機能不全の社会福祉制度を立て直すには
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0:01 - 0:03本日は現代の人間社会に根付く
複雑な問題を解決する -
0:03 - 0:06人と人との繋がりをテーマに
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0:06 - 0:103つのお話をしたいと思います
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0:10 - 0:13時に 貧困、社会格差、健康障害
失業、暴力、薬物中毒など -
0:13 - 0:18あらゆる問題がまとめて
1人に降りかかっているようなケースが -
0:18 - 0:21ありますよね
-
0:21 - 0:24そんな人のお話です
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0:24 - 0:26仮にエラと呼びます
-
0:26 - 0:30イギリスの とある都市で
荒廃した団地に暮らしています -
0:30 - 0:32商店は潰れ パブも閉店
-
0:32 - 0:35子供の遊び場は ほぼ空っぽ
-
0:35 - 0:38そして エラの家の空気は
目に見えてピリピリしています -
0:38 - 0:40耳が遠くなるような騒音レベル
-
0:40 - 0:41テレビは最大音量で
-
0:41 - 0:43息子と娘はけんかの最中
-
0:43 - 0:47もう1人の息子ライアンは
台所から怒鳴り散らし -
0:47 - 0:51寝室に閉じ込められた犬たちは
ドアの向こうでもがいています -
0:51 - 0:53エラは行き詰まっています
-
0:53 - 0:5540年間も
崖っぷちの家庭で生きてきて -
0:55 - 0:59そんな人生しか知らないし
抜け出す方法もわかりません -
0:59 - 1:02男性運は悪く
いつも暴力的な相手ばかり -
1:02 - 1:06悲しいことに 子供の1人は
児童施設に保護されてしまい -
1:06 - 1:08残る3人の子供たちも
たくさんの問題を抱え -
1:08 - 1:12学校に行っている子は1人もいません
-
1:12 - 1:15エラが言うには
母親の世代からの悪循環を -
1:15 - 1:17繰り返してしまっているそうです
-
1:18 - 1:21しかし 初めて会ったとき
エラとその家族は -
1:21 - 1:24市の24部署が運営する
73種類の福祉サービスの対象で -
1:24 - 1:28職員のほとんどが
エラと エラのパートナーや -
1:28 - 1:31子供たちのことを
知っているくらいでした -
1:31 - 1:33口げんかなどが起こると
-
1:33 - 1:36気軽に福祉サービスを呼んで
調停を頼んでいたのです -
1:36 - 1:40エラの家には
ソーシャル・ワーカーや -
1:40 - 1:45青少年相談員、健康相談員
住宅相談員、家庭教師 -
1:45 - 1:47地元の警察官が定期訪問しています
-
1:47 - 1:50政府発表によると イギリスでは
-
1:50 - 1:5210万の家庭が 同じような状況で
-
1:52 - 1:57経済的、社会的、環境的な貧困の
悪循環を破れずに苦闘しています -
1:57 - 1:59こういった問題への対策が
-
1:59 - 2:021家族につき
毎年25万ポンドもかかるといいます -
2:03 - 2:04しかし 何も変わりません
-
2:04 - 2:07善意での訪問がことごとく
徒労に終わっているのです -
2:07 - 2:11この図表は 同じ市に住む
エラと似た状況にある家族の -
2:11 - 2:1530年間に及ぶ福祉サービス介入歴を
図解したものです -
2:15 - 2:19どれも1つの全体計画に基づいた
介入ではないのは エラと同じです -
2:19 - 2:20最終目標は視野になく
-
2:20 - 2:23根本的問題に取り組んでいる者もおらず
-
2:23 - 2:26どれもが抑制策 つまり
個々の問題への対症療法です -
2:26 - 2:28警察官が来て
-
2:28 - 2:31「伝言しに来ただけで
もう帰りますから」などと言います -
2:31 - 2:33そこで私は 世界を回り
エラの一家のような家庭に -
2:33 - 2:34住み込んできました
-
2:34 - 2:37福祉制度が機能していない地域から
-
2:37 - 2:40学べることはないか
知りたかったのです -
2:41 - 2:44エラのような家庭環境で暮らすのは
どんな感覚なのか -
2:44 - 2:47実際に何が起こっているのか?
