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クリス・ガーデス: 「未来のレーシングカー」

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    皆さんの中で
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    運転すべき状態ではないのに
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    ハンドルを握ったことが
    ある方はいますか?
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    一日中 車に乗っていて
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    ただ家にたどり着きたい
    こともありますね
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    疲れているけど
    もう少しだから大丈夫だと思う
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    もしかしたら
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    他の人ほど飲んでいないから
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    大丈夫だと思うことも
    あるでしょう
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    考え事をしながら
    運転することもあるでしょう
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    心当たりはありませんか?
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    そんな時
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    ダッシュボードのボタンを押すだけで
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    安全に家にたどり着けたら
    最高じゃありませんか?
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    1939年の万博博覧会で
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    GMがフューチュラマを発表して以来
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    運転手が必要ない自律走行車が
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    実現されると言われてきました
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    良くある 遠い未来の
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    夢のような話だと思われてきました
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    しかし 2週間前 その夢が
    現実に一歩近づきました
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    ネバダ州がGoogleの無人自動車に ー
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    初のナンバープレートを発行したのです
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    ネバダ州の公道では
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    その自律走行車のテストが可能です
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    カリフォルニア州も同じような
    法律を検討しています
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    ラスベガス以外では通用しない ー
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    自律走行車にならないと
    いいですけどね
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    (笑)
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    スタンフォード大学の
    私の研究室でも
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    自律走行車の研究を行っていますが 
    他とは少し異なり ー
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    ロボット・レーシングカーの
    開発を行っています
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    物理の限界まで
    性能が発揮できる車です
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    物理の限界まで
    性能が発揮できる車です
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    なぜ そんな研究をしているのか?
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    理由は2つ あります
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    人が自律走行車に
    操縦を任せる前に
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    自律走行車が
    最高の運転技術を持つ ー
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    人間に追いつく必要が
    あると考えたのです
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    私を含む 国民の70%は
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    自分の運転は平均以上だ
    と思っていますから ー
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    非常にレベルが高い基準です
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    もうひとつ理由があります
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    レーシング・ドライバーは ー
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    タイヤと路面の摩擦力を
    巧みに利用して
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    車のスピード性能を
    最大限に引き出します
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    そういった人間の能力を全て利用して
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    事故を防止したいのです
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    車が性能の限界に直面するのは
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    スピードを出しすぎた時だけ
    とは限りません
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    例えば 凍結した路面などの ー
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    コンディションの変化があります
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    そういった状況でも
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    車の性能次第で
    事故は避けられます
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    車の性能次第で
    事故は避けられます
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    実は第3の理由もあります
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    私はレース好きなのです
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    レーシングカーを所有していた
    こともあります
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    チーフ・エンジニアや
    ドライビング・コーチもしました
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    今 皆さんが想像しているような
    すごいレースじゃありませんけど
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    我々の研究室で開発した車には
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    ー 何台も開発しているのですが ー
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    世界初と我々が自負する
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    自律ドリフトカーがあります
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    ライバルが存在しない
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    カテゴリーですけどね
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    (笑)
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    このP1は 学生たちが
    作った電気自動車です
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    前輪にステアバイワイヤ方式を採用した
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    後輪駆動車で
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    コーナーをドリフト走行します
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    ラリー車みたいに
