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遊び!実験!発見!

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    17世紀の話をしようと思います
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    不愉快に思う人がいないといいけど
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    PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法の発明後
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    僕は別のことがしたくなって
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    ラホヤに引っ越し サーフィンを始めて
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    それから長いことビーチで暮らしました
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    波待ちのサーファーが
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    何をしてるか
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    ビーチにいたことがない人は
    不思議に思うかも知れません
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    次の波が来るまで 時には
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    10分から15分も待つことがあります
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    たいてい17世紀について語り合っています
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    世間からは見下され
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    無教養な奴等と思われてるけど
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    ある日 誰かが本を薦めてくれました
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    それは
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    それは 『空気ポンプ』だか
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    『リヴァイアサンと空気ポンプ』とかいう
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    17世紀に関するとても奇妙な本で
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    それで気付いたんだけど
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    僕の物の考え方は
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    ただひとつの自然な思考方法だったんです
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    僕は生まれつきそういう思考回路を持っていて
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    子供の頃から科学者だったんです
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    何かを知りたい時には
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    科学的手法を用いていました
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    科学をどのように行うべきか
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    最初に学んだ時も 全く驚きませんでした
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    すでに遊びとかで使っていたからです
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    でも この科学的思考方法が
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    ほんの350年前に
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    発明されたものとは
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    思いもよりませんでした
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    それは
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    イギリス、ドイツ、イタリアなど各地で
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    ほぼ同時に起こりました
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    この話は
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    とても面白いので
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    この話と
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    あとは 科学者が何をするのかについて
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    少し話そうと思います
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    まず チャールズ一世が
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    17世紀初頭あたりで斬首され
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    英国はクロムウェルやらの
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    共和党員に任されます
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    アメリカの共和党員とは別物で
    (笑)
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    彼らは政体を変えましたが
    うまくいきませんでした
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    そして
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    結局 君主制に戻し
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    息子のチャールズ二世に戴冠させます
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    彼はとても神経質でした
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    英国君主であったという理由で
    父親が首を切られてますし
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    彼はパブとかで交わされる
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    会話の内容にも
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    神経をとがらせました
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    ちょっと
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    信じがたい話ですが
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    17世紀の英国では
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    人々はパブで
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    哲学などを語っていたのです
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    テレビもなければ
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    フットボールの試合もありませんでした
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    彼らはとても怒りっぽくなり
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    突然店から道路にあふれ出し
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    例えば ロバート・ボイルが真空ポンプという
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    装置を発明したのは良いのか
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    といった問題で喧嘩を始める
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    さて ボイルはチャールズ二世の友人で
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    週末はキリスト教徒でしたが
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    平日は科学者でした
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    (笑)
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    それは当時
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    なんというか
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    彼が作ったのは小さい
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    自転車の空気入れとは逆に
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    空気を吸い出す装置なんですが
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    ベル・ジャーをご存知ですか?
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    釣鐘型のガラス製で 置くと密閉され
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    中を見ることができるもので
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    内部で起こることが観察できます
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    彼はその中から空気をすべて吸い出して
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    内部で起こることを観察しようとしました
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    確か 彼の初期の実験では
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    鳥を入れました
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    17世紀の人々は
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    空気が様々な分子から構成されているとか
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    ヒトが空気を呼吸する理由だとか
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    現代人のようには
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    理解していませんでした
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    魚は水のことをあまり意識せず
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    人間は空気についてあまり意識しません
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    しかしどちらもその中で暮らしています
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    まずは 鳥を入れ 空気を抜くと
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    鳥が死にました 彼は「ふむ」 と言い
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    自分のしたことを
    「真空を作った」と表現しました
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    今は真空ポンプですが
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    当時はそう呼ばれませんでした
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    そしてすぐに
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    真空を作ることはできないと言う
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    地元の聖職者とトラブルになりました
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    やれやれ
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    (笑)
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    アリストテレス曰く「自然は真空を嫌う」
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    これは多分翻訳ミスと思いますが
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    人々はこのような権威を信じていたのです
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    ボイルにしてみれば
    そんなの知ったことか
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    私は何度も真空を作ったぞ てなもんです
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    なんだか知らないけれど あの鳥を殺すもの
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    私はそれを真空と呼ぶぞ と
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    そして信心深い人々は
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    もし神の思し召しならば
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    神は遍在すると言うのは
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    教義のひとつですが
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    真空には何も存在しません
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    だから神もその中には存在し得ない
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    教会はこうした理由で
    真空は作れないと言ったのです
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    ボイルに言わせれば
    知ったことか です
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    不敬(Godless)とでも何とでも
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    呼びたいように呼べばいい
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    私には関係ないし興味もない
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    宗教関係は週末だけ
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    私は容器からすべてを吸い出したら
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    どうなるのか知りたいのだ
    といった感じでしょう
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    そして彼は様々な小実験を行いました
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    例えばくるくる回るように
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    ゆるく取り付けられた輪
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    小さな扇風機の羽根のような
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    その向かいにもうひとつ同じものを
