Return to Video

保健医療分野におけるビッグデータ革命の驚くべき萌芽 | ジョエル・セラニキオ | TEDxAustin

  • 0:18 - 0:20
    こんな古いジョークがあります
  • 0:20 - 0:22
    警官が夜中に
    担当区域を巡回していると
  • 0:22 - 0:25
    街灯の下で地面を見つめながら
  • 0:25 - 0:28
    行ったり来たりしている男に出会いました
  • 0:28 - 0:29
    「何をしているのか?」と警官が聞くと
  • 0:29 - 0:31
    男は「カギを探している」と
  • 0:31 - 0:33
    そこで 警官も一緒になって
  • 0:33 - 0:35
    辺りをくまなく探してみました
  • 0:35 - 0:37
    しばらく探しても
  • 0:37 - 0:38
    カギはありません
  • 0:38 - 0:41
    警官は聞きました 「本当にここか?
  • 0:41 - 0:43
    確かに ここで失くしたのか?」
  • 0:43 - 0:44
    男の答えは「ノー」でした
  • 0:44 - 0:46
    「ホントは 道の反対側なんだ
  • 0:46 - 0:48
    でも こっちの灯りは明るいし」
  • 0:48 - 0:51
    (笑)
  • 0:52 - 0:55
    「ビッグデータ」という言葉を
    最近よく聞きます
  • 0:55 - 0:58
    これは インターネットを介した
    やりとりの中で
  • 0:58 - 1:00
    我々が日々作りだしている
  • 1:00 - 1:01
    あらゆるデータを指します
  • 1:01 - 1:03
    FacebookやTwitterから
  • 1:03 - 1:07
    音楽や映画やストリーミングまで
    何もかもが提供元になります
  • 1:07 - 1:08
    むろん TEDの生中継映像も
  • 1:08 - 1:11
    ビッグデータの研究者いわく
  • 1:11 - 1:13
    いま最大の問題は 情報が とにかく
  • 1:13 - 1:15
    膨大であるということ
  • 1:15 - 1:18
    それを整理する方法が
    大きな課題だといいます
  • 1:19 - 1:21
    国際保健の分野で働いている
    私にとっては
  • 1:21 - 1:23
    そんなことは問題ではありません
  • 1:24 - 1:27
    なぜならインターネットを使えば
    情報が得やすくなるとはいえ
  • 1:28 - 1:32
    我々の目の前にある問題を
    解決するための情報は
  • 1:32 - 1:34
    そもそもインターネット上にないからです
  • 1:34 - 1:36
    例えば 我々は今
  • 1:36 - 1:39
    どれほどの人が 災害や紛争に
  • 1:39 - 1:41
    苦しんでいるかを把握していません
  • 1:41 - 1:45
    発展途上国では 薬がどの病院にあって
  • 1:45 - 1:46
    どの病院にはないかも
  • 1:46 - 1:48
    まったく見当がつきません
  • 1:48 - 1:52
    そのような国の病院への
    薬の供給体制もわからないのです
  • 1:52 - 1:55
    さらに驚くべきことに
  • 1:55 - 1:59
    ボリビアやボツワナやブータンなどの
    発展途上国で
  • 1:59 - 2:02
    何人の子どもが生まれ
    またそこで暮らしているかも
  • 2:04 - 2:06
    これらの国々で先週 何人の子どもが
  • 2:06 - 2:07
    死んだのかも知りません
  • 2:07 - 2:10
    高齢者や精神疾患患者の
