晒された屈辱の値段
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0:01 - 0:06みなさんの目の前にいるのは
10年間 公の場に出なかった人間です -
0:07 - 0:09ご覧のとおり 今は違いますが
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0:09 - 0:10それもほんの最近のことです
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0:11 - 0:13数か月前に
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0:13 - 0:16私はフォーブス誌の
「30才以下の30人」サミットで -
0:16 - 0:18初めてたくさんの聴衆に向けて話しました
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0:18 - 0:22全員30才以下の聡明な1,500人です
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0:23 - 0:26つまり1998年には
-
0:26 - 0:29その中の一番年上の人でも
ほんの14才 ― -
0:29 - 0:32年下の人は4才だったことになります
-
0:33 - 0:37私のことを ラップの歌詞でしか
聞いたことがない人がいるかもなんて -
0:37 - 0:39冗談を言いました
-
0:39 - 0:42そう ラップに私が出てくるんです
-
0:42 - 0:45それも 40曲近く (笑)
-
0:47 - 0:50でも講演をした夜に
びっくりするようなことがありました -
0:50 - 0:5641才の私が 27才の男性に
口説かれたんです -
0:57 - 0:59びっくりでしょう?
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1:00 - 1:03彼は魅力的で 私もうれしかったけれど
-
1:03 - 1:05断りました
-
1:05 - 1:08彼の口説き文句は
何だったと思います? -
1:09 - 1:12「もう一度22才の時の
気持ちにしてあげるよ」だったんです -
1:12 - 1:17(笑)(拍手)
-
1:19 - 1:24その後 気づいたんですが
たぶん私は22才に戻りたいと思わない ― -
1:24 - 1:27ただ一人の40代でしょうね
-
1:27 - 1:29(笑)
-
1:29 - 1:33(拍手)
-
1:35 - 1:4022才の時に上司と恋に落ちて
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1:40 - 1:4324才の時に
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1:43 - 1:47その破滅的な結果を経験しました
-
1:48 - 1:51みなさんの中で
22才の時に過ちを犯さず -
1:51 - 1:55後悔するようなことも
一切ない方は手をあげてください -
1:57 - 2:00やっぱり そうですよね
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2:01 - 2:06何人もの方が私と同じように
22才で間違いを犯して -
2:06 - 2:09好きになってはいけない人と恋に落ち
-
2:09 - 2:11その相手が上司だった人さえ
いるかもしれません -
2:12 - 2:15ただ私とは違って
-
2:15 - 2:19みなさんの上司は
アメリカ大統領ではなかったでしょう -
2:20 - 2:24もちろん人生には
驚くようなことも たくさん起きますが -
2:24 - 2:29私は自分の過ちを
思い出さない日はないし -
2:29 - 2:31深く後悔しています
-
2:33 - 2:401998年に信じられないような
恋愛に流され その後 ― -
2:40 - 2:45それまで誰も見たことが無かったような
政治 法律 そしてメディアの -
2:45 - 2:50激流の中心に飲み込まれたのです
-
2:50 - 2:52ほんの数年前まで
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2:52 - 2:55ニュースの出どころは
たった3つでした -
2:55 - 2:58新聞や雑誌を読むこと
-
2:58 - 2:59ラジオを聞くこと
-
2:59 - 3:01テレビを見ること ―
-
3:01 - 3:02それだけでした
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3:02 - 3:06ところが私の場合は違いました
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3:06 - 3:10このスキャンダルが 世に知れ渡ったのは
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3:10 - 3:12デジタル革命を通してでした
-
3:12 - 3:16それによって 私たちは
望み通りのあらゆる情報に -
3:16 - 3:20いつでも どこでも 好きな時に
アクセスできるようになったのです -
3:20 - 3:251998年1月 このニュースが報じられたのは
-
3:25 - 3:28ネット上でした
-
3:28 - 3:31従来の報道が大きなニュースを
-
3:31 - 3:35ネットに さらわれたのは
初めてのことで -
3:35 - 3:40クリックが世界中に響き渡りました
-
3:40 - 3:43私個人にとっては
-
3:43 - 3:48一夜にして 全くの私人から
-
3:48 - 3:53世界中で公然と辱められる
人間になってしまったのです -
3:53 - 3:58個人の信用を 世界的な規模で
-
3:58 - 4:02ほぼ一瞬のうちに失ったのは
私が初めてでした -
4:04 - 4:06テクノロジーによって可能になった ―
-
4:06 - 4:10性急な判断をもとに 大衆が
仮想空間で石を投げつけてきたのです -
4:10 - 4:13確かにソーシャルメディアは
まだありませんでしたが -
4:13 - 4:17ネット上でコメントしたり
-
4:17 - 4:23話をメールしたり
非情な冗談を送ることはできました -
4:23 - 4:26メディアは私の写真を
至る所に貼り付けて -
4:26 - 4:30新聞やオンラインのバナー広告を売り
視聴者がチャンネルを -
4:30 - 4:32変えないようにしていました
-
4:34 - 4:37私の写真を覚えていますか?
