なぜクジラは歌うのか?-ステファニー・サーデリス
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0:08 - 0:11水中でのコミュニケーションは困難です
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0:11 - 0:17光やにおいは水中では伝わりにくいので
見たり嗅いだりするのは難しいのです -
0:17 - 0:22しかし 音は空気中の4倍の速さで
水中を伝わり -
0:22 - 0:23海底はとても暗いので
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0:23 - 0:28海洋哺乳類は発声に頼って
コミュニケーションをすることが多いのです -
0:28 - 0:32そんなわけで
海の中はコーラスで満ちているのです -
0:32 - 0:33クリックス
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0:33 - 0:34パルス音
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0:34 - 0:35警笛音
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0:35 - 0:35うなり声
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0:35 - 0:36跳ねる音
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0:36 - 0:37叫び声
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0:37 - 0:40震え声といったものがあります
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0:40 - 0:42水中交響曲で最もすばらしいのは
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0:42 - 0:48世界で最も大きな哺乳類が創作する
メロディや歌です -
0:48 - 0:51その哺乳類とは クジラです
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0:51 - 0:55クジラの歌は動物界で最も洗練された
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0:55 - 0:56コミュニケーションのひとつです
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0:56 - 0:59歌うのは限られた種だけです
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0:59 - 1:00シロナガスクジラ
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1:00 - 1:01ナガスクジラ
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1:01 - 1:02ホッキョククジラ
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1:02 - 1:03ミンククジラ
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1:03 - 1:06そして ザトウクジラです
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1:06 - 1:08これらはみなヒゲクジラで
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1:08 - 1:13獲物を捕まえるのに歯の代わり
毛むくじゃらの「ひげ板」を使います -
1:13 - 1:16ハクジラはエコーロケーションを使います
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1:16 - 1:19また ハクジラと歌わないヒゲクジラは
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1:19 - 1:24叫び声や警笛のような社会性のある音で
コミュニケーションをします -
1:24 - 1:28しかしそれらの発声は歌のように
複雑ではありません -
1:28 - 1:30音を出すメカニズムは?
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1:30 - 1:35私たちのような陸上の哺乳類は
声帯に空気を通して音を出します -
1:35 - 1:38私たちが息を吐くとき
声帯を震わせるのです -
1:38 - 1:42ヒゲクジラは肺と喉頭嚢という
大きな膨らむ臓器の間に -
1:42 - 1:47U字型の組織を持っています
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1:47 - 1:50歌っているクジラの内臓を
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1:50 - 1:53観察することはできないので
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1:53 - 1:55詳しくはわかりませんが
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1:55 - 1:57クジラが歌うとき
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1:57 - 2:00喉や胸の筋肉の収縮により
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2:00 - 2:06空気を肺からU字型の組織を通して
喉頭嚢へ送ることで -
2:06 - 2:08U字型の組織を震わせていると
考えられます -
2:08 - 2:14結果的に大聖堂で
合唱しているような音の共鳴となり -
2:14 - 2:19数千キロ先まで届くのに
十分な音量になります -
2:19 - 2:22クジラは歌うのに
息を吐く必要がありません -
2:22 - 2:25空気が肺へ循環して戻り
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2:25 - 2:28再び音を発するのです
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2:28 - 2:32クジラの歌がとても美しい理由は
そのパターンにあります -
2:32 - 2:37うめき声 鳴き声 甲高い声といった
ユニットが組み合わさってフレーズになり -
2:37 - 2:40繰り返されるフレーズで
テーマができます -
2:40 - 2:45規則的なパターンで繰り返される
複数のテーマが歌を形づくります -
2:45 - 2:47この階層的な構造はある種の文法です
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2:47 - 2:51クジラの歌は変化に富み
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2:51 - 2:54クジラは何度も繰り返し歌います
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2:54 - 3:00ある録音記録では ザトウクジラが
22時間も歌い続けました -
3:00 - 3:02では なぜ歌うのでしょう?