    ニーズも知りません
  • 2:10 - 2:13
    このように 非常に重要な問題や
  • 2:13 - 2:16
    解決すべき問題を抱えた地域について
  • 2:16 - 2:19
    ほとんど何も知らないのです
  • 2:21 - 2:24
    その理由の1つは
    国際保健分野の問題を解決するため
  • 2:24 - 2:28
    データを集めるのに使用している
    情報システムは
  • 2:28 - 2:33
    このようなものだからです
  • 2:33 - 2:35
    約5千年前からある方法で
  • 2:35 - 2:37
    使ったことがある人もいるでしょう
  • 2:37 - 2:38
    もはや時代遅れですが
  • 2:38 - 2:41
    我々が99%の仕事で いまだに使っている
  • 2:41 - 2:43
    紙の調査票です
  • 2:44 - 2:46
    この写真では
  • 2:46 - 2:49
    インドネシアの保健省の看護師が
  • 2:49 - 2:52
    紙の調査票を持って 田舎を回っています
  • 2:52 - 2:54
    とても蒸し暑いはずです
  • 2:54 - 2:58
    彼女は数週間 数カ月かけて
  • 2:58 - 2:59
    何千ものドアをノックして
  • 2:59 - 3:01
    尋ねるのです
  • 3:01 - 3:04
    「アンケートに ご協力をお願いします
  • 3:04 - 3:08
    お子さんはいます? ワクチンの接種は?」と
  • 3:08 - 3:10
    なぜなら
    インドネシアでどれだけの子どもが
  • 3:10 - 3:13
    ワクチンを接種しているかどうかの情報は
  • 3:13 - 3:14
    インターネット上にはなく
  • 3:14 - 3:18
    ドアをノックして歩くしかないからです
  • 3:18 - 3:21
    数万軒の家を回ることもあります
  • 3:21 - 3:24
    数カ月あるいは数年
    かかることさえあるのです
  • 3:24 - 3:27
    インドネシアの国勢調査は
  • 3:27 - 3:29
    2年はかかることでしょう
  • 3:29 - 3:31
    そして 問題はもちろん
  • 3:31 - 3:33
    すべてが紙ベースだということです
  • 3:33 - 3:36
    至るところで 紙の調査票が使われます
  • 3:36 - 3:38
    ワクチンの調査にも紙
  • 3:38 - 3:41
    病院受診者のカルテにも紙
  • 3:41 - 3:46
    薬や血液の供給の管理にも 紙…
  • 3:46 - 3:49
    ほかにも様々な用途で 紙を使いますが
  • 3:49 - 3:51
    これらはいずれも
  • 3:51 - 3:54
    最終的にはこのように
    同じところに行きつきます
  • 3:54 - 3:57
    トラック一杯のデータです
  • 3:59 - 4:02
    これは私が参加していた 数年前の
  • 4:02 - 4:05
    ザンビアのある地方のわずか1区画の
  • 4:05 - 4:07
    ワクチンの接種状況に関する
    たった1回の調査分です
  • 4:07 - 4:10
    知りたかったのは
    ザンビアでどれだけの子どもが
  • 4:10 - 4:13
    ワクチン接種を受けているかと
    いうことだけだったのですが
  • 4:13 - 4:16
    これが数週間で
    米国で言えば「郡」の規模の
  • 4:16 - 4:17
    1つの地区から集まった
  • 4:17 - 4:20
    データなのです
  • 4:20 - 4:23
    問題が想像できるでしょう?
