世界は今、貧困の隠された理由にこそ立ち向かわなければならない
-
0:01 - 0:04正直に言うと 私は性格的に
-
0:04 - 0:06そんなに泣く方ではありません
-
0:07 - 0:11しかし 仕事の上で
それは良い事だったと思います -
0:11 - 0:13私は公民権が専門の弁護士で
-
0:13 - 0:16世界の身の毛のよだつ出来事を
見てきました -
0:17 - 0:21初めての仕事は
アメリカで警官の権力乱用事件でした -
0:21 - 0:24そして1994年 私はルワンダへ
-
0:24 - 0:29国連の大虐殺調査のディレクターとして
派遣されました -
0:30 - 0:34大虐殺について調査する時
-
0:34 - 0:37涙はあまり訳に立たないと分かりました
-
0:37 - 0:42見たり 感じたり 触れたりしなければ
ならなかったことは -
0:42 - 0:45とても言葉では表せません
-
0:46 - 0:49私に言えることはこうです
-
0:49 - 0:51ルワンダの大虐殺は
-
0:51 - 0:57たんなる思いやりだけでは敵わない
世界の大失策でした -
0:58 - 1:01compassion ( 思いやり ) という言葉は
-
1:01 - 1:07cum passio 「共に苦しむ」という意味の
2つのラテン語に由来しています -
1:07 - 1:10ルワンダで見たり 経験したことから
-
1:10 - 1:13人間の苦悩というものに直面し
-
1:13 - 1:16私はときに 涙しました
-
1:16 - 1:19しかし 私は自分や他国がもっと早く
-
1:19 - 1:21行動していたならと願わずには
いられませんでした -
1:21 - 1:23そうすればただ泣くのではなく
-
1:23 - 1:27大虐殺を実際に止められたのです
-
1:27 - 1:29一方で 私は思いやりが
-
1:29 - 1:35世界規模で とても上手く機能した件にも
関わってきました -
1:35 - 1:38それは世界の貧困との戦いです
-
1:38 - 1:41この会場にいる
私たち全員が関わったであろう運動です -
1:41 - 1:43皆さんが貧困撲滅のために
初めてしたのは -
1:43 - 1:46""We Are the World""の合唱だったり
-
1:46 - 1:50金銭的に支援した子供の写真を
冷蔵庫の扉に貼ることだったり -
1:50 - 1:54新鮮な水が飲めるよう
自分の誕生日に寄付したことかもしれません -
1:54 - 1:58私は貧困撲滅のために
初めて何をしたのかよく覚えていませんが -
1:58 - 2:01一番動揺したことが何だったか
覚えています -
2:01 - 2:03それは ヴィーナスに会った時のことでした
-
2:03 - 2:06彼女はザンビア出身の母親で
-
2:06 - 2:10子供が3人いる未亡人でした
-
2:10 - 2:13私がヴィーナスに会ったとき
彼女は着の身着のまま -
2:13 - 2:1612マイル程の道のりを歩いて
-
2:16 - 2:20首都まで来て何時間も一緒に座って
-
2:20 - 2:24自分の話をしてくれました
-
2:24 - 2:28それが私が貧困の世界で
働くきっかけになりました -
2:28 - 2:31彼女は貧困とはどのようなものなのか―
-
2:31 - 2:35調理用暖炉の石炭が
完全に冷たくなった時 -
2:35 - 2:40調理用オイルの最後の一滴が尽きた時
-
2:40 - 2:44物凄く頑張ったのに
最後の食べ物がなくなった時のことを -
2:44 - 2:45語ってくれました
-
2:46 - 2:49彼女の一番下の息子の
ピーターは栄養失調で -
2:49 - 2:52彼女の一番下の息子の
ピーターは栄養失調で -
2:52 - 2:56徐々に足が曲がって歩けなくなりました
-
2:56 - 2:59目から光が消えていき
-
2:59 - 3:03ピーターは死んでしまいました