    ドリフトしながら走ります
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    急カーブでも失敗しません
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    滑りやすい路面でも
    路面コンディションが変化しても ー
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    スピンしません
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    フォルクスワーゲン・オラクルとは
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    自律走行車のシェリーを共同開発しました
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    この車はボンネビル・ソルトフラット
    で時速240㎞を達成し
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    サンダーヒル・レースウェイパークでは
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    太陽 風 雨に耐え
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    コロラドのパイクピーク・ヒルクライムでは
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    153コーナー 12.4マイルを走破しました
    誰も運転していないのに
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    153コーナー 12.4マイルを走破しました
    誰も運転していないのに
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    (笑)
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    (拍手)
  • 3:56 - 3:59
    お分かりとは 思いますが
    すごく楽しい研究です
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    お分かりとは 思いますが
    すごく楽しい研究です
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    また このような自律走行車の
    開発過程で知ったことがあります
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    また このような自律走行車の
    開発過程で知ったことがあります
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    レーシング・ドライバーの
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    運転技術のすごさです
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    自律走行車の性能と
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    人間の運転能力を比較しました
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    そして 人間の能力の高さに
    驚嘆しました
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    コース図を持ってきて
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    車の数学モデルを持ってきて
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    作業を繰り返せば
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    最速の走行ラインが分かります
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    このデータを プロのドライバーの
    走行データと比較すると
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    このデータを プロのドライバーの
    走行データと比較すると
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    驚くほど似ているのです
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    もちろん わずかな違いはあります
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    しかし 人間のレーサーは
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    驚くほど速い走行ラインを
    走っています
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    このコーナーでスピードを
    最大限に出したら
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    このストレートのタイムが
    少し落ちるなど
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    比較する必要もありません
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    比較する必要もありません
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    そればかりか 彼らは
    何周も続けて ー
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    同じことができる
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    コースに出て行くたびに ー
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    必ず車の性能を限界まで
    引き出すことができる
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    見ていると本当に
    感心します
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    新しい車に乗せても
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    数周走っただけで
    最速走行ラインを見つけて
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    レースへ出かけて行きます
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    全く不思議です
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    彼らの脳内で何が起きて
    いるのでしょう?
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    我々は研究者ですから
    それを調べることにしました
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    車だけではなく
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    ドライバーにも
    計測装置を付けました
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    運転中のドライバーの頭の中を
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    覗いて見るためです
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    これは レーヌ・ハーボット博士が
    ジョン・モートンの頭に電極をつけている所です
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    これは レーヌ・ハーボット博士が
    ジョン・モートンの頭に電極をつけている所です
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    彼はCanAmやIMSAに
    出場していた元レーサーで
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    ルマンでもクラス優勝しました
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    素晴らしいドライバーです
    学生や こんな実験にも耐えてくれました
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    素晴らしいドライバーです
    学生や こんな実験にも耐えてくれました
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    彼の頭に電極を付けて
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    走行中の脳の ー
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    電気活動をモニターするのです
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    もちろん 電極をいくつか付けただけで
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    走行中の彼の思考が全て
    分かるわけではありません
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    しかし神経科学者の研究によって
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    脳波には特定のパターンが
    あることが分かっています
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    例えば 安静時の脳は
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    たくさんのアルファ波を発します
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    それに対して シータ波は
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    視覚処理や 思考などの
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    活発な認識活動を表します
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    これを測定することで
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    シータ波とアルファ波の