  • 4:23 - 4:25
    ザンビア全体が
    たった1つの質問に答えるだけで
  • 4:26 - 4:28
    このようなことになります
  • 4:28 - 4:31
    何台ものトラックが
  • 4:31 - 4:34
    データで一杯になってしまうのです
  • 4:34 - 4:37
    さらに悪いことに
    それは始まりに過ぎません
  • 4:37 - 4:39
    いったんデータを集めたら
  • 4:39 - 4:42
    当然 誰か不運な人が
  • 4:42 - 4:44
    コンピューターに
    入力しなければなりません
  • 4:44 - 4:46
    実際 学生の頃
  • 4:46 - 4:48
    私はその不運な人でした
  • 4:48 - 4:51
    あまり丁寧にやらなかったことも
    しばしばでした
  • 4:51 - 4:53
    入力ミスもたくさんあるはずです
  • 4:53 - 4:56
    誰にもバレてませんが
    データの質は悪かったでしょう
  • 4:56 - 4:59
    ともかくもデータが入力されれば
  • 4:59 - 5:01
    それが分析され
  • 5:01 - 5:03
    分析結果が出ると
  • 5:03 - 5:06
    その結果を利用して
  • 5:06 - 5:09
    ワクチンの普及が進められます
  • 5:09 - 5:14
    地球全体での健康を考えたときに
    何よりも最悪の事態は
  • 5:14 - 5:17
    ワクチンを接種しなかったために
  • 5:17 - 5:20
    子どもたちを死なせてしまうことですからね
  • 5:20 - 5:23
    わずか1ドルのワクチンを
    接種しなかっただけで
  • 5:23 - 5:27
    数百万の子どもたちが
    毎年亡くなっているのです
  • 5:27 - 5:30
    実のところ 数百万というのは
    大雑把な見積もりで
  • 5:30 - 5:33
    毎年死亡する子どもの
    正確な人数はわかりません
  • 5:33 - 5:36
    さらにひどいことに
  • 5:36 - 5:39
    私が学生の頃に担当していた
    データ入力の部分には
  • 5:39 - 5:41
    6カ月もかかることがあります
  • 5:41 - 5:44
    2年ということさえあるんです
    コンピューターへ入力するだけなのに
  • 5:44 - 5:46
    時には入力されないことさえあります
  • 5:46 - 5:48
    珍しいことではありません
  • 5:48 - 5:50
    さて皆さんの知恵をしぼってください
  • 5:50 - 5:53
    ここに数百人のチームがあります
  • 5:53 - 5:56
    彼らはある質問の回答を求めて
    調査に着手します
  • 5:56 - 5:58
    燃料やコピー代や日当で
  • 5:58 - 6:01
    数十万ドルはかかるでしょう
  • 6:02 - 6:04
    そして 何かの理由で調査が失速したり
  • 6:04 - 6:05
    資金がなくなったりすると
  • 6:05 - 6:07
    すべてが無駄に終わります
  • 6:07 - 6:10
    集めたデータがコンピューターに
    入力されないからです
  • 6:10 - 6:12
    処理が止まるのです
  • 6:12 - 6:13
    しかも これが頻繁に起こります
  • 6:13 - 6:16
    こうして 国際保健に関する決断を下すとき
    根拠にされるデータは
  • 6:16 - 6:19
    少ないか 古いか 存在しないかです
  • 6:21 - 6:23
    そこで 1995年に
  • 6:23 - 6:26
    この流れを改善できないかと
    私は考え始めました
  • 6:26 - 6:29
    今考えると1995年はずいぶん前です
  • 6:29 - 6:32
    時の流れの早さに震えあがりますね
  • 6:32 - 6:35
    当時人気だった映画は
    『ダイ・ハード3』です
  • 6:35 - 6:38
    ブルース・ウィリスは今よりも髪が多かった
  • 6:38 - 6:40
    私は疾病管理センター(CDC)で
    働いていて
  • 6:40 - 6:42
    私自身も もっと髪がありました
  • 6:43 - 6:46
    しかし1995年当時
    もっとも重要だったのは
  • 6:46 - 6:47
    これです
  • 6:47 - 6:50
    今では想像もできませんが
  • 6:50 - 6:53
    これが最先端の携帯端末だったのです
  • 6:54 - 6:56
    iPhoneでもGalaxyでもありません
  • 6:56 - 6:58
    Palm Pilotです
  • 6:58 - 7:01
    この端末を初めて見たとき
    こう思いました
  • 7:01 - 7:04
    「これなら 調査票を数万件も保存できる
  • 7:04 - 7:07
    これに入れたらいいんじゃないか
  • 7:07 - 7:11
    そうしたらこれ1つ持って 現場に出られる
  • 7:11 - 7:12
    やってみようじゃないか
  • 7:12 - 7:14
    もしそれが実現できるなら
  • 7:14 - 7:17
    つまり もし最初から電子データ形式で
  • 7:17 - 7:19
    集められるなら
  • 7:19 - 7:22
    入力するプロセスも
  • 7:24 - 7:28
    入力する人手も省くことができる
  • 7:28 - 7:29
    すぐに分析に着手できて
  • 7:29 - 7:33
    結果は人命を救うために
    すぐに活用することができる」
  • 7:33 - 7:35
    だから 私は行動を起こしました
  • 7:35 - 7:39
    CDCの仕事で 様々なプログラムのため
    世界中を巡り歩くなか
  • 7:39 - 7:43
    紙の調査票ではなくPalm Pilotで
    データを集める方法を
  • 7:43 - 7:45
    教え始めました
  • 7:45 - 7:47
    とてもうまくいきました
  • 7:47 - 7:49
    まさに誰もが予想したようになったのです
  • 7:49 - 7:50
    わかりますか?