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    取り付けて
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    私だったらゴムひもと
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    ブリキのおもちゃみたいな羽根車を使うかな
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    設計図を見たことがあるので
    彼がどうやったかは正確に分かります
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    二つの風車のうち1つは真空にした後も
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    外から回すことができます
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    そして彼は
    全ての空気を吸い出して真空にした後は
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    片方の風車を回しても
    対面の風車が回らなくなることを発見したのです
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    何かがなくなったのです
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    こんなことをわざわざ実験で
    証明して見せる必要があったとは
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    奇妙なことですが 当時はこんな感じだったのです
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    パブやカフェなどで
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    それに関する大論争もあったわけです
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    チャールズは
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    そのことを恐れ始めました
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    チャールズ二世の提案で
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    そういうことをやっても
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    王に対する怒りを
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    人々が再燃させることのないような場所を作って
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    そこでだけで行ったらどうだろうかと
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    彼の父親が困った事態に陥ったのも
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    宗教とか科学とかを
    世間が話し始めたせいでしたから
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    それで
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    チャールズは 「君らにお金を出して
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    建物を用意してあげる
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    その建物の中で会合をすればいい
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    でもそこでは宗教の話はいけません」と
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    ボイルには異議も無く
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    彼は承諾すると会合を始めました
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    科学を志す人は誰でも
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    この時代はアイザック·ニュートンが
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    とても興味深いことを始めていた頃です
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    王立協会と名付けた会には色々な人が集いました
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    正装して来る必要はありましたが
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    TEDカンファレンスとは違って
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    紳士的に装っていれば
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    誰でも参加できました
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    会員制ではなかったのです
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    というわけで
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    人々は集まり「実験」を
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    当時は新しい言葉でした
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    何かの原理を実演するものですが
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    それを皆が見ることのできる
    舞台の上で行いました
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    そして
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    最も重要な決まりとして
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    例えば究極の原因については
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    話さないことになっていました
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    神はここでは議論されません
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    現実とは何たるかなどは問題とせず
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    絶対的な性質などについて語るべきではなく
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    実験で証明できない類のことを
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    語ることは許されていませんでした
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    人が観察することが可能であれば
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    装置がこのように機能し
    このように操作すると
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    こうなりますと説明できます
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    そして例えば
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    「これを作ったら
    いつでもこの現象が起こるに違いない」といった
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    実験の観察に基づいた
    一般化した意見を述べることは許されていました
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    そこで法則も作られ始めました
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    例えば 向かい合う風車が
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    真空ポンプで吸い出すことのできる
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    何物かだけでしか繋がっていない場合
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    真空の状態にすると
    もう一方の風車を回すことはできなくなる
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    真空ではロウソクは燃焼しない
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    なのでおそらく線香花火も同じでしょう とか
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    正確なところは不明ですが
    実際は線香花火は燃えます
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    でも彼らは知りませんでした
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    線香花火がなかったのですから
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    (笑)
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    法則は作れます しかしあくまで
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    実験で証明可能なものに限られます
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    そしてほとんどの実験は
    視覚的でなくてはなりません
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    舞台上で実験するのに
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    何も見えず聞こえるだけでは
    変なヤツと思われてしまうでしょう
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    現実とは目に見えるものなのです
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    会ではっきり決められた規則ではありませんが
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    当然その一部っだったはずです
    声が聞こえたとしても
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    その声の主が見当たらなければ
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    その人は多分そこには存在しない
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    一般的には
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    そこで話してよいのは
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    何らかの実験の裏づけがあるものだけでした
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    地元の哲学者である
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    トマス·ホッブズが
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    何を言おうと関係ないのです
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    究極の原因については議論しないのですから
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    17世紀の半ばに
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    何が起きていたのかと言えば
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    科学 とくに実験科学が
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    物質的なものとして
    別室で扱うべきものとして
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    切り離されたのです
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    それが後に 私の分野となったわけです
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    驚くべき変化が生じました
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    それまで科学は
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    神学、哲学
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    数学
    ―実際 科学とは別物です―と
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    深く関連付けられていました
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    実験科学はこれらと結びつけられていました
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    そして 数学の部分と
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    実験科学の部分は
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    哲学から徐々に分離してゆき
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    そして
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    なんの未練もありませんでした
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    以来絶好調です
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    技術発展を阻んでいたしがらみが
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    解きほぐされていく
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    この部屋にいる皆さん
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    これはたった350年前のことです
  • 9:44 - 9:46
    本当に短い時間です
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    この部屋にいる我々のほとんどの祖先が
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    アフリカから出て左に向かったのは
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    だいたい30万年前でした
  • 9:55 - 9:57
    右に行った人々には
  • 9:57 - 9:59
    日本語の翻訳が必要です
  • 9:59 - 10:02
    しかしそれは
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    350年に比べたら
  • 10:04 - 10:06
    とても前に起こったことです
  • 10:06 - 10:08
    なのにこの350年で
  • 10:08 - 10:11
    実験室は大きな進化を遂げました
  • 10:11 - 10:13
    実際 この部屋に居る皆さん
  • 10:13 - 10:16
    特にカバンを手にすれば
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    自分のカバンを持ってない人もいますけれど
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    カバンの中身
  • 10:20 - 10:22
    ポケットの中、自宅の居室
  • 10:22 - 10:24
    何かあるはずです
  • 10:24 - 10:26
    350年前の国王が
  • 10:26 - 10:28
    戦争をしてでも手に入れたがった何かが
  • 10:29 - 10:31
    どれだけ重要なものか考えてみれば
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    まあGPSがあっても衛星がなければ
  • 10:33 - 10:35
    あまり役にに立たないけど
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    それでもGPSシステムが
  • 10:37 - 10:40
    17世紀にあったら
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    手に入れようと挙兵する国王もいたはずです
  • 10:42 - 10:44
    もしその人が
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    観客:テディベアはどうですか?