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4:37 - 4:40例えばベレー帽をかぶった写真です
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4:41 - 4:44今にして思えば 確かに間違いでした
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4:44 - 4:47特に あのベレー帽です
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4:48 - 4:53私に向けられた注目と批判
ニュースにではなく ― -
4:53 - 4:57私個人に向けられた注目と批判は
かつてないものでした -
4:57 - 5:00いろいろな烙印を押されました
売春婦とか -
5:00 - 5:07あばずれ ふしだら 売女 淫売 ―
-
5:07 - 5:09そして「あの女」と呼ばれたのです
-
5:10 - 5:13無数の人々が 私を見ていましたが
-
5:13 - 5:17実際に私を知る人は
ほとんどいませんでした -
5:17 - 5:20今ならわかります
誰もが忘れがちなのは -
5:20 - 5:23「あの女」が実在の生身の人間で
-
5:23 - 5:27心があり かつて傷ついていない頃が
あったということです -
5:30 - 5:34こんなことが起きた17年前には
その状況に名前などありませんでした -
5:34 - 5:39今ならネットいじめとか
オンラインハラスメントと呼ばれます -
5:40 - 5:44今日はみなさんに
私が経験したことをお話しします -
5:44 - 5:48経験を通して どのように
文化への視点を養ったのか ― -
5:48 - 5:53私の過去が変化につながり
苦しむ人々が減ることを -
5:53 - 5:56どれほど望んでいるか お話しします
-
5:58 - 6:031998年 私は信用も尊厳も失いました
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6:03 - 6:07ほぼすべてを失い
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6:07 - 6:10命さえ失う寸前でした
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6:13 - 6:15当時の様子を説明しましょう
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6:17 - 6:21時は1998年9月です
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6:21 - 6:24私は窓のない ―
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6:24 - 6:27独立検察官事務所の
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6:27 - 6:31低くうなる蛍光灯の下に座っています
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6:31 - 6:35私は自分の声を聞いています
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6:35 - 6:39その声は 密かに電話を録音したもので
-
6:39 - 6:42前年に友人だと信じていた人物が
かけてきたものです -
6:42 - 6:45私は その部屋で
20時間分の会話の録音すべてを -
6:45 - 6:51自ら確認するよう
法的に求められています -
6:53 - 6:578か月間
謎めいたテープの内容が -
6:57 - 7:01ダモクレスの剣のように
私の頭の上にぶら下がっています -
7:01 - 7:051年前に言ったことを
覚えている人なんていますか? -
7:05 - 7:09恐怖と屈辱を感じながら
私は聞いています -
7:11 - 7:16どうでもいいおしゃべりをする自分
-
7:16 - 7:19大統領への愛情と
-
7:19 - 7:23当然の失恋を告白する自分
-
7:23 - 7:28それから 時にいじわるで
時に無愛想で 時にふざけている自分 -
7:28 - 7:32時に残酷な事を言い 非情で 下品な
自分の声を聞いています -
7:33 - 7:36自分かどうかも わからないほど
-
7:36 - 7:39最悪の部分を
-
7:39 - 7:42深く恥じながら聞いています
-
7:45 - 7:49数日後 スター報告書が
議会に提出されます -
7:49 - 7:54そこには盗まれた言葉である
テープの内容がすべて含まれます -
7:55 - 7:59内容を読まれるだけでも
ゾッとしましたが -