  • 7:50 - 7:54
    デジタルデータの収集は
    紙よりもずっと効率的です
  • 7:54 - 7:56
    この頃 私のビジネスパートナーで
  • 7:56 - 7:59
    今日ここに
    ご主人のマシューと来ているローズは
  • 7:59 - 8:02
    同じようなことを
    米国赤十字で行っていました
  • 8:02 - 8:05
    しかし この数年後
  • 8:05 - 8:09
    おそらく6〜7件の
    プログラムを終えた頃に
  • 8:09 - 8:12
    私は ふと気づきました
  • 8:12 - 8:13
    この調子で続けたとすると
  • 8:13 - 8:16
    私が退職するまでに
    20~30件は実施できるでしょう
  • 8:16 - 8:19
    ただ 問題なのは
  • 8:19 - 8:22
    20~30件のプログラムで
    方法を教えて回ったところで
  • 8:22 - 8:24
    それは大海の一滴に
    すぎないということです
  • 8:24 - 8:28
    発展途上国で
    プログラムの改善に必要なデータは
  • 8:28 - 8:31
    保健医療分野のものだけに
    絞り込んだとしても
  • 8:31 - 8:34
    莫大なのです
  • 8:34 - 8:38
    何百万 何千万ものプログラムが存在し
    何百万もの病院が
  • 8:38 - 8:40
    薬やワクチンを届けるプログラムを
  • 8:40 - 8:41
    必要としています
  • 8:41 - 8:44
    また 学校では
    生徒の出欠の記録を取ります
  • 8:44 - 8:48
    このとおり
    実に様々なデータが必要です
  • 8:48 - 8:51
    これまでのやり方を続けていくと
  • 8:52 - 8:55
    私がキャリアを終えるまでに
    世界を少しでも変えることは
  • 8:55 - 8:57
    到底無理だと気づいたのです
  • 8:57 - 8:59
    そこで頭をひねって考えました
  • 8:59 - 9:02
    私が踏んできたプロセスは
    どのようなものだったのかと
  • 9:02 - 9:04
    人々に どう教えてきたのか
  • 9:04 - 9:06
    トレーニングを
    もっと早く効果的に行うには
  • 9:06 - 9:09
    何が障害になっているのかと
  • 9:09 - 9:12
    しばらく考えたあげく
  • 9:14 - 9:16
    残念な結論に達しました
  • 9:16 - 9:18
    それは何かというと
  • 9:18 - 9:20
    悲しい発見ですが
  • 9:20 - 9:22
    「私」だったのです
  • 9:22 - 9:24
    どういうことかと言いますと
  • 9:24 - 9:25
    私が開発したプロセスは
  • 9:25 - 9:30
    常に 私が中心にいることを
    前提にしていました
  • 9:32 - 9:35
    この技術を使いたければ
    私に連絡をとらなければならない
  • 9:35 - 9:37
    まず 私の存在を確かめるのです
  • 9:37 - 9:40
    その上 私の出張の手配を
    すべてしなければなりません
  • 9:40 - 9:43
    私の滞在費 旅費 日当も必要です
  • 9:44 - 9:47
    1万〜3万ドルはかかるでしょう
  • 9:47 - 9:49
    さらに 私のスケジュールが合い
  • 9:49 - 9:51
    休暇中でないことが前提です
  • 9:51 - 9:53
    つまり このシステムはすべて
  • 9:53 - 9:56
    誰か特定の人物に依存しないと
    成り立ちません
  • 9:56 - 9:57
    ときにその人物は複数名かもしれません
  • 9:57 - 9:59
    このペースでは間に合わない
  • 9:59 - 10:02
    技術を普及させる上での問題は
    これだったのです
  • 10:02 - 10:04
