微生物がどのようにして私達を作っているのか
-
0:01 - 0:05誰でも常に健康に関心がありますが
-
0:05 - 0:09今まで必ずしも何が大切なのか
理解していたとは限りません -
0:09 - 0:12例えば古代エジプトを見ると
-
0:12 - 0:16死後の世界に必要だと思われた
体の部分はとても大事に扱われ -
0:16 - 0:18その一方ある部分は除外されました
-
0:18 - 0:20つまり
-
0:20 - 0:23胃 肺 肝臓などは
-
0:23 - 0:24注意深く保存されましたが
-
0:24 - 0:28脳は潰され鼻から抽出され
-
0:28 - 0:29捨てられていました
-
0:29 - 0:31確かに
-
0:31 - 0:33脳は一体何の役に立つと言うのでしょう
-
0:33 - 0:37しかし脳程の重さで
我々自身ともいえる -
0:37 - 0:39重要な臓器が我々の体に
-
0:39 - 0:42他にあるでしょうか
-
0:42 - 0:45なのに 知られている事も関心も
殆どありませんでした -
0:45 - 0:48しかし新しい科学の進歩で
-
0:48 - 0:50ヒトの理解に役立つ
-
0:50 - 0:53重要な事柄が
分かり始めて来たばかりだとしたら -
0:53 - 0:55もっと それについて
知りたいと思いませんか -
0:55 - 0:58実はその脳に似た物が
他にもあるのです -
0:59 - 1:01我々の腸です
-
1:01 - 1:03腸内の微生物と
言った方がいいでしょう -
1:03 - 1:06でも大切なのは
腸内微生物だけではありません -
1:06 - 1:08体内外の微生物が
-
1:08 - 1:11広範囲に渡り影響を及ぼし
大きく健康を左右していることが -
1:11 - 1:13分かってきました
-
1:13 - 1:15その例として
-
1:15 - 1:20蚊に刺され易い人がいる事に
気付かれた事がありますか -
1:20 - 1:24誰でも同じような経験がキャンプでありますね
-
1:24 - 1:27私自身あまり蚊に刺される事はありませんが
-
1:27 - 1:29私の妻アマンダには蚊の大群が寄ってきます
-
1:29 - 1:32その理由は人それぞれ
皮膚には異なる微生物が -
1:32 - 1:36固有の化学物質を
分泌しているからです -
1:36 - 1:40微生物は医療の分野でも とても重要です
-
1:40 - 1:42一例として腸内微生物は
-
1:42 - 1:46肝臓に対し毒性を持つ鎮痛剤や
-
1:46 - 1:51心臓病に効く薬を判断します
-
1:51 - 1:53そして あなたがミバエなら
-
1:53 - 1:57あなたのパートナーは
あなたの微生物に決められます -
1:57 - 1:59これはヒトでは検証されていませんが
-
1:59 - 2:03それが分かるのは時間の問題でしょう
(笑) -
2:03 - 2:06このように微生物は
広範囲に渡り活動しています -
2:06 - 2:07食物を消化したり
-
2:07 - 2:10免疫系に働きかけ
-
2:10 - 2:12病気に対抗したりし
-
2:12 - 2:14また我々の行動にさえも影響を及ぼします
-
2:14 - 2:18では微生物叢(そう)の分布図とは
どんなものでしょうか -
2:18 - 2:20全くこれと同じではないでしょうが
-
2:20 - 2:23生物学的多様性を理解するには
助けとなる手段となります -
2:23 - 2:27固有の様態をした有機体が
-
2:27 - 2:32世界中その土地土地にいて
それが直接その地の -
2:32 - 2:34特性となります
-
2:34 - 2:38微生物学でも同じ様な事が言えますが
-
2:38 - 2:41正直言って 顕微鏡の下では
微生物は本質的に皆似ているので -
2:41 - 2:43様相から識別するのでなく
-
2:43 - 2:46ヒト微生物のDNA配列を
-
2:46 - 2:49ヒト微生物叢プロジェクト
と呼ばれるプロジェクトで -
2:49 - 2:52NIHから1億7300万ドルの
支援を受け研究しています -
