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近い将来起こり得る我が国土の水没を世界の協力で防止を

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    クリス・アンダーソン: 始めに あなたの国について
    ご紹介いただきたいと思います
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    地球儀に3つの点が
    大きく描かれています
  • 0:08 - 0:11
    それぞれがカリフォルニア州程度の
    広さがあります
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    キリバスについてご説明ください
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    アノテ・トン:
    まずは 関心を寄せて頂いている方に
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    お話をさせて頂く機会を設けて頂き
    深く感謝したいと思います
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    これまでに 多くの方にお話をさせて頂きましたが
    真面目に話を聞いて頂けませんでした
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    キリバスは3つの諸島からなっています
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    西部にはギルバート諸島があり
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    中央にはフェニックス諸島
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    東部にはライン諸島があります
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    素直に申し上げれば
    キリバスは世界の4大領域の
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    角に接する唯一の国といえるでしょう
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    北半球と南半球にまたがっている一方
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    日付変更線の東西をまたいでいます
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    これらの島々は全て
    サンゴの環礁でできていて
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    平均海抜は2メートル程度です
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    これが我が国の特徴です
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    ほとんどの島は幅が2キロもありません
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    折に触れ言われることは
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    「危険なら
    海岸から離れればいいじゃないか」って
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    彼らは理解していません
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    それが何を意味するのか
    まるで分っていないのです
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    海面が上昇したら「後ろに下がれば
    いいじゃないか」と言われたら
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    私はこう答えます
  • 1:29 - 1:33
    「後退したら反対側にある
    太平洋に落っこちるのだよ」と
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    皆 こういうことを
    理解していないのです
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    クリス: まさにこの写真には
    脆弱性を見て取ることができます
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    あなた自身が この国に
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    危険が迫っているとお気づきになったのは
    いつのことでしたか?
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    アノテ: 気候変動については
    ここ何十年も
  • 1:52 - 1:53
    議論されてきました
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    2003年に大統領に就任して以来
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    国連総会で気候変動問題について
    語ってきましたが
  • 2:02 - 2:05
    しかし議論は盛り上がりませんでした
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    まだ科学者の間にも対立する意見—
    人間の活動がもたらしたものなのか
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    また 気候変動は事実なのかという
    議論があったからです
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    しかしIPCC
    (気候変動に関する政府間パネル)が発行した
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    2007年の第4次評価報告書において
    気候変動は事実であり 人為的であると
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    断言的に述べられたことから
    議論はほぼ収束しました
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    また我が国などには
    極めて重大なことが起きると
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    予測しています
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    これを機に
    私は事態を重く見るようになりました
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    過去にもこの問題について
    語ったことはあり
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    心配はしていましたが
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    2007年の予測が発表されると
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    これは現実的な問題になりました
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    クリス: これらの予測によると
    たしか 2100年までには
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    海水面がおそらく約1メートル上昇します
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    上昇はそれ以上になるとのシナリオも
    あったはずです
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    次の様に話す懐疑的な人々に
    あなたは返答しますか?
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    「1メートルだって?
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    土地の高さは2メートルあるんだろう
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    それがどうしたっていうんだ?」
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    アノテ: 大半の国土の標高は低いので
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    僅かな海面の上昇により
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    多くの土地が失われることは
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    理解されると思います
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    しかしそれだけでなく
    常に大波の危険にさらされており
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    60センチでも危険です
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    そもそも気候変動は
    将来に起こりそうな問題であると
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    人々が考えていることに
    過ちがあります
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    我々は影響を
    もっとも敏感に受ける立ち場にあり
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    既に影響を受けています
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    既に移住した共同体もあります
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    移住せざるを得なかったのです
    国会での議論があるたびに
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    他の共同体から不満が述べられます
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    護岸堤防を設置しろとか
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    (塩水の上に安定的に浮かぶ)淡水レンズが
    破壊しつつあるので
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    何とかしてくれ といったことです
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    方々の島を訪問するごとに
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    各共同体がたしかに
    問題を抱えていることが分かります
  • 4:06 - 4:10
    作物の収穫量の減少だとか
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    淡水レンズの混濁があり
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    これらの共同体はおそらく
    5年から10年以内に
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    移住しなければならないことでしょう
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    クリス: 今年発生した最初の
    サイクロンでも被害を受けましたね
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    これも気候変動と関連していますか?
    ここでは何が起きたのでしょう?