  • 10:46 - 10:49
    マリス:それもアリかもね
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    みんなが所有しています
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    一国の王が入手のためには
    戦争もしたはずの物を
  • 10:53 - 10:55
    個人が所有している
  • 10:56 - 10:57
    たった350年の間に
  • 10:57 - 10:59
    みんなが皆貢献したわけじゃない
  • 10:59 - 11:01
    偉人
  • 11:01 - 11:03
    伝記で読むことができるような
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    進歩をもたらした巨人たち
  • 11:06 - 11:08
    これらは
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    全て我々科学者の行為の一部を
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    分離することから
  • 11:13 - 11:16
    もたらされました
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    少年の頃
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    僕はこう考えていました
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    もし何か知りたいことがあったら
  • 11:22 - 11:24
    まあそれは父がよく家を空けていて
  • 11:24 - 11:26
    母は科学知識があまりなかったけれど
  • 11:26 - 11:29
    もし何か知りたいことがあれば
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    自分で試して実験してみなきゃって
  • 11:31 - 11:33
    多分
  • 11:33 - 11:36
    生まれつき自然に
    科学的な思考や実験の考えがあったのです
  • 11:36 - 11:38
    他の皆も同じだと ずっと思ってました
  • 11:38 - 11:41
    脳みそがちょっとでもあるやつなら
    誰だってそうすると思ってた
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    けど違いました
    多くの人は違います
  • 11:44 - 11:47
    僕はポストモダニズムの件で
  • 11:47 - 11:49
    この間の晩餐会でトラブルに巻き込まれた
  • 11:49 - 11:51
    科学者の一人なんですが
  • 11:51 - 11:53
    私は別に
    あの女性はいらっしゃいますか?
  • 11:53 - 11:54
    観客:ここですよ
  • 11:54 - 11:55
    (笑)
  • 11:55 - 11:58
    というか別にあれは論争とは思ってなくて
  • 11:58 - 12:00
    ただの活発な意見交換でした
  • 12:00 - 12:02
    個人攻撃とは捉えてませんから
  • 12:03 - 12:06
    ただバカ正直に
  • 12:06 - 12:09
    サーフィンの待ち時間で
    17世紀に親しむまでは
  • 12:09 - 12:11
    誰もがそのように考えて行動するものだと
  • 12:11 - 12:14
    現実を認識するのに用いるのは
  • 12:14 - 12:16
    見え、聞こえ、触れ
    感じることできるものなのだと考えていたんです
  • 12:17 - 12:20
    まあそれはさておき 僕が少年の頃
  • 12:22 - 12:24
    例えば僕は
  • 12:24 - 12:26
    オクラホマのフォート・シルから
    ある小さな本を取り寄せました
  • 12:26 - 12:28
    ジョージ・ダイソンの親父さんが
  • 12:28 - 12:30
    原子力 ―
  • 12:30 - 12:33
    原子力ロケットをぶっ放すことを考えたりし始めた頃で
  • 12:33 - 12:36
    僕は自家製の
    小さなロケットを作ることを考えていました
  • 12:36 - 12:39
    そしてあのカエル ちびガエルが
  • 12:39 - 12:41
    宇宙旅行を夢見てることを知ってたんです
  • 12:41 - 12:43
    まるで人間みたいに
  • 12:43 - 12:46
    (笑)
  • 12:46 - 12:48
    僕はロケットの
  • 12:48 - 12:50
    推進システムを探してました
  • 12:50 - 12:52
    1メートル20センチぐらいのロケットで
  • 12:52 - 12:54
    何キロか上空に打ちあがる
  • 12:54 - 12:57
    それが個人的な目標でした
  • 12:57 - 13:00
    見えなくなるまで上空に打ち上がったあと
    カエルの入ったちっちゃいパラシュートが
  • 13:00 - 13:03
    戻って来ることを夢見てた
  • 13:03 - 13:05
    そして
  • 13:05 - 13:07
    その本をミサイル基地のある
  • 13:07 - 13:09
    オクラホマのフォート・シルから取り寄せました
  • 13:09 - 13:11
    彼らは素人ロケット愛好家に本を発送していました
  • 13:12 - 13:14
    そして
  • 13:14 - 13:16
    そこに
  • 13:16 - 13:19
    過塩素酸カリウムと砂糖の混合物は
    絶対に加熱するべからず とあって
  • 13:19 - 13:22
    (笑)
  • 13:22 - 13:24
    これが
  • 13:24 - 13:26
    手がかりってやつだよね
  • 13:26 - 13:28
    (笑)
  • 13:28 - 13:30
    で さて過塩素酸カリウムと砂糖を入手して
  • 13:30 - 13:33
    加熱してみることは可能かなと
  • 13:33 - 13:36
    いったいなんで禁止されているのか
    どんなことが起こるのか
  • 13:36 - 13:39
    どんな作用か 観察するのは面白そうだと
  • 13:39 - 13:40
    それで