-
3:06 - 3:12半世紀以上に渡り このような話が
私たちを思いやりへと突き動かしてきました -
3:12 - 3:15私たちの子供には
食べ物がたくさんあります -
3:15 - 3:17世界の貧困に関心を持つだけでなく
-
3:17 - 3:22私たちは実際に苦しみを
止めるための活動をしていますが -
3:22 - 3:25活動が十分でなく 又 活動しても
-
3:25 - 3:30十分な成果が出ていない
という批判も多々あります -
3:30 - 3:33でも 真実はこうなのです
-
3:33 - 3:36世界の貧困撲滅運動は
おそらく人類史において -
3:36 - 3:42最も幅広く 長期に渡って
人の思いやりの心を -
3:42 - 3:45示してきたものです
-
3:45 - 3:48しかし私は
心が打ち砕かれそうな見解をお話しします -
3:48 - 3:53この話で貧困との戦いに対する認識が
すっかり変わるかもしれません -
3:53 - 3:55まず 皆さんがご存じのことから
お話ししましょう -
3:55 - 3:5935年前 私が高校を卒業した頃は
-
3:59 - 4:05貧困により毎日4万人の
子供が亡くなると言われていました -
4:05 - 4:10今日その数は1万7千人に減少しています
-
4:10 - 4:12もちろん それでも多いのです
-
4:12 - 4:14しかし毎年800万人の子供が
-
4:14 - 4:19貧しさ故に死ななくても良くなりました
-
4:20 - 4:24更に 世界で赤貧状態で暮らす人数―
-
4:24 - 4:281日約1ドル25セントで暮らす人数が
-
4:28 - 4:3150%から僅か15%になりました
-
4:31 - 4:3450%から僅か15%になりました
-
4:35 - 4:37これは物凄い進歩です
-
4:37 - 4:42予想以上の成果を上げたのです
-
4:42 - 4:45皆さんと私とで 素直に
-
4:45 - 4:49誇りを感じ 勇気づけられることとして
-
4:49 - 4:53思いやりの力によって
何百人もの貧困に喘ぐ人々を -
4:53 - 4:58救えることを目の当りにしたからです
-
4:58 - 5:03しかし
あまり知られていませんが -
5:03 - 5:08貧困の定義を1日2ドルと変えると
-
5:08 - 5:11私が高校生の時
厳しい貧困に喘いでいた20億人は -
5:11 - 5:14私が高校生の時
厳しい貧困に喘いでいた20億人は -
5:14 - 5:1635年後も貧しいままなのです
-
5:16 - 5:1935年後も貧しいままなのです
-
5:19 - 5:24なぜ何十億人も
赤貧に取り残されたのか? -
5:24 - 5:27ヴィーナスのことを考えてみましょう
-
5:27 - 5:31何十年も妻と私はよくある思いやりの形に
心を動かされていました -
5:31 - 5:34子供たちへの援助
マイクロローンへの出資 -
5:34 - 5:37気前のよい対外援助などです
-
5:37 - 5:41でも ヴィーナスに会う前までは
-
5:41 - 5:43様々な支援が行われているのに
-
5:43 - 5:49ヴィーナスの息子が死ぬ理由が
分かりませんでした -
5:50 - 5:54「ブルータスが嫌がらせをするまでは
-
5:54 - 5:59よかったのです」と
ヴィーナスが私に言いました -
5:59 - 6:02ブルータスはヴィーナスの隣人で
トラブルメーカーでした -
6:02 - 6:05ヴィーナスの夫が死んだ翌日
-
6:05 - 6:09ブルータスがやって来て
ヴィーナスと子供たちを家から追い出し -
6:09 - 6:13土地を盗み 露店を奪いました
-
6:14 - 6:19暴力によって
ヴィーナスは貧しくなったのでした -
6:21 - 6:23もちろん
-
6:23 - 6:27チャイルド・スポンサーシップも
-
6:27 - 6:31マイクロローンも
従来の貧困撲滅運動も -
