Return to Video

蛸の脳はどうしてそんなにすごいの?— クラウディオ・L・ゲラ

  • 0:07 - 0:11
    タコと私たちとの共通点ってなんでしょう?
  • 0:11 - 0:17
    タコには肺も脊椎もないし
    決まった英語の複数形もないのに
  • 0:17 - 0:20
    でもタコは本当に
    パズルを解いたり
  • 0:20 - 0:22
    観察から学習したりでき
  • 0:22 - 0:24
    道具だって使えるんです
  • 0:24 - 0:26
    身近にいる知性のある
    動物のようにですよ
  • 0:26 - 0:29
    タコの驚くべき頭の良さは
  • 0:29 - 0:32
    生物学的構造から来ていて
  • 0:32 - 0:34
    私たちとは全然違うんです
  • 0:34 - 0:37
    2百種かそこらのタコは
  • 0:37 - 0:41
    軟体動物で頭足類に属しています
  • 0:41 - 0:43
    そのギリシャ語名の意味通りです
  • 0:43 - 0:46
    頭には非常に大きな脳があり
  • 0:46 - 0:50
    他の賢い動物の体と脳の比率に比べると
    タコにはビックリさせられます
  • 0:50 - 0:56
    またその神経系の複雑さは
    犬のそれと変わりません
  • 0:56 - 0:58
    タコの5億もの神経細胞は
    脳に集中せず
  • 0:58 - 1:04
    3つの基本的構造内に体系化された
    連結する神経節のネットワーク中に
  • 1:04 - 1:08
    広がっています
  • 1:08 - 1:12
    中央脳にある神経細胞は
    全体の約10%だけで
  • 1:12 - 1:17
    2つの大きな視葉に
    約30%あり
  • 1:17 - 1:19
    残りの60%は触手にあります
  • 1:19 - 1:24
    触手は固有意思を持っている手
    だと思っても良いでしょう
  • 1:24 - 1:27
    ここからが面白いんです
  • 1:27 - 1:31
    身体を支える為の融通の利かない
    骨格を持つヒトの様な脊椎動物は
  • 1:31 - 1:33
    関節で動けるように
    出来てはいますが
  • 1:33 - 1:35
    どんな動きでも
    出来る訳ではありません
  • 1:35 - 1:37
    膝を後ろには曲げられませんし
  • 1:37 - 1:40
    前腕を真ん中で曲げられないというのに
  • 1:40 - 1:44
    頭足動物は骨が全くないので
  • 1:44 - 1:48
    触手のどの部分も
    好きなように曲げられるのです
  • 1:48 - 1:50
    ですから 触手を
  • 1:50 - 1:54
    どんな形にでもすることができ
  • 1:54 - 1:57
    人間世界の何にも例えられません
  • 1:57 - 2:01
    例えば リンゴを掴んで食べる
    単純作業を考えてみて下さい
  • 2:01 - 2:04
    ヒトの脳内には神経の
    身体地図があります
  • 2:04 - 2:05
    リンゴを見たとき
  • 2:05 - 2:09
    脳の運動中枢が
    適切な筋肉の活動開始の信号を送り
  • 2:09 - 2:11
    腕を伸ばさせ
  • 2:11 - 2:13
    手で掴み
  • 2:13 - 2:14
    肘を曲げ
  • 2:14 - 2:16
    口に持っていきます
  • 2:16 - 2:19
    タコの場合は
    その過程が全く異なり
  • 2:19 - 2:20
    身体地図というよりも
  • 2:20 - 2:24
    頭足類の脳に行動が記録されていて
  • 2:24 - 2:26
    タコが餌を見ると
  • 2:26 - 2:29
    脳は身体の特定部位を
    活動させるのではなく
  • 2:29 - 2:32
    掴むという習性的な
    行動反応をさせます
  • 2:32 - 2:35
    その信号が神経回路を駆け巡り
  • 2:35 - 2:37
    触手の神経細胞がその信号を受け取り
  • 2:37 - 2:40
    直ちに行動に移るように
    と指示します
  • 2:40 - 2:42
    触手が餌に届くやいなや
  • 2:42 - 2:47
    筋肉活動の波が触手を走り
    触手の付け根まで行き
  • 2:47 - 2:51
    新たにその付け根から別の波が
    触手の先までに送られます
  • 2:51 - 2:54
    こうして信号は餌と
    触手の付け根の中間点で出会い
  • 2:54 - 2:57
    そこで曲げる事がタコに分かるのです
  • 2:57 - 3:02
    これはタコの8本の触手1本1本が
  • 3:02 - 3:04
    夫々 意思を持っている
    と言っても良いでしょう
  • 3:04 - 3:07
    この為 タコは状況に応じ
  • 3:07 - 3:10
    素晴らしく柔軟で創造的な
    問題対処ができます
  • 3:10 - 3:12
    例えば瓶の蓋を開け餌を取ったり
  • 3:12 - 3:13
    迷い道から抜け出したり
  • 3:13 - 3:15
    新しい環境を探索したり
  • 3:15 - 3:20
    自分の皮膚の質感や色を変え
    環境に溶け込んだり
  • 3:20 - 3:24
    又は他の怖い生物の真似をして
    天敵を追い払ったりします
  • 3:24 - 3:26
    頭足類は脊椎動物よりもずっと前に
  • 3:26 - 3:29
    複雑な脳に進化したのかも知れません
  • 3:29 - 3:33
    この知能はタコだけの為に
    役に立っているのではありません
  • 3:33 - 3:38
    他に例を見ないタコの
    神経系と自立思考する触手は
  • 3:38 - 3:40
    新しい研究 —
  • 3:40 - 3:44
    柔軟な動きをする柔らかな材料を使った
    ロボットの開発に着想を与えています
  • 3:44 - 3:49
    この様な分岐進化に伴う
    知能発達の研究は
  • 3:49 - 3:54
    知能と意識を総合的に
    理解する助けとなります
  • 3:54 - 3:57
    ひょっとしたら
    他にも知的生命体がいて
  • 3:57 - 4:01
    どんな生活をしているのか
    誰も知らないだけかも知れませんね
Title:
蛸の脳はどうしてそんなにすごいの?— クラウディオ・L・ゲラ
Speaker:
Cláudio Guerra
Description:

蛸は、私たち人間のようにパズルを解き、観察から学習し、道具を使う知能があります。でも、蛸の知能に驚嘆させられるのは、その知性が、人間とは全く異なる生物学的構造から来ている事です。クラウディオ・L・ゲラが、蛸の驚くべき脳を説明します。
講師:クラウディオ・L・ゲラ
アニメーション:Cinematic
*このビデオの教材:http://ed.ted.com/lessons/why-the-octopus-brain-is-so-extraordinary-claudio-l-guerra

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
04:17

Japanese subtitles

Revisions