:01マルクスの分析は
現代にどう当てはまるのでしょうか? -
14:02 - 14:05ヤニス・ バルファキス:
今の話に少しでも納得いただけるなら -
14:05 - 14:07マルクスも通用すると言えます
-
14:07 - 14:10政治と経済を再統合する意義とは
すなわち -
14:10 - 14:11もし統合しなければ
-
14:11 - 14:14技術革新が総需要の激減を
-
14:14 - 14:16もたらしてしまう というものです
-
14:16 - 14:21ラリー・サマーズが
長期的経済停滞と呼ぶ現象です -
14:21 - 14:25経済危機が 世界の一部から
他所へ移動している今 -
14:25 - 14:28この経済停滞により
我々の民主主義だけでなく -
14:28 - 14:32自由民主化に消極的な
新興世界までもが安定性を失うでしょう -
14:32 - 14:36この分析が理にかなっているのなら
マルクスの思想も大いに有効です -
14:36 - 14:38しかし ハイエクも正しいし
-
14:38 - 14:40だから私は
自由マルクス主義なのですが -
14:40 - 14:41そして ケインズも正しい
-
14:41 - 14:43ですから 非常に混乱しています
-
14:43 - 14:44(笑)
-
14:44 - 14:46ブルーノ:ごもっとも
おそらく私たちもです -
14:46 - 14:47(笑)
-
14:47 - 14:49(拍手)
-
14:49 - 14:52ヤニス:混乱していない人は
頭を使っていないのです -
14:52 - 14:55ブルーノ:かなりギリシャ哲学的な
発言ですね -
14:55 - 14:57ヤニス:アインシュタインの引用ですがね
-
14:57 - 15:00ブルーノ:お話の中に
シンガポールや中国が登場し -
15:00 - 15:02昨晩の講演者向け夕食会でも
-
15:02 - 15:07中国に対する西洋の視点について
鋭い批判をされていました -
15:07 - 15:08ここでも お話されませんか?
-
15:08 - 15:11ヤニス:はい
かなり偽善的だと思います -
15:11 - 15:16我々の自由民主主義は
表面上は民主的に見えます -
15:16 - 15:18講演の中で申し上げたように
民主主義を -
15:18 - 15:20政治の領域に閉じ込めて
-
15:20 - 15:24実際に事が起きている領域—
-
15:24 - 15:25つまり経済の領域には—
-
15:25 - 15:27民主主義が存在しないからです
-
15:27 - 15:29ある意味—
-
15:29 - 15:31挑発的な発言をお許し頂ければ—
-
15:32 - 15:36今日の中国は 19世紀のイギリスに
より近いのです -
15:36 - 15:38理由は 前述のとおり
-
15:38 - 15:40自由主義を民主主義と
関連して考えるのは -
15:40 - 15:41歴史的には間違いだからです
-
15:41 - 15:44自由主義は
民主的プロセスに特に懐疑的だった― -
15:44 - 15:49ジョン・スチュアート・ミルに
似たスタンスです -
15:49 - 15:54今 中国で起きていることは
産業革命の時期 -
15:54 - 15:57特に第一次から
第二次産業革命への移行期に -
15:57 - 16:00イギリスで起こったことと
よく似ています -
16:00 - 16:04だから
19世紀の西洋がしていたことと -
16:04 - 16:07同じことをしているからと
中国を酷評する人々には -
16:07 - 16:08偽善の匂いがするわけです
-
16:10 - 16:13ブルーノ:ここの皆さんはきっと
今年前半 ギリシャの財務大臣を -
16:13 - 16:16務められていた時のことを
聞きたいはずですが -
16:16 - 16:17ヤニス:来ると思ってました
-
16:17 - 16:19ブルーノ:はい
-
16:19 - 16:206か月経った今
-
16:20 - 16:23今年前半を振り返っての
感想をお願いします -
16:24 - 16:27ヤニス:個人的には
ものすごく面白かった -
16:27 - 16:28でも 非常に残念でした
-
16:28 - 16:32ユーロ圏を仕切り直す
チャンスだったからです -
16:32 - 16:34ギリシャだけでなく
ユーロ圏全体です -
16:34 - 16:37自己満足から抜け出して
-
16:37 - 16:39さらに ユーロ圏全体に
-
16:39 - 16:42EUの構成自体を
大きく脅かす— -
16:42 - 16:44巨大な構造的断層が
横たわっているという現実 -
16:44 - 16:49この現実否定からも抜け出す
チャンスでもあったからです -
16:49 - 16:52ギリシャの財政再建プログラムが
ベースになりえたのです -
16:52 - 16:53ちなみに
-
16:53 - 16:58この現実否定について
初めて明言し 正しく表現した— -
16:58 - 16:59プログラムでした
-
16:59 - 17:00しかし 残念なことに
-
17:00 - 17:03ユーロ圏やユーログループの
権力者たちは -
17:04 - 17:06現実を否定したままです
-
17:06 - 17:07でも 先は見えますよね
-
17:07 - 17:09これは ソヴィエト連邦が
辿った道です -
17:09 - 17:12政治的な意志や
独裁体制によって -
17:12 - 17:16構造的に生き延びれない経済体制を
-
17:17 - 17:19生かしておこうとすると
-
17:19 - 17:21延命には成功しても
-
17:21 - 17:22何か起きたとき
-
17:22 - 17:25急激な そして破滅的な
変化が起こります -
17:25 - 17:27ブルーノ:どんな変化が見えますか?