  • 13:40 - 13:42
    母はいつも
  • 13:42 - 13:45
    アイロンとかをしながら
  • 13:45 - 13:47
    二階の窓から
  • 13:47 - 13:49
    裏庭を監視していました
  • 13:49 - 13:51
    大体はただ見守っているだけで
  • 13:51 - 13:53
    ただ 煙なんかが見えたりすると
  • 13:53 - 13:55
    窓から身を乗り出して
  • 13:55 - 13:57
    目をつぶさないようにと注意していました
  • 14:00 - 14:02
    それが母の考える最悪の事態でした
  • 14:02 - 14:03
    なので僕は目さえつぶさなければ
  • 14:04 - 14:07
    この混合物を加熱することが
  • 14:07 - 14:09
    禁じられているかどうかは気になりませんでした
  • 14:09 - 14:11
    用心してやればいいだけだと
  • 14:11 - 14:13
    禁止されていた他のことと同じで
  • 14:13 - 14:15
    ガレージの裏で試そう
  • 14:15 - 14:17
    (笑)
  • 14:17 - 14:19
    それでドラッグストアに行って
  • 14:19 - 14:22
    過塩素酸カリウムを買おうとしました
  • 14:22 - 14:24
    当時 ドラッグストアで子供が
  • 14:24 - 14:27
    化学薬品を買うのはおかしなことじゃなかったのです
  • 14:27 - 14:29
    今じゃあ 失礼ですが
  • 14:29 - 14:31
    靴を調べさせて頂きます
    ってなもんです
  • 14:31 - 14:33
    (笑)
  • 14:33 - 14:35
    でもその店にはなかったんだ
  • 14:35 - 14:38
    それでどんなカリウム塩があるか聞いたら
  • 14:38 - 14:40
    硝酸カリウムがありました
  • 14:40 - 14:43
    たぶん同じようなもんだろうと思いました
  • 14:43 - 14:46
    ロケットに関係があると確信していた
    マニュアルに載ってるんだから
  • 14:46 - 14:48
    それでいくつかの実験をしました
  • 14:48 - 14:50
    ほんの少量の硝酸カリウムと
  • 14:50 - 14:52
    砂糖から始め
  • 14:52 - 14:54
    砂糖はいくらでもあったから
  • 14:54 - 14:56
    様々な割合で混合し
  • 14:56 - 14:58
    まずは燃やそうと試みました
  • 14:59 - 15:02
    混合することで何が起こるか観察するために
  • 15:02 - 15:03
    それは燃えました
  • 15:03 - 15:05
    どちらかというとゆっくり燃えましたが
  • 15:05 - 15:07
    他に試したどのロケット燃料よりいい匂いがしました
  • 15:07 - 15:09
    他の燃料には全て硫黄が入っていたので
  • 15:09 - 15:11
    それは焦げたキャンディーの匂いがしました
  • 15:12 - 15:15
    次に溶かすことを試しました
  • 15:15 - 15:19
    それは溶けてシロップのような茶色の液体になり
  • 15:19 - 15:22
    冷めると石のように硬くなりました
  • 15:22 - 15:24
    それに火をつけると
  • 15:24 - 15:26
    いきなり猛スピードで
  • 15:26 - 15:28
    小さな器の中で冷えた物質が
  • 15:28 - 15:30
    それに火をつけると 庭を跳ね回ったんです
  • 15:30 - 15:32
    それで カエルの望み通り
  • 15:32 - 15:35
    上空へ行かせてやる方法をみつけたと
  • 15:35 - 15:36
    (笑)
  • 15:36 - 15:39
    それで製作を始めました
  • 15:39 - 15:41
    ジョージの親父さんには
    沢山の協力者がいたけど 僕には弟だけ
  • 15:42 - 15:45
    それでだいたい
  • 15:45 - 15:47
    いろいろと細部まで
  • 15:47 - 15:49
    完成させるには6ヶ月かかったかな
  • 15:49 - 15:51
    ちゃんと飛ぶロケットを作るには
  • 15:51 - 15:53
    沢山の細かいことが必要なんです
  • 15:53 - 15:55
    燃料を確保した後もね
  • 15:55 - 15:57
    でもやるしかない
  • 15:57 - 15:59
    実験するんだ
  • 15:59 - 16:00
    時にはメモし
  • 16:00 - 16:02
    観察するんだ
  • 16:02 - 16:04
    そうして徐々に
  • 16:04 - 16:06
    法則を見だしていく
  • 16:06 - 16:08
    物事は様々な法則に従って機能している
  • 16:08 - 16:10
    その法則を見つけ出すんだ
  • 16:10 - 16:12
    僕は生まれつきの科学者だと思う
  • 16:12 - 16:15
    17世紀への先祖返り
  • 16:15 - 16:19
    なんにせよ とうとう僕らは
  • 16:19 - 16:21
    カエルを彼方まで飛ばして
  • 16:21 - 16:23
    生きて戻ってこさせる装置を
  • 16:23 - 16:25
    作り上げました
  • 16:25 - 16:27
    そして僕らは
  • 16:27 - 16:30
    その装置を恐れていませんでした
  • 16:30 - 16:32
    ものすごい煙を出し
  • 16:32 - 16:34
    轟音を立て
  • 16:34 - 16:36
    すさまじい威力があり
  • 16:36 - 16:38
    そしてたまに爆発したっていうのに
  • 16:38 - 16:40
    ところで僕は
  • 16:40 - 16:42
    その爆発が
  • 16:42 - 16:44
    地球環境を壊すとかの心配はしていませんでした
  • 16:44 - 16:46
    『心配すべき10項目』について
  • 16:46 - 16:48
    その当時は知らなかったからね
  • 16:48 - 16:50
    冗談はさておき
  • 16:50 - 16:52
    禁止されてるんだから
  • 16:52 - 16:54
    やめといた方がいい