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    強さが比較できます
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    精神作業負荷が計測できるのです
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    コースのどの地点で ドライバーの
    認識力がどれくらい
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    駆使されているかが分かります
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    実際にコースに出て
    これを記録しようと
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    ラグナセカへ行きました
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    伝説のサーキットです
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    サリナスとモントレーの中間にあります
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    ここにはコルクスクリューという
    名前のコーナーがあります
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    コルクスクリューはシケインで
    それに続くー
  • 7:10 - 7:12
    高速右コーナーは3階分の
    高低差がある下り坂です
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    ここの運転を説明して
    もらったことがあります
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    遠くの茂みを目標にしていたのに
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    下り坂に突入すると それは
    木のてっぺんだったそうです
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    幸いスタンフォード大学には
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    Revsプログラムがありますので
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    ジョンをそこへ連れて行き
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    1960年型ポルシェ・カレラ・アバルトに
    乗ってもらいました
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    普通の車じゃ
    面白くありませんからね
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    これがコースを走るジョンです
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    上り坂を上がっています
    あっ すごいですね
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    ご覧の通り
    精神労働負荷は
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    赤い棒で表示されています
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    走りと一緒に変化しますからね
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    シフトダウンします
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    左へ曲がります
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    木を見ながら
    下ります
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    難しい運転だということが
    分かりますね
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    ご覧の通り
    彼の精神労働負荷は ー
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    複雑な動きになると
    跳ね上がります
  • 8:00 - 8:03
    複雑な動きになると
    跳ね上がります
  • 8:03 - 8:06
    でも本当に面白いのは
    彼の精神労働負荷が
  • 8:06 - 8:09
    全く変わらない場所なんです
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    これからお見せするのは
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    コースの反対側です
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    第3コーナーに
    ジョンが突入します
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    車体後部は外側へ振られます
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    彼は軌道修正しなければなりません
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    その様子をご覧下さい
  • 8:21 - 8:23
    精神労働負荷とハンドルの
    動きを見て下さい
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    車がスライドし
    急なハンドル操作で修正しますが
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    精神労働負荷は全く変わりません
  • 8:30 - 8:33
    難しい運転ではない
    ということです
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    反射的にやっているのです
  • 8:36 - 8:40
    これに関するデータ分析は
    始めたばかりですが
  • 8:40 - 8:42
    レーシング・ドライバーは
    こういった離れ業を
  • 8:42 - 8:44
    直感的に行っているようです
  • 8:44 - 8:46
    直感的に行っているようです
  • 8:46 - 8:49
    習慣的に身につけている動きなので
  • 8:49 - 8:52
    精神労働負荷は ほとんどありません
  • 8:52 - 8:54
    精神労働負荷は ほとんどありません
  • 8:54 - 8:58
    素晴らしい動きです
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    状況に適した
  • 9:00 - 9:04
    実に素晴らしいハンドル操作です
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    これが 我々の自律走行車の研究に
  • 9:07 - 9:10
    アイデアとインスピレーションを
    与えてくれました
  • 9:10 - 9:12
    我々は考えました
  • 9:12 - 9:14
    アルゴリズムから少し離れて
  • 9:14 - 9:17
    直感的な動きを導入できないか?
  • 9:17 - 9:19
    トップクラスのレーシング・ドライバーの
  • 9:19 - 9:21
    反射的な動きを研究し
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    我々の自律走行車や
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    一般車のシステムに
  • 9:25 - 9:27
    取り入れることはできないのか?
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    最高の運転技術を持つ人間に
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    自律走行車を近づけるには
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    まだ長い道のりが必要です
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    しかし 我々は深く
    考えるようになりました
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    運転手の代わりになってくれる車 
    というだけで良いのだろうか?
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    運転手の代わりになってくれる車 
    というだけで良いのだろうか?
  • 9:41 - 9:45
    相棒であり コーチであり
  • 9:45 - 9:48
    状況判断できる車ならば
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    我々の可能性も広がるのではないか?
  • 9:53 - 9:55
    人間をただ技術に
    置き換えるのではなく
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    技術が 我々の
    反射神経や直感を
  • 10:00 - 10:03
    最大限に引き出して
    くれるのではないか?
  • 10:03 - 10:05
    技術は発展していますが
  • 10:05 - 10:08
    ちょっと立ち止まって
    考えてみて下さい
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    人間と機械の
    理想的なバランスとは?
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    それを考えると同時に
  • 10:13 - 10:15
    人間の体や知能が持つ
  • 10:15 - 10:18
    驚くべき能力のことを
  • 10:18 - 10:21
    考えてみて下さい
  • 10:21 - 10:23
    ありがとうございました
  • 10:23 - 10:27
    (拍手)
Title:
クリス・ガーデス: 「未来のレーシングカー」
Speaker:
Chris Gerdes
Description:

あなたより運転が上手い自律走行車が誕生する?事故を起こさずに時速240㎞で走るロボット・レーシングカーの研究開発を行うクリス・ガーデス。彼はプロ・レーサーの脳波の研究から、人間の直感的な動きに対する認識を新たにしたと言います。(撮影 TEDxスタンフォード)

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
10:47

Japanese subtitles

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