    しかも今すぐ対処が必要です
  • 10:04 - 10:07
    そこで 自分を枠組みから外そうと
  • 10:07 - 10:08
    考え始めました
  • 10:11 - 10:13
    私が考えたのは
  • 10:13 - 10:15
    どうやって自分を
    枠の外に置くかでした
  • 10:15 - 10:17
    長いこと 悩みましたよ
  • 10:17 - 10:21
    それまで私は こう教え込まれていました
  • 10:21 - 10:22
    自国外で技術を普及させるには
  • 10:22 - 10:24
    コンサルタントが必要だと
  • 10:24 - 10:26
    それは大体男性で 私のような見た目
  • 10:26 - 10:29
    大抵 この国のような土地から飛行機で
  • 10:29 - 10:32
    肌の黒い人たちの国へやってきます
  • 10:32 - 10:35
    航空券を買い
  • 10:35 - 10:38
    時間を費やし 出張手当を支払い
  • 10:38 - 10:40
    ホテル代やスタッフへの
    支払いにも金を使う
  • 10:40 - 10:44
    当時の私が知る限り
    これが技術を普及させる唯一の方法で
  • 10:44 - 10:46
    別の方法を見つけられずにいました
  • 10:46 - 10:48
    しかし 奇跡が起きました
  • 10:48 - 10:51
    端的に言えば Hotmailです
  • 10:51 - 10:53
    “何が奇跡だ?”と思われたでしょうが
  • 10:53 - 10:55
    私にとってはそうだったんです
  • 10:55 - 10:58
    この問題に取り組んでいるとき
  • 10:59 - 11:02
    私はアフリカ サハラ以南の地域で
    働いていました
  • 11:02 - 11:04
    一緒に働いていた
    地元の保健医療従事者たちは全員
  • 11:04 - 11:08
    Hotmailのアカウントを持っていました
  • 11:10 - 11:12
    私ははっとしました “ちょっと待て”と
  • 11:12 - 11:16
    “Hotmailの関係者が
    ケニアの保健省にやって来て
  • 11:16 - 11:18
    何かトレーニングしたわけじゃない
  • 11:19 - 11:23
    つまり世界中を飛び回ったりしなくても
  • 11:23 - 11:25
    Hotmailの技術は皆に浸透したんだ
  • 11:25 - 11:27
    もう少し考えた方がよさそうだ”
  • 11:27 - 11:29
    私がこう思う一方で 世間では
  • 11:29 - 11:32
    さらに新しい動きが起こっていました
  • 11:32 - 11:35
    LinledInやFlickr
    GmailやGoogleマップなど
  • 11:35 - 11:36
    次々に登場したんです
  • 11:36 - 11:39
    もちろん これらは皆クラウドベースで
  • 11:39 - 11:41
    訓練を必要としません
  • 11:41 - 11:43
    プログラマーは必要ないし
  • 11:43 - 11:44
    コンサルタントも要りません
  • 11:44 - 11:47
    これらのビジネスモデルはすべて
  • 11:47 - 11:50
    トレーニングをしなくても
    すぐに使いこなせるような
  • 11:50 - 11:51
    シンプルなものだからです
  • 11:51 - 11:54
    そのウェブサイトに
    アクセスするだけでいい
  • 11:54 - 11:57
    そこで私は 今までの活動を
  • 11:58 - 12:00
    ソフトウェア化しようと思いました
  • 12:00 - 12:04
    人々に 端末の使い方を
    教えるのではなく
  • 12:04 - 12:07
    研修も私の関与も一切不要な
    新しいソフトウェアを
  • 12:07 - 12:09
    作ればいいのでは?