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    アノテ: 我が国は赤道上にあります
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    多くの方々は
    赤道上といえば
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    無風状態だと思っているでしょう
    我々はサイクロンの襲来を受けるのではなく
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    サイクロンを作りだし 北にも南にも
    送り届けています
  • 4:41 - 4:42
    (笑)
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    普通はこちらに戻ってきませんが
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    今年の始めに
    そのようなことが初めて起こり
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    サイクロン・パムが
    バヌアツに被害をもたらしました
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    その進路において
    我が国の最南端にある
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    2つの諸島にも接し
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    パムが襲来した
    (隣国)ツバルは全域が浸水しました
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    私たちの 南端の2諸島には
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    高波が土地の半分以上を襲いまいした
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    かつて無かったことです
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    初めての経験です
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    自分の選挙区からこちらに駆けつけると
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    何十年も見続けていた美しい木々が
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    完全になぎ倒されていました
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    こんなことが起きているのです
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    しかし海面の上昇について語るとき
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    それは徐々に進行するものと捉えがちです
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    風だとか波浪といった形でも表れ
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    その影響は拡大され得るものです
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    今や気候パターンの変化が
    目撃され始めています
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    海面の上昇は差し迫っており
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    もっと早急な対応が必要でしょう
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    クリス: あなたの国は
    すでに影響を受けているのですね
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    将来のことを考えると
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    国にとってどんな選択肢があるのでしょう?
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    アノテ: 毎年のように語っていることですが
  • 6:03 - 6:05
    私は何度も
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    世界の国々を訪れ
    人々に理解してもらおうと努めています
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    我々には計画があります
    あると思っています
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    ある時 それはジュネーブでのことでしたが
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    これと同じような機会があって
    ある方からインタビューを
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    受けたことがありました
  • 6:22 - 6:24
    「洋上に浮かぶ島構想があるんだ」
    と言ったら
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    彼は 懐疑的だったのですが
    別の人がこう言いました
  • 6:26 - 6:30
    「笑っていられるもんか
    この人たちは解決策を探しているんだ」
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    私は浮かぶ島構想を捨てていません
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    日本人が浮かぶ島の建設に
    興味を示しています
  • 6:37 - 6:40
    国として決めた約束事があります
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    何が起ころうとも
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    国の存続にベストを尽くすのだと
  • 6:48 - 6:50
    それは
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    とても大変なことを伴います
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    とても本質的なことです
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    洋上に浮かぶ島に住むか
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    海面が上昇したり
    嵐がもっと激しくなっても
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    水没しないように
    島々をかさ上げするようなことです
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    しかし 実現のために
    必要な資金を調達することは
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    とても難しいことです
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    クリス: となると 唯一の手段は
    強制移住といったことになりますね
  • 7:15 - 7:17
    アノテ: それも考えています
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    世界の国々が何もしてくれない事態にも
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    備えておかねばなりませんから
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    欧州の都合に
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    振り回されぬよう 備えているのです
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    ある時 突然に集団で移住することを
    望んではいません
  • 7:29 - 7:33
    今のうちに国民に選択肢を与え
  • 7:33 - 7:36
    希望する人々が
    移住できるようにしたいのです
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    心の準備もない
    突然の強制移住は
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    望ましくありません
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    もちろん 我々の文化や社会は
    とてもユニークです