-
17:27 - 17:28ヤニス:まあ
-
17:28 - 17:31ユーロ圏の構造を変えなければ
-
17:31 - 17:33間違いなく 未来はありません
-
17:33 - 17:36ブルーノ:財務大臣時代
間違いを犯したことは? -
17:36 - 17:37ヤニス:毎日ですね
-
17:37 - 17:40ブルーノ:例えば?
ヤニス:誰でも 振り返れば— -
17:40 - 17:42(拍手)
-
17:44 - 17:45真面目な話
-
17:46 - 17:49財務大臣
いや どんな大臣でも -
17:49 - 17:516か月にわたり務めた後で
-
17:51 - 17:55特に あのような緊迫した状況で
-
17:55 - 17:581つも間違えていない
などという人は危険です -
17:58 - 17:59もちろん 失敗もしました
-
17:59 - 18:02最大の失敗は 2月に
-
18:02 - 18:04融資延長の申請書に
-
18:04 - 18:06サインしたことです
-
18:06 - 18:07純粋に 我々との
-
18:07 - 18:10共通の利害を見出そうとする
債権者がいるはずだと -
18:10 - 18:11期待していましたが
-
18:11 - 18:12そうではなかった
-
18:12 - 18:15ギリシャ政府を潰すことしか
頭になかったのです -
18:15 - 18:17なぜかって ただ
-
18:17 - 18:20ユーロ圏に横たわる
構造的断層の問題に -
18:20 - 18:22関わりたくないという理由と
-
18:22 - 18:24ギリシャで 5年もの間
-
18:24 - 18:27実施されたプログラムが大失敗だったと
認めたくないという理由です -
18:27 - 18:30ギリシャは 名目GDPの
3分の1を失いました -
18:30 - 18:32大恐慌時代よりひどい結果です
-
18:32 - 18:34そして 再建政策を押し付けていた—
-
18:34 - 18:36債権者の中に 名乗りを上げて
-
18:36 - 18:39「これは大変な間違いだった」
と言う人は誰一人いなかった -
18:39 - 18:41ブルーノ:そんな事実や
-
18:41 - 18:43非常に批判的なお話に反して
-
18:43 - 18:45ヨーロッパをかなり肯定的に
見ておられますね -
18:45 - 18:47ヤニス:当然です
-
18:47 - 18:51だって
私のEUやユーロ圏に対する批判は -
18:51 - 18:55ヨーロッパを住処とする人間の言葉です
-
18:56 - 18:59私が最も恐れているのは
ユーロ圏が崩壊することです -
18:59 - 19:01もし 崩壊してしまったら
-
19:01 - 19:04溜まっている遠心力が解放されて
-
19:04 - 19:05恐ろしいことになり
-
19:05 - 19:07EUは破滅するでしょう
-
19:07 - 19:10そんなことが起これば
ヨーロッパだけでなく -
19:10 - 19:11世界経済全体にも
大打撃です -
19:11 - 19:16ヨーロッパはおそらく
世界最大の経済でしょう -
19:16 - 19:17だからもしも
-
19:17 - 19:20ポストモダン1930年代と
同じ轍を踏んでしまったら— -
19:20 - 19:23今起こっていることが
まさにそうですが— -
19:23 - 19:25ヨーロッパ内外かかわらず
-
19:25 - 19:28すべての人々の未来を
壊す結果になってしまいます -
19:28 - 19:31ブルーノ:今のは絶対
間違いであって欲しいですね -
19:31 - 19:32お話 ありがとうございました
-
19:32 - 19:33ヤニス:ありがとう
-
19:34 - 19:38(拍手)
- Title:
- 資本主義が民主主義を食い尽くす—今こそ立ち上がろう
- Speaker:
- ヤニス・ バルファキス
- Description:
-
今は昔に比べてろくな政治家がいないと思ったことはありませんか? なぜ、政府は真の問題を解決できないのでしょうか。前ギリシャ財務大臣であり経済学者のヤニス・バルファキスは、今や経済を支配する者たちが真の権力を握り、政治が無力な場合もあるからだと言います。超富豪たちや企業が政治の世界を食いものにし、経済危機を起こしている、と彼は確信しています。
それでは、ヤニスの理想像―資本と労働が対立し、いがみ合う時代を超えた「自由主義、マルクス主義とケインズ主義が同時に成り立つような世界」についてお聞きください。 - Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 19:51
Riaki Ponist edited Japanese subtitles for Capitalism will eat democracy -- unless we speak up | ||
Riaki Ponist edited Japanese subtitles for Capitalism will eat democracy -- unless we speak up | ||
Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for Capitalism will eat democracy -- unless we speak up | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Capitalism will eat democracy -- unless we speak up | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Capitalism will eat democracy -- unless we speak up | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Capitalism will eat democracy -- unless we speak up | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Capitalism will eat democracy -- unless we speak up | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Capitalism will eat democracy -- unless we speak up |