2:52 - 2:54何百人もの研究者が集まり
-
2:54 - 2:57ヒト微生物全ての
-
2:57 - 2:59ATGC配列を読み取り
-
2:59 - 3:03集めて見てみるとこんな感じです
-
3:03 - 3:07どれがどれだか
ちょっと見分けがつきませんね -
3:07 - 3:10我々が開発した計算技法で
-
3:10 - 3:13テラバイトの配列データ全てを
-
3:13 - 3:16マップとしてもっとよく使える様にし
-
3:16 - 3:19250人の健康なボランティアから採った
-
3:19 - 3:21ヒト微生物叢のデータを用い作ったものが
-
3:21 - 3:23この様になります
-
3:23 - 3:27図の一点ずつが複雑な微生物の集合体
-
3:27 - 3:29微生物叢を表します
-
3:29 - 3:31言った通り どれも似ているでしょう
-
3:31 - 3:351つの点が 健康な人体の1カ所から採取された
-
3:35 - 3:37微生物叢を表しています
-
3:37 - 3:41様々な色がその箇所毎に個々の大陸を作って
-
3:41 - 3:43地図を作っているかの様です
-
3:43 - 3:44これで分かることは
-
3:44 - 3:47体の箇所により非常に
-
3:47 - 3:49微生物叢が異なるという事です
-
3:49 - 3:52緑色は口腔の
-
3:52 - 3:55その反対側の青色は皮膚の
-
3:55 - 3:58紫色は膣内の
-
3:58 - 4:01そして下の茶色の塊は
糞便の微生物叢を表しています -
4:01 - 4:03そしてこの数年
-
4:03 - 4:06体の部分により
微生物叢には信じられない程の -
4:06 - 4:08多様性がある事が分かりました
-
4:08 - 4:11たった1人の口や腸内の
-
4:11 - 4:13微生物を見ただけでも
-
4:13 - 4:17その2組の微生物叢の違いは
-
4:17 - 4:18とてつもなく
-
4:18 - 4:21この珊瑚礁と草原の微生物叢の違いより
-
4:21 - 4:24著しいのです
-
4:24 - 4:27そう考えると すごい事なんです
-
4:27 - 4:3060センチ離れただけで人体の
微生物生態系は大きく変わり -
4:30 - 4:33その相違は地球上何千キロ行っても
-
4:33 - 4:35あり得ない程の膨大さなのです
-
4:35 - 4:38そして 同じヒトだからといって
我々の微生物の生態系は -
4:38 - 4:40皆同じだという訳ではありません
-
4:40 - 4:41多分ご存知だと思いますが
-
4:41 - 4:44遺伝子学的に言って
私たちは皆似ています -
4:44 - 4:49ヒトDNAから見ると私たちは99.9%
-
4:49 - 4:50隣にいる人と同じですが
-
4:50 - 4:53微生物学的にはそうではなく
-
4:53 - 4:55隣に座っている人とあなたは
-
4:55 - 4:59同じ微生物を10%共有するかしないかです
-
4:59 - 5:01それが この草原や森のバクテリアと
-
5:01 - 5:04ヒトのそれとの違いです
-
5:04 - 5:06この違いが
-
5:06 - 5:09今話した様な種々の機能—
-
5:09 - 5:11食物の消化から
-
5:11 - 5:13あらゆる病気や薬物の代謝—
-
5:13 - 5:15などに関与してきます
-
5:15 - 5:17どうして 微生物にこんな事が
できるのでしょう? -
5:17 - 5:19その理由の一部は
-
5:19 - 5:23私たちのお腹にいる
1.4キロ程の微生物の数が -
5:23 - 5:24人の数を凌いでいるからです
-
5:24 - 5:27どれ程人を凌いでいるかと言うと
-
5:27 - 5:30比較するには地球上の人口では間に合いません
-
5:30 - 5:31細胞と比べてはどうでしょう
-
5:31 - 5:35人体は約10兆程のヒト細胞で成っていますが
-
5:35 - 5:38宿している微生物細胞の数は100兆で
-
5:38 - 5:41ヒト細胞数の10倍です
-
