自動化で人間の仕事はなくなるのか?
-
0:01 - 0:03ひとつ驚くべき事実があります
-
0:03 - 0:0645年前に ATM —
-
0:06 - 0:10あの現金の自販機が
導入されて以来 -
0:10 - 0:13アメリカで雇用されている
銀行窓口係の数は -
0:13 - 0:14おおよそ2倍に
-
0:14 - 0:1725万人から50万人に
増えていて -
0:18 - 0:211970年に25万人だったのが
今では50万人 -
0:21 - 0:252000年以降だけでも
10万人増えているんです -
0:25 - 0:28ボストン大学の経済学者
ジェームズ・ベッセンが -
0:28 - 0:30最近出した本で
明らかにされたこの事実は -
0:30 - 0:33興味深い疑問を提起します
-
0:33 - 0:35その人たちは
いったい何をやっているのか? -
0:35 - 0:39なぜ自動化によって
そういった仕事がなくならないのか? -
0:39 - 0:40考えてみれば
-
0:40 - 0:43過去200年における
偉大な発明の多くは -
0:43 - 0:46人間の労働を
置き換えるためのものでした -
0:47 - 0:48トラクターは人間の肉体労働を
-
0:49 - 0:53機械の力で置き換えるものとして
作られました -
0:53 - 0:54組み立てラインは
-
0:54 - 0:57ムラのある人間の手作業を
-
0:57 - 1:01機械の正確さで
置き換えるため考案されました -
1:01 - 1:02コンピューターは
-
1:02 - 1:04間違いの多い手計算を
-
1:04 - 1:08デジタルの完璧さで置き換えるべく
生み出されました -
1:09 - 1:11これらの発明は大成功でした
-
1:11 - 1:13私たちはもはや
手で溝を掘ることも -
1:13 - 1:15鍛鉄から道具を
打ち出すことも -
1:15 - 1:18紙の帳面で簿記をすることも
なくなりました -
1:18 - 1:23それでも労働市場で雇用されている
アメリカ成人の割合は -
1:23 - 1:252016年の今
-
1:25 - 1:29125年前の1890年よりも
高くなっており -
1:29 - 1:31その間10年ごとに
-
1:31 - 1:34ほぼ上がり続けているのです
-
1:34 - 1:37これはパラドックスを提起します
-
1:37 - 1:40機械がますます人間に代わって
仕事をしている中で -
1:40 - 1:44なぜ人間の労働が余計になったり
人間のスキルが廃れたりしないのか? -
1:44 - 1:48どうしてまだ
こんなに仕事があるのか? -
1:48 - 1:49(笑)
-
1:49 - 1:52今宵はどうにかこの疑問に
答えようと思います -
1:52 - 1:56その過程で それが仕事の未来に
対して持つ意味合い -
1:56 - 1:59また自動化が我々の社会に
提起する問題 -
1:59 - 2:02しない問題について
話したいと思います -
2:02 - 2:05なぜこんなに沢山の
仕事があるのか? -
2:06 - 2:09これには2つの基本的な
経済学原理が関わっています -
2:09 - 2:111つは人間の才覚や
-
2:11 - 2:13創造性に関するもので
-
2:13 - 2:16もう1つは人間の
飽くことを知らない -
2:16 - 2:18どん欲さに関わるものです
-
2:18 - 2:201番目のものを
「Oリングの原理」と呼びましょう -
2:20 - 2:23これは人間がする仕事の種類を
決めるものです -
2:23 - 2:252番目の原理は
「足ることなしの原理」です -
2:25 - 2:29これはどれだけ多くの仕事があるかを
決めるものです -
2:29 - 2:32Oリングの話から始めましょう
-
2:32 - 2:34ATM (現金自動預け払い機)には
-
2:34 - 2:38銀行窓口係の雇用に対し
相殺する2つの効果がありました -
2:38 - 2:41ご想像の通り それは多くの窓口係の作業を
代替することになり -
2:41 - 2:44支店あたりの窓口係の数は
3分の1減少しました -
