Return to Video

私が不可能な映画を製作した方法について

  • 0:01 - 0:04
    私は 製作不可能な映画を作りました
  • 0:04 - 0:08
    でも不可能だなんて思わなかったから
  • 0:08 - 0:10
    出来たことだと思います
  • 0:10 - 0:13
    『Mars & Avril』はSF映画です
  • 0:13 - 0:17
    舞台は 50年後の
    カナダ・モントリオール
  • 0:17 - 0:19
    ケベックで この種の映画を
    手がけた人はいませんでした
  • 0:19 - 0:23
    資金が掛かりますし
    未来が舞台となれば
  • 0:23 - 0:25
    膨大な数の
    視覚効果が必要で
  • 0:25 - 0:27
    グリーンバックで
    撮影が行われます
  • 0:27 - 0:29
    でも 子供の頃から
    ずっと こんな映画を
  • 0:29 - 0:31
    本当に 作りたかったんです
  • 0:31 - 0:33
    子供の頃
    コミック・ブックを読みながら
  • 0:33 - 0:37
    未来はどうなるんだろうと
    想像を巡らせていました
  • 0:37 - 0:40
    アメリカのプロデューサーは
    この映画を見ると
  • 0:40 - 0:43
    かなりの予算をかけたと
    思います
  • 0:43 - 0:46
    2,300万ドル位でしょうか
  • 0:46 - 0:49
    でも 実際の予算は
    その1割でした
  • 0:49 - 0:51
    『Mars & Avril』は
    230万ドルで製作しました
  • 0:51 - 0:53
    なぜ そんな事ができたのかと
  • 0:53 - 0:55
    不思議に思われているかもしれません
  • 0:55 - 0:58
    秘訣は2つあります 先ずは時間です
  • 0:58 - 1:01
    お金が無い時は
    時間を掛けなければいけません
  • 1:01 - 1:05
    私の場合 『Mars & Avril』の完成まで
    7年の歳月が掛かりました
  • 1:05 - 1:08
    2つ目の秘訣は 愛です
  • 1:08 - 1:12
    製作に関わった方々から
    寛大な支援を受けました
  • 1:12 - 1:14
    映画スタッフは
    予算も何も無かったので
  • 1:14 - 1:17
    皆の創造力に
    委ねられました
  • 1:17 - 1:20
    そして 全ての問題が
    好機に転換しました
  • 1:20 - 1:22
    これが今日の
    話の本題に繋がります
  • 1:22 - 1:26
    創作上の制約が どのように
    創造性の向上につながるかです
  • 1:26 - 1:29
    先ずは 少し時間を
    巻き戻しましょう
  • 1:29 - 1:32
    私が20代前半の頃
    グラフィック小説を手がけました
  • 1:32 - 1:34
    一般的なグラフィック小説とは違い
  • 1:34 - 1:37
    文章や写真を使って
  • 1:37 - 1:40
    SF物語を 伝えるものでした
  • 1:40 - 1:43
    映画化した 『Mars & Avril』に
    出演している 多くの役者が
  • 1:43 - 1:45
    既に この小説の
    キャラクターに扮して
  • 1:45 - 1:49
    実験的 演劇的
  • 1:49 - 1:54
    単純化した方法で
    携わっていました
  • 1:54 - 1:58
    その中の 一人は
    素晴らしい舞台監督で俳優でもある
  • 1:58 - 2:00
    ロベール・ルパージュです
  • 2:00 - 2:01
    彼のことは 大好きです
  • 2:01 - 2:04
    子供の頃から 大好きだったんです
  • 2:04 - 2:07
    彼のやる仕事に とても憧れていて
  • 2:07 - 2:10
    私のクレイジーなプロジェクトに
    参加してもらえたらと思っていたら
  • 2:10 - 2:14
    ウジェーヌ・スパークという
    キャラクターに
  • 2:14 - 2:16
    彼のイメージを使わせてくれました
  • 2:16 - 2:21
    このキャラクターは
    宇宙論を研究するアーティストで
  • 2:21 - 2:26
    時間、空間、愛、音楽、女性の間に
    存在する関係を追求しています
  • 2:26 - 2:30
    ロベールは この役にぴったりでした
  • 2:30 - 2:33
    実は 最初のチャンスを与えてくれのは
    ロベールでした
  • 2:33 - 2:35
    彼が 私を信じてくれたんです
  • 2:35 - 2:39
    そして 私のグラフィック小説を
    映画化し
  • 2:39 - 2:42
    自分で脚本・監督・製作するよう
  • 2:42 - 2:44
    後押ししてくれました
  • 2:44 - 2:48
    実は 制約が創造性を
    向上させることの
  • 2:48 - 2:52
    最初の例になったのも
    ロベールでした
  • 2:52 - 2:54
    なぜなら 彼は地球上で
    一番忙しい人なんです
  • 2:54 - 2:57
    彼の予定は2042年まで
    ビッシリ詰まっていて
  • 2:57 - 3:01
    なかなか時間をとってもらえません
  • 3:01 - 3:04
    でもこの映画でも
  • 3:04 - 3:06
    本と同じ役を演じてもらいたかった
  • 3:06 - 3:09
    でも問題は 2042年まで
    待ったら この映画が
  • 3:09 - 3:11
    未来映画では
    無くなってしまいますね?