6:31 - 6:35ブルータスを止めなかったのです
-
6:35 - 6:38なぜなら目的が違うからです
-
6:38 - 6:43これはグリセルダに会って
より明確になってきました -
6:43 - 6:47彼女はグアテマラの貧困地域に暮らす
魅力的な若い少女です -
6:47 - 6:49彼女はグアテマラの貧困地域に暮らす
魅力的な若い少女です -
6:49 - 6:51長年かけて私たちが学んだことですが
-
6:51 - 6:54グリセルダと家族が
-
6:54 - 6:57貧困から抜け出すために可能で
-
6:57 - 6:59最も有効な手段は
-
6:59 - 7:03グリゼルダを学校に行かせることなのです
-
7:03 - 7:07専門家はこれを
「ガールエフェクト」と呼んでいます -
7:07 - 7:11私たちがグリゼルダに会った時
彼女は学校に行っていませんでした -
7:11 - 7:15事実 彼女はほとんど自宅から
出ていませんでした -
7:16 - 7:18私たちに会う前
-
7:18 - 7:21家族と教会から歩いて帰る時
-
7:21 - 7:23白昼堂々と
-
7:23 - 7:27同じ村の男が
彼女を路上から連れ去り -
7:27 - 7:30彼女を暴力的にレイプしたのでした
-
7:30 - 7:34グリセルダには
学校に行くさまざまな機会がありました -
7:34 - 7:38でも 危なくて学校に行けなかったのです
-
7:38 - 7:40グリゼルダに限ったことではありません
-
7:40 - 7:48世界の貧しい15才から44才までの女性は
-
7:48 - 7:52家庭内暴力や性的暴力など
-
7:52 - 7:56日常的に暴力に晒されています
-
7:56 - 8:01この2つの暴力による死亡や障害は
-
8:01 - 8:08マラリアや自動車事故
戦争関連の合計よりも多いのです -
8:11 - 8:16実は 世界の貧しい人々は
暴力の罠に嵌っているのです -
8:16 - 8:20例えば 南アジアで
私がこの精米所を車で通り過ぎた時 -
8:20 - 8:23この男性が45kgくらいの米のずた袋を
-
8:23 - 8:25痩せた背中に担いでいるが見えました
-
8:25 - 8:27後になって 分かったことでしたが
-
8:27 - 8:29彼は実は奴隷で
私が高校生の頃から -
8:29 - 8:34精米所で暴力を受け続けていたのです
-
8:35 - 8:38彼の村には数多くの
貧困撲滅プログラムがありますが -
8:38 - 8:42彼のことも 他の百人の奴隷も
-
8:42 - 8:46鞭打ちやレイプ
精米所の内部での拷問から -
8:46 - 8:50救ってはくれませんでした
-
8:50 - 8:54事実 貧困撲滅プログラムが行われて
50年経ちますが -
8:54 - 8:58人類史上 どの時代よりも多数の
-
8:58 - 9:01貧困に喘ぐ人々が奴隷となっています
-
9:01 - 9:07専門家によると 今日
約3千5百万人の奴隷がいます -
9:07 - 9:11つまり今日皆さんがいらっしゃる
-
9:11 - 9:14カナダの全人口くらいが奴隷なのです
-
9:14 - 9:17やがて私はこの暴力の蔓延を
-
9:17 - 9:20「イナゴ効果」と呼ぶようになりました
-
9:20 - 9:23イナゴの大群のように
貧しい人々の暮らしを襲い -
9:23 - 9:26すべてを破壊してしまうからです
-
9:26 - 9:30事実 赤貧に喘ぐ村を調査すると
-
9:30 - 9:34住民の最大の恐怖は暴力だと言うのです
-
9:34 - 9:37でも ここで言う暴力とは
-
9:37 - 9:40大虐殺や戦争による暴力ではなく
-
9:40 - 9:42日常生活における暴力なのです
-
9:42 - 9:45もちろん弁護士として
私が最初にする対応は -
9:45 - 9:48全ての法律を
変えるべきだと考えることです -
9:48 - 9:51貧しい人への暴力が違法と