  • 16:54 - 16:56
    そう思っていても仕方ありませんでした
  • 16:56 - 16:58
    それで政府の認可を待って
  • 16:58 - 17:00
    でもそんなのを待っていたら
  • 17:00 - 17:03
    カエルは死んじゃってただろうし
  • 17:04 - 17:07
    とにかく 今日この話をしたのは
    いい話だからです
  • 17:07 - 17:09
    何か個人的な話をするように言われてもいましたしね
  • 17:09 - 17:11
    妻に初めて会った晩のことを話そうかとも思ったけど
  • 17:12 - 17:14
    それじゃ個人的過ぎるでしょ
  • 17:15 - 17:17
    あと他に個人的じゃない話題もあるんです
  • 17:17 - 17:20
    ただ プロセスこそが科学だと思うんです
  • 17:20 - 17:23
    アイディアから出発して
  • 17:23 - 17:25
    権威とかの
  • 17:26 - 17:28
    そういった意見を伺うんじゃなくて
  • 17:28 - 17:30
    時にはそれも必要ですよ
  • 17:30 - 17:32
    後で論文を書くときなどは
  • 17:32 - 17:34
    同じ研究をした人を調べる必要があります
  • 17:34 - 17:36
    しかし実際の手順は まず着想を得て
  • 17:36 - 17:38
    例えば僕がある晩
  • 17:38 - 17:41
    2つのオリゴヌクレオチドでDNAを増幅させて
  • 17:41 - 17:44
    DNA断片の大量コピーを作る方法を
    思いついたみたいに
  • 17:44 - 17:46
    それは自動車を運転している
  • 17:46 - 17:49
    20分ぐらいの間に考えたことでした
  • 17:50 - 17:54
    それで帰ってから僕はいろんな人に相談しました
  • 17:54 - 17:58
    分子生物学者の友人の言うことを聞いていたら
  • 17:58 - 18:00
    そのアイデアは捨てていたでしょう
  • 18:00 - 18:02
    このアイデアが上手く行くかどうか
  • 18:02 - 18:04
    判断してくれそうな権威者を探していたら
  • 18:04 - 18:06
    上手く行かないと判断されていたでしょう
  • 18:06 - 18:09
    なぜならその結果はあまりに画期的で
  • 18:10 - 18:13
    それが上手く行けば
    分子生物学の手法を一変させることになるんですから
  • 18:13 - 18:15
    誰だって化学屋にテリトリーを
  • 18:15 - 18:18
    引っ掻き回されたくなんてないんです
  • 18:18 - 18:20
    でも権威に頼ってしまえば
    常に ―いや必ずしも
  • 18:20 - 18:22
    正しい答えが得られるとは限りません
  • 18:22 - 18:24
    でも僕にはわかっていました
  • 18:24 - 18:26
    研究室に行って自分で試せばいい
    そうしたら君自身が権威だ
  • 18:26 - 18:28
    上手く行くよ と自分で言える
  • 18:28 - 18:30
    なぜならそれは目の前の
  • 18:30 - 18:32
    試験管の中で起こったんですから
  • 18:32 - 18:34
    そしてこのゲルの中の小さなバンドは
  • 18:34 - 18:37
    DNAだと判っている
    僕が増幅したかったDNAです
  • 18:37 - 18:39
    見てくれ ちゃんと成功してるだろ
  • 18:39 - 18:41
    科学ってのはそういう風にするのです
  • 18:41 - 18:43
    それから どう改良しようかってなる
  • 18:43 - 18:45
    そしてどんどん改良を重ねる
  • 18:45 - 18:47
    ただし必ず自身の実験によって
  • 18:47 - 18:50
    証明された事実に基づいていること
  • 18:50 - 18:52
    舞台の上で実証できるもの
  • 18:52 - 18:55
    隠れた仕掛けなどががないこと
  • 18:55 - 18:57
    本当に成功させたいのなら
  • 18:57 - 18:59
    自分の行為に正直でないといけない
  • 18:59 - 19:01
    結果をでっち上げてはいけない
  • 19:01 - 19:03
    でっち上げた結果を基に
    次の実験を行ってもいけません
  • 19:03 - 19:05
    正直でなきゃいけません
  • 19:05 - 19:07
    僕は基本的に正直だ
  • 19:07 - 19:10
    僕は記憶力が悪くて
    嘘をつくと必ずトラブルになる
  • 19:10 - 19:13
    だから自然と正直者で
  • 19:13 - 19:15
    生まれつき探究心が旺盛で
  • 19:15 - 19:17
    そういった性格が
    ああいった科学に結びつきました
  • 19:17 - 19:19
    さてと
  • 19:19 - 19:22
    あと5分あるよね?
  • 19:22 - 19:25
    よし
    そうじゃない科学者もいるんです
  • 19:26 - 19:28
    たくさん
  • 19:28 - 19:30
    (笑)
  • 19:30 - 19:32
    アイザック・ニュートン以降
  • 19:32 - 19:35
    多くのことがありました
  • 19:35 - 19:37
    そのひとつは
  • 19:37 - 19:39
    ちょうど第2次世界大戦の頃
  • 19:39 - 19:41
    その前後に起きました
  • 19:41 - 19:44
    政府は 科学者ってのは 象牙の塔に閉じこもって
  • 19:44 - 19:47
    試験管でばかげたことをしている
  • 19:47 - 19:50
    変わり者なんかじゃないって
    気付きました
  • 19:50 - 19:52
    科学者こそが第2次世界大戦を
  • 19:52 - 19:54
    可能にしたのだと
  • 19:54 - 19:56
    彼らが高速化を実現し
  • 19:57 - 20:00
    彼らがより大きな銃を作った
  • 20:00 - 20:03
    精神が壊れたパイロットに
  • 20:03 - 20:06
    投与する薬も開発した
  • 20:06 - 20:09
    ついには巨大な爆弾を作って
  • 20:09 - 20:11
    決着までつけた でしょ?
