Return to Video

盲目の洞窟魚に見る先史時代へのヒント

  • 0:01 - 0:03
    魚類学
  • 0:03 - 0:04
    魚を研究する学問です
  • 0:04 - 0:07
    長ったらしく退屈な言葉に
    聞こえるかもしれませんが
  • 0:07 - 0:09
    実際にはとても面白いのです
  • 0:09 - 0:12
    なぜなら魚類学は
    「YOLO(人生は一度きり)」がつく
  • 0:12 - 0:14
    唯一の学問(-ology)だから
  • 0:14 - 0:15
    (笑)
  • 0:15 - 0:17
    さて ここにいる
    頭のいい若者の皆さんは
  • 0:17 - 0:21
    YOLOが 「you only live once」の
    短縮語だと知っていますよね
  • 0:21 - 0:23
    私の人生も一度きりなので
  • 0:23 - 0:26
    やりたいと常に夢見ていたことを
    実行するつもりです
  • 0:26 - 0:29
    隠された神秘の世界をこの目で見て
    そして 新種を発見すること
  • 0:29 - 0:31
    これが私の使命です
  • 0:31 - 0:35
    最近では 新種を探すため
    洞窟を集中的に調査しています
  • 0:35 - 0:39
    そして 洞窟には多くの
    新種の洞窟魚がいることが判明しました
  • 0:39 - 0:40
    ただ どこを探せば良いか心得ていて
  • 0:40 - 0:43
    ちょっとばかりスリムであれば
    いいんです
  • 0:43 - 0:44
    (笑)
  • 0:44 - 0:48
    洞窟魚は 生物学と地質学に関する
    多くのことを教えてくれます
  • 0:48 - 0:52
    魚たちは小さな穴の中に
    閉じ込められているので
  • 0:52 - 0:54
    周囲の陸塊がどのように
    変化し動いたか分かり
  • 0:54 - 0:58
    そして彼らの視力がないことから
    視覚の進化が分かるのです
  • 0:59 - 1:02
    魚の目は本質的に
    我々の目と同じ構造をしています
  • 1:02 - 1:06
    全ての脊椎動物には目があります
    そして 暗く寒い洞窟の環境に置かれると
  • 1:06 - 1:09
    ある魚の種は 徐々に適応を始めます
  • 1:09 - 1:13
    何年も何世代もかけて
    彼らの目と視力は退化し
  • 1:13 - 1:16
    このような目の無い
    洞窟魚になるのです
  • 1:16 - 1:20
    洞窟魚は種類によって
    少しずつ異なった進化をするので
  • 1:20 - 1:24
    地質学的、生物学的な背景を
    それぞれに物語っています
  • 1:24 - 1:27
    新種発見の面白さはこの点にあります
  • 1:27 - 1:31
    さて これはインディアナ州南部で
    発見した新種です
  • 1:31 - 1:35
    アンブリオプシス・フージュライ
    「インディアナ在住の洞窟魚」と名付けました
  • 1:35 - 1:36
    (笑)
  • 1:36 - 1:39
    ケンタッキー州の洞窟群
    マンモス・ケーヴ・システムの種が
  • 1:39 - 1:41
    彼らの最も近い親類にあたります
  • 1:41 - 1:44
    数百万年前 オハイオ川の流れの変化により
    棲みかが分かれ
  • 1:44 - 1:45
    別々に進化し始めました
  • 1:45 - 1:48
    その後の進化過程で
    盲目に関する遺伝子構造に
  • 1:48 - 1:51
    極めてわずかな違いが生まれました
  • 1:51 - 1:55
    視力に必要不可欠な
    ロドプシンという遺伝子があります
  • 1:55 - 1:57
    私たち人間も彼らも持っています
  • 1:57 - 2:00
    一方の種は この遺伝子の
    全機能を失っているのに対し
  • 2:00 - 2:02
    もう片方は維持しています
  • 2:02 - 2:06
    自然による見事な実験が
    行われているようなもので
  • 2:06 - 2:09
    視覚に関する遺伝子と
  • 2:09 - 2:12
    視覚の起源について
    考察することができます
  • 2:13 - 2:15
    同時に これらの洞窟魚の遺伝子は
  • 2:15 - 2:18
    遥かなる地質学的な時間の流れを
    伝えてくれるのです
  • 2:18 - 2:20
    特に この種は
    そのもっともよい例でしょう
  • 2:20 - 2:23
    これはマダガスカル産の新種で
  • 2:23 - 2:26