2:44 - 2:48しかしまた 銀行は新たに支店を開くコストが
安くなったことに気付き -
2:48 - 2:51同じ時期に
銀行の支店数は -
2:51 - 2:5340%増加しました
-
2:53 - 2:57総数としては支店数とともに
窓口係の数も増えたのです -
2:57 - 3:01しかし窓口係の仕事内容も
少し変わりました -
3:01 - 3:05日常の業務として
現金受渡の作業は減って -
3:05 - 3:06出納係よりは
-
3:06 - 3:09セールスマンのような
仕事になりました -
3:09 - 3:11顧客との関係を築き
-
3:11 - 3:12問題を解決し
-
3:12 - 3:16クレジットカードや ローンや 投資といった
新しい商品を紹介するようになったのです -
3:16 - 3:21窓口係の仕事は
より頭脳が要求されるものになりました -
3:21 - 3:23ここにはある一般原理が
働いています -
3:23 - 3:25我々のする仕事の多くは
-
3:25 - 3:28多様なスキルを必要とします
-
3:30 - 3:32頭脳と筋力—
-
3:32 - 3:36専門技術と経験の勘
-
3:36 - 3:39エジソンの言うところの
努力とひらめき -
3:39 - 3:43通常そういった仕事の一部分を
自動化することで -
3:43 - 3:45他の部分は不要になりません
-
3:45 - 3:48むしろ その部分が
より重要になります -
3:49 - 3:51経済的価値が高くなるのです
-
3:51 - 3:53際だった例をお話ししましょう
-
3:53 - 3:571986年 スペースシャトル・
チャレンジャー号が -
3:57 - 3:59発射から2分もせずに爆発し
-
3:59 - 4:02破片となって地上に落下しました
-
4:02 - 4:04調査の結果分かったのは
-
4:04 - 4:08爆発の原因は補助ロケットの
安価なゴム製Oリングにあり -
4:08 - 4:11前の夜に発射台で凍り付いて
-
4:11 - 4:15発射直後に破滅的な故障を
来したということです -
4:15 - 4:17この数十億ドル規模の事業において
-
4:17 - 4:19単なるゴム製Oリングが
-
4:19 - 4:23計画の成功と
7人の宇宙飛行士の悲惨な死とを -
4:23 - 4:25分けることになったのです
-
4:26 - 4:28「Oリング生産関数」は
-
4:28 - 4:31この悲劇的な状況の
巧妙なメタファーとして -
4:31 - 4:34ハーバードの経済学者
マイケル・クリーマーが -
4:34 - 4:36チャレンジャー号事故の後に
名付けたものです -
4:36 - 4:38Oリング生産関数は
-
4:38 - 4:40仕事を 連動する
一連のステップ -
4:40 - 4:42鎖の輪として
捉えるものです -
4:42 - 4:46計画の成功のためには
すべての鎖の輪が機能する必要があります -
4:46 - 4:48どれか1つでも壊れると
-
4:48 - 4:51計画・製品・サービスの全体が
-
4:51 - 4:53墜落することになります
-
4:54 - 4:58この危うい状況には
驚くほどポジティブな意味合いがあります -
4:58 - 5:02鎖の輪1つの信頼性を
改善することは -
5:02 - 5:05他の鎖の輪を
改善することの価値を -
5:05 - 5:07高めるということです
-
5:07 - 5:12もしほとんどの鎖の輪が
脆く壊れやすいとしたら -
5:12 - 5:15自分の鎖の輪の
信頼性が高いかは -
5:15 - 5:16さして重要ではありません
-
5:16 - 5:18どのみち どこかが
壊れるでしょうから -
5:18 - 5:22しかし他の鎖の輪がみんな
堅牢で高い信頼性があるとしたら -
5:22 - 5:26自分の鎖の輪の重要性は
より本質的なものになります -
5:26 - 5:28究極的にはすべてが
そこにかかることになります -
5:28 - 5:32Oリングがチャレンジャー号にとって
要となったのは -
5:32 - 5:35他のすべてが完璧に
機能していたからです -
5:35 - 5:38もしチャレンジャー号が
宇宙時代における -