7:59 - 8:02数週間経つと
-
8:02 - 8:05音声がテレビで放送され
-
8:05 - 8:09大部分がネットで
聞けるようになります -
8:11 - 8:15公然と辱められるのは苦痛でした
-
8:15 - 8:19生きるのが つらくなりました
-
8:21 - 8:261998年当時 こういう状況は
頻繁に起こることではありませんでした -
8:26 - 8:32「こういう状況」とは
個人的な発言や行動や -
8:32 - 8:34会話や写真が「盗まれ」
-
8:34 - 8:37公に晒されることです
-
8:37 - 8:39同意もなく
-
8:39 - 8:42発言の背景も無視し
-
8:42 - 8:45思いやりもなく 公開されることです
-
8:46 - 8:4912年後の2010年には
-
8:49 - 8:52すでにソーシャルメディアが
登場していて -
8:53 - 8:58悲しいことに 私のような事例が
はるかに多くなりました -
8:58 - 9:01その人が実際に
過ちを犯したかどうかなど関係なく -
9:01 - 9:07有名人も無名な人も関係なくです
-
9:07 - 9:12中には極めて深刻な
事態に陥った人もいます -
9:14 - 9:162010年9月に
-
9:16 - 9:19私は母と電話で話していました
-
9:19 - 9:21タイラー・クレメンティという
-
9:21 - 9:24ラトガース大学の1年生の
-
9:24 - 9:26ニュースのことです
-
9:27 - 9:30タイラーは優しく繊細で
創造性豊かでした -
9:30 - 9:32でも彼が男性と関係をもっているところを
-
9:32 - 9:35ルームメイトがウェブカメラで
隠し撮りしたのです -
9:37 - 9:39これがネットに広まると
-
9:39 - 9:42嘲笑とネットいじめに
火がつきました -
9:44 - 9:46数日後 ―
-
9:46 - 9:50タイラーはジョージ・ワシントン橋から
-
9:50 - 9:51身を投げて 亡くなりました
-
9:51 - 9:5318才でした
-
9:56 - 10:00タイラーと彼の家族のことを思って
私の母は怒り狂いました -
10:00 - 10:03私には理由がよくわからないほど
-
10:03 - 10:07母は苦痛に打ちのめされていました
-
10:07 - 10:09やがて わかったのですが
-
10:09 - 10:12母は1998年の苦痛を
もう一度体験していたのです -
10:12 - 10:16毎晩 私のベッドに
寄り添っていた あの時 ― -
10:19 - 10:25私がシャワーを浴びる時も
ドアは開けっ放しのままにさせた あの時 ― -
10:25 - 10:29父も母も 自尊心を
ズタズタにされた私が -
10:29 - 10:32自ら命を絶つのではないかと恐れた
あの時のことを -
10:32 - 10:34思い出していたのです
-
10:36 - 10:39今 愛する子どもたちを
自分たちの手で -
10:39 - 10:43救うことができなかった親が
あまりにも多くいます -
10:43 - 10:47子どもが辱められ 苦しんでいることを
手遅れになって初めて知る ― -
10:47 - 10:49親が あまりに多いのです
-
10:50 - 10:55タイラーの痛ましい 無意味な死が
私にとって転機になりました -
10:55 - 10:59彼の死を通して
私は自分の経験を別の情況にあてはめ -
10:59 - 11:03身の回りにある いじめや
人を辱める行為に目を向けて -
11:03 - 11:06そこに何か他のものを
見出そうとし始めたのです -
11:06 - 11:121998年には インターネットという
すばらしい新技術が何をもたらすのか -
11:12 - 11:14知るすべは ありませんでした
-
11:14 - 11:18それ以降 想像を超える
人々のつながりが生まれ -
11:18 - 11:20離れ離れになったきょうだいが再会し
-
11:20 - 11:24命が救われ 革命が起こりました
-
11:24 - 11:29その一方で ネットいじめや
私も経験したように尻軽と罵られることなど -
11:29 - 11:32闇の部分も急増したのです
-
11:33 - 11:38それに対処できるほど
大人になりきっていない若者が -
11:38 - 11:41毎日 ネット上で
-
11:41 - 11:43虐待され 辱められて
-
11:43 - 11:46次の日まで生きる力さえ失い
-
11:46 - 11:49痛ましいことに
実際に死を選ぶ人もいます -
11:49 - 11:52これはバーチャルなことではありません
-
11:54 - 12:00様々な問題を抱えた若者を支援する
イギリスのNPO チャイルドラインは -
12:00 - 12:03昨年末に驚くべき統計を公表しました
-
12:03 - 12:072012年から13年の間に
-
12:07 - 12:10ネットいじめに関する