5:41 - 5:44「でもヒトはDNAで決まるのだから」
と思われるでしょうが -
5:44 - 5:481人に約2万の遺伝子がある事が
分かっています— -
5:48 - 5:50正確に何を数えるかにも依りますが—
-
5:50 - 5:54しかし微生物遺伝子は2百万から2千万です
-
5:54 - 5:57どちらを向いても共生微生物達の数には
-
5:57 - 6:00とうてい敵いっこありません
-
6:00 - 6:03そして私たちが触るもの全てに
ヒトDNAだけでなく -
6:03 - 6:05微生物のDNAまでをも我々は
-
6:05 - 6:07後に残すことが分かっています
-
6:07 - 6:09数年前の我々の研究で
-
6:09 - 6:12コンピュータのマウスと
それを使う人の手のひらの -
6:12 - 6:14微生物が95%までの正確さで
-
6:14 - 6:16マッチしました
-
6:16 - 6:19これは数年前 科学誌に発表されましたが
-
6:19 - 6:22それより重要な『CSI: マイアミ』に
採用されたので -
6:22 - 6:23これで信じてもらえるでしょう
-
6:23 - 6:25(笑)
-
6:25 - 6:28そもそも我々の微生物は
どこから来るのでしょう -
6:28 - 6:31犬も子供もいる方は—
私には両方いますが— -
6:31 - 6:33多分 「もしかしたら」
と思っていらっしゃるでしょう -
6:33 - 6:35実は全くその通りでなのです
-
6:35 - 6:38コンピュータとそれを使う人の微生物が
-
6:38 - 6:40マッチするだけでなく
-
6:40 - 6:42犬と飼い主の微生物もマッチします
-
6:42 - 6:44しかし成人の微生物は比較的
-
6:44 - 6:46変動しない事が分かっているので
-
6:46 - 6:49誰かと共同生活をしても
-
6:49 - 6:51成人は固有の微生物を
-
6:51 - 6:54何週間も時には何年も持ち続けます
-
6:54 - 6:57初期のヒトの微生物叢は
出産で大きく差が出る -
6:57 - 6:59という事も分かっています
-
6:59 - 7:01普通分娩で産まれた赤ちゃんは
-
7:01 - 7:04基本的に母親の膣内微生物叢を持ち
-
7:04 - 7:07一方 帝王切開で産まれた赤ちゃんの
-
7:07 - 7:10微生物は全て皮膚常在菌となります
-
7:10 - 7:13帝王切開で産まれた人は
-
7:13 - 7:15微生物との関わりがある
-
7:15 - 7:19嘆息 アレルギーそして肥満さえも
普通分娩の人より罹り易く -
7:19 - 7:21出産と健康との関係が
考えられています -
7:21 - 7:25思えば ごく最近まで ほ乳類は
-
7:25 - 7:28全て自然分娩でした
-
7:28 - 7:30我々と共進化して来た
-
7:30 - 7:32保護的微生物がないという事は
-
7:32 - 7:37微生物が関わる健康問題には
本当に重大な事かもしれません -
7:37 - 7:40数年前 私の娘が産まれた時
-
7:40 - 7:42緊急の帝王切開でしたが
-
7:42 - 7:44私と妻は自分たちで
-
7:44 - 7:46普通分娩の様に娘が母体の膣内常在菌に
-
7:46 - 7:49覆われる様にしました
-
7:49 - 7:52さあ これが娘の健康に
どんな効果があったのか -
7:52 - 7:54全く分かりませんが
-
7:54 - 7:58どれ程の愛情を持ってしても
たった1人の子供からだけのサンプルサイズでは -
7:58 - 8:00一般的データを得るには
-
8:00 - 8:02十分ではありません
-
8:02 - 8:05この2年間 娘は耳感染症に
罹った事はありません -
8:05 - 8:07これからも何もない事を祈っています
-
8:07 - 8:10さらに子供たちを使って
微生物に保護的な効果が -
8:10 - 8:13一様にあるものかどうか
臨床研究を始めました -
8:15 - 8:20出産方法が大きく影響し
最初の微生物生態系が決まります -
8:20 - 8:22では この後どうなるのでしょう?