5:38 - 5:41Windows 2000のような
代物だったとしたら — -
5:41 - 5:43(笑)
-
5:43 - 5:45Oリングの信頼性など
問題にならなかったでしょう -
5:45 - 5:47どうせクラッシュするんだから
-
5:47 - 5:49(笑)
-
5:50 - 5:52より一般的な話として
言えるのは -
5:52 - 5:55我々のする仕事の大部分では
人間がOリングだということです -
5:55 - 5:59ATMは確かに
現金受け払いの仕事を -
5:59 - 6:02窓口係より速く
うまくこなしましたが -
6:02 - 6:05それで窓口係が不要になる
ことはありませんでした -
6:05 - 6:07むしろ窓口係の
問題解決力や -
6:07 - 6:10顧客との関係が
重要性を増したのです -
6:10 - 6:13同じ原理が
建物の建設や -
6:13 - 6:16患者の診察や手当
-
6:16 - 6:19教室一杯の高校生への
授業などにも -
6:19 - 6:22当てはまります
-
6:22 - 6:24道具が進歩し
-
6:24 - 6:26テクノロジーが
梃子として働くことで -
6:26 - 6:30人間の専門技術や
判断力や創造性が -
6:30 - 6:32より重要になるのです
-
6:33 - 6:36それが第2の原理に繋がります
-
6:36 - 6:38「足ることなしの原理」です
-
6:38 - 6:41こうお思いかもしれません
「Oリングは分かった -
6:41 - 6:43人間の仕事が重要になる
-
6:43 - 6:46機械にはできないが
必要な仕事があるんだと -
6:46 - 6:50しかしそれは必要になる仕事の量については
何も言っていない」 -
6:50 - 6:52何かについて
生産性が十二分に高くなったら -
6:52 - 6:54その仕事から
人々が抜けていくのは -
6:54 - 6:56自明のことでは
ないでしょうか? -
6:56 - 6:581900年には
-
6:58 - 7:01アメリカの雇用の40%は
農業でした -
7:01 - 7:03今日では 2%未満です
-
7:03 - 7:05なぜ農業従事者が
そんなに減ったんでしょう? -
7:05 - 7:08みんなの食べる量が
減ったからではありません -
7:08 - 7:10(笑)
-
7:10 - 7:131世紀に渡る
農業生産性の向上により -
7:13 - 7:14今や2百万の農家が
-
7:14 - 7:183億2千万の国民を
食べさせられるようになったのです -
7:18 - 7:19驚くほどの進歩ですが
-
7:19 - 7:24これは農家に多くのOリング的な仕事が
残されたことも意味します -
7:24 - 7:27だから確かにテクノロジーは
雇用を減らします -
7:27 - 7:28農業はその一例に過ぎません
-
7:28 - 7:31そういう例は他にも沢山あります
-
7:31 - 7:35しかし1個の製品・サービス・
産業に当てはまることが -
7:35 - 7:38経済全体にも当てはまる
わけではありません -
7:38 - 7:41現在人々の働く産業の多く
-
7:41 - 7:43医療や健康
-
7:43 - 7:45金融や保険
-
7:45 - 7:47電子やITといったものは
-
7:48 - 7:50100年前には存在しなかったか
ごく小さなものでした -
7:50 - 7:53私たちが多くのお金を
使っている製品 -
7:53 - 7:55エアコン SUV
-
7:55 - 7:57コンピューター
携帯機器といったものは -
7:57 - 7:59100年前には
とんでもなく高価か -
7:59 - 8:02あるいは発明されても
いませんでした -
8:02 - 8:07自動化により使える時間が増え
可能なことの範囲が広がり -
8:07 - 8:10新しい製品・アイデア・
サービスが生み出され -
8:10 - 8:12それが私たちの関心を引き
-
8:12 - 8:13時間を占有し
-
8:13 - 8:15消費を促すようになりました
-
8:16 - 8:19くだらないものが多いと
思うかもしれません -
8:19 - 8:22究極的なヨガ 冒険ツアー
