Return to Video

パーキンソン病・うつ病を消せるかもしれないスイッチ

  • 0:00 - 0:03
    まず最初に断っておきたい事があります
  • 0:03 - 0:06
    脳神経外科医がみんなブーツを
    履いているわけではありませんので
  • 0:06 - 0:08
    悪しからず(笑)
  • 0:08 - 0:10
    私は脳神経外科医で
  • 0:10 - 0:14
    長い歴史を持つ脳神経学の仕事に
    携わっています
  • 0:14 - 0:16
    今日みなさんにお話しするのは
  • 0:16 - 0:18
    あらゆる脳神経回路を
  • 0:18 - 0:20
    ダイヤル調節するように調節し
  • 0:20 - 0:23
    機能を活性・不活性化したりして
  • 0:23 - 0:25
    患者を治療する方法です
  • 0:25 - 0:29
    今 言いましたように脳神経外科には
  • 0:29 - 0:31
    長い歴史があり 約7千年にもなります
  • 0:31 - 0:35
    メソアメリカにも脳神経手術が存在し
  • 0:35 - 0:39
    患者を治療していた
    脳神経外科医がいました
  • 0:39 - 0:43
    彼らは 脳が神経病や精神病に
  • 0:43 - 0:45
    関係があることを知っていました
  • 0:45 - 0:47
    正確には把握していませんでしたが
  • 0:47 - 0:50
    今とあまり変わりませんね(笑)
  • 0:50 - 0:52
    しかし彼らの考えは
  • 0:52 - 0:54
    神経・精神病の原因は
  • 0:54 - 0:57
    悪霊にとり憑かれることで
  • 1:00 - 1:04
    神経や精神に問題が生じるので
  • 1:04 - 1:06
    治療のためには
  • 1:06 - 1:10
    頭蓋骨に穴をあけて悪霊を
    追い出さなければならない
  • 1:11 - 1:13
    というものでした
  • 1:13 - 1:15
    これがその穴です
  • 1:17 - 1:20
    時には 患者は
    かなり抵抗したようです
  • 1:20 - 1:22
    というのも
  • 1:22 - 1:25
    複数 開けかけられた
    跡があるからです
  • 1:25 - 1:27
    いくらか穿孔しすばやく
    切り上げたものと考えられます
  • 1:27 - 1:29
    一部開けられた穴は1つで
  • 1:29 - 1:31
    この手術を受けて
    生き延びたのだと分かります
  • 1:31 - 1:33
    これが当時のやり方で
  • 1:33 - 1:33
    遺跡の中には
  • 1:33 - 1:36
    見つかった頭蓋骨の1%に
    穴があることもあり
  • 1:36 - 1:39
    神経・精神疾患は
  • 1:39 - 1:44
    7千年前も
    かなり よくあった事がわかります
  • 1:44 - 1:46
    時代が進むにつれ
  • 1:46 - 1:49
    脳の領野別の機能が
  • 1:49 - 1:50
    分かってきました
  • 1:50 - 1:52
    運動や視覚や
  • 1:52 - 1:55
    あるいは記憶や食欲などを
    コントロールする領域などに
  • 1:55 - 1:57
    脳が割り当てられていて
  • 1:57 - 2:00
    物事がうまくいくときは 
    神経系機能がうまく働き
  • 2:00 - 2:02
    すべて正常に機能しています
  • 2:02 - 2:04
    しかしときには 
    物事があまりうまく行かず
  • 2:04 - 2:06
    脳神経回路にトラブルが起こり
  • 2:06 - 2:09
    誤作用している変異ニューロンが
  • 2:09 - 2:12
    問題を引き起こしたり
    機能を鈍くしたりして
  • 2:12 - 2:15
    正常に機能しないことがあります
  • 2:15 - 2:17
    その事により起こる病気は
  • 2:17 - 2:19
    変異ニューロンが
    脳のどこにあるかによります
  • 2:19 - 2:22
    変異ニューロンが
    運動系の回路にある時は
  • 2:22 - 2:24