電話やメールでの相談が -
12:10 - 12:1587%も増加したというのです
-
12:15 - 12:17オランダで行われたメタ分析では
-
12:17 - 12:19普通のいじめよりも
-
12:19 - 12:24ネットいじめの方が
はるかに 死を望む感情に -
12:24 - 12:28つながりやすいことが
明らかになりました -
12:28 - 12:32そして 今さらながら
ショックを受けたのは -
12:32 - 12:36去年行われた別の調査で
屈辱という感情が -
12:36 - 12:39幸福や さらには怒りよりも
-
12:39 - 12:43強く感じられると
わかったことでした -
12:44 - 12:47他人を虐げるのは
目新しいことではありません -
12:47 - 12:54でもネット上では
テクノロジーによって恥が増幅され -
12:54 - 12:59際限なく広がり
永久にアクセス可能になるのです -
12:59 - 13:05かつて恥の影響は
せいぜい家族や村 ― -
13:05 - 13:07学校や地域の中に留まっていました
-
13:07 - 13:11ところが今はネット上の
コミュニティーにまで広がります -
13:11 - 13:14数百万人が しばしば名前も明かさず
-
13:14 - 13:18誰かを言葉で傷つけることができ
そのダメージは深刻です -
13:18 - 13:21公然とあなたを監視し
-
13:21 - 13:23晒し者にできる人間の数には
-
13:23 - 13:27上限がありません
-
13:28 - 13:30公然と辱められることで
-
13:30 - 13:32個人が代償を払うことになり
-
13:33 - 13:39インターネットが拡大するにつれ
その相場は上昇しています -
13:40 - 13:42ここ20年近くの間に
-
13:42 - 13:46ネット上と現実世界
両方の文化的な土壌に -
13:46 - 13:52恥と屈辱の種子が
ゆっくり蒔かれつつあります -
13:52 - 13:57ゴシップサイトやパパラッチ
リアリティーショーや政治 ― -
13:57 - 14:03ニュースメディアや時にはハッカーが
恥を不正に売買しています -
14:03 - 14:07そのためネット上は
感覚の麻痺と放任的な空気に支配され -
14:07 - 14:14荒らしやプライバシー侵害や
ネットいじめに拍車をかけています -
14:14 - 14:17そんな状況の変化から生まれたのが
-
14:17 - 14:21ニコラス・ミルズ教授が
「屈辱の文化」と呼ぶものです -
14:21 - 14:26目立った例を
この半年に限って取り上げましょう -
14:26 - 14:31Snapchat は
利用者の大半が若者で -
14:31 - 14:34送られたメッセージが
-
14:34 - 14:36数秒で消えるとされます
-
14:36 - 14:39やり取りされる内容は
想像できるでしょう -
14:39 - 14:43ところがSnapchatの利用者が
メッセージの表示時間を伸ばすために使う -
14:43 - 14:46サードパーティ製のアプリがハックされ
-
14:46 - 14:5310万件の私的な会話や写真や
ビデオがネットに流出し -
14:53 - 14:57永久に消えなくなりました
-
14:57 - 15:01ジェニファー・ローレンスと
数名の俳優のiCloudアカウントがハックされ -
15:01 - 15:05個人的な秘密の写真やヌードが
インターネット中に -
15:05 - 15:07彼らの許可無く貼り付けられました
-
15:07 - 15:11あるゴシップサイトでは
この記事だけで -
15:11 - 15:14500万ヒットを超えました
-
15:15 - 15:19ソニー・ピクチャーズの
ハッキングはどうでしょう? -
15:19 - 15:22一番注目を集めた情報は
-
15:22 - 15:28公になれば極めて恥ずかしい内容の
私的なメールでした -
15:28 - 15:31ただ この屈辱の文化では
-
15:31 - 15:35公になった恥に
もうひとつ別の値段がついています -
15:36 - 15:39恥の値段には
被害者の苦痛は含まれていないのです -
15:39 - 15:41タイラーや他の多くの人々 ―
-
15:41 - 15:43特に女性やマイノリティーや
-
15:43 - 15:47同性 両性愛者やトランスジェンダーの
コミュニティーへの被害は含まれず -
15:47 - 15:52彼らをえじきにする人間の利益だけが
値段に含まれるのです -
15:53 - 15:57他人を侵害することが原料となり
-
15:57 - 16:03それが効率的かつ冷酷に採集され
包装され販売されて 利益があがります -
16:03 - 16:09公然と辱められることが
商品になり 恥が産業になる ― -
16:09 - 16:12そんな市場が生まれているのです
-
16:12 - 16:16どうやって儲けるのか?