-
8:22 - 8:23ポケモンGO・・・
-
8:23 - 8:25それは認めます
-
8:25 - 8:28でも人々はそういったものを欲しがり
そのために熱心に働きます -
8:28 - 8:312015年の平均的な労働者が
-
8:31 - 8:351915年当時の平均的な
生活水準を得るためには -
8:35 - 8:371年の3分の1
-
8:37 - 8:4017週 働くだけでよいのです
-
8:40 - 8:42しかし多くの人は
そうはしません -
8:42 - 8:46技術の賜を
手にするために -
8:46 - 8:48熱心に働くのです
-
8:48 - 8:53物質的豊かさで
心理的な不足感が消えることはありません -
8:53 - 8:55経済学者ソースティン・ヴェブレンが
言うように -
8:55 - 8:58「発明は必要の母」なのです
-
9:00 - 9:01さて
-
9:01 - 9:03この2つの原理
「Oリングの原理」と -
9:03 - 9:06「足ることなしの原理」を
認めてもらえるなら -
9:06 - 9:08仕事がなくならないのも
-
9:08 - 9:09うなずけるでしょう
-
9:09 - 9:12では心配することなど
何もないのでしょうか? -
9:12 - 9:15自動化 雇用 ロボット 仕事・・・
-
9:15 - 9:17すべては自ずと
うまくいくのでしょうか? -
9:17 - 9:18いいえ
-
9:18 - 9:20それはまた別の話です
-
9:20 - 9:24自動化は より少ない時間で
多くの仕事ができるようにすることで -
9:24 - 9:26富を生み出します
-
9:26 - 9:27しかし その富を
-
9:27 - 9:30人間がうまく使うと保証する
経済法則はありません -
9:30 - 9:32それは懸念すべき点です
-
9:33 - 9:342つの国
-
9:34 - 9:37ノルウェーとサウジアラビアを
考えてみましょう -
9:37 - 9:39どちらも石油のおかげで
豊かな国です -
9:39 - 9:42地面の穴から お金が
吹き出しているようなものです -
9:42 - 9:44(笑)
-
9:44 - 9:46しかし両者が国民の繁栄のために
-
9:46 - 9:50その富を同じように使っている
わけではありません -
9:50 - 9:53ノルウェーは民主主義が
うまくいっている国です -
9:53 - 9:57概ね国民は互いに
うまくやっており -
9:57 - 9:59国民幸福度ランキングでは
-
9:59 - 10:03大概1位から4位の間にいます
-
10:03 - 10:05サウジは絶対君主国で
-
10:05 - 10:09多くの国民に栄達の道が
開かれてはいません -
10:09 - 10:12国民幸福度ランキングは
35位あたりで -
10:12 - 10:15あのように豊かな国にしては
低い順位です -
10:15 - 10:16比較として
-
10:16 - 10:19アメリカがいるのは
12位か13位あたりです -
10:19 - 10:21ノルウェーとサウジの違いは
-
10:21 - 10:23豊かさでも
-
10:23 - 10:24テクノロジーでもなく
-
10:24 - 10:26社会制度です
-
10:27 - 10:29ノルウェーは 機会が開かれていて
-
10:29 - 10:33経済的移動性のある社会を
作るために投資してきました -
10:33 - 10:36サウジでは
生活水準は上がりましたが -
10:36 - 10:39多くの国民は
不満を持っています -
10:39 - 10:412つの国は
どちらも豊かですが -
10:41 - 10:44同じようにうまくやっている
わけではありません -
10:44 - 10:48これは我々が
今日直面する問題 -
10:48 - 10:50自動化がもたらす問題を
思わせます -
10:50 - 10:52問題は仕事が
なくなることではありません -
10:52 - 10:55アメリカではグレート・リセッションの
最悪の時期から -
10:55 - 10:57雇用が1400万増えています
-
10:57 - 11:00問題は 多くの職は
-