  • 20:11 - 20:13
    人々は一歩下がってこう言いました
  • 20:13 - 20:15
    こいつに投資しなくちゃ
  • 20:15 - 20:18
    なぜって より多くの科学者を囲った者が
  • 20:18 - 20:21
    優位に立てるのだから
  • 20:21 - 20:24
    少なくとも軍事と 様々な経済分野で
  • 20:24 - 20:26
    そうして彼らは取り込まれていった
  • 20:26 - 20:28
    科学産業が生まれ
  • 20:28 - 20:30
    急に現れたその獲物を目当てに
  • 20:30 - 20:33
    金儲けを目論む―
  • 20:33 - 20:35
    多くの科学者が生まれた
  • 20:35 - 20:37
    彼らはカエルを空に飛ばすのが好きな
  • 20:37 - 20:39
    好奇心旺盛な少年達ではありませんでした
  • 20:39 - 20:42
    後の時代にはお金が儲かるからと
  • 20:42 - 20:45
    医学部に進んだのと同じ種類の人々
    そしてもう少し後の時代にはみんなビジネスに
  • 20:45 - 20:48
    高校では お金持ちになりたかったら
  • 20:48 - 20:51
    科学者になれって言っていました
    今は違う
  • 20:51 - 20:53
    金持ちになりたければビジネスマンです
  • 20:53 - 20:57
    しかし多くの人が金と権力と旅行目当てに
    科学者になりました
  • 20:57 - 21:00
    旅行が簡単だった時のことです
  • 21:00 - 21:02
    そしてこういう人達が考えるのは
  • 21:02 - 21:04
    彼らは
  • 21:04 - 21:06
    いつでも真実を語るわけじゃありません
  • 21:06 - 21:08
    常に真実を語ることが
  • 21:08 - 21:10
    彼らの契約にとって
  • 21:10 - 21:12
    不利になることもあるのです
  • 21:12 - 21:15
    今話題にしている人々と言うのは
  • 21:15 - 21:18
    気候変動に関する政府間パネルなどの
  • 21:18 - 21:22
    委員会のメンバーとかだったりする人々です
  • 21:22 - 21:25
    そして彼らが開催するいくつもの大きな会合では
  • 21:26 - 21:29
    多数の人々の感覚に反して
  • 21:29 - 21:31
    地球が温暖化していると証明し続ける方法を
  • 21:31 - 21:34
    模索しています
  • 21:34 - 21:36
    もし実際に
  • 21:36 - 21:38
    長期間の温度を測定すれば
  • 21:38 - 21:40
    まあ この50年から60年は
  • 21:40 - 21:43
    かなり慎重に観測されているけれど
  • 21:43 - 21:45
    それより長期間観測はされているけれど
  • 21:45 - 21:47
    精度良く測定され
  • 21:47 - 21:50
    きちんと記録されているのは この50, 60年です
  • 21:50 - 21:52
    そして実際のところ温度は上昇していません
  • 21:52 - 21:54
    平均温度はほんの少し
  • 21:54 - 21:56
    上昇していますが
  • 21:56 - 21:59
    観測所の夜間気温が
  • 21:59 - 22:01
    ほんの少し上昇しているからです
  • 22:01 - 22:03
    しかしこれにはちゃんとした理由があります
  • 22:03 - 22:06
    観測所は全て空港のある町の
  • 22:06 - 22:08
    郊外に作られました
  • 22:08 - 22:10
    街がそこまで広がっていて
  • 22:10 - 22:12
    コンクリートに取り囲まれていて
    スカイライン効果と呼ばれています
  • 22:12 - 22:14
    温度測定担当者の多くは
  • 22:14 - 22:16
    観測装置を
  • 22:16 - 22:18
    遮蔽する必要があると気付いています
  • 22:18 - 22:21
    それを行っても更に
  • 22:21 - 22:22
    ビルが日中に温まり
  • 22:22 - 22:24
    夜間も若干保温されます
  • 22:24 - 22:26
    そう言うわけで温度は少し上がっているのです
  • 22:26 - 22:29
    当然のことだし 大幅な上昇でもありません
  • 22:29 - 22:31
    人類が地球上で干上がるだろうと
  • 22:31 - 22:33
    最初に思いついたヤツが言ったほどには
  • 22:33 - 22:35
    だいたい彼はそんな風に考えていませんでした
  • 22:35 - 22:38
    彼の名前はスヴァンテ・アレニウス
    スウェーデン人で
  • 22:38 - 22:41
    環境中のCO2レベルを倍増させると
  • 22:41 - 22:43
    1900年当時 将来その可能性があると考えていた彼は
  • 22:44 - 22:47
    温度は5.5度上昇するはずだと算出しました
  • 22:47 - 22:49
    彼は地球を
  • 22:49 - 22:52
    空っぽで完全に断熱された
  • 22:52 - 22:54
    エネルギーが降り注ぎ 出て行くだけのもの
  • 22:54 - 22:56
    として捉えていました
  • 22:56 - 22:58
    そしてこの理論が生まれました
  • 22:58 - 23:00
    そして彼はこれを良いことだと
  • 23:00 - 23:03
    なぜならスウェーデンでは耕作期間が延びます
  • 23:03 - 23:05
    それにサーファーも喜びました
  • 23:05 - 23:07
    そりゃいいアイディアだって
  • 23:07 - 23:10
    海は時にとても冷たいからね
  • 23:10 - 23:12
    でも後になって多くの人達が
  • 23:12 - 23:14
    これは困ったことだと考え始めたんです
  • 23:15 - 23:17
    でも誰一人として実証してないでしょ?