    運動系の機能不全に陥り
  • 2:24 - 2:26
    パーキンソン病のようなものに罹ります
  • 2:26 - 2:30
    心的状態を制御する回路に
    機能不全がある場合は
  • 2:30 - 2:32
    うつ病のようなものに罹ります
  • 2:32 - 2:36
    また記憶と認知機能を
    制御する回路にある場合は
  • 2:36 - 2:38
    アルツハイマー病の
    ようなものに罹ります
  • 2:38 - 2:41
    そこで我々ができることは
  • 2:41 - 2:43
    正確に障害のある箇所を突き止め
  • 2:43 - 2:46
    脳神経回路に介入して
  • 2:46 - 2:50
    機能を調整することです
  • 2:50 - 2:52
    これはちょうどラジオのダイヤルで
  • 2:52 - 2:55
    調節して正しい局を選ぶようなものです
  • 2:55 - 2:57
    ジャズであれ オペラであれ
    一度正しい局を選択すれば —
  • 2:57 - 3:00
    神経学的には 運動であったり
    心的状態であったりですが—
  • 3:00 - 3:01
    そこにダイヤルを設置し
  • 3:01 - 3:04
    もうひとつのボタンを
    使用して音量を調整し
  • 3:04 - 3:06
    強めたり弱めたりできます
  • 3:06 - 3:07
    それで 次にお話することは
  • 3:07 - 3:10
    電極が埋め込まれた脳神経回路の
  • 3:10 - 3:14
    領野の機能を強めたり弱めたりして
  • 3:14 - 3:16
    患者の脳機能を調節する
  • 3:16 - 3:20
    脳深部刺激療法の装置についてです
  • 3:20 - 3:24
    脳に このように電極を埋め込みます
  • 3:24 - 3:27
    10セント硬貨サイズの穴を
    昔同様 頭蓋骨に開け
  • 3:27 - 3:30
    電極を挿入し
  • 3:30 - 3:32
    配線は完全に皮膚の下に埋めんで
  • 3:32 - 3:34
    胸のペースメーカーまで導きます
  • 3:34 - 3:36
    ちょうどテレビのリモコンのようにして
  • 3:39 - 3:42
    ターゲットとなる領域に
    送る電力を
  • 3:42 - 3:43
    リモコンで調整し
  • 3:43 - 3:46
    強めたり弱めたり
    つけたり消したりできます
  • 3:46 - 3:49
    現在 世界のおよそ10 万人の患者が
  • 3:49 - 3:51
    脳深部刺激療法を受けています
  • 3:51 - 3:52
    症例をお見せしましょう
  • 3:52 - 3:55
    脳深部刺激療法を用いて 運動障害や
  • 3:55 - 3:59
    気分障害・認知症疾患を治療した例です
  • 3:59 - 4:02
    電極が埋め込まれた脳内の状態です
  • 4:02 - 4:05
    頭蓋骨を通って電極が
    脳に入っているのが見えます
  • 4:05 - 4:07
    こうして脳のあらゆる場所に
    配置できます
  • 4:07 - 4:09
    私がよく言う事ですが
  • 4:09 - 4:12
    どんなニューロンも
    神経外科医から隠れることはできません
  • 4:12 - 4:15
    なぜなら脳内 何処でも
    確実に安全に届くからです
  • 4:15 - 4:17
    最初にお見せするのは
  • 4:17 - 4:19
    パーキンソン病患者の例です
  • 4:19 - 4:21
    この女性はパーキンソン病を患っており
  • 4:21 - 4:23
    脳には電極が埋め込まれてあります
  • 4:23 - 4:25
    彼女の様子をお見せしましょう
  • 4:25 - 4:28
    電極がオフのとき
    パーキンソン病の症状があります
  • 4:28 - 4:30
    電極をオンにします
  • 4:30 - 4:33
    このような感じです
  • 4:33 - 4:36
    電極は今オフで震えが見られます
  • 4:36 - 4:39
    医師:大丈夫 
    患者:できないわ
  • 4:39 - 4:42
    医師:私の指に触れられる?