11:00 - 11:01良い仕事でなく
-
11:01 - 11:02多くの人には
-
11:02 - 11:06新たに生まれる良い仕事に就ける
スキルがないということです -
11:06 - 11:09アメリカや その他の多くの
先進国における雇用の成長は -
11:09 - 11:12両端の重みが増していく
-
11:12 - 11:14バーベルのようです
-
11:14 - 11:15一方には
-
11:15 - 11:18高学歴・高収入の仕事
-
11:18 - 11:21医師 看護師 プログラマー
エンジニア -
11:21 - 11:24マーケティングやセールスの
幹部社員といった仕事があります -
11:24 - 11:27雇用は堅調で成長しています
-
11:27 - 11:32同様に 低スキル・低学歴の仕事もまた
雇用が増えています -
11:32 - 11:34食品サービス
-
11:34 - 11:36清掃 警備
-
11:36 - 11:38介護などです
-
11:38 - 11:41他方で 中学歴・中収入な
-
11:41 - 11:45中流の仕事が
縮小しています -
11:45 - 11:49工員や職人といった
労働者や -
11:49 - 11:52事務やセールスといった
事務職です -
11:52 - 11:54この中間部の縮小は
-
11:54 - 11:56不思議なことではありません
-
11:56 - 11:58そういった中間的スキルの
仕事の多くは -
11:58 - 12:01よく分かっている
ルールや手順に従っており -
12:01 - 12:03それがソフトウェア化されて
-
12:03 - 12:06コンピューターで実行されるように
なっているからです -
12:06 - 12:09この現象が作り出すのは
-
12:09 - 12:12経済学者が「雇用の二極化」
と呼ぶ問題で -
12:12 - 12:15経済の梯子の段が
取りのけられ -
12:15 - 12:17中間層が縮小し
-
12:17 - 12:20社会の階層化が
進むということです -
12:20 - 12:23高収入・高学歴の
知的職業に就く人が -
12:23 - 12:25興味深い仕事をする一方で
-
12:25 - 12:28多数の人は低収入の仕事をし
-
12:28 - 12:34その主な責務は 裕福な層が快適で
健康的であるように世話をすることなのです -
12:34 - 12:37これは私の考える
進歩の姿ではありません -
12:37 - 12:39皆さんもそうでしょう
-
12:39 - 12:41しかし心強い話もあります
-
12:41 - 12:46私たちは過去に同じように大きな
経済的転換に直面しており -
12:46 - 12:49それをうまく
切り抜けてきたのです -
12:49 - 12:541800年代末から
1900年代初めにかけて -
12:54 - 12:59自動化によって農業の仕事が
大幅に減りました -
12:59 - 13:01トラクターを思い出してください
-
13:01 - 13:04農業州では大規模な失業の危機に
直面しました -
13:04 - 13:071世代の若者達が
農場で必要とされなくなり -
13:07 - 13:10工業に従事できる
準備もできていません -
13:10 - 13:12この問題に対して
-
13:12 - 13:13彼らは大胆な施策を取り
-
13:13 - 13:16若い世代全体に
-
13:16 - 13:1816歳まで学校に残り
-
13:18 - 13:21教育を受けるよう
求めたのです -
13:22 - 13:24これはハイスクール運動と呼ばれ
-
13:24 - 13:26極めて高く付くことでした
-
13:26 - 13:29学校への投資が
必要なだけでなく -
13:29 - 13:31その若者達が
働けなくなるからです -
13:31 - 13:34これはアメリカが20世紀にした
-
13:34 - 13:37最良の投資であったことが
分かりました -
13:37 - 13:40世界でも最もスキルの高い
柔軟で生産的な労働力を -
13:40 - 13:42手にすることになったからです
-
13:42 - 13:45これがいかにうまくいったか