なるようにしなければなりません -
9:51 - 9:55でも 既にそういう法律はあるのです
-
9:55 - 9:58問題なのは法律がないことではなく
-
9:58 - 10:01貧しい人を守るため
法が執行されないことなのです -
10:03 - 10:04開発途上国では基本的な法律の
-
10:04 - 10:07執行制度が かなり破綻しているのです
-
10:07 - 10:10国連が最近公表した報告書によると
-
10:10 - 10:16「赤貧に喘ぐ人々は法に守られていない」
というのです -
10:16 - 10:18皆さんも私もどう受け止めてよいのか
-
10:18 - 10:20分からないのが正直なところでしょう
-
10:20 - 10:24法に守られないという体験を
したことはないからです -
10:24 - 10:27私達には警察機関が機能することが
まったく当たり前のことです -
10:27 - 10:33この3つの番号―911が
それを最も明確に表しています -
10:34 - 10:37911に電話すると
ここカナダやアメリカでは -
10:37 - 10:40緊急通報のオペレーターにつながります
-
10:40 - 10:45911に電話してから約10分で
警察が来ます -
10:45 - 10:49911の利用を当然と思っていますが
-
10:49 - 10:54もし皆さんを守る警察組織が
なかったらどうなるでしょうか? -
10:55 - 10:59最近オレゴン州の女性が
こんな体験をしました -
10:59 - 11:04彼女は土曜日の夜
暗い家に一人でいると -
11:04 - 11:07男が彼女の家に押し入ろうと
するのでした -
11:07 - 11:08これは彼女にとって最低の悪夢でした
-
11:08 - 11:13実際この男はほんの2週間前に
-
11:13 - 11:15彼女を襲い入院させたのです
-
11:15 - 11:19恐怖に怯え 彼女は電話を取り
-
11:19 - 11:21誰もがするように
911に電話するのですが -
11:21 - 11:26しかし 郡の予算削減により
-
11:26 - 11:29週末には警察が
休業だと知らされるのです -
11:29 - 11:30聞いてください
-
11:30 - 11:33(911) 誰も派遣できません
-
11:33 - 11:34(被害者) そう
-
11:34 - 11:38(911) 男が家に入り襲ってきたら
-
11:38 - 11:40家から出るように言ってください
-
11:40 - 11:42男は酔っぱらっていますか?
-
11:42 - 11:45(被害者) 帰ってと言いました
通報したとも言いました -
11:45 - 11:48前にもドアを蹴破って入ってきて
暴行してきたんです -
11:48 - 11:49(911) そうですか
-
11:49 - 11:50(被害者) だから…
-
11:50 - 11:53(911) ご自宅から逃げられますか?
-
11:53 - 11:57(被害者) 無理です
完全に逃げ道を塞がれています -
11:57 - 12:00(911) アドバイスしかできませんが
-
12:00 - 12:03明日 保安官に電話してください
-
12:03 - 12:07明らかに男が家に入ってきて
不運にも武器を所持しているとか -
12:07 - 12:11危害を加えようとしているのなら
話は別です -
12:11 - 12:13それは保安官の仕事ではありません
-
12:13 - 12:16誰も派遣することはできません
-
12:18 - 12:20(ゲイリー・ホーゲン) ひどいことに
その家にいる女性は -
12:20 - 12:26暴行され 首を締められ
レイプされました -
12:26 - 12:32これが法に守られないということであり
-
12:34 - 12:38何十億という貧しい人々は
そういう場所に暮らしています -
12:40 - 12:42それはどのようなものなのか?