  • 4:42 - 4:45
    医師:少し良くなった
    患者:そちら側の方がいいわ
  • 4:45 - 4:47
    電極をオンにします
  • 4:49 - 4:51
    今オンになりました
  • 4:55 - 4:58
    このように直ちに効果が現れます
  • 4:58 - 5:01
    震えの有無の違いは—
  • 5:01 - 5:04
    (拍手)
  • 5:05 - 5:09
    震えの有無の違いは
    視床下核における
  • 5:09 - 5:13
    2万5千個のニューロンの
    誤作動と関係しています
  • 5:13 - 5:16
    問題のニューロンを見つけ出し
  • 5:16 - 5:17
    「いい加減にして」
  • 5:17 - 5:19
    「やめて欲しい」と
  • 5:19 - 5:20
    電気で制御します
  • 5:20 - 5:23
    電気を使い
    ニューロンの興奮具合を見て
  • 5:23 - 5:27
    誤作動をブロックし
  • 5:27 - 5:30
    変異ニューロンの
    活動を抑制しているのです
  • 5:30 - 5:33
    我々はこの手法を
    他の疾患にも使い始めました
  • 5:33 - 5:35
    興味深い問題について
    お伝えしましょう
  • 5:35 - 5:38
    ジストニアのケースに
    遭遇した事があります
  • 5:38 - 5:40
    ジストニアは子供たちを襲う病気です
  • 5:40 - 5:43
    遺伝性疾患で ねじれを引き起こし
  • 5:43 - 5:46
    徐々により酷いねじれになり
  • 5:46 - 5:48
    体が痛くなるまでよじれ
    息が出来なくなり
  • 5:48 - 5:50
    尿路感染症を起こし 死に至ります
  • 5:50 - 5:53
    1997年に
    この少年を診るよう依頼されました
  • 5:53 - 5:57
    彼は他に問題はなかったのですが
    遺伝的ジストニアがありました
  • 5:57 - 5:58
    家族には8人子どもがいて
  • 5:58 - 6:02
    そのうち5人にジストニアがありました
  • 6:02 - 6:04
    その少年です
  • 6:04 - 6:08
    少年は9歳で
    6歳まで健常児でしたが
  • 6:08 - 6:13
    最初に右足がねじれ始め
  • 6:13 - 6:18
    左足 右腕 そして左腕
    さらに体幹と進みました
  • 6:18 - 6:19
    彼が到着した時には
  • 6:19 - 6:22
    発症から1〜2年経っていて
  • 6:22 - 6:24
    もはや歩くことも立つこともできず
  • 6:24 - 6:28
    身体不自由になっていました
    この病気によく見られる進行です
  • 6:28 - 6:32
    悪化するにつれ次第にねじれて
    身体不自由になり
  • 6:32 - 6:34
    子どもたちの多くは生き残れません
  • 6:36 - 6:39
    彼は 今話した5人の子の1人です
  • 6:39 - 6:43
    このように腹這いで
    動き回るしかありませんでした
  • 6:43 - 6:44
    どんな薬も効き目がありませんでした
  • 6:44 - 6:47
    この少年に何をすべきか分からず
  • 6:47 - 6:49
    どんな手術をすべきか
  • 6:49 - 6:51
    脳内のどこを治療標的にしたら
    良いかも分かりませんでした
  • 6:51 - 6:54
    しかしパーキンソン病に
    おける成果にもとづいて
  • 6:54 - 6:56
    抑制を試みようと判断しました
  • 6:56 - 7:00
    パーキンソン病で抑制した
    脳内の同じ箇所を抑制し
  • 7:00 - 7:02
    どうなるか見てみようと
  • 7:02 - 7:04
    回復を期待して 手術をしました
  • 7:04 - 7:07
    回復を期待して 手術をしました
  • 7:08 - 7:12
    これが 現在の彼です
    イスラエルに戻っています
  • 7:12 - 7:15
    術後3ヵ月の彼です
  • 7:16 - 7:19
    (拍手)
  • 7:25 - 7:26
    この成果を元に
  • 7:26 - 7:29
    この手術が現在
    世界中で行われています
  • 7:29 - 7:30
    何百人という子どもたちが
  • 7:30 - 7:34
    このような手術で助けられています
  • 7:34 - 7:36
    この少年は今大学生になり
  • 7:36 - 7:38
    ごく普通の生活を送っています
  • 7:38 - 7:41
    これはジストニアの子の
    運動と歩行を回復するために
  • 7:41 - 7:43
    今までの経歴の中で行った手術の中で
  • 7:43 - 7:45
    最も満足のいく術例の1つです
  • 7:45 - 7:49
    (拍手)
  • 7:52 - 7:54
    我々はこの技術を
  • 7:54 - 7:57
    運動回路の制御だけでなく
  • 7:57 - 7:59
    他の回路にも使えるのではと考え
  • 7:59 - 8:00