何を変えればいいのか? -
2:48 - 2:52まず 「費用」とは
大変捉えづらい概念だとわかりました -
2:52 - 2:54政府は
エラのような家庭の支援に -
2:54 - 2:57年間25万ポンドかかると言いますが
-
2:57 - 2:58本当のところ
-
2:58 - 3:0125万ポンドかかるのは
制度のほうなのです -
3:01 - 3:04エラの家庭に直接使われ
成果を出しているお金は -
3:04 - 3:06一銭もありません
-
3:06 - 3:08むしろ エラと家族の周りを
-
3:08 - 3:11高コストの制度が空回りして
その真ん中で家族は -
3:11 - 3:13身動きがとれないままなのです
-
3:14 - 3:16現場の職員にも
話を聞きましたが -
3:16 - 3:19どうしようもない状況だと判明しました
-
3:19 - 3:23トムの場合―
エラの息子 14歳のライアン担当です― -
3:24 - 3:2786%の時間が
制度関連業務に費やされます -
3:27 - 3:29同僚と会議したり
用紙に記入したり -
3:29 - 3:31その用紙について
また会議したり -
3:31 - 3:32更にひどいのが
-
3:32 - 3:35ライアンと過ごす
残り14%の時間でさえ -
3:35 - 3:37システムに入力する
データや情報収集に終始 -
3:38 - 3:39だから ライアンとの会話は
-
3:39 - 3:42「喫煙の頻度は?飲酒は?
学校にはいつ行った?」 -
3:42 - 3:43こんな感じです
-
3:43 - 3:45このような関わり方では
普通の会話の余地が -
3:45 - 3:47なくなってしまいます
-
3:47 - 3:49これでは トムとライアンの間に
-
3:49 - 3:52必要なはずの人間関係は生まれません
-
3:53 - 3:54この図ができたとき
-
3:54 - 3:56現場で働く福祉員たちは
-
3:56 - 3:58目を丸くして
釘付けになっていました -
3:58 - 4:01この図はまた
事務所中の壁に貼られました -
4:01 - 4:07善意で費やしてきた莫大な時間が
最終的には 全く無益だったのです -
4:07 - 4:10一時は 絶望的に思えましたが
-
4:10 - 4:12どうすべきかが見えてきました
-
4:12 - 4:15やり方を変えるべきだと
気づいたのです -
4:16 - 4:19ここで エラの住む市の上層部が
非常に思い切ったことをしました -
4:19 - 4:21ライアンに使う時間比率を
逆転させると決めたのです -
4:21 - 4:25つまり エラや 同様の家族と
関わることになった職員は -
4:25 - 4:2880%の時間を 担当の家族と過ごし
-
4:28 - 4:30制度側の業務は20%に留める
というわけです -
4:30 - 4:32更に思い切ったことに
-
4:32 - 4:33誰に担当してもらうかは
-
4:33 - 4:37対象家庭が主体となって
決めることになったのです -
4:37 - 4:40エラともう1人の母親も
面接に出席し -
4:40 - 4:42資格を持つ候補者の中から
自分たちの担当を -
4:42 - 4:45選ぶことになりました
-
4:45 - 4:47本当にたくさんの応募がありました
-
4:47 - 4:49ソーシャルワークを志す人々は 元々
-
4:49 - 4:53制度運営よりも 人のためになりたい
という動機があるからです -
4:53 - 4:56面接に来た全員に
母親2人が質問しました -
4:56 - 4:58「息子が暴力をふるい始めたら
どうしますか?」 -
4:59 - 5:001人目の人が答えます
-
5:00 - 5:03「直近の出口を探して
-
5:03 - 5:06ゆっくりとその場を離れます
-
5:06 - 5:08まだ音がするようだったら
上司に電話します」 -
5:08 - 5:11母親たちは
「あんたは制度そのものだ 出て行きな!」 -
5:11 - 5:15次の候補者は警察官でした
-
5:15 - 5:19「息子さんに跳びかかって組み敷きます
その後何をするかは わかりません」 -
5:19 - 5:21すると母親たちは
「ありがとう」 -
5:21 - 5:23正解かどうかはわからないけど と
-
5:23 - 5:25正直に答えた人々が選ばれました
-
5:25 - 5:29専門用語でごまかしたりはせず
人間的な面が見えたので -
5:29 - 5:31母親たちは この人たちなら
-
5:31 - 5:33荒っぽいかもしれないが
何があっても -
5:33 - 5:35付き合い続けてくれるだろうと
納得したのです -
5:35 - 5:37この新しいチームと 家族たちに
-
5:37 - 5:39以前の予算に比べ
ほんの僅かでしたが -
5:39 - 5:42好きなように使える資金が
割り当てられました -
5:42 - 5:44ある家族は 外食することにして
-
5:44 - 5:47マクドナルドで座って話し
お互いの話を聞きました -
5:47 - 5:49この家族には