  • 3:11 - 3:15
    ですから 彼の予定が空くまで
    待つわけにはいきません
  • 3:15 - 3:17
    これは大きな問題です
  • 3:17 - 3:20
    こんなに忙しい人に
    映画に出演してもらうには
  • 3:20 - 3:22
    どうしたらいいでしょうか?
  • 3:22 - 3:26
    製作会議で冗談めかしに
    言ったんですが
  • 3:26 - 3:28
    ちなみに 本当の話です
  • 3:28 - 3:31
    「ロベールをホログラムにしたら
    どうかな?
  • 3:31 - 3:33
    彼は同じ時間に 地球上の
    あらゆる所にいたり
  • 3:33 - 3:35
    いなかったりするし
  • 3:35 - 3:38
    私の中では 彼は神のような存在で
  • 3:38 - 3:42
    現実と仮想世界の
    狭間にいるような人なので
  • 3:42 - 3:44
    彼をホログラムにするのは
  • 3:44 - 3:46
    完璧に的を得ているんだ」って
  • 3:46 - 3:48
    会議にいた 全員が笑いました
  • 3:48 - 3:51
    でも この冗談で
    上手く行けそうだということになり
  • 3:51 - 3:53
    実際 この方法で
    問題を解決しました
  • 3:53 - 3:57
    まず6台のカメラで
    ロベールを撮影します
  • 3:57 - 3:59
    彼には緑色の服を着て
    緑色の水槽のような場所に
  • 3:59 - 4:01
    入ってもらってもらいます
  • 4:01 - 4:04
    頭部60度の範囲を
    各カメラで撮影したので
  • 4:04 - 4:07
    撮影後の編集作業で
  • 4:07 - 4:08
    必要なアングルを
    ほぼ網羅できました
  • 4:08 - 4:11
    撮影したのは彼の頭部のみです
  • 4:11 - 4:13
    6ヵ月後 実際のセットで演ずるのは
  • 4:13 - 4:15
    彼の体となる代役で
  • 4:15 - 4:18
    これが頭を乗っける体になります
  • 4:18 - 4:21
    代役の頭には
    緑の覆いを被せてあるので
  • 4:21 - 4:24
    編集時に この部分を削除し
  • 4:24 - 4:26
    ロベール・ルパージュの頭と
    すげかえるわけです
  • 4:26 - 4:28
    これで 博学者っぽくなりました
  • 4:28 - 4:30
    映画では こんな風になります
  • 4:30 - 4:43
    (音楽)
  • 4:43 - 4:45
    ロベール・ルパージュ: いつものごとく
    アルチュールの設計図には
  • 4:45 - 4:47
    技術的な問題は
    加味されていないようだ
  • 4:47 - 4:51
    隙間を塞いでみたが
    まだ弁から空気が漏れる
  • 4:51 - 4:55
    サウンドボックス内の圧力を下げるのに
    リードのパレットを持ち上げてみたが
  • 4:55 - 4:59
    琴線に触れてしまったかもしれない
  • 4:59 - 5:02
    音がまだ低すぎる
  • 5:02 - 5:03
    ジャック・ランギランド: 当たり前だよ
  • 5:03 - 5:06
    楽器というものは
    モデルに 似てくるからな
  • 5:06 - 5:11
    (音楽)
  • 5:26 - 5:30
    今ご覧いただいた シーンに
  • 5:30 - 5:32
    出てくる楽器が
  • 5:32 - 5:34
    制約が 創造性を向上させる
  • 5:34 - 5:37
    2つ目の例です
  • 5:37 - 5:40
    私の映画の中で不可欠な
  • 5:40 - 5:42
    欲望の対象ともいえる
  • 5:42 - 5:44
    想像上の楽器です
  • 5:44 - 5:46
    この楽器にまつわる
    素敵な逸話があります
  • 5:46 - 5:51
    実はこの楽器がどのようなものか
  • 5:51 - 5:53
    頭の中で想像していました
  • 5:53 - 5:57
    問題は この楽器を作る
    お金が無かったこと
  • 5:57 - 6:00
    とても手が届きませんでした
  • 6:00 - 6:02
    ですから ある意味
    大問題だったわけです
  • 6:02 - 6:06
    手の届かないものを
    どうやって手に入れるか?
