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試練を理解し受容すること | ウヤンガ・エルディンボルド | TEDxUlaanbaatarWomen

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    みなさん こんにちは
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    ご存知かと思いますが
    私の盲導犬のグラデスです
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    まずは彼女の番 窮屈は苦手なので
    先にハーネスを外します
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    伏せ!
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    わたしのスピーチの間に
    引っ掻いたり 立ち上がったり
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    眠りながら吠えるかもしれませんが
    よろしくお願いします
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    ラルフ・ウォルドー・エマーソンは
    こう述べています
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    「常にあなたを
  • 0:58 - 1:01
    変えようとする世の中で
    自らを保つということは
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    最高の達成である」
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    わたしに言わせれば
    それは大きなチャレンジです
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    もともとチャレンジなんて
    好きなたちではありません
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    大勢の中の一人で十分です
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    自由な考え方 自分の生き方が
    確保されればそれで構いません
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    ですが身体障害によって
    何かが決めつけられる となれば
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    傍観者でいるわけにはいきません
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    わたしは昔から本や文学が好きでしたので
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    図書館司書か言語学者になって
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    いつも本に囲まれて過ごしたいと
    思っていました
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    ですが盲目であるわたしの経験では
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    特にここ数年において
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    身体障害者に向けられた社会的差別や無知は
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    大変強く あまりに不公正であることに
    気づきました
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    これでは図書館司書として
    普通の暮らしを楽しむのは無理です
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    「人生には二つの選択肢がある」と
    デニス・ウェイトリーは言いました
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    「ありのままの状況を受け入れるか
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    その状況を変えるという任務を
    引き受けるか」
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    普通の生活をしようとするだけで起きる
    様々な困難について考えると
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    普通の生活をしようとするだけで起きる
    様々な困難について考えると
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    障害者たちが意味のある
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    充実した毎日を送ろうとしたら
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    選択肢はたったひとつそれは
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    状況を変える任務を受けて立つしかありません
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    わたしは4歳のときに
    網膜色素変性症と診断されました
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    そしてこの20年間で徐々に視力を失いました
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    医者は両親に
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    40-50歳で失明するだろうと告げました
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    大学や学校に行くのは問題ないはずでした
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    ですが実際は そうはなりませんでした
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    8歳ですでに本の活字が読めなくなり
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    黒板も見えなくなりました
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    大学に行き始めた頃には
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    鏡の中の自分の姿さえも
    見えなくなっていました
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    人生の節目ごとに
    私はいつも同じ決断を迫られました
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    自分に用意された言い訳を受け入れ
    あわれな自分とともに やすやすと生きるか
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    覚悟を決め 未知の世界に足を踏み入れるのか
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    わたしはいつも後者を選びました
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    わたしはモンゴルの視覚特別支援学校で学び
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    2000年にそこを卒業しました
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    その当時
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    盲目の人が受ける教育といえばそこまででした
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    普通ですとその後
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    障害者のための工場で働くか
    家にいるかのどちらかですが
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    わたしはそんな「普通」はいやで
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    大学に行きたい
    いい仕事にも就きたいと思いました
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    両親や家族に
    誇りに思ってもらいたかったのです
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    そのためには
    他の人の2倍強い気持ちで
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    他の人の2倍努力する必要が
    ありました
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    14歳になるまで
    わたしはありふれた子供でした
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    いずれ失明するとは知らず
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    ただ目が悪いだけだと思っていました
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    病状が日々の生活に及ぼす影響といえば
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    分厚いメガネのせいで
    時に悪口を言われることや
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    読み間違えることぐらいでした
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    しかし14歳になって 真実を知らされた時
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    時間との競争が始まりました
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    目の見えない生活は想像もつきませんでした
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    視力を失えば
    すべてを失うと思っていました
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    そしてはっと気づきました
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    なぜ あの頃 父があちこちの博物館に
    連れて行ってくれたのか
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    私が8歳のときで
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    博物館にはつまらないものや
    怖いものしかありませんでした
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    でも ようやく理解しました
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    父はわたしの記憶に何かを残したくて
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    我が国の歴史や文化を見てほしかったのです
  • 6:01 - 6:06
    パニックに襲われたのを覚えています
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    見て学ぶべきことがどれほど多く
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    そして残された時間がいかに少ないか
    気づいたときでした
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    読むべき本を探し始めました
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    本だけが心のよりどころだと思っていました
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    寮の部屋で
    息つく間もないほど読書に読書を重ねました
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    まるで本なしでは生きていけないみたいでした
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    3週間で 学校にあるモンゴル語の点字本は
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    すべて読み終え
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    学校の科目も同じ勢いで勉強しました
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    できるだけ多くの知識を
    頭の中に詰め込みたかったのです
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    失明した時に備えて