長い間なかったことでした -
5:49 - 5:52他の家族から出た依頼に
-
5:52 - 5:55家の修理改装をして欲しい
というものもありました -
5:55 - 5:57この資金を使って
-
5:57 - 6:00社会事業を始める母親もいました
-
6:00 - 6:03すると ほんの短い間に
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6:03 - 6:05新しく芽生えてきたものがありました
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6:05 - 6:08チームと 職員たちの間の絆です
-
6:08 - 6:11そして 奇跡的な変化が起こりました
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6:11 - 6:13エラが この過程で何度か
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6:13 - 6:15前進と後退とを繰り返したことは
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6:15 - 6:16ご想像に難くないですが
-
6:16 - 6:19でも 彼女はIT研修コースを修了し
-
6:19 - 6:23生まれて初めての仕事を始め
子供たちは学校に戻りました -
6:23 - 6:24近所の人も 以前は
-
6:24 - 6:26エラの一家がどこか他所へ
引っ越せばいいと -
6:26 - 6:28願うばかりでしたが
-
6:28 - 6:29今では関係良好
-
6:29 - 6:31新たな近所づきあいが始まったのです
-
6:31 - 6:35この過程に関わったのは
以前と同じ家族と -
6:35 - 6:38以前と同じサービス職員です
-
6:38 - 6:42人間関係の変化を促す
仕組みに変わったというだけです -
6:43 - 6:46エラの話をしたのには訳があります
-
6:46 - 6:47難解な社会問題の解決に
-
6:47 - 6:50欠かせない資源とは
人間関係だからです -
6:50 - 6:53しかし現代では
政治、社会政策、福祉制度が -
6:53 - 6:57災いとなり 人間関係は
ほぼ壊滅してしまっています -
6:57 - 6:59この現状は 根本から
変えなければなりません -
7:00 - 7:02では 人間関係とは何でしょうか?
-
7:02 - 7:05私は単純に
人と人との絆のことだと思います -
7:05 - 7:08繋がっているという感覚や
帰属意識 -
7:08 - 7:11エラのように思い切って
新しいことに挑戦するとき -
7:11 - 7:13支えとなったり
幸せに思える絆などです -
7:14 - 7:15そして エラの一家を
-
7:15 - 7:18支援する役目を担うはずの社会制度を
運営管理する側にとって -
7:18 - 7:20人間関係がどうでもいいのは
-
7:20 - 7:22偶然ではありません
-
7:22 - 7:26イギリスでデザインされ
世界中に広まった社会保障のモデルから -
7:26 - 7:29人間関係が 意図的に
除外されているからです -
7:29 - 7:31世界初の社会保障制度の設計に貢献し
-
7:31 - 7:34『ベヴァリッジ報告書』を発表した―
-
7:34 - 7:36ウィリアム・ベヴァリッジの時代の人々は
-
7:36 - 7:39いわゆる 「世俗的な人間」は
信頼できないからと -
7:39 - 7:43代わりに
人格や感情を持たない「制度」や -
7:43 - 7:46その中で機械的に働く役人などを
重んじました -
7:47 - 7:49現代の制度の社会問題の捉え方に
-
7:49 - 7:51ベヴァリッジが与えた影響は
-
7:51 - 7:54計り知れないものがあります
-
7:54 - 7:57ベヴァリッジ報告書は
発行から1週間で -
7:57 - 7:5910万冊を売り上げました
-
7:59 - 8:0211月の雨の中
夜通し並んで買う人がいたそうです -
8:02 - 8:05国中や あちこちの植民地
ヨーロッパ中の人々や -
8:05 - 8:07アメリカ中の人々に読まれ
-
8:07 - 8:09世界中で福祉国家の制度設計において
-
8:09 - 8:12多大な影響を与えました
-
8:13 - 8:18福祉国家の 文化・官僚制・制度が
世界中に広まり -
8:18 - 8:20あって当然のものになりました
-
8:20 - 8:22我々の中にあまりに深く浸透し
-
8:22 - 8:24もう誰も 意識さえしなくなりました
-
8:25 - 8:28こういった制度が 20世紀中に
-
8:28 - 8:30著しい成果を上げたことは
紛れもない事実です -
8:30 - 8:34お陰で 平均寿命が伸び
疫病は駆逐され -
8:34 - 8:37集合住宅が生まれ
ほぼ万人への教育が可能になりました -
8:38 - 8:40しかし同時に
-
8:40 - 8:43現代にはびこる課題の種を