-
12:42 - 12:47例えばボリビアで
男が貧しい子供に性的暴行を加えたとき -
12:47 - 12:52統計的に見て
その男がシャワーで滑って死ぬリスクの方が -
12:52 - 12:55その罪で刑務所に行く
可能性よりも高いのです -
12:56 - 13:01南アジアでは
貧しい人を奴隷にしたとき -
13:01 - 13:04雷に打たれるリスクの方が
-
13:04 - 13:07その罪で刑務所に送られる可能性よりも高いのです
-
13:07 - 13:12日常生活における暴力は
勢いを増しているのです -
13:12 - 13:16何十億もの人々を
1日2ドルの地獄から救おうとする -
13:16 - 13:19努力は打ち砕かれているのです
-
13:19 - 13:22データは嘘をつかないからです
-
13:22 - 13:26貧しい人に物やサービスを与えても
-
13:26 - 13:29暴力による虐待を
-
13:29 - 13:31制止できなければ
-
13:31 - 13:35長期的に成果が上がらず
失敗に終わるのです -
13:36 - 13:40開発途上国では基本的な
警察機構の崩壊への対処が -
13:40 - 13:43世界規模での貧困撲滅運動における
-
13:43 - 13:46最優先課題となっていると
考えることでしょう -
13:46 - 13:48でも実際は違うのです
-
13:49 - 13:53最近の国際支援を精査すると
-
13:53 - 13:57日常的に蔓延する無法な暴力から
貧しい人を守るためには -
13:57 - 14:01支援額の1%も使われていないことが
わかります -
14:01 - 14:04正直に言うと
貧しい人に向けられた暴力の話になると -
14:04 - 14:08時々奇妙な展開が見られるのです
-
14:08 - 14:11水を提供する団体は
水を汲みに行く途中でレイプされた -
14:11 - 14:14痛ましい少女たちのことを語り
-
14:14 - 14:18遠くまで水を汲みに行かなくて済むように
-
14:18 - 14:22新しい井戸を作り
それを祝っておしまいなのです -
14:22 - 14:24新しい井戸を作り
それを祝っておしまいなのです -
14:25 - 14:30村にいる強姦犯にはお咎めなしです
-
14:32 - 14:34もし大学のキャンパスにいる若い女性が
-
14:34 - 14:37図書館に行く途中でレイプされたら
-
14:37 - 14:43寮の近くに図書館を移したからといって
お祝いなどしないでしょう -
14:43 - 14:47でもなぜか貧しい人の場合
それで良いことになっています -
14:49 - 14:51本当のところは
-
14:51 - 14:54経済開発や貧困緩和の
従来の専門家達には -
14:54 - 14:56この問題の解決策が
わからないのです -
14:56 - 14:58それで どうなるのか?
-
14:58 - 15:00専門家たちはこの話をしません
-
15:01 - 15:05しかし もっと根本的な理由から
-
15:05 - 15:08開発途上国の貧しい人を守る
-
15:08 - 15:10法の執行が蔑ろにされています
-
15:10 - 15:14それは 開発途上国の豊かな人々には
-
15:14 - 15:16それが必要でないからです
-
15:17 - 15:20私は少し前に
世界経済フォーラムに出席し -
15:20 - 15:24開発途上国で大規模ビジネスを展開する
企業の役員に聞きました -
15:24 - 15:26「皆さんはどうやって暴力から
-
15:26 - 15:31社員や財産を
守られているのでしょうか?」 -
15:31 - 15:36すると彼らは顔を見合わせ
声をそろえて答えました -
15:36 - 15:38「お金で買うのです」
-
15:39 - 15:43実際 開発途上国では民間の警備会社は
-
15:43 - 15:50今や警察よりも4倍 5倍 7倍の
規模なのです -
15:50 - 15:58アフリカでは民間の警備会社で
働く人が一番多いのです -
15:59 - 16:03お金持ちが警備にお金を払って
ますます豊かになっていくのに対し -
16:03 - 16:07貧しい人は警備にお金を払えず
無防備な状態で -
16:07 - 16:09大地に放り出されているのです
-
16:10 - 16:15これは大規模で恥ずべき非道な行いです
-
16:15 - 16:18このようなことがあってはならないのです
-
16:18 - 16:20崩壊した警察制度は復旧出来ます