-
8:22 - 8:25ヒト微生物プロジェクトのデータ分布図を
-
8:25 - 8:27もう一度ご覧ください
-
8:27 - 8:29点が一人の体の一部から採った微生物叢を表し
-
8:29 - 8:32全部で250人からの物です
-
8:32 - 8:34子供の身体的成長や
-
8:34 - 8:36精神的成長は目にできたとしても
-
8:36 - 8:38これは初めてご覧になる物でしょう
-
8:38 - 8:41ある同僚の子供の微生物学的成長です
-
8:41 - 8:43今からご覧になるのは
-
8:43 - 8:46ある赤ちゃんの便からの物で
-
8:46 - 8:48腸内細菌叢を代表するものです
-
8:48 - 8:512年半近く 毎週試料を採取しました
-
8:51 - 8:531日目から始めました
-
8:53 - 8:57嬰児はまず最初に黄色い粒
-
8:57 - 9:00膣内微生物叢から始まります
-
9:00 - 9:02自然分娩から当然期待される事ですね
-
9:02 - 9:052年半の間で
-
9:05 - 9:07この子の微生物叢は
-
9:07 - 9:11健康な成人の糞便微生物叢に似通ってきます
-
9:11 - 9:14始めますので どうなるか見て下さい
-
9:15 - 9:19見ているのは1週間に1ステップです
-
9:19 - 9:20週毎に
-
9:20 - 9:25子供の糞便微生物叢の変化が見られ
-
9:25 - 9:28その週毎の変化は
ヒト微生物プロジェクトが行った -
9:28 - 9:31コホートの健康な成人と比べると
-
9:31 - 9:33ずっと大きいのです
-
9:33 - 9:35その成人の微生物叢は
下の茶色の物です -
9:35 - 9:38ご覧の様に成人の便のそれに
近くなっているのが見れますね -
9:38 - 9:40これが約2年程続き
-
9:40 - 9:42ここでとても驚くことが起きます
-
9:42 - 9:45この子は耳感染症に対する抗体ができるのです
-
9:45 - 9:48ここで微生物叢に大きな変化が現れてきて
-
9:48 - 9:50耳感染症からの回復が比較的速くなります
-
9:50 - 9:52巻き戻してみましょう
-
9:53 - 9:57ほんのこの数週間で
-
9:57 - 9:59劇的な変化が見られます
-
9:59 - 10:01何ヶ月も進展があまりなく
-
10:01 - 10:04838日ぐらいして—
-
10:04 - 10:08このビデオの最後の方ですが—
-
10:08 - 10:09比較的回復が早くなるのです
-
10:09 - 10:13この頃には根本的に
成人の便と同じ微生物叢になります -
10:13 - 10:16途中 抗生物質の介入
有無に関わらずです -
10:16 - 10:19実に興味深い事です
なぜなら この事から -
10:19 - 10:23年齢が変わると どうだろうか
という基本的疑問が湧いてくるからです -
10:23 - 10:27微生物叢の変化が大きい
生後数年間には我々の行動が -
10:27 - 10:28影響するのでしょうか
-
10:28 - 10:30それともその影響は
あまりに微々たるもので -
10:30 - 10:32何も影響しないのでしょうか
-
10:33 - 10:37興味深い事に 生後6ヶ月間 嬰児に
-
10:37 - 10:39抗生物質を投与すると
-
10:39 - 10:42抗生物質を与えなかった子供と比べ
-
10:42 - 10:45後に肥満になる率が高い
というデータがあり -
10:45 - 10:48生後6ヶ月間は十分注意しないと
-
10:48 - 10:51初期の腸内細菌叢は後々
大きくその人の健康に影響する -
10:51 - 10:54という事が分かってきました
-
10:54 - 10:58これで抗生物に対し耐性が出来る
-
10:58 - 11:00薬物耐性菌の問題はもちろんの事—
-
11:00 - 11:02これは大切な事ですが—
-
11:02 - 11:05腸内細菌叢の変化で その保護力が弱まり
-
11:05 - 11:08エジプト人がミイラ作りの際
脳を潰し抽出するのに使った -
11:08 - 11:11金属製の道具に対するような恐怖で
-
11:11 - 11:13我々は抗生物質を扱う事になるかもしれない
-
11:13 - 11:15ということを興味深く考えさせられます
-
11:15 - 11:18これが先ほどの微生物の重要な機能です
-
11:18 - 11:21また過去ほんの数年で
-
11:21 - 11:24微生物があらゆる病気
-
11:24 - 11:26炎症性腸疾患、心臓病、結腸がん
-
11:26 - 11:28又は肥満にも関連している
-
11:28 - 11:29という事が分かって来たのです
-
11:29 - 11:32肥満には大きく影響し
-
11:32 - 11:35今では腸内微生物を見て
-
11:35 - 11:3690%の正確さで
-
11:36 - 11:38肥満かどうかわかるのです
-
11:38 - 11:41これに感心なさるかもしれませんが
-
11:41 - 11:44ある意味では医療検査としては
ちょっと問題になります -
11:44 - 11:47恐らく微生物の事など知らなくても
-
11:47 - 11:50見ただけでこの2人のどちらが
肥満がどうか見分けられます -
11:50 - 11:53全ゲノムの配列を解読し
-
11:53 - 11:55ヒトDNAから判断すると
-
11:55 - 11:59肥満だと決定できるのは
60%の正確さだからです -
11:59 - 12:00驚きますね
-
12:00 - 12:04ということは我々が抱えている
約1.5キロの微生物は -
12:04 - 12:06ゲノムの遺伝子より
-
12:06 - 12:10健康には大切なのかもしれません
-
12:12 - 12:14それでマウスを使って 色々研究出来
-
12:14 - 12:17多発性硬化症、鬱病、自閉症
-
12:17 - 12:20肥満などの多くの疾患と
-
12:20 - 12:24微生物との関係が明らかとなってきました
-
12:24 - 12:27でも どうしてどの微生物が
病気の原因となるのか -
12:27 - 12:29保護的役割をするのか
知る事が出来るのでしょう? -
12:29 - 12:32こういう事が出来ます
-
12:32 - 12:35マウスを微生物のいない
無菌の環境で育て -
12:35 - 12:38その環境に有用微生物と
思われる微生物を加え -
12:38 - 12:40どうなるか見ます
-
12:40 - 12:42肥満のマウスからの微生物を採り
-
12:42 - 12:45遺伝的に異常のない
-
12:45 - 12:47無菌環境で育てられた
マウスに移植すると -
12:47 - 12:51同じ微生物を移植された
自然環境のマウスより太ってしまいます -
12:52 - 12:54実に驚くべき出来事です
-
12:54 - 12:57微生物は食餌の消化を助け
-
12:57 - 13:00そこから効率よくエネルギーを
