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利益が全てではない

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    資本主義という
    大きなシステム―
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    経済モデルの中で
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    私たちは
    過去も現在も
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    ビジネスを行っています
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    フリードマンは このモデルの根幹を
    簡潔に述べています
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    [企業の社会的責任は利益の最大化]
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    近代経済学の父
    アダム・スミスも
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    何年も前に
    この言葉を残しました
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    「見えざる手」
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    つまり―
    「各個人が
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    自己の利益を
    追求することこそ
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    社会全体の利益となる」
    というのです
  • 0:28 - 0:33
    確かに 資本主義は
    多くの成果をもたらしてきました
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    そのことについては
    私も話してきましたが
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    それと同じくらい
    資本主義は
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    私たちの社会に
    課題を残しています
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    私たちの社会に
    課題を残しています
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    少なくとも私
    そして
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    実業界の多くの方が
    育てられた―
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    この経済モデルが
    目指しているのは
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    私が「3つの成長(3 Growth)」と
    呼ぶものです
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    「安定した成長」
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    四半期ごとの
    着実な成長です
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    「競争力のある成長」
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    他に抜きんでる成長です
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    そして
    「利益を生む成長」
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    株主価値を持続的に
    向上させる成長です
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    株主価値を持続的に
    向上させる成長です
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    でも これだけでは
    十分ではなく
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    この3Gモデルに加え
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    いわゆる―
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    4つ目のGが
    必要です
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    このGは
    「責任ある成長」を指します
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    これこそが
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    価値を創造する上で
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    最も重要になるべきものです
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    経済的価値を
    作るだけでなく
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    社会的価値を
    生み出すのです
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    成功している企業は
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    事実 この4つ目のGを
    取り込んでいます
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    この4Gモデルは
    とてもシンプルです
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    企業は もはや
    社会で起こっていることを
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    ただ傍観するだけでは
    いられないのです
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    企業は 地域社会における
    自らの役割を果たし
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    社会に貢献する必要が
    あるのです
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    社会があるから
    企業が成り立つのですから
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    さらに 「両立(and/and)モデル」に
    移行する必要があります
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    さらに 「両立(and/and)モデル」に
    移行する必要があります
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    どうすれば お金を稼ぐと同時に
    社会に役立てるか?
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    どうすれば
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    立派な事業をすると同時に
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    環境も素晴らしいものに
    できるのか?
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    このモデルは
    すなわち
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    事業で成功すると同時に
    社会に貢献することなのです
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    言うのは易しいが
    行うのは難しいものです
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    では どうすれば
    よいのでしょう?
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    私が信じているのは―
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    この答えは
    リーダーシップにあるということです
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    つまり
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    新しいビジネスモデルを
    再定義します
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    企業は―
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    これらのことが
    できなければ
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    もはや事業をする
    資格がないことにします
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    そのためには
    ビジネスは
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    社会での役割を
    自ら定義する必要があります
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    社会での役割を
    自ら定義する必要があります
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    それも
    より大きな観点からで
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    自らの商品やブランドという
    観点ではなく です
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    企業が
    真に重要な目標―
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    譲れないものを
    持っていれば
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    情勢が良かろうが
    悪かろうが
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    関係ないのです
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    自らが立脚する
    信念があるからです
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    価値や目的を定めることで
    それらを
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    ソフト面での
    推進力として
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    明日の企業を
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    創造していきます
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    これから
    話題を変えて
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    私の経験について
    少しお話ししましょう
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    私は 1976年に
    ユニリーバに入社しました
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    インドの
    管理職トレイニーとしてです
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    初出勤日に
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    私が行くと
    上司はこう言いました
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    「なぜ君がここにいるか
    分かるか?」
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    「石けんを たくさん売るためです」
    と答えると
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    上司はこう続けました
    「違う 人々の生活を変えるためだ」
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    人々の生活を
    変えるため―
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    私は冗談ではないか
    と思いました
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    我々は 石けんやスープを
    販売する企業であって
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    なぜ人々の生活を
    変えないといけないんでしょう?
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    でも そのとき初めて
    理解したのです
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    石けんを売るといった―
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    単純な行為であっても
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    製薬会社よりも
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    多くの命を