蒔いたのだともいえます -
8:44 - 8:46では2つ目のお話をします
-
8:46 - 8:51今の時代 一生喫煙を続けるよりも
命にかかわるものは何でしょう? -
8:53 - 8:55答えは「孤独」です
-
8:56 - 9:01政府の統計によれば
60歳以上の人の3人に1人が -
9:01 - 9:041週間ずっと誰にも会わないか
誰とも話をしません -
9:05 - 9:0810人に1人
つまり85万人が -
9:08 - 9:101ヶ月 誰とも話をしないそうです
-
9:11 - 9:13イギリスだけではなく
-
9:13 - 9:15西洋世界全体に起こっている問題です
-
9:15 - 9:17中国のような国ではもっと深刻で
-
9:17 - 9:20急速な都市化 そして
人口の大量移動の結果 -
9:20 - 9:22老人が農村部に
置き去りになっています -
9:23 - 9:27ベヴァリッジが設計し
世界に広めた社会保障制度では -
9:27 - 9:29こういう部類の問題には対応できません
-
9:29 - 9:32「孤独」は
人間関係の全体的課題であって -
9:32 - 9:36お役所的な 従来の対応では
対処不可能なのです -
9:36 - 9:39数年前 この問題を理解するため
-
9:39 - 9:42私の地元 南ロンドンで
-
9:42 - 9:44約60人の老人と接する機会を持ちました
-
9:44 - 9:46買い物したり
ビンゴで遊んだり -
9:46 - 9:48でも 話を聴いて
観察するのが主でした -
9:48 - 9:51何か変えられるものはないか
探っていました -
9:52 - 9:55彼らに尋ねると
希望は2つ -
9:55 - 9:58はしごを登って
電球を換えてくれる人か -
9:58 - 10:00病院から帰るとき
迎えに来てくれる人 -
10:00 - 10:02必要に応じた
実用的な支援を望んでいます -
10:02 - 10:04また 楽しみも求めています
-
10:04 - 10:07外出したり
趣味の合う人と楽しみたいし -
10:07 - 10:11私たち誰もが人生ずっとそうしてきたように
友達作りもしたいのです -
10:11 - 10:14というわけで 電話回線と
何でも屋を何人か用意して -
10:14 - 10:17「サークル」というサービスを
始めました -
10:17 - 10:20地域のメンバーが
フリーダイヤルの番号に -
10:20 - 10:23必要なとき電話をかけて
支援を求める仕組みです -
10:23 - 10:25用件は本当に色々ありました
-
10:25 - 10:27ペットの体調が悪いとか
-
10:27 - 10:30DVDが壊れたとか
携帯の使い方を忘れたとか -
10:30 - 10:31実際に 病院帰りで
-
10:31 - 10:33迎えに来て欲しいとかです
-
10:34 - 10:38「サークル」では
イベントも充実しています -
10:38 - 10:42編み物、ダーツ、美術館ツアー
熱気球など 何でもありです -
10:42 - 10:47しかし 面白いことに
ある重大な変化が起こりました -
10:47 - 10:50時と共に「サークル」内で生まれた
人間関係が -
10:50 - 10:52日々のサービスに
とって代わったのです -
10:53 - 10:55ベリンダの話をしましょう
-
10:55 - 10:59ベリンダは「サークル」のメンバーで
股関節の手術で入院するため -
10:59 - 11:03地元の「サークル」に電話して
しばらく顔を出さないと言いました -
11:03 - 11:07地域の担当者デイモンが折り返して
何かできることはないかと訊くと -
11:07 - 11:08ベリンダは
「あら 大丈夫よ -
11:08 - 11:11ジョセリンが買い物
トニーが庭を見てくれて -
11:11 - 11:14メリッサとジョーが
料理とお見舞いに来てくれるの」 -
11:14 - 11:17この時既に メンバーの5人が
入院中の身の回りを -
11:17 - 11:19世話することになっていたのです
-
11:20 - 11:23ベリンダは80歳で
今でも心は25歳だそうですが -
11:23 - 11:25入会する前は
-
11:25 - 11:29人生が行き詰まったように思えて
かなり鬱になっていたそうです -
11:29 - 11:34でもそこで 1つ目のイベントに誘うという
シンプルな行為が -
11:34 - 11:37後に 自然な友情が生まれる
きっかけを作りました -
11:37 - 11:41今日 高価な社会サービスを不要にする
友情関係です -
11:41 - 11:44人間関係こそが
変化を生み出しているのです -
11:46 - 11:49今日 社会問題の解決策の中心に
-
11:49 - 11:51人間関係を据えて
取り組めるようになった要因は -
11:51 - 11:54次の3点に集約されます
-
11:54 - 11:571つ目は 問題の本質です
-
11:57 - 11:59昔とは問題の質や
必要な解決策が変わりました -