  • 12:09 - 12:10
    そこで 実行に移しました
  • 12:10 - 12:16
    オンライン調査票作成ソフトウェア
    Magpiを開発したんです
  • 12:16 - 12:17
    私に問い合わせは不要です
  • 12:17 - 12:20
    ウェブサイトを見ればいいだけです
  • 12:20 - 12:22
    調査票を一度作ってしまえば
  • 12:22 - 12:25
    あとは 様々な機種の
    携帯電話に送信するだけです
  • 12:25 - 12:28
    今は Palm Pilot は使わなくなり
    携帯電話の時代ですが
  • 12:28 - 12:31
    スマートフォンでなくても
    こんな簡単な端末で大丈夫
  • 12:31 - 12:34
    たとえば右側の Symbian OS の携帯は
  • 12:34 - 12:36
    発展途上国では 非常に普及しています
  • 12:36 - 12:40
    このソフトウェアの長所は
    Hotmailと同じで
  • 12:40 - 12:41
    クラウドベースであり
  • 12:41 - 12:44
    訓練もプログラミングも
    コンサルタントも不要な点です
  • 12:44 - 12:46
    また さらなる利点もあります
  • 12:46 - 12:49
    このシステムを立ち上げた当初は
  • 12:49 - 12:51
    Palm Pilotを
    使っていたときと同じように
  • 12:51 - 12:54
    データの収集と即時アップロードを行い
  • 12:54 - 12:56
    データセットを作成することだけが
    目的でした
  • 12:56 - 12:59
    しかしデータは
    コンピューターに入力してあるので
  • 12:59 - 13:02
    地図や 分析結果とそのグラフも
    すぐに作成できます
  • 13:02 - 13:04
    完了に2年もかかっていたプロセスを
  • 13:04 - 13:08
    こうして5分に短縮することができました
  • 13:08 - 13:10
    効率は飛躍的に上がりました
  • 13:10 - 13:14
    クラウドなら 研修もコンサルタントも
    そして私も 要りません
  • 13:15 - 13:17
    さっき説明したとおり 最初の数年間は
  • 13:17 - 13:19
    この作業のため 昔ながらのやり方で
  • 13:19 - 13:21
    各国を訪問していました
  • 13:23 - 13:26
    訓練してきた人の数は 1千人程度です
  • 13:26 - 13:27
    ソフトウェア導入後 どうなったか?
  • 13:27 - 13:29
    直後の3年間で
  • 13:29 - 13:31
    ウェブサイトへの登録者数は1万4千
  • 13:31 - 13:33
    ユーザーは 多様なデータ収集を始めました
  • 13:33 - 13:35
    まず災害対策のデータ
  • 13:35 - 13:38
    カナダの養豚家は
    豚の病気や群れの行動を追跡し
  • 13:39 - 13:41
    治療薬の供給状況を追った人もいました
  • 13:42 - 13:45
    また 国際救助委員会(IRC)の例も
    私は気に入ってます
  • 13:45 - 13:48
    文字の読み書きが 少し苦手な助産婦に
  • 13:48 - 13:51
    10ドルの携帯電話を配布し
  • 13:51 - 13:54
    我々のソフトウェアを使って
    週1回 メールを送ってもらいます
  • 13:54 - 13:57
    出産数や死者数のデータです
  • 13:57 - 14:00
    こうしてIRCは 国際保健では画期的な
    データを入手できたのです
  • 14:00 - 14:04
    シエラレオネでの
    ほぼリアルタイムの集計です
  • 14:04 - 14:05
    国内で 赤ちゃんが何人生まれたか
  • 14:05 - 14:08
    子どもは何人いるのか
  • 14:08 - 14:10
    現地からのデータです
  • 14:10 - 14:12
    亡くなった子どもの数も分かります
  • 14:13 - 14:15
    また 人権のための医師団(PHR)の例も
  • 14:15 - 14:17
    この取り組みは
    保健医療とは少し違います
  • 14:17 - 14:22
    PHRはコンゴで レイプ検査の手順を
    人々に教えていました
  • 14:22 - 14:24
    需要が非常に高かったからです