    次に
  • 8:00 - 8:02
    気分を司る回路の制御をするため
  • 8:03 - 8:05
    うつ病に取り組むことに決めました
  • 8:05 - 8:08
    うつ病が蔓延しているのも
    選んだ理由です
  • 8:08 - 8:10
    ご存知のように
    うつ病に対する治療法は
  • 8:10 - 8:12
    薬や心理療法と多くあり
  • 8:12 - 8:14
    電気けいれん療法までもあります
  • 8:14 - 8:16
    しかし何百万人もの
  • 8:16 - 8:18
    うつ病患者の10〜20%には
    そういう治療は効きません
  • 8:18 - 8:22
    そんな患者こそを
    助けたいと思っています
  • 8:22 - 8:24
    うつ病患者を助けるために
  • 8:24 - 8:26
    使えるかどうか見てみましょう
  • 8:26 - 8:28
    まず最初に
  • 8:28 - 8:29
    うつ病患者と健常者の脳で
  • 8:29 - 8:31
    何が異なるか比較しました
  • 8:31 - 8:35
    具体的に脳の血流を見るため
    PET 画像を撮りました
  • 8:35 - 8:37
    うつ病患者と健常者を比較して
  • 8:37 - 8:39
    気づいたのは
  • 8:39 - 8:40
    脳のある領野で
  • 8:40 - 8:42
    機能が停止していることです
  • 8:42 - 8:45
    まさにブルー(憂うつ)の箇所です
  • 8:45 - 8:46
    その青い箇所が
  • 8:46 - 8:49
    動機、 意欲、 意思決定に
    関与している領野です
  • 8:49 - 8:52
    実際 重度なうつ状態になると
  • 8:52 - 8:55
    それらの領野の機能が損なわれ
    動機と意欲に欠けることになります
  • 8:55 - 8:57
    他に分かった事は
  • 8:57 - 8:59
    過活動であった領野
    領野25です
  • 8:59 - 9:01
    赤で見られます
  • 9:01 - 9:04
    領野25は悲哀の中枢です
  • 9:04 - 9:07
    人を悲しませた場合
    たとえば私があなたに
  • 9:07 - 9:09
    死ぬ前に最後に見た親や
  • 9:09 - 9:10
    友人を思い出させた場合
  • 9:10 - 9:12
    脳のこの領野が点灯します
  • 9:12 - 9:13
    脳の悲哀の中枢です
  • 9:13 - 9:17
    うつ病患者はここが活動過剰なので
  • 9:17 - 9:19
    悲哀の領野は赤くなっています
  • 9:19 - 9:21
    ここが最大限に活動する一方で
  • 9:21 - 9:25
    意欲と動機に関与する
    脳の他の領野は停止します
  • 9:25 - 9:28
    そこで悲哀の領野に電極を配置し
  • 9:28 - 9:29
    サーモスタットを下げて温度調節するように
  • 9:29 - 9:32
    活動を抑えることができないだろうか
  • 9:32 - 9:34
    その結果どうなるだろうかと考え
  • 9:34 - 9:37
    うつ病患者に電極を埋め込みました
  • 9:37 - 9:40
    これはエモリー大学の私の同僚
    ヘレン・メイバーグとの共同研究結果です
  • 9:40 - 9:42
    領野25に電極を配置しました
  • 9:42 - 9:44
    一番上のスキャン画像が手術前です
  • 9:44 - 9:46
    領野25
    悲哀の領野は過活動の赤で
  • 9:46 - 9:48
    前頭葉が青で停止しています
  • 9:48 - 9:51
    そして術後3ヵ月
  • 9:51 - 9:54
    1日24 時間 6ヵ月の継続的な刺激を与え
  • 9:54 - 9:55
    完全な逆転が実現しました
  • 9:55 - 9:58
    領野25を抑制することができ
  • 9:58 - 10:00
    より正常であるレベルにまで
  • 10:00 - 10:02
    再び脳の前頭葉を
  • 10:02 - 10:04
    戻すことができました
  • 10:04 - 10:06
    このように重度のうつ病患者において
  • 10:06 - 10:08
    非常に著しい成果が見られています
  • 10:08 - 10:11
    現在は第3相臨床試験中で
  • 10:11 - 10:14
    重度のうつ病の患者を治療するために
  • 10:14 - 10:16
    安全かつ有効であると分かれば
  • 10:16 - 10:20
    これが新しい治療になるかもしれません
  • 10:20 - 10:22
    脳深部刺激療法は
  • 10:22 - 10:25
    運動系の治療に使えることを
  • 10:25 - 10:27
    パーキンソン病とジストニアの症例で示し
  • 10:27 - 10:29
    心的回路の治療に使えることを
  • 10:29 - 10:31
    うつ病の症例で示しました
  • 10:31 - 10:33
    ではより賢くなるために
  • 10:33 - 10:36
    脳深部刺激療法を
    使えないでしょうか?