  • 6:06 - 6:10
    ある朝 かなり良いアイデアと共に
    目覚めました
  • 6:10 - 6:14
    「誰かに それを払わせたらどうだろう?」って
  • 6:14 - 6:17
    (笑)
  • 6:17 - 6:20
    でも 一体どこの誰が
    女性の体に―
  • 6:20 - 6:24
    インスパイアされた
    まだ作られもしていない
  • 6:24 - 6:25
    7つの楽器に
    興味を持つでしょうか?
  • 6:25 - 6:28
    そこで モントリオールの
    シルク・ドゥ・ソレイユが思いつきました
  • 6:28 - 6:32
    スクリーンに映し出したい
    クレイジーな―
  • 6:32 - 6:34
    詩みたいなものを
    一番理解してくれると思ったからです
  • 6:34 - 6:37
    それで シルク・ドゥ・ソレイユのCEOである
    ギー・ラリベルテに会って
  • 6:37 - 6:40
    こんなスケッチと
    ビジュアル資料を使って
  • 6:40 - 6:43
    私のクレイジーなアイデアを
    披露したんです
  • 6:43 - 6:46
    すると とても素敵なことが起こりました
  • 6:46 - 6:48
    ギーは 私がお金を
    求めたからではなく
  • 6:48 - 6:52
    皆がハッピーになれる
  • 6:52 - 6:55
    良いアイデアを 持って来たから
  • 6:55 - 6:57
    興味を持ってくれました
  • 6:57 - 6:59
    ハッピーになったのは 実は3人で
  • 6:59 - 7:03
    1人目はアートバイヤー
  • 7:03 - 7:05
    彼は まだ作られていない楽器を安値で買えて
  • 7:05 - 7:07
    ハッピーでした
  • 7:07 - 7:09
    賭けをしたわけです
  • 7:09 - 7:13
    2人目の アーティストの
    ドミニク・エンゲルは素晴らしい方で
  • 7:13 - 7:16
    彼も一年掛けて 取り組める
    夢のプロジェクトにハッピーで
  • 7:16 - 7:17
    もちろん 私もハッピーでした
  • 7:17 - 7:21
    映画のための楽器を念願どおり
    タダで手に入れました
  • 7:21 - 7:26
    完璧にお互いのニーズが合いました
  • 7:26 - 7:27
    こちらが その楽器です
  • 7:27 - 7:31
    制約が創造性を
    向上させる 私の最後の例を
  • 7:31 - 7:32
    お話します
  • 7:32 - 7:36
    緑に由来します
  • 7:36 - 7:40
    不思議で クレイジーな色ですよね
  • 7:40 - 7:43
    いずれグリーンスクリーンを
    画像に置き換えなければいけません
  • 7:43 - 7:46
    どんな画像にするか
    早いうちに決める必要があります
  • 7:46 - 7:50
    私の頭の中には
    様々なアイデアがあって
  • 7:50 - 7:52
    世界がどうなるかを
    ほぼ決めていました
  • 7:52 - 7:57
    これも子供時代の空想に立ち帰り
  • 7:57 - 8:01
    ベルギーのコミックの達人を思いつきました
  • 8:01 - 8:03
    ベルギーの
    フランソワ・スクイテンです
  • 8:03 - 8:07
    この方のことも
    とても尊敬していて
  • 8:07 - 8:09
    プロダクション・デザイナーとして
    彼にも映画に
  • 8:09 - 8:11
    関わって欲しいと思っていました
  • 8:11 - 8:14
    でも 周りの人に
    「マーティン 彼は忙し過ぎるから
  • 8:14 - 8:16
    どうせ断られるよ」と言われました
  • 8:16 - 8:20
    それでも 彼のスタイルを真似するくらいなら
  • 8:20 - 8:22
    本人に電話して頼もうと決め
  • 8:22 - 8:25
    私の本も贈りました
  • 8:25 - 8:27
    すると映画の製作に参加したいと言う
  • 8:27 - 8:29
    返事が来ました
  • 8:29 - 8:33
    なぜなら彼は小さな水槽で大きな魚になれる
  • 8:33 - 8:37
    夢を追いかけることができるからです
  • 8:37 - 8:40
    なんと 私の子供時代の
    ヒーローと
  • 8:40 - 8:43
    映画の1コマ1コマの絵を描いて
  • 8:43 - 8:46