-
13:00 - 13:02取っているという事もありますが
-
13:02 - 13:05実際 宿主の行動に影響を与えているのです
-
13:05 - 13:08微生物の働きで宿主は普通のマウスより食べ
-
13:08 - 13:11そんなマウスに好きなだけ
食べさせたら太るだけです -
13:13 - 13:15信じられないようなことですね
-
13:15 - 13:20これで微生物はほ乳類の行動に影響する
と言う事が分かります -
13:21 - 13:25では生物種間でもこうなるのだろうか
という疑問が湧いてくると思います -
13:25 - 13:29肥満の人の微生物を
-
13:29 - 13:32無菌の環境で育ったマウスに移植すると
-
13:32 - 13:34痩せた人の微生物を
-
13:34 - 13:37移植した時より太りましたが
-
13:37 - 13:40肥満を抑制する微生物を培養して
-
13:40 - 13:43マウスに移植する事もできます
-
13:44 - 13:46栄養失調に関しても同じ様な研究をしました
-
13:46 - 13:49ゲイツ財団の資金を受けたプロジェクトで
-
13:49 - 13:51クワシオルコルという栄養失調からくる
-
13:51 - 13:54深刻な疾患を持つ
マラウイの子供達を見ています -
13:54 - 13:57クワシオルコルの微生物叢を
移植されたマウスは -
13:57 - 13:59ほんの3週間で体重が
-
13:59 - 14:0030%減少します
-
14:00 - 14:04これは臨床で子供達に使われている
ピーナッツ原料のサプリを使い -
14:04 - 14:06健康を回復させる事ができます
-
14:06 - 14:08そして双子のクワシオルコルに
罹っていない方の -
14:08 - 14:11健康な子どもからの微生物叢を
移植したマウスには問題はありません -
14:12 - 14:16これは本当にすごいことです
なぜならヒト腸内細菌叢をマウスで試し -
14:16 - 14:18その結果 自由に操作して
個別化された治療法を -
14:18 - 14:20生み出せるかもしれないという事を
-
14:20 - 14:23示唆しているからです
-
14:26 - 14:29それで人々がこの発見に参加することは
-
14:29 - 14:31本当に大切だと思い
-
14:31 - 14:33数年前 こういう事を始めました
-
14:33 - 14:35「アメリカの消化器官」
と呼ばれるプロジェクトで -
14:35 - 14:39微生物分布図のどこに自分がいるのか
見れるようになったのです -
14:39 - 14:43これは最大のクラウドファンディングによる
科学プロジェクトで -
14:43 - 14:46この時点で8,000人以上の
人々が登録しています -
14:46 - 14:48運営の仕方は まず試料が送られて来
-
14:48 - 14:52その人の微生物のDNAが配列され
その本人にそれが送られます -
14:52 - 14:56それは匿名で科学者 教育関係者
-
14:56 - 14:59興味のある一般の人々にも公表し
-
14:59 - 15:02誰でもそのデータに
アクセスできるようにします -
15:02 - 15:03また 同時に
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15:03 - 15:06バイオフロンティア協会の
研究室を見学する人々に -
15:06 - 15:10糞便を見るのにロボットやレーザーを
使う事を説明したりしています -
15:10 - 15:13別に誰もが知りたい事ではないようですが
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15:13 - 15:14(笑)
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15:14 - 15:16でも皆様はそうでないだろうと思い
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15:16 - 15:19キットをいくらか持ってきましたので
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15:19 - 15:22もし関心がおありなら どうぞお試し下さい
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15:23 - 15:25こんな事をする理由は
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15:25 - 15:28微生物は健康状態を見るのに
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15:28 - 15:30重要だと言うだけでなく 実際に病気を
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15:30 - 15:33治す事が分かったからです
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15:33 - 15:36これはごく最近ミネソタ大学で我々が
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15:36 - 15:39考えてきた可能性の1つです
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15:39 - 15:41もう一度 ヒト微生物の分布図を
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15:41 - 15:43ご覧になると・・・
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15:43 - 15:46クロストリジウム・ディフィシルを
持つ人の微生物叢を加えます -
15:46 - 15:48これは ひどい時は1日に20回も
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15:48 - 15:51下痢をした人からの微生物です
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15:51 - 15:54我々の臨床試験に参加できるまで
抗生物質が効かないそんな状態が -
15:54 - 15:562年間続いていた人々からのものです
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15:56 - 16:00では図の下に散らばる健康な人の糞便微生物を
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16:00 - 16:02この患者達に移植したら どうなるでしょう