11:59 - 12:042つ目は 費用です
人件費や 運営管理費のことです -
12:04 - 12:063つ目は テクノロジーです
-
12:06 - 12:09最初の2つは先ほどお話しましたね
-
12:09 - 12:12このような取り組みの規模を拡大し
-
12:12 - 12:14今や何千人もの支援が可能になったのは
技術の力です -
12:15 - 12:17私たちが使った技術は本当に単純で
-
12:17 - 12:21データベースや携帯電話など
ありふれたものでした -
12:21 - 12:23「サークル」では
この超単純な基盤を利用し -
12:23 - 12:27地域の小規模なチームで1,000人までの
メンバーをサポートできるのです -
12:27 - 12:2970年代と比べると
当時あったような -
12:29 - 12:30地域支援組織では
-
12:30 - 12:32到底無理な規模ですよね
-
12:32 - 12:36技術の要がなく
組織の質も長期維持も不可能でした -
12:38 - 12:41テクノロジーの力を使えば
人間関係で以って -
12:41 - 12:44ベヴァリッジのモデルを
ひっくり返せるわけです -
12:44 - 12:47ベヴァリッジ・モデルは
組織の限られた運営資源の利用を -
12:47 - 12:50誰でも 同じように管理できる制度です
-
12:50 - 12:51第一線で働いていると
-
12:52 - 12:55最大80%の運営資源が
人々の利用を妨げるのに使われているのだと -
12:55 - 12:57非常によくわかります
-
12:57 - 12:59働く人々は
-
12:59 - 13:01年々複雑化する
事務作業に追われます -
13:01 - 13:05要は サービスの利用を滞らせるか
待っている人を管理するだけの -
13:05 - 13:06システムなのです
-
13:07 - 13:11私たちの「サークル」など
人の繋がりが中心のサービスは -
13:11 - 13:13これとは逆です
-
13:13 - 13:17つまり 人が増えるほど
人間関係も増え -
13:17 - 13:19効果も上がるという原理です
-
13:20 - 13:22最後に 3つ目のお話をします
-
13:22 - 13:24失業問題についてです
-
13:25 - 13:28イギリスでは
世界どこでもそうですが -
13:28 - 13:31我々の福祉国家の主なねらいは
-
13:31 - 13:33人々に職を与え
-
13:33 - 13:35就業に必要な教育を施し
-
13:35 - 13:37国民の健康を保つことです
-
13:37 - 13:39しかし この制度も
うまくいっていません -
13:40 - 13:41制度側は対策として
-
13:41 - 13:46現制度を更に 仕組み化、効率化して
処理時間を短縮し -
13:46 - 13:48利用者を限りなく細分化します
-
13:48 - 13:51言い換えればサービスの対象を
効率良く絞ろうとしています -
13:51 - 13:54別の言い方をすれば
人間関係は全くの無視です -
13:55 - 13:59でも 今の時代
仕事を見つけるきっかけは -
14:00 - 14:01紹介や口コミがほとんどです
-
14:01 - 14:06実は 今日のイギリスでは
新着求人情報の大半が宣伝されません -
14:06 - 14:08友達に聞いて応募したり
-
14:08 - 14:11友達の推薦を受けたり
-
14:11 - 14:15多様で 豊かな人の繋がりから
仕事が見つかるかるのです -
14:15 - 14:17「私は広告で見つけたけど」
-
14:17 - 14:18そう思われる方も
いるかもしれませんが -
14:18 - 14:21思い返してみると
広告を見せて応募を薦めてくれた -
14:21 - 14:23友達のお陰だったのかもしれません
-
14:24 - 14:25ところが 当然こういった―
-
14:25 - 14:29多様で豊かな人の繋がりを
最も必要とする人々こそ -
14:29 - 14:31そこから最も縁遠い人なのです
-
14:31 - 14:33こういった事実や
-
14:33 - 14:35現存の制度にかかる費用や不具合を
念頭において -
14:35 - 14:38人間関係を中心に据えた
新しいシステムを設計しました -
14:39 - 14:44職場内外の人との集まりを推進したり
-
14:44 - 14:45体系的に協力しあって
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14:46 - 14:47新しい試みに取り組もうと
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14:47 - 14:49応援するサービスです
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14:50 - 14:54従来のシステムと この新システムの
結果を比べるのは -