    タイフリオートゥリス・マラリベと
    命名しました
  • 2:26 - 2:30
    マダカスカル語で「大いなる病気」を意味し
    いかに我々が病みつきになって
  • 2:30 - 2:32
    この種を収集しようとしたかを表しています
  • 2:33 - 2:34
    信じようと信じまいと
  • 2:34 - 2:37
    死骸で埋め尽くされた穴や
  • 2:37 - 2:39
    コウモリの糞だらけの
    洞窟を泳ぐのは
  • 2:39 - 2:42
    人生を費やすのに
    最良の選択ではありませんが
  • 2:42 - 2:43
    「人生一度きり」だから!
  • 2:43 - 2:47
    (笑)
  • 2:47 - 2:51
    私はこの魚が大好きです
    ― まあ ずいぶん面倒がありましたが…
  • 2:51 - 2:54
    というのも マダガスカルに棲むこの種の
    最も近い親類は
  • 2:54 - 2:57
    遥か6千キロ離れた
    オーストラリアの
  • 2:57 - 2:58
    洞窟魚だったのですから
  • 2:59 - 3:02
    体長8センチの淡水魚が
  • 3:02 - 3:04
    インド洋を渡れるはずがありません
  • 3:04 - 3:07
    そこでDNAを比較してみると
  • 3:07 - 3:11
    種が分かれたのは
    1億年以上も前 つまり
  • 3:11 - 3:15
    南半球の大陸が最後に
    一続きだった頃でした
  • 3:16 - 3:18
    実際 これらの種族は
    一切動かないので
  • 3:18 - 3:20
    大陸が彼らを運んだのでしょう
  • 3:20 - 3:22
    DNAの情報から
  • 3:22 - 3:24
    いつ どのように
    古代の地殻変動が起きたのか
  • 3:24 - 3:28
    詳細に知ることができます
  • 3:29 - 3:31
    この種が発見されたのは
    つい最近なので
  • 3:31 - 3:34
    まだ名前をお伝えすることすら
    できませんが
  • 3:34 - 3:36
    メキシコ産の新種と分かっていますが
  • 3:37 - 3:38
    おそらく すでに
    絶滅していると思われます
  • 3:39 - 3:42
    この魚の生息地として唯一知られた洞窟が
    近くのダム建設に伴って―
  • 3:42 - 3:45
    破壊されたため
    絶滅したであろうと考えられるのです
  • 3:45 - 3:47
    地下水を棲みかとする
    洞窟魚たちにとって
  • 3:47 - 3:48
    不幸なことでしたが
  • 3:48 - 3:50
    これは人間にとっても
    主要な飲み水の水源なのです
  • 3:51 - 3:56
    この魚たちに最も近い種は
    まだ分かっていませんが
  • 3:56 - 3:58
    メキシコではなく
  • 3:58 - 4:00
    おそらくキューバかフロリダ州
  • 4:00 - 4:02
    あるいはインドのものでしょう
  • 4:03 - 4:07
    いずれにしても カリブ海の地質や
  • 4:07 - 4:11
    あるタイプの盲目型に関する
    より優れた生物学的な分析方法の
  • 4:11 - 4:13
    新しい発見が期待できます
  • 4:13 - 4:16
    彼らが絶滅する前に
    発見できることを願います
  • 4:17 - 4:19
    私は これからも魚類学者として
  • 4:19 - 4:22
    この惑星の地質学と
  • 4:22 - 4:25
    視覚に関する豊富な
    生物学的見識をもたらす
  • 4:25 - 4:28
    つつましく小さな洞窟魚たちの発見と保護に
  • 4:28 - 4:30
    生涯を捧げていきます
  • 4:31 - 4:32
    どうもありがとう
  • 4:32 - 4:36
    (拍手)
Title:
盲目の洞窟魚に見る先史時代へのヒント
Speaker:
プロサンタ・チャクラバーティ
Description:

TEDフェローのプロサンタ・チャクラバーティは、新種の洞窟魚を求め世界の秘境を探検しています。この地下に棲む生物は興味深い適応をしながら進化してきました。洞窟魚は盲目に関する生物学的な知見だけでなく、何百万年も前に起きた大陸の分裂といった地質学的な出来事についてヒントを与えてくれます。チャクラバーティの短いトークを聞きながら、遥かなる時に思いを馳せましょう。

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
04:49

Japanese subtitles

Revisions Compare revisions