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16:02 - 16:04この患者達に移植したら どうなるでしょう
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16:04 - 16:06善玉菌が悪玉菌と戦ってくれ
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16:06 - 16:08健康が回復するでしょうか
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16:08 - 16:11それがどうなるか見てみましょう
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16:11 - 16:13患者の中の4人が 今 健康な人からの
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16:13 - 16:15移植を受け取る寸前です
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16:15 - 16:17そして移植されたかと思うと
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16:17 - 16:19瞬く間に腸内細菌叢に劇的変化が現れます
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16:19 - 16:22この移植の翌日
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16:22 - 16:23患者はすっかり回復し
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16:23 - 16:25下痢の症状は消えました
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16:25 - 16:294人は根本的に健康を取り戻し
微生物叢は健康な提供者のそれに似て -
16:29 - 16:31今この下に位置しています
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16:31 - 16:35(拍手)
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16:37 - 16:40この旅は始まったばかりです
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16:40 - 16:42微生物の炎症性腸疾患から肥満まで
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16:42 - 16:44あらゆる病気との関係
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16:44 - 16:47また自閉症や鬱病さえとの関連を
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16:47 - 16:50研究している段階です
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16:50 - 16:51しかし我々は
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16:51 - 16:54微生物叢の現在地点だけでなく
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16:54 - 16:56これから行くべき方向に向かうには
何をすべきかを -
16:56 - 16:59知る為に微生物GPSのような物を
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16:59 - 17:01開発する必要があり
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17:01 - 17:03又これを子供でも使えるような
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17:03 - 17:06簡単なものにする必要があります
(笑) -
17:06 - 17:08ありがとうございました
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17:08 - 17:11(拍手)
- Title:
- 微生物がどのようにして私達を作っているのか
- Speaker:
- ロブ・ナイト
- Description:
-
ロブ・ナイトは、人体内の微生物研究におけるパイオニアです。私達の体内に宿る小さな単細胞生物群は、私達の健康において、極めて大きな役割を担っています。そして、この分野は未だに良く知られていません。「私達が体内に抱えている3ポンドの微生物は、ゲノム内のどの遺伝子よりも重要かもしれません」と言う、その彼の理由を聴いてみましょう。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 17:24
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for How our microbes make us who we are | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for How our microbes make us who we are | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for How our microbes make us who we are | ||
Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for How our microbes make us who we are | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for How our microbes make us who we are | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for How our microbes make us who we are | ||
Claire Ghyselen accepted Japanese subtitles for How our microbes make us who we are | ||
Reiko Bovee edited Japanese subtitles for How our microbes make us who we are |