-
16:20 - 16:22暴力はなくすことが出来ます
-
16:22 - 16:25刑事司法制度のほとんど全てが
-
16:25 - 16:27機能せず腐敗していますが
-
16:27 - 16:32多大な努力と献身があれば
状況を一変出来ます -
16:32 - 16:34進むべき道はとても明確です
-
16:34 - 16:37まず 貧困を撲滅する上で
-
16:37 - 16:41暴力を止めさせることが
不可欠である としていくべきです -
16:41 - 16:44実際 世界の貧困について話し合う時
-
16:44 - 16:48暴力の問題が含まれていないなら
その話は真剣な議論ではないと見なされます -
16:49 - 16:54次に 本格的に資源を投入して
-
16:54 - 16:58専門知識を提供することによって
これらの国が -
16:58 - 17:01新しい司法制度を作り上げるのを
支援することを始めるべきです -
17:01 - 17:03それは民間の警備に頼らず
-
17:03 - 17:05誰もが安全に暮らせる制度です
-
17:06 - 17:09このような変革は実際可能であり
-
17:09 - 17:12今日なされているものです
-
17:12 - 17:15最近ゲイツ財団が
フィリピン第2の都市で -
17:15 - 17:17あるプロジェクトに資金提供しました
-
17:17 - 17:20そこでは 地元の支持者や
地元の法曹関係者が -
17:20 - 17:27腐敗した警察や機能していない裁判所を
たった4年間で -
17:27 - 17:30抜本的に変えたのでした
-
17:30 - 17:32すると 貧しい子供に対する
-
17:32 - 17:38商業的な性的暴力の件数が
79% 減りました -
17:40 - 17:43歴史から学ぶとき
-
17:43 - 17:49最も不可解で許せないと感じるのは
-
17:49 - 17:52思いやりに欠けた事態です
-
17:53 - 17:58なぜなら歴史とは 孫たちが
祖父母たちを裁きにかけるようなものだと思うからです -
17:58 - 18:00例えばこんな質問です
-
18:00 - 18:03「おばあちゃん おじいちゃん
どこにいたの?」 -
18:04 - 18:08「ユダヤ人がナチスドイツから逃げて
-
18:08 - 18:10この国の港でも拒絶された時
-
18:10 - 18:12おじいちゃんはどこにいたの?」
-
18:12 - 18:14「おばあちゃん 日系アメリカ人が
-
18:14 - 18:18強制収容所に連行された時
どこにいたの?」 -
18:18 - 18:21「おじいちゃん アフリカ系アメリカ人が
-
18:21 - 18:23選挙登録をしようとしただけで
-
18:23 - 18:26殴られた時どこにいたの?」
-
18:26 - 18:31同じように孫が質問してくるのです
-
18:31 - 18:33「おばあちゃん おじいちゃん
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18:33 - 18:38世界の貧しい20億人が日常的に
暴力が蔓延する無法状態で -
18:38 - 18:40喘いでいた時 どこにいたの?」
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18:41 - 18:48私は思いやりから声を上げ
私たちの世代が -
18:48 - 18:56暴力を阻止するために
行動したんだよと言いたいのです -
18:56 - 18:58ありがとうございました
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18:58 - 19:02(拍手)
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19:14 - 19:17(クリス・アンダーソン) 非常に力強いお話でした
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19:17 - 19:19警察の訓練を強化するなど
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19:19 - 19:26実際の活動を少しお話ください
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19:26 - 19:27どのくらい難しいのでしょうか?