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    自分でできるだけのことを
    したかったのです
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    残念ながら学校には資料が少なすぎました
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    苛立ちが募りだしました
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    何もかもが足りなかったのです
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    ですが そんな状況でも
    意思は揺らぎませんでした
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    そして他の選択肢を探すようになりました
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    例えば 学校の本を読みつくした後
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    英語の点字図書が寄付されていることを知り
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    どうしたのかというと
    英語を勉強することに決めました
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    英語の先生などいませんでしたし
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    教材 教本などありませんでした
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    そんなことではあきらめません
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    特別支援学校卒業後
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    健常者の通う普通の高校に行きました
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    それは大学に行くためで
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    10年の高等教育を受けなければなりません
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    これもまた 大変でした
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    盲目の生徒への教え方や接し方を
    誰も知らなかったのです
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    盲目の生徒への教え方や接し方を
    誰も知らなかったのです
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    学校初日にですが 点字を打っていたら
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    怒られたことを 今でも覚えています
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    穴開けが 授業の邪魔ですって
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    怖いことも照れくさいことも克服しました
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    自分の障害に閉じ込められるのはゴメンです
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    2006年 モンゴル人文大学を卒業し
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    2007年にモンゴルの視覚障害者として
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    初めてフルブライト奨学生となりました
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    (拍手)
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    2009年 ルイジアナ州立大学の
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    図書館情報科学科で修士号を取得
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    モンゴルで初の盲導犬とともに帰国しました
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    (笑)
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    モンゴルでは
    オーディオブックは一つもなく
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    点字図書も足りませんでした
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    モンゴルの高校・大学では
    ないものばかりでした
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    ノートのための点字紙も足りませんので
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    書き写すのは大事なことだけに留めて
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    できるだけ記憶に頼らねばなりませんでした
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    教材や文具が不足して
    大変だとは言っても
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    社会の無知と向き合うことに比べれば
    大したことはありません
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    それはわたしの歩みを妨げる
    唯一の理由でもあります
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    ある時 記者に質問されました
  • 10:12 - 10:16
    人生で一番辛いことは何でしょう
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    「貢献できないこと」と答えました
  • 10:20 - 10:21
    その理由は
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    人間の気持ちや技能は 人に伝えることで
    はじめて意味を持つと信じているからです
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    世の中に還元するべき成果を
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    共有できないのは最大の悲劇です
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    想像してみてください
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    知識やエネルギーに満ち溢れているのに
    何も貢献できないこと
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    能力のある大人なのに
    子供のように扱われること
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    ひとりの人間として見られず
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    障害しか見られないこと
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    理解や認識の欠如が
  • 11:04 - 11:09
    差別や誤解が生まれる元となります
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    教材などの不足よりも
    このことによる影響は深刻です
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    食べる物がなく お腹が空くだけで辛いけれど
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    それとは違う次元の辛さというのは
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    食べ物がないことが問題だと
    気づいてくれないことです
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    物があるだけで
    いろいろ可能になりますが
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    それは道具にすぎないのです
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    世の中の理解があってこそ
    それらの道具は働き始めます
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    個人的に ここまでは長い道のりでした
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    ですが 教育された若者
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    社会的不利にいる人間の代表として言えば
  • 12:04 - 12:06
    まだやることは沢山あります
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    わたしの経験からわかったのは
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    世の中が変わっていくには
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    個人の成功だけがすべてではありませんが
  • 12:20 - 12:23
    始まりとはなりえます
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    この20年で失ったものは大きかった
    でも学びも多かった
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    失明は世の終わりではありません
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    人生において何に出くわすかということは
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    自分では選べません
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    それを受けて対処してみようという力
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    それが世の中を変えることになります
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    ヘレン・ケラーは言いました
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    「扉が一つ閉じられたときに
    がっかりしてそればかり見ていると
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    別の扉が開いたのにも気づかない」
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    ですから見るだけではなく
    人生を経験して下さい
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    人生は見るだけではもったいない
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    みなさんはオープンな方々だと信じています
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    この多様な世界に生きるみなさん
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    社会の公正さや民主主義を信じるみなさん
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    障害者に手を差し伸べることをお願いします
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    可哀想だからではなく
    理解をもって受け入れて下さい
  • 13:40 - 13:41
    ありがとうございます
  • 13:41 - 13:42
    (拍手)
Title:
試練を理解し受容すること | ウヤンガ・エルディンボルド | TEDxUlaanbaatarWomen
Description:

ウヤンガ・エルディンボルドはダーカン生まれの読書家、愛犬家であり、犬愛護団体「ラッキー・ポーズ」の創始者です。「理解」と「共感」が人生を意義あるものにすると堅く信じています。
このビデオはTEDカンファレンスとは独立して運営されるTEDxイベントにおいて収録されたものです。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
13:54

Japanese subtitles

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