-
16:16 - 16:18答は「クリック」です
-
16:18 - 16:20恥を公開すれば クリックが増え
-
16:20 - 16:24クリック数が増えれば
より多くの広告料が手に入ります -
16:25 - 16:28私たちは危険なサイクルに陥っています
-
16:28 - 16:31このようなゴシップを
クリックすればするほど -
16:31 - 16:34ゴシップの背後にある
人々の暮らしには鈍感になり -
16:34 - 16:40鈍感になるにつれて
さらにクリックしていくのです -
16:40 - 16:43その間ずっと 誰かの苦痛の裏で
-
16:43 - 16:46金を儲けている人間がいます
-
16:47 - 16:50クリックする度に
私たちは選択しています -
16:50 - 16:53公然と侮辱することが
私たちの文化に溢れるにつれて -
16:53 - 16:55それは次第に認められていき
-
16:55 - 16:58サイバーいじめや荒らしや
-
16:58 - 17:01様々なハッキングや
-
17:01 - 17:04ネットハラスメントが
増えていくでしょう -
17:04 - 17:11なぜなら それらすべての核心に
屈辱があるからです -
17:11 - 17:16このような行動は私たちが作り上げた
文化の副産物です -
17:16 - 17:18考えてみてください
-
17:19 - 17:23行動を変えるには
まず考えを改めなければなりません -
17:23 - 17:26人種差別や同性愛嫌悪や
現在と過去に存在した多くの偏見に -
17:26 - 17:30それが当てはまるのを
私たちは すでに経験しています -
17:31 - 17:34同性婚に対する考えを改めるにつれて
-
17:34 - 17:39より多くの人が
平等な自由を手に入れています -
17:39 - 17:41持続可能性が重視されるようになって
-
17:41 - 17:44さらに多くの人が
リサイクルを始めました -
17:44 - 17:47屈辱の文化について言えば
-
17:47 - 17:51私たちに必要なのは文化の革新です
-
17:51 - 17:55残酷なスポーツを観て楽しむように
公然と侮辱するのは止めるべきです -
17:55 - 17:59インターネットや私たちの文化に
介入すべきです -
17:59 - 18:03変化の始まりは単純ですが
簡単ではありません -
18:04 - 18:11私たちは 長く重んじられてきた
思いやりと共感に立ち返る必要があるのです -
18:11 - 18:14ネットでの私たちは思いやりに欠けており
-
18:14 - 18:16共感は危機的状況です
-
18:17 - 18:21研究者のブレネー・ブラウンは
こう言っています -
18:21 - 18:25「恥は 共感ほど長続きしない」
-
18:25 - 18:29恥は 共感ほど長続きしないのです
-
18:31 - 18:34私の人生にはとても暗い時期がありましたが
-
18:34 - 18:40家族や友人や専門家や
-
18:40 - 18:44時には見知らぬ人からの
共感と思いやりが 私を救ってくれました -
18:46 - 18:49たった1人が共感するだけでも
変化が起こります -
18:50 - 18:53社会心理学者
セルジュ・モスコヴィッシが提唱した -
18:53 - 18:56少数派の影響力の理論によれば
-
18:56 - 18:59たとえ人数が少なくても
-
18:59 - 19:01一貫性があれば
-
19:01 - 19:04変化は起こりうるのです
-
19:04 - 19:07ネットの世界では 行動する人になることで
-
19:07 - 19:09少数派の影響力を育むことができます
-
19:09 - 19:13行動する人になるとは
無関心な傍観者でいるのを止め -
19:13 - 19:18他者への肯定的な意見を投稿し
嫌がらせの現場を報告することです -
19:18 - 19:23思いやりのあるコメントは
悪意の力を弱めるはずです -
19:23 - 19:27また この問題に取り組む
組織を支援することで -
19:27 - 19:29屈辱の文化に対抗できます
-
19:29 - 19:32例えばアメリカの