  • 10:36 - 10:38
    (笑)
  • 10:38 - 10:40
    興味ありませんか?
  • 10:40 - 10:41
    (拍手)
  • 10:43 - 10:46
    もちろんできますよね?
  • 10:46 - 10:48
    そこで我々は
  • 10:48 - 10:50
    脳内の記憶回路を
  • 10:50 - 10:52
    加速しようと決めました
  • 10:52 - 10:55
    活動を加速できるかどうか見るため
  • 10:55 - 10:58
    記憶と認知機能を制御する回路に
  • 10:58 - 11:01
    電極を配置します
  • 11:01 - 11:03
    現在 健常者には行いません
  • 11:03 - 11:07
    認知障害がある患者に行います
  • 11:07 - 11:10
    我々はアルツハイマー病患者への
    治療を選択しました
  • 11:10 - 11:12
    認知障害・記憶障害を抱える患者です
  • 11:12 - 11:14
    ご存知のように認知障害・記憶障害は
  • 11:14 - 11:17
    アルツハイマー病の主な早期症状です
  • 11:17 - 11:19
    そこで脳弓と呼ばれる脳の領域の回路内に
  • 11:19 - 11:21
    電極を配置しました
  • 11:21 - 11:24
    脳弓は記憶が出たり
    入ったりする高速道路です
  • 11:24 - 11:27
    そこで記憶回路をオンにして
  • 11:27 - 11:30
    アルツハイマー病患者に
    役立つかどうか
  • 11:30 - 11:33
    見ようと電極配置したのです
  • 11:33 - 11:35
    ところがアルツハイマー病では
  • 11:35 - 11:39
    脳でのブドウ糖消費において
    重大な問題が判明しました
  • 11:39 - 11:42
    ブドウ糖消費にかけては
    脳は少し貪欲です
  • 11:42 - 11:45
    脳のブトウ糖消費量は
    人体のブトウ糖消費量の20%です
  • 11:45 - 11:47
    脳の重量は体重のほんの
    2%であるにも拘らず
  • 11:47 - 11:49
    その10倍もの割合—
  • 11:49 - 11:52
    人体の総ブドウ糖消費量の20 % が
    脳によって使用されます
  • 11:52 - 11:53
    正常の状態から
  • 11:53 - 11:56
    軽度の認知機能障害の状態に
    なるというのは
  • 11:56 - 11:59
    アルツハイマーの前兆で
    果てはアルツハイマー病になり
  • 11:59 - 12:01
    脳のある領野ではブドウ糖消費を止め
  • 12:01 - 12:03
    機能が停止してしまうということです
  • 12:03 - 12:06
    確かに 回りの赤い領野は
    次第に青で覆われて行き
  • 12:06 - 12:07
    確かに 回りの赤い領野は
    次第に青で覆われて行き
  • 12:07 - 12:10
    機能が完全に停止するまで
    続いているのが分かります
  • 12:10 - 12:12
    機能が完全に停止するまで
    続いているのが分かります
  • 12:13 - 12:15
    これは停電と似ています
  • 12:15 - 12:18
    脳の領野における部分的な停電です
  • 12:18 - 12:20
    アルツハイマー病の患者は
  • 12:20 - 12:23
    脳のある部分で電灯が
    消えているようなものです
  • 12:23 - 12:26
    電灯は永遠に消えるのでしょうか
  • 12:26 - 12:28
    それともまた点灯することが
    できるのでしょうか
  • 12:28 - 12:31
    脳の領野がブドウ糖を
    また使えるようにできるでしょうか
  • 12:31 - 12:34
    そこでアルツハイマー病の患者の脳弓に
  • 12:34 - 12:37
    電極を埋め込みオンにして
  • 12:37 - 12:40
    脳のブドウ糖消費に何が
    起こるか見ました
  • 12:40 - 12:43
    一番上が手術前です
  • 12:43 - 12:47
    青はブドウ糖消費が
    正常時よりも少ない領野
  • 12:47 - 12:49
    大部分は頭頂葉と側頭葉です
  • 12:49 - 12:51
    これらの脳の領野は停止しています
  • 12:51 - 12:53
    電灯が消えているようなものです
  • 12:53 - 12:56
    DBS電極を配置し
    1ヵ月から1年待ちます
  • 12:56 - 12:58
    赤の領野が
  • 12:58 - 13:01
    ブドウ糖消費を増やした領野です
  • 13:01 - 13:03
    ブドウ糖を消費していなかった領野を
  • 13:03 - 13:07
    再びブドウ糖を消費する領野に