    未来のモントリオールを創り上げたのです
  • 8:46 - 8:48
    彼のような 敬愛する
    偉大なアーティストとの
  • 8:48 - 8:51
    仕事は 素晴らしい
    協同作業でした
  • 8:51 - 8:54
    でも 究極的にはこの絵を
  • 8:54 - 8:56
    実際に作らなくてはいけません
  • 8:56 - 8:59
    そこで また私の解決策は
  • 8:59 - 9:02
    私の中の最高のアーティストを
    見つけることでした
  • 9:02 - 9:06
    モントリオールにいる
    カルロス・モンソンは
  • 9:06 - 9:10
    ケベック人で とても才能のある
    視覚効果アーティストです
  • 9:10 - 9:13
    この分野を 牽引するアーティストで
  • 9:13 - 9:16
    『アバター』 『スタートレック』
    『トランスフォーマー』
  • 9:16 - 9:19
    その手の無名の作品も手がけました
  • 9:19 - 9:21
    私の映画製作に
    ピッタリだと確信しました
  • 9:21 - 9:23
    ですから 次の
    スピルバーグ映画で
  • 9:23 - 9:26
    仕事をする代わりに 私と
    働いてくれるよう 説得しました
  • 9:26 - 9:28
    承諾してくれました
  • 9:28 - 9:32
    なぜかって?それは
    彼に夢を追いかけるチャンスをあげたからです
  • 9:32 - 9:36
    ですから 皆さんに
    差し出せる お金が無かったら
  • 9:36 - 9:39
    考えられる
    ありったけの素晴らしい力で
  • 9:39 - 9:41
    その人の 想像力を
    刺激してみてください
  • 9:41 - 9:44
    以上が この映画に
    まつわる出来事で
  • 9:44 - 9:45
    どうやって製作が実現したかです
  • 9:45 - 9:48
    その後 モントリオールにある
    ビジョングローバルと言う
  • 9:48 - 9:50
    とても素晴らしい ポストプロダクション会社に
    巡り合いました
  • 9:50 - 9:55
    私のクレイジーな映画のため
    そこに所属する 60名のアーティストを
  • 9:55 - 9:58
    フルタイムで
    6ヶ月も貸してくれたんです
  • 9:58 - 10:03
    ですから 皆さんにお伝えしたいことは
  • 10:03 - 10:04
    クレイジーなアイデアがあって
  • 10:04 - 10:06
    周りの人から 不可能だと言われたら
  • 10:06 - 10:08
    むしろ ぜひ挑戦してください
  • 10:08 - 10:11
    なぜなら人は成果よりも
  • 10:11 - 10:14
    問題を見てしまう
    傾向があるからです
  • 10:14 - 10:17
    問題を敵と考えるのではなく
  • 10:17 - 10:19
    味方にすることで
  • 10:19 - 10:22
    人生は思いもしなかったように
  • 10:22 - 10:24
    すばらしく踊り始めるでしょう
  • 10:24 - 10:25
    私が経験済みです
  • 10:25 - 10:28
    そうすれば クレイジーな
    プロジェクトをやって
  • 10:28 - 10:31
    気づいたら 火星にだって
  • 10:31 - 10:33
    行けるかもしれません
  • 10:33 - 10:35
    ありがとうございました
  • 10:35 - 10:38
    (拍手)
Title:
私が不可能な映画を製作した方法について
Speaker:
マーティン・ヴィルヌーブ
Description:

映画制作者のマーティン・ヴィルヌーブが、カナダのSF大作である『Mars & Avril』を事実上無一文で製作した方法について語ります。 魅力的なトークの中で、彼の未来に対する個性的で創意に富んだビジョンが、どうやって資金面、運営面の制約に、様々な方法を用いて打ち勝ったか説明します。

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
10:55
  • こちらのビデオですが、夏にAmaraアップデートの際に消えてしまったビデオの一つです。すでにAkikoさんに承認レビューをいただいているのですが、別のコーディネータ様に見ていただく場合は、そちらのシートをお渡しすることができますので、お知らせください。どうぞ、よろしくお願いいたします。

Japanese subtitles

Revisions