理解するには -
13:45 - 13:491899年の労働者を現代に
連れてきたところを想像するといいです -
13:49 - 13:52いかに頑丈な体を持ち
良い性格をしていたとしても -
13:52 - 13:56その多くは基本的な読み書きや
数理的なスキルを欠いていて -
13:56 - 13:58最も単純な仕事以外はできず
-
13:58 - 14:01大部分が雇用不適格でしょう
-
14:02 - 14:05この例が示しているのは
我々の制度 -
14:05 - 14:07特に学校の優位性であり
-
14:07 - 14:10それが技術的繁栄の実りを
-
14:10 - 14:12収穫できるように
してくれたのです -
14:12 - 14:15何も心配することはない
などと言うのは馬鹿げています -
14:15 - 14:18我々がやり方を間違うことは
十分あり得ます -
14:18 - 14:21もしアメリカが
1世紀前のハイスクール運動で -
14:21 - 14:23学校やスキルに
投資していなければ -
14:23 - 14:25これほど繁栄はしておらず
-
14:25 - 14:28経済移動性も低く
ずっと不幸な社会になっていたでしょう -
14:28 - 14:31しかし我々の運命は閉ざされている
と言うのも愚かなことです -
14:31 - 14:33運命を決めるのは
機械ではなく -
14:33 - 14:35マーケットでさえありません
-
14:35 - 14:38運命を決めるのは 我々自身と
我々の制度なのです -
14:38 - 14:41私はパラドックスから
話を始めました -
14:41 - 14:44機械がますます人間の仕事を
するようになっているのに -
14:44 - 14:46どうして人間の労働やスキルが
-
14:46 - 14:47余分なものにならないのか?
-
14:47 - 14:49経済的・社会的な地獄への道は
-
14:49 - 14:54我々自身の偉大な発明によって敷かれているのは
自明なことではないのか? -
14:54 - 14:58歴史はこのパラドックスに
繰り返し答えてきました -
14:58 - 15:02答えの1つは
テクノロジーが梃子として働き -
15:02 - 15:05人間の専門知識 判断力 創造性の
-
15:05 - 15:08付加価値や重要性を
高めるということ -
15:08 - 15:10Oリングです
-
15:10 - 15:13もう1つの答えは
人間の尽きることのない創意と -
15:13 - 15:14果てなき欲求のため
-
15:14 - 15:16決して満ち足りることが
ないということ -
15:16 - 15:19常に新たな仕事があるのです
-
15:20 - 15:23技術が変化する速さへの対応は
-
15:23 - 15:25難しい問題を生み出し
-
15:25 - 15:27そのことは
労働市場の二極化や -
15:27 - 15:31それが経済的移動性を脅かす様に
見て取れます -
15:31 - 15:34この困難を越えることは
自動的に出来ることでも -
15:34 - 15:36コストなしに
できることでもなく -
15:36 - 15:37容易ではありませんが
-
15:37 - 15:39可能なことです
-
15:39 - 15:41そして明るい話もあります
-
15:41 - 15:43驚くべき生産性のお陰で
-
15:43 - 15:44我々は豊かです
-
15:44 - 15:48アメリカが100年前に
ハイスクール運動でしたように -
15:48 - 15:51我々自身や子供達に投資することは
もちろん可能です -
15:51 - 15:54むしろ しないことは
許されないでしょう -
15:54 - 15:56こう思っているかもしれません
-
15:56 - 15:59オートー先生は
明るい話を -
15:59 - 16:01遠い昔や 少し前や
-
16:01 - 16:03現在については
しているかもしれないけど -
16:03 - 16:05未来のことは
言っていない -
16:05 - 16:09今回が違うことは
みんな知っているから -
16:09 - 16:12今回は違うんですよね?