  • 23:17 - 23:19
    観測された温度は皆さんも
  • 23:19 - 23:21
    インターネット上で見つけることができるのですが
  • 23:21 - 23:24
    ただ NASAと気象庁の情報を
  • 23:24 - 23:26
    くまなくチェックするだけでいいのです
  • 23:26 - 23:29
    自分の目で確かめれば
    温度はただ
  • 23:29 - 23:32
    地表で観測された夜間の温度がほんのちょっとだけ
  • 23:32 - 23:34
    上昇していることが理解できるでしょう
  • 23:34 - 23:36
    そしてもしそれと日中の温度を平均すると
  • 23:36 - 23:39
    今世紀に0.7度ほど上昇したかのように見えます
  • 23:39 - 23:41
    しかし実際は
  • 23:41 - 23:44
    上昇しているのは夜間で
    日中の温度は上昇していません
  • 23:44 - 23:46
    つまり アレニウスの理論および
  • 23:46 - 23:48
    地球温暖化論者の考えによると
  • 23:48 - 23:50
    もしそれが温室効果によるものなら 日中の温度も
  • 23:50 - 23:52
    上昇していないとおかしいのです
  • 23:52 - 23:55
    人はあのように想像力を刺激する
  • 23:55 - 23:58
    レッテルが貼られたものを好みます
  • 23:58 - 24:01
    その逆に人々は
  • 24:01 - 24:03
    1990年代の熱帯対流の活発化を
  • 24:03 - 24:05
    裏付ける証拠となりうる
  • 24:05 - 24:07
    実際のデータなどに
  • 24:07 - 24:10
    心を躍らせることはないのです
  • 24:10 - 24:12
    これは2月に発表された論文ですが
  • 24:12 - 24:15
    ほとんどの方はご存知ないでしょう
  • 24:15 - 24:17
    『熱帯の平均放射収支における
  • 24:17 - 24:20
    大きな10年変動の証拠』
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    それらは NASAの科学者の
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    ヴィリキーと
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    プリンストン大学など
    大勢で発表した論文です
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    そしてサイエンス誌に2月1日に発表された
  • 24:32 - 24:34
    2つの論文
  • 24:34 - 24:37
    そしてこれらの論文と
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    サイエンス誌の編集者の結論はどちらも
  • 24:40 - 24:42
    論文の記述を
  • 24:42 - 24:44
    手短にいうと
  • 24:44 - 24:46
    地球温暖化に関する理論は
  • 24:46 - 24:48
    根本的に間違っている
  • 24:48 - 24:50
    この人達が行っていること
  • 24:50 - 24:53
    そしてNASAの人達が前から言っていたことですが
  • 24:53 - 24:56
    もし大気圏の温度を観測したら
    上昇していません
  • 24:56 - 24:59
    全く上昇していません
    この20年間かなり精密に
  • 25:00 - 25:02
    衛星から観測を続けていますが
    上昇はしていません
  • 25:02 - 25:05
    またこの論文にはもっと驚くべきことが示されています
  • 25:05 - 25:08
    それは輻射に関することで
  • 25:08 - 25:11
    実際とても複雑なので詳細は省きますが
  • 25:11 - 25:14
    彼らが世間を煙に巻くために使っている
    難解な用語から
  • 25:14 - 25:17
    受ける印象ほど難解というわけでもありません
    骨子はこうです
  • 25:17 - 25:19
    太陽はある量のエネルギーを出しており
  • 25:19 - 25:21
    我々はその具体的な値を知っています
  • 25:21 - 25:24
    それは地球に降り注ぎ
    地球はある一定量を跳ね返す
  • 25:24 - 25:26
    温まると赤外線といった
  • 25:26 - 25:29
    赤色寄りのエネルギーを出します
  • 25:29 - 25:32
    温かい物体は赤外線を出すんです
  • 25:32 - 25:34
    地球温暖化の理屈というのは
  • 25:34 - 25:36
    実際はクズだけど
  • 25:36 - 25:39
    要は もし環境中に余計なCO2があると
  • 25:39 - 25:41
    熱が逃げられなくなる
  • 25:41 - 25:44
    しかしながら太陽からの熱は
  • 25:44 - 25:47
    波長が350ナノメートルとかで
  • 25:47 - 25:50
    CO2を何事もなく通り抜ける
  • 25:50 - 25:52
    だから温め続けられる一方で
    その熱を発散できないというものです
  • 25:52 - 25:54
    で この人達はそれらを全て測定したのです
  • 25:54 - 25:56
    そういう話をしたり
  • 25:56 - 26:00
    これらの分厚いレポートを書いたり
    政府に助成してもらえますが
  • 26:00 - 26:02
    でも 実際に測定したら
  • 26:02 - 26:04
    そしたらこの10年間において
  • 26:04 - 26:06
    題名にも『10年』ってあるけど
  • 26:06 - 26:09
    エネルギーレベルの
  • 26:09 - 26:11
    いわゆる「不均衡」は
  • 26:11 - 26:14
    予測をはるかに上回っていた
  • 26:14 - 26:17
    不均衡の総量
  • 26:17 - 26:20
    入って来るのに出て行かない
  • 26:20 - 26:22
    それは CO2が2倍に達した場合に想定される量で