タイラー・クレメンティ財団や -
19:32 - 19:35イギリスの反いじめプログラム
-
19:35 - 19:39オーストラリアの
プロジェクトROCKITです -
19:40 - 19:46私たちはいつも
表現の自由については語りますが -
19:46 - 19:48表現の自由に伴う責任について
-
19:48 - 19:52もっと語るべきなのです
-
19:52 - 19:54誰だって話を聞いて欲しいでしょうが
-
19:54 - 19:59意図をもって話すことと
注目を集めたいがために話すこととの -
19:59 - 20:02違いは理解すべきです
-
20:04 - 20:07インターネットは本能的衝動の
スーパーハイウェイですが -
20:07 - 20:10ネット上では他者への共感を表すことで
-
20:10 - 20:16私たち全員が恩恵を受け
安全でより良い世界を作ことができます -
20:16 - 20:19私たちは 思いやりを持って
ネット上でやり取りし -
20:19 - 20:22思いやりを持ってニュースを読み
-
20:22 - 20:24思いやりを持ってクリックすべきです
-
20:24 - 20:29自分が見出しになっているところを
しばらく想像してください -
20:31 - 20:34最後に個人的な話をさせてください
-
20:36 - 20:38この9か月間 ―
-
20:38 - 20:41一番よく聞かれたのは
「なぜか」ということです -
20:41 - 20:45なぜ今になって
塹壕から頭を出してきたのか? -
20:45 - 20:48こんな質問には
別の意図がありそうですが -
20:48 - 20:52政治とは関係ないというのが
私の答です -
20:52 - 20:57一番の答は 以前も今も変わりません
「時が来たから」です -
20:57 - 21:00自分の過去から
こそこそ隠れるのを止め -
21:00 - 21:03不名誉な人生を生きるのを止め
-
21:03 - 21:06自分の物語を
取り戻す時が来たからです -
21:06 - 21:11自分自身を救うことだけが
目的ではありません -
21:11 - 21:15恥や 公然の侮辱に苦しむ
あらゆる人々に -
21:15 - 21:17知って欲しいことがあるからです
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21:17 - 21:20あなたは生き抜くことができます
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21:20 - 21:23つらいのはわかります
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21:23 - 21:27痛みもあるでしょう
すぐ簡単に消えるものでもないでしょう -
21:27 - 21:31でも 自分の物語に
別の結末を求めてもいいのです -
21:31 - 21:35自分への思いやりを持ってください
-
21:35 - 21:38誰もが 思いやりを受ける資格があり
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21:38 - 21:44ネット上でも現実でも 思いやりのある
世界で生きる資格があるのだから -
21:44 - 21:46ありがとうございました
-
21:46 - 21:57(拍手)
- Title:
- 晒された屈辱の値段
- Speaker:
- モニカ・ルインスキー
- Description:
-
「残酷なスポーツを観て楽しむように、公然と侮辱するのは止めるべき」だとモニカ・ルインスキーは訴えます。1998年当時、個人的な信用を世界的な規模でほぼ一瞬のうちに失ったのは、彼女が初めてだったのです。彼女が経験したように、ネットで屈辱的な情報を晒されることは今では日常的な出来事になりました。彼女は勇気を出してネットにおける「屈辱の文化」を考察し、それとは別の道が必要だと訴えます。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 22:26
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