-
16:12 - 16:14もちろん今回は違います
-
16:14 - 16:16毎回違っているのです
-
16:16 - 16:19過去200年間に
数え切れないくらい -
16:19 - 16:22学者や活動家達が
警告してきました -
16:22 - 16:26仕事がなくなり
我々は用済みになると -
16:26 - 16:30たとえばラッダイトが
1800年代初めに -
16:30 - 16:33米国労働長官ジェームス・デイヴィスが
-
16:33 - 16:361920年代半ばに
-
16:36 - 16:41ノーベル賞経済学者ワシリー・レオンチェフが
1982年に言っています -
16:41 - 16:44そしてもちろん
現在の多くの学者 -
16:44 - 16:46評論家 科学技術者
-
16:46 - 16:49マスメディアの人々が
言っています -
16:50 - 16:53そのような予言は
私には傲慢に思えます -
16:54 - 16:57そういった自称予言者達は
実質的にこう言っているのです -
16:57 - 17:00「人々が将来どんな仕事をするのか
私に考え付かないなら -
17:00 - 17:03世の人々にも 子孫達にも
-
17:03 - 17:05考え付かないだろう」
-
17:06 - 17:09人類の創意に対して
そのような賭けをする肝っ玉は -
17:09 - 17:11私にはありません
-
17:11 - 17:14何百年先に人々が
どんな仕事をしているか -
17:14 - 17:16私には分かりません
-
17:16 - 17:19しかし未来は私の想像力に
かかっているわけではありません -
17:19 - 17:23私が1900年の
アイオワ州の農民で -
17:23 - 17:2721世紀から経済学者が
私の畑にテレポートしてきて言ったとします -
17:27 - 17:29「ねえ お百姓のオートーさん
-
17:30 - 17:32この先100年の
-
17:32 - 17:34生産性向上によって
-
17:34 - 17:36農業雇用は40%から
-
17:36 - 17:392%に減るんだよ
-
17:39 - 17:43他の38%の人たちは
何を仕事にしていると思うね?」 -
17:43 - 17:46私はたぶん
こうは言わないでしょう -
17:46 - 17:49「ああ そりゃアプリ開発とか
放射線医療とか -
17:49 - 17:52ヨガのインストラクターとか
絵文字デザインとかかな」 -
17:52 - 17:54(笑)
-
17:54 - 17:56私には見当が付かないでしょう
-
17:56 - 17:58しかし こう言える知恵が
あればと思います -
17:58 - 18:02「すごいね 農業人口が95%減って
-
18:02 - 18:05食糧不足にならないなんて
-
18:05 - 18:07すごい進歩だ
-
18:07 - 18:09その繁栄によって
-
18:09 - 18:13人類が何かすごいことを
やってくれることを望むよ」 -
18:13 - 18:17そして概ねそうなっていると
私は思います -
18:18 - 18:19ありがとうございました
-
18:19 - 18:24(拍手)
- Title:
- 自動化で人間の仕事はなくなるのか?
- Speaker:
- デイヴィッド・オートー
- Description:
-
これはあまり耳にすることのないパラドックスですが、1世紀に渡り人間に代わって仕事をする機械が作られてきたにもかかわらず、アメリカで仕事に就く成人人口の割合は過去125年の間増え続けているのです。どうして人間の労働が余計になったり、人間のスキルが廃れたりしないのでしょう? 仕事の未来に関するこの講演で、経済学者のデイヴィッド・オートーが、なぜ未だこんなにも多くの仕事があるのかを問い、驚きと希望に満ちた答えを出します。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 18:37
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for Why are there still so many jobs? | ||
Yasushi Aoki approved Japanese subtitles for Why are there still so many jobs? | ||
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for Why are there still so many jobs? | ||
Masako Kigami accepted Japanese subtitles for Why are there still so many jobs? | ||
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for Why are there still so many jobs? | ||
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for Why are there still so many jobs? | ||
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for Why are there still so many jobs? | ||
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for Why are there still so many jobs? |