14:54 - 14:56非常に難しいのですが
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14:56 - 14:58最初の登録者1,000人だけ見ても
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14:58 - 15:01従来の福祉サービスの
3倍の成果です -
15:01 - 15:03費用は従来に比べて
ほんの僅かです -
15:03 - 15:06ここでも 技術の力を借りましたが
-
15:06 - 15:10ソーシャル・ネットワークサイト的な
人と人の繋げ方はしません -
15:10 - 15:12人と人が顔を合わせて繋がり
真の人間関係を築くため -
15:13 - 15:17そして仕事探しを支援するために
技術を利用しています -
15:18 - 15:211948年 晩年のベヴァリッジは
-
15:21 - 15:23第3の報告書を発表しました
-
15:24 - 15:27そこに 大変な失敗を犯してしまったと
記しています -
15:28 - 15:32人と コミュニティを
取り残す結果になってしまった -
15:33 - 15:38そして その結果として
制度も 人々自身も -
15:38 - 15:40制度や手続の範疇でしか
-
15:40 - 15:43人を見ないようになってしまったと
書いています -
15:44 - 15:47当時 血の通った人間関係は
既に希薄化していました -
15:47 - 15:51残念なことに この第3報告書は
彼の前の報告書に比べて -
15:51 - 15:53ほとんど読まれませんでした
-
15:53 - 15:57しかし 今の時代
新しい制度やサービスを作る際に -
15:57 - 16:01人やコミュニティを
再び中心に据える必要があります -
16:01 - 16:04私は「人間中心の福祉」と
呼んでいます -
16:04 - 16:06従来の古く、手続ばかりで
不適切な -
16:07 - 16:09時代遅れのモデルをやめるべきです
-
16:09 - 16:12エラの一家のような家族を
サポートできるモデル -
16:12 - 16:15「孤独」のような問題に
対応できるモデル -
16:15 - 16:17現代の労働市場で
-
16:17 - 16:20人々が職に就いて
スキルを磨けるような -
16:20 - 16:21モデルに切り替えるべきです
-
16:21 - 16:26更に 教育問題、医療制度の問題
その他 現代社会が直面する -
16:26 - 16:30たくさんの問題に対応できるモデルが
必要です -
16:30 - 16:33その答えこそが 人間関係です
-
16:33 - 16:36人間関係こそが
最も重要な資源なのです -
16:36 - 16:38ありがとうございました
-
16:38 - 16:42(拍手)
- Title:
- 機能不全の社会福祉制度を立て直すには
- Speaker:
- ヒラリー・コッタム
- Description:
-
失業や薬物、家庭内不和が原因で、または運に恵まれないせいで起こってしまう家庭の危機。そこに介入し、立て直す役目を持つ社会福祉制度が、機能していないという。ヒラリー・コッタムによれば、イギリスでは典型的な、いわゆる崖っぷちの家庭をサポートする機関が70以上あるのにも関わらず、本当に効果を上げている事業は存在していない。支援を必要とする人々と福祉事業の間に親身で協力的な関係を築く仕組みを作るには?自身がソーシャル・ワーカー(社会福祉士)であるコッタムが、社会に根深くはびこる複雑な問題を解決するにはどうするべきかを問いかける。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 16:55
Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for Social services are broken. How we can fix them | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Social services are broken. How we can fix them | ||
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Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Social services are broken. How we can fix them |
Riaki Ponist
レビュアーの方へ:
0:40のあたり、提出早々すみませんが、ここの記載は騒音のことなのですべて音関係だなと気づきましたので下記でご検討ください:
もう1人の息子ライアンは
台所から怒鳴り散らし
(abuseは暴言のことだと理解)
寝室に閉じ込められた飼い犬たちの
鳴き声も加わって収拾がつかなくなっています
(strainingはEllaにとって耳障りな音であるという解釈)