    救えることもあると
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    ご存知か
    わかりませんが
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    5百万もの子どもが
    5歳の誕生日を迎えられません
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    石けんによる手洗いで予防可能な
    単純な感染症が原因です
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    石けんによる手洗いで予防可能な
    単純な感染症が原因です
  • 3:57 - 3:58
    私たちは
    世界で最大規模の
  • 3:58 - 3:59
    手洗い推進運動を
    展開しています
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    手洗い推進運動を
    展開しています
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    健康・衛生に関する
    活動も行っており
  • 4:02 - 4:05
    5億人に
    働きかけています
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    石けんを
    売ること以上に
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    より大きな目的が
    あるのです
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    そして
    ブランドこそ
  • 4:11 - 4:13
    社会変革の
    第一線になりうるのです
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    というのは―
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    20億の人が
    ブランドを使うことで
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    メッセージを
    広めることになります
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    小さな行為が
    大きな違いを生むのです
  • 4:22 - 4:23
    別の例を
    見てみましょう
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    私はインドの村々を訪ね歩いていました
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    経験のある方は
    わかるでしょうが
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    散歩みたいに
    たやすくはありません
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    ある女性がいて―
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    私たちの
    小さな販売業者の一つで
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    美しくてとても質素な
    ご自宅なのですが
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    そこにいらした
    彼女は
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    身なりも
    きちんとしていました
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    旦那さんは彼女の後ろにいて
    お義母さんと
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    お義姉さんが
    その後に続きました
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    社会的な地位が
    変わりつつあったのです
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    というのも
    この女性は
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    プロジェクト・シャクティに
    参加していて
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    プロジェクトでは
    女性に
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    事業経営のトレーニングに加え
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    栄養・衛生に関する啓蒙活動の
    トレーニングも行います
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    栄養・衛生に関する啓蒙活動の
    トレーニングも行います
  • 5:06 - 5:08
    今 インドでは
    そのような女性が6万人います
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    今 インドでは
    そのような女性が6万人います
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    石けんを売るため
    ではないのです
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    そうすることによって
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    確実に―
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    人々の生活を
    変えられるんです
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    小さな行動で
    大きく変えられるのです
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    当社の
    研究開発担当も
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    ただ よく汚れが落ちる洗剤を
    作るだけではなく
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    使う水を極力抑える洗剤作りに
    取り組んでいます
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    最近 販売した
    商品で言えば
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    すすぎが1回ですむ
    「ワンリンス」で
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    洗濯をするたび
    節水ができます
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    もし全てのユーザが
    これを使えば
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    5千億リットルもの水を
    節約できます
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    ちなみに それは
    1つの大陸で使われる―
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    1ヶ月分の水に
    相当するほどの量です
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    ですから
    考えてみてください
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    ここに 大きな違いを生む
    小さな活動があるんです
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    例はいくらでも
    ありますよ
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    食品事業でも
    素晴らしい商品―
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    宣伝になってしまい恐縮ですが―
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    クノールやヘルマンは
    とても良い製品です
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    私たちが
    お約束しているのは
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    原材料となる
    農産物すべてで
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    持続可能な調達を
    実現すること―
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    100%の持続可能な調達を
    することです
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    私たちが
    初めて
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    すべてのパーム油を
    持続可能な調達なものに
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    切り替えることを
    宣言しました
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    ご存知か
    わかりませんが
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    パーム油を
    持続可能な調達にしなければ
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    森林破壊を招き
    その影響は 世界の―
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    温暖化ガスの20%に相当するほどと
    言われます
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    私たちは初めて
    それを取り入れました
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    それもすべて 石けんやスープを
    販売しているからです
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    私が言いたいのは
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    皆さんの企業や
    私たちのような企業は
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    社会的責任を取り込み
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    私たちが事業をする
    社会において
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    自らが役割を担うという
    理解を体現した―
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    目的を
    持つべきなのです
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    私たちが
    導入したビジネス戦略は
  • 6:54 - 6:56
    「ユニリーバ・サステナブル・
    リビング・プラン」と言い
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    「持続可能な生活環境の
    普及を目的とし
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    2020年までに
    10億人以上の
  • 7:01 - 7:04
    生活を変えよう」
    としています
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    ここでの課題は
  • 7:06 - 7:07
    これから
    どう進むのかです
  • 7:07 - 7:09
    答えは
    とても簡単です
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    私たちだけで
    世界を変えるのではありません
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    皆さんを含め
    これを理解して下さる―
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    たくさんの方々がいます
  • 7:15 - 7:17
    ですから―
  • 7:17 - 7:19
    パートナーシップや連携が
    必要ですし
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    もっと重要なのは
    リーダーシップです
  • 7:22 - 7:25
    ここから
    皆が期待するような―
  • 7:25 - 7:26
    変革へと
    導いてくれる―
  • 7:26 - 7:27
    リーダーシップです
  • 7:27 - 7:29
    ありがとうございました
  • 7:29 - 7:33
    (拍手)
Title:
利益が全てではない
Speaker:
ハリッシュ・マンワニ
Description:

グローバル企業の最高執行責任者(COO)はバランスシートや収支ばかり見ていて、その遙か先まで考えているとは思わないかもしれません。でも、ユニリーバのCOOであるハリッシュ・マンワニは熱く語ります。最高意思決定者が、価値や目的、持続可能性を含めて事業を考えることは当然であるだけでなく、21世紀において社会的責任を持って事業運営をする唯一の方法であるというのです。

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English
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TEDTalks
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13:58
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