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3:02 - 3:05確かな目的はまだわかりませんが
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3:05 - 3:09歌うのはオスで
ほとんど繁殖期であるため -
3:09 - 3:12歌でメスを惹きつけると推測できます
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3:12 - 3:17もしくは縄張り行動で
他のオスに警告しているのです -
3:17 - 3:21クジラは毎年同じ場所を
えさ場や繁殖地とし -
3:21 - 3:25それぞれの集団が異なる歌を歌います
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3:25 - 3:31歌は時間をかけてユニットやフレーズが
増えたり変化したり減ったりして進化します -
3:31 - 3:35他の集団のオスたちが
歌の聞こえる範囲で食べている時に -
3:35 - 3:37フレーズがしばしば交換されます
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3:37 - 3:42新しい歌できっとオスはメスに対して
より魅力的になるのでしょう -
3:42 - 3:46ユニットやフレーズの交換は
最も早く文化が伝達される例のひとつです -
3:46 - 3:49獲得された行動が同じ種の
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3:49 - 3:52同族ではない個体へ伝えられています
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3:52 - 3:55ハイドロフォンという水中マイクを通して
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3:55 - 3:56クジラの歌を聞くことができます
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3:56 - 4:02水中マイクは目撃例や遺伝子サンプルが
少ない種について追跡するのに便利です -
4:02 - 4:05たとえば 科学者たちは
シロナガスクジラの集団を -
4:05 - 4:10歌を使って世界規模で
識別することができました -
4:10 - 4:15ところが 人間の活動によって
海の中は騒々しくなっています -
4:15 - 4:16ボート
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4:16 - 4:17軍事ソナー
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4:17 - 4:18水中での建築工事
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4:18 - 4:22石油資源の調査が増え
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4:22 - 4:25クジラのコミュニケーションを
邪魔しています -
4:25 - 4:29人間の出す音がうるさすぎれば
重要なえさ場や繁殖地を -
4:29 - 4:31クジラが避けるようになるでしょう
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4:31 - 4:35200km離れた騒音の影響で
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4:35 - 4:39ザトウクジラの歌が減少しているのが
確認されています -
4:39 - 4:42回遊ルートや重要な生息地で
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4:42 - 4:44人間の活動を制限し
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4:44 - 4:46海全体で騒音公害を減らすことは
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4:46 - 4:50クジラが生き続ける一助となるでしょう
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4:50 - 4:53クジラが歌い続け
私たちが聞き続けることができれば -
4:53 - 4:57クジラが何を言っているのか
理解できる時が来るかもしれません
- Title:
- なぜクジラは歌うのか?-ステファニー・サーデリス
- Speaker:
- Stephanie Sardelis
- Description:
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水中でのコミュニケーションは困難です。光やにおいが水の中を伝わりにくいのに対して音は空気中の約4倍速く伝わるので、海洋哺乳類は音を使ってコミュニケーションします。水中の発声で最も素晴らしいのはクジラの歌であることは疑いようがありません。ステファニー・サーデリスが世界で最も大きな哺乳類が創作するメロディを解明します。
講師:ステファニー・サーデリス、アニメーション:ボニャト・スタジオ
*このビデオの教材:http://ed.ted.com/lessons/how-do-whales-sing-stephanie-sardelis
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 05:13
Michelle Mehrtens edited Japanese subtitles for Why do whales sing? - Stephanie Sardelis | ||
Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for Why do whales sing? - Stephanie Sardelis | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Why do whales sing? - Stephanie Sardelis | ||
Misaki Sato accepted Japanese subtitles for Why do whales sing? - Stephanie Sardelis | ||
Misaki Sato declined Japanese subtitles for Why do whales sing? - Stephanie Sardelis | ||
Misaki Sato edited Japanese subtitles for Why do whales sing? - Stephanie Sardelis | ||
Misaki Sato edited Japanese subtitles for Why do whales sing? - Stephanie Sardelis | ||
Mika Ikeda edited Japanese subtitles for Why do whales sing? - Stephanie Sardelis |