    することができました
  • 13:07 - 13:09
    つまりアルツハイマー病では
  • 13:09 - 13:12
    電灯は消えているけれども
    家に誰かがいて
  • 13:12 - 13:13
    また点灯できるということで
  • 13:13 - 13:15
    我々の方法で 脳のこれらの領野に
  • 13:15 - 13:19
    機能が戻ることが期待されます
  • 13:19 - 13:21
    現在は臨床試験中です
  • 13:21 - 13:23
    初期のアルツハイマー病の
  • 13:23 - 13:25
    50人の患者に手術を
  • 13:25 - 13:27
    これが安全かつ効果的かどうか
  • 13:27 - 13:30
    神経学的機能を改善できるか見るため
    行う計画です
  • 13:30 - 13:32
    (拍手)
  • 13:37 - 13:40
    今日皆さんにお伝えしたいことは
  • 13:40 - 13:43
    さまざまな病態にわたって
  • 13:43 - 13:47
    正常に作動しない
    脳神経回路がありますが
  • 13:47 - 13:49
    パーキンソン病であれ
  • 13:49 - 13:52
    うつ病、統合失調症
    アルツハイマー病であれ
  • 13:52 - 13:55
    どの脳神経回路や領野が
  • 13:55 - 13:57
    臨床徴候と病気の症状に関与しているか
  • 13:57 - 14:00
    理解しようと我々は研究しています
  • 14:00 - 14:02
    今や それらの神経回路に
  • 14:02 - 14:05
    到達し電極を埋め込み
  • 14:05 - 14:08
    回路の活動を修正することが可能です
  • 14:08 - 14:11
    脳の至る場所で感知される
    トラブルを引き起こしているような
  • 14:11 - 14:14
    過剰活動の場合は弱めることができ
  • 14:14 - 14:17
    機能が低下している場合は
    強めることができます
  • 14:17 - 14:18
    そうすることで
  • 14:18 - 14:21
    全体的に脳機能の改善が
    可能になるかもしれません
  • 14:21 - 14:23
    という事は もちろん
  • 14:23 - 14:26
    病状を改善させられる
    かもしれないとういうことです
  • 14:26 - 14:28
    まだお話していませんが
    電気を使用して
  • 14:28 - 14:32
    損傷した領野も修復できるだろう
    という事も分かっています
  • 14:32 - 14:34
    これは将来に向けて重大なことです
  • 14:34 - 14:37
    活動そのものだけでなく
  • 14:37 - 14:39
    脳機能自体の修復も
    可能だという事です
  • 14:39 - 14:40
    脳機能自体の修復も
    可能だという事です
  • 14:40 - 14:43
    この技術の適用は大きく拡がるだろうと
  • 14:43 - 14:46
    予想しています
  • 14:46 - 14:49
    多くの脳疾患に電極が
    配置されることでしょう
  • 14:49 - 14:52
    最もエキサイティングなことの1つは
  • 14:52 - 14:53
    あらゆる分野
  • 14:53 - 14:57
    技術者
    医用画像科学や基礎分野の科学者
  • 14:57 - 14:58
    神経学者、精神科医
  • 14:58 - 15:01
    脳神経外科医
    などとの共同作業—
  • 15:01 - 15:05
    お互い刺激し合う複数分野との
    連携で成り立っているということです
  • 15:05 - 15:07
    そして将来
  • 15:07 - 15:10
    時が経つにつれ
    さらに多くの悪霊を
  • 15:10 - 15:13
    脳から追い払うことができるようになり
  • 15:13 - 15:14
    その結果もちろん
  • 15:14 - 15:17
    より多くの患者を助けることが
    できるようになるでしょう
  • 15:17 - 15:18
    ありがとうございました
Title:
パーキンソン病・うつ病を消せるかもしれないスイッチ
Speaker:
アンドレス・ロザーノ
Description:

脳深部刺激療法は、非常に精密な脳神経外科の技術です。脳のいかなる場所にでも電極が配置され、ラジオのダイヤルやサーモスタットを調節するように、誤作動しているニューロンを活性化・不活性化し、脳の不全機能を正常化します。この驚くべき技術により、パーキンソン病患者の震えを即座に止めたり、アルツハイマー病に蝕まれた脳の領野を正常に戻すことが出来ます。
(TEDxCaltech にて撮影)

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
15:34

Japanese subtitles

Revisions