  • 26:22 - 26:25
    今の値は全然そこまで行ってないのに
  • 26:25 - 26:27
    仮に2025年とかに1900年のCO2濃度の
  • 26:27 - 26:30
    2倍になったとしたら
  • 26:30 - 26:32
    エネルギー収支は
  • 26:32 - 26:35
    別の表現にすると
  • 26:35 - 26:37
    1平方センチメートル毎に1ワット
  • 26:37 - 26:39
    入る方が出る方より多くなると想定していて
  • 26:39 - 26:42
    だから地球は温暖化するはずだと
  • 26:42 - 26:45
    で この2つの別のチームによる2つの研究で
  • 26:45 - 26:46
    判明したことは
  • 26:46 - 26:48
    1998年 1999年からは
  • 26:48 - 26:50
    1平方メートル毎に
  • 26:50 - 26:53
    5.5ワット入ってきて
  • 26:53 - 26:55
    そして温度は上昇していない
  • 26:55 - 26:57
    というわけでその理論は お釈迦
  • 26:57 - 26:59
    これらの論文のタイトルは
  • 26:59 - 27:02
    『地球温暖化騒動に終止符』とでもすべきです
  • 27:02 - 27:04
    彼らは警戒しています
  • 27:04 - 27:07
    これらの論文が非常に慎重な結論になっ ているのが
    読み取れるはずです
  • 27:07 - 27:09
    なぜなら 恐怖心を煽られた多くの人々と
  • 27:09 - 27:11
    巨額の資金にサポートされた
  • 27:11 - 27:13
    大規模な研究所に影響することだから
  • 27:13 - 27:15
    もしもたとえば
  • 27:15 - 27:17
    地球温暖化問題なんかもうない と言ってしまったら
  • 27:17 - 27:19
    助成金とか
  • 27:19 - 27:22
    もしそんなことに補助金の申請をして
  • 27:22 - 27:24
    地球温暖化の兆候が見られなかったら
  • 27:24 - 27:26
    そしてもしそんなことを発表してしまったら・・・
  • 27:26 - 27:28
    そろそろ切り上げます
  • 27:28 - 27:31
    (笑)
  • 27:31 - 27:33
    僕も起立しようかな
  • 27:33 - 27:35
    (笑)
  • 27:35 - 27:38
    (拍手)
  • 27:38 - 27:40
    彼らはああ言うしかなかったんだです
  • 27:40 - 27:42
    彼らは非常に慎重にならざるをえませんでした
  • 27:42 - 27:44
    でも僕が言いたいのは
    皆さん喜んで下さいってこと
  • 27:44 - 27:47
    だってサイエンス誌の編集者はバカじゃないし
  • 27:47 - 27:50
    そしてどちらも本当に専門的な
  • 27:50 - 27:53
    2つのチームが同じ結論に達したんですから
  • 27:53 - 27:55
    そして彼らの論文の結論として
    こう言わざるを得ません
  • 27:55 - 27:57
    このデータが意味するところは
    我々が考えてきた
  • 27:58 - 28:00
    地球がオーバーヒートしてしまうという
  • 28:00 - 28:02
    地球の循環モデルは完全に間違いで
  • 28:02 - 28:05
    それも桁違いの誤りだったっということ
  • 28:05 - 28:08
    ちょっとやそっとじゃない
  • 28:08 - 28:11
    地球について解釈を誤っていた
  • 28:11 - 28:13
    地球上では明らかに 未解明の
  • 28:13 - 28:15
    未知のメカニズムが働いています
  • 28:15 - 28:17
    なぜなら 熱は入ってきているのに
    温暖化はしていないから
  • 28:17 - 28:20
    つまり惑星と言うのはとても驚くべきもので
  • 28:20 - 28:22
    巨大で 脅威でもあり 巨大な神秘でもあります
  • 28:22 - 28:25
    そして我々にとって全くの未知の働きをしています
  • 28:25 - 28:27
    これらを全部一緒に話したのはつまり
  • 28:27 - 28:29
    科学とはこう実践すべきものですよと
  • 28:29 - 28:32
    一部の科学は純粋な探究心だけの
    別の目的で行われています
  • 28:32 - 28:34
    地球温暖化と同じようなものは
    他にも沢山あります
  • 28:34 - 28:36
    オゾンホールとか
  • 28:36 - 28:38
    有象無象の科学的社会問題
  • 28:38 - 28:40
    もし興味を持ったなら
  • 28:40 - 28:43
    詳細をきちんと調べなきゃ こんな論文も読んで
  • 28:43 - 28:45
    『大きな10年変動の・・・』
  • 28:45 - 28:47
    用語の意味もしっかり理解して
  • 28:47 - 28:49
    そしてこういった問題を煽ることで
  • 28:49 - 28:52
    大金を儲けてる人の言うことを聞くだけじゃ
  • 28:52 - 28:55
    正しい情報は手に入らず
    必要ないことに怯えることになります
  • 28:55 - 28:59
    覚えてますか?『心配すべき10項目』
    そのひとつは
  • 28:59 - 29:00
    (笑)
  • 29:00 - 29:03
    小惑星についてはホントに同感です
  • 29:03 - 29:07
    小惑星は警戒しなきゃダメですよ
    じゃ お招きいただきありがとう
  • 29:07 - 29:10
    (拍手)
Title:
遊び!実験!発見!
Speaker:
キャリー・マリス
Description:

生化学者キャリー・マリスが、現代科学の基礎である「実験」について語ります。 17世紀の実験と、彼自身の裏庭でのロケット製作の日々を物語る中で、マリスは、好奇心、インスピレーション、そして様々な形の正しい科学の厳密さを讃えます。

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English
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