  • 14:24 - 14:25
    ひどい事実ですね
  • 14:25 - 14:28
    PHRは 我々のソフトウェアで
    証拠を記録しています
  • 14:28 - 14:31
    例えば写真など
  • 14:31 - 14:33
    犯人の裁判時に 利用するためです
  • 14:34 - 14:38
    一方 英国の慈善団体Camfedは
  • 14:38 - 14:41
    女の子が学校を続けられるよう
    家族に補助金を払います
  • 14:41 - 14:45
    この団体の活動で
    最も効果の高いプログラムです
  • 14:45 - 14:49
    その支払い額や出欠 成績の記録を
    かつては紙で管理していました
  • 14:49 - 14:52
    教師がこの団体に送った
    少女たちの成績や出欠を
  • 14:52 - 14:55
    レポートにまとめるまで
    およそ2〜3年かかっていましたが
  • 14:55 - 14:56
    今は リアルタイム処理
  • 14:56 - 14:59
    クラウドで低コストの このシステムを使い
  • 14:59 - 15:04
    Camfedは5カ国で活動し
  • 15:04 - 15:05
    数万人の少女たちを救っているのに
  • 15:05 - 15:09
    その経費は 全部で年間1万ドルです
  • 15:09 - 15:11
    私が現地に2週間出張し
  • 15:11 - 15:14
    コンサルテーションをするより
    よほど安くあがるんです
  • 15:15 - 15:19
    何度も言いますが
    昔ながらの方法で仕事を進めていた頃は
  • 15:19 - 15:23
    自分の功績は いくら頑張っても
    大海の一滴だと思っていました
  • 15:23 - 15:25
    10~30程度のプログラムですから
  • 15:25 - 15:27
    そこから随分進歩してきましたが
  • 15:27 - 15:29
    現時点でもこう思います
  • 15:29 - 15:31
    ウェブサイトの利用者が
    1万4千人に増えたところで
  • 15:31 - 15:33
    大海の一滴には 変わりない
  • 15:33 - 15:36
    でも 昔とは何かが違う
    明らかに 大きく変わりました
  • 15:36 - 15:38
    どこが違うのかというと
  • 15:38 - 15:42
    我々は 支援を求める人に
    直接会うことはなくなりました
  • 15:42 - 15:45
    全員を支援するには
    時間が足りないからです
  • 15:45 - 15:48
    我々にコンタクトを取らなくても
    活動できるようにしました
  • 15:48 - 15:52
    我々は 様々なツールを作っています
  • 15:52 - 15:57
    子どもの学業継続の支援
    乳児の出生数や死亡数の集計
  • 15:57 - 16:01
    犯罪者の逮捕と起訴などに
    役立てるツールです
  • 16:01 - 16:05
    この活動で 我々が目指しているのは
  • 16:06 - 16:07
    現状を より詳細に捉えて
  • 16:07 - 16:08
    より的確に把握することです
  • 16:10 - 16:13
    そうして人命を救い
    生活の質を向上させたいのです
  • 16:14 - 16:15
    ありがとう
  • 16:15 - 16:17
    (拍手)
Title:
保健医療分野におけるビッグデータ革命の驚くべき萌芽 | ジョエル・セラニキオ | TEDxAustin
Description:

世界規模で保健医療に関する情報を収集する作業は、かつては科学的にきわめて不完全な方法で行われていました。調査員は村落の1軒1軒を回って、ドアを叩いて質問を投げかけ、返ってきた答えを紙に書き込み、後でその情報をシステムに入力します。こんな不確かな情報を元に、この国の政府は大きな決断を下していたものでした。「データオタク」であるジョエル・セラニキオは、保健医療に関する情報の収集方法が、ここ10年ですっかり様変わりしたことを報告してくれます。変化のきっかけはPalm PilotとHotmailの普及でしたが、今ではクラウドに移行しつつあります。

このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは http://ted.com/tedx をご覧ください。

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
16:22

Japanese subtitles

Revisions