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19:27 - 19:31(ゲイリー・ホーゲン) 最近 制度の崩壊と
その結果の -
19:31 - 19:36相関関係が明らかになりつつあるのは
素晴らしいことです -
19:36 - 19:39まずは実際
改革への政治的意思があります -
19:39 - 19:43あとは資源への投資や専門知識の
移転が必要になります -
19:43 - 19:47また実現を目指して政治的意思決定のために
奮闘しているところもあります -
19:47 - 19:48いずれも見込みがあるものです
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19:48 - 19:51なぜなら 世界中に例があり
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19:51 - 19:54国際司法ミッションで
奨励されているからです -
19:54 - 19:57(クリス) ある国で警察組織を
抜本的に変えるのに -
19:57 - 20:01どのくらい費用がかかりますか
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20:01 - 20:03私は部分的にしか分かりません
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20:03 - 20:06(ゲイリー) 例えばグアテマラでは
-
20:06 - 20:09プロジェクトを
地元の警察や裁判所や検察と立ち上げ -
20:09 - 20:13司法の手続きが効果的に進むよう
再び訓練しました -
20:13 - 20:17すると性犯罪者への起訴が
10倍以上に増えたのです -
20:17 - 20:20すると性犯罪者への起訴が
10倍以上に増えたのです -
20:20 - 20:24このプロジェクトの費用は
僅か年間百万ドルです -
20:24 - 20:27このプロジェクトの費用は
僅か年間百万ドルです -
20:27 - 20:31刑事司法制度に関して
-
20:31 - 20:36適切に訓練しモチベーションを高め
制度を機能させることで -
20:36 - 20:38不平等で民間の警備に頼る
未来が見えない国々― -
20:38 - 20:41特に中流階級の未来が見えないのですが
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20:41 - 20:45そこに援助のお金は
大きな衝撃を与えます -
20:45 - 20:48転機となり
変化の入り口になると思います -
20:48 - 20:53(クリス) そのために 連鎖を一つずつ
見ていくとすると -
20:53 - 20:56警察と他に誰がいますか?
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20:56 - 20:58(ゲイリー) 法の執行に関してですね
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20:58 - 20:59まず警察から始まります
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20:59 - 21:02司法の経路の最前線です
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21:02 - 21:04案件は警察から検察へ
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21:04 - 21:06検察から法廷へと進みます
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21:06 - 21:10暴力の被害者はその全行程を通じて
司法の公的機関に -
21:10 - 21:11支援されるべきです
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21:11 - 21:14だから 全員で取組むべきです
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21:14 - 21:17過去にちょっとした
裁判所のみのトレーニングも試みられましたが -
21:17 - 21:19警察から提供される証拠が不十分でした
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21:19 - 21:23また麻薬やテロが絡むと
警察もそれなりに介入しますが -
21:23 - 21:25貧しい普通の人には
しっかりした法の執行というものは -
21:25 - 21:27無縁のものでした
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21:27 - 21:29だから全員で取組もうとしています
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21:29 - 21:32実際 赤貧の村で暮らす人々でも
-
21:32 - 21:34私たちと同じような
警察の関与を体験してもらうことができます -
21:34 - 21:37確かに完全ではない点を経験することもありますが
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21:37 - 21:40911に電話して
誰かが守ってくれると感じることは -
21:40 - 21:43とても素晴らしいことです
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21:43 - 21:46(クリス) ゲイリー
著書を通じて -
21:46 - 21:48また本日この会場で
貧困の問題に世界を注目させたのは -
21:48 - 21:49すばらしい貢献だったと思います
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21:49 - 21:51どうもありがとうございました
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21:51 - 21:51ゲイリー・ホーゲンでした
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21:51 - 21:53(拍手)
- Title:
- 世界は今、貧困の隠された理由にこそ立ち向かわなければならない
- Speaker:
- ゲイリー・ホーゲン
- Description:
-
公民権を専門とする弁護士のゲイリー・ホーゲンは「1980年代以降、援助しようとする人々の思いやりの心の大きな波によって、地球規模の貧困が減少した」と話します。しかし、世界規模で金銭面での支援が行われているにも拘らず、ある隠れた問題が蔓延することで貧困は残り続けています。ゲイリー・ホーゲンがこの隠れた根本的原因を明らかにします。我々はこの事実を認識してそれに対処しなくてはなりません。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 22:08
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for The hidden reason for poverty the world needs to address now | ||
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