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    移住先の環境や文化とは
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    異なっています
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    大変な適応を必要とすることです
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    クリス: あなたの国では
    過去にも強制移住がありました
  • 7:57 - 7:59
    今週
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    昨日か一昨日のことですが
  • 8:02 - 8:04
    あなたは その人たちの元を訪ねましたね
  • 8:04 - 8:07
    そこでは何がありましたか?
    何が語られましたか?
  • 8:07 - 8:09
    アノテ: はい 残念ながら
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    なぜ密かに訪問したのだと
    詰問する人もいました
  • 8:12 - 8:16
    訪問には正当な理由があります
    ソロモン諸島のその地域には
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    キリバス人の共同体があります
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    この人たちは1960年代に
    フェニックス諸島から
  • 8:24 - 8:25
    移住させられました
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    ひどい干ばつに見舞われ
    島で生活することが出来なくなり
  • 8:30 - 8:33
    ソロモン諸島で生活することに
    なったのです
  • 8:33 - 8:37
    昨日 この方々にお会いすることは
    とても興味深いことでした
  • 8:37 - 8:39
    彼らは私について
    聞いたことも無かったようです
  • 8:39 - 8:42
    後で気づいた方もいました
  • 8:42 - 8:45
    彼らはこの出会いを
    とても喜んでいたと思います
  • 8:45 - 8:50
    また別の機会に正式なおもてなしをしたいと
    熱望されました
  • 8:50 - 8:53
    我が国民に会うことが出来て
  • 8:53 - 8:55
    とても嬉しく思いました
  • 8:55 - 9:01
    自分達の言語で話しかけ
    彼らも同じ言葉で返します
  • 9:01 - 9:05
    でも彼らはキリバスの言葉を忘れかけていて
    アクセントは元来のものとは異なっています
  • 9:05 - 9:08
    赤い歯をした女性がここにいます
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    彼女はビンロウの実を噛んでいます
  • 9:10 - 9:12
    キリバスにはない習慣です
  • 9:12 - 9:15
    我々はビンロウの実を噛みません
  • 9:15 - 9:21
    現地の人と結婚してできた
    家族にも会いました
  • 9:21 - 9:25
    こういったことが起きています
  • 9:25 - 9:29
    違う共同体に入っていけば
    変化は必然的に起こります
  • 9:29 - 9:33
    アイデンティティがある程度
    消失することは避けられません
  • 9:33 - 9:37
    将来 移住した時に起こることを
  • 9:37 - 9:39
    見据えておかねばなりません
  • 9:39 - 9:42
    クリス: 今日はとても感情を揺さぶられました
    というも―
  • 9:42 - 9:45
    アイデンティティに関する問いかけや
    あなたという人物に会った喜び
  • 9:45 - 9:50
    それに国民が失った事の重大さを
    強調されたからかもしれません
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    国をあるがままの場所に
    留めるべく
  • 9:54 - 9:58
    最後まで戦うのだというあなたの姿勢を伺い
    とても鼓舞されるものがあります
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    アノテ: それが我々の願いです
  • 9:59 - 10:02
    誰も我が家を離れたくありません
  • 10:02 - 10:06
    だからこそ 私にとってとても難しい
    意思決定なのです
  • 10:06 - 10:11
    他の指導者なら 家を捨て島を去るなどという
    計画を立てたりしません
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    だから よく尋ねられます
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    「どんな気持ちですか?」と
  • 10:14 - 10:18
    全くいい気持がしません
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    とても感情的になりますが
    それを抑えようとしてきました
  • 10:21 - 10:26
    問題解決を図ろうとしていないと
    方々で非難されていることを私は知っています
  • 10:26 - 10:28
    その通りです 解決方法がないのですから
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    全体論的な方法でしか解決できません
  • 10:31 - 10:37
    気候変動は地球規模の現象で
    いつも私が訴えていることですが―
  • 10:37 - 10:41
    残念なことにも
    国連総会の機会に
  • 10:41 - 10:46
    オーストラリアやニュージーランドも
    メンバーとなっている
  • 10:46 - 10:49
    太平洋諸島フォーラムの国々と
    会合を持ち
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    議論しますが
  • 10:51 - 10:53
    そこでは(温暖化ガスの)排出削減について
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    いくらかは話題にはなるのですが
  • 10:58 - 11:00
    産業界への影響があるので
  • 11:00 - 11:03
    彼らには実現できそうにないことなのです
  • 11:03 - 11:05
    その場で私はこう言います
  • 11:05 - 11:07
    「話は聞いた
  • 11:07 - 11:08
    あなた達が言いたいことは分かった
  • 11:09 - 11:11
    だが私の言うことも理解してほしい
  • 11:11 - 11:13
    あなた方が排出を削減しなければ
  • 11:13 - 11:16
    我々の存続は危ぶまれるのだ
  • 11:16 - 11:20
    あなた方の都合と モラルを秤にかけることは
    あなた方の問題だ」
  • 11:20 - 11:24
    国民の生存と産業の対立の問題です
  • 11:24 - 11:27
    クリス: 昨日 何があなたを
    立腹させているのかと尋ねました
  • 11:27 - 11:30
    あなたは「怒ってはいない」と答えながらも
    言葉に詰まりました
  • 11:30 - 11:32
    これが立腹の理由なのでしょう
  • 11:32 - 11:37
    アノテ: 私は国連で発言しましたが
  • 11:37 - 11:42
    私はとても腹が立ち 挫折し
    そして意気消沈しました
  • 11:42 - 11:44
    無駄だと感じたからです
  • 11:44 - 11:49
    見込みの無い戦いを
    闘っているのです
  • 11:49 - 11:52
    アプローチの仕方を
    変えなければなりませんでした
  • 11:52 - 11:54
    もっと理性的になるべきだと考えました
  • 11:54 - 11:57
    道理をわきまえないと
    人々は話を聞いてくれないと思ったのです
  • 11:57 - 11:59
    とはいえ今も私は過激的に合理的です
  • 12:00 - 12:01
    (笑)
  • 12:01 - 12:05
    クリス: さて あなたの国では
    漁業が大切な営みですね
  • 12:05 - 12:08
    ほとんどの国民が何からの形で漁業に
    関わっているということでしたね
  • 12:08 - 12:11
    アノテ: 私たちは来る日も来る日も
    魚を食べています
  • 12:11 - 12:16
    魚の消費量は間違いなく
  • 12:16 - 12:18
    世界一でしょうね
  • 12:18 - 12:20
    家畜はあまりなくて
  • 12:20 - 12:23
    魚に食を依存しています
  • 12:23 - 12:26
    クリス: あなた方は食生活だけでなく
  • 12:26 - 12:29
    国際的なマグロ漁産業から得る
  • 12:29 - 12:32
    国家収入という意味でも
    魚に依存していますが
  • 12:32 - 12:37
    それにも関わらず あなたは数年前に
    過激な行動を取られましたね
  • 12:37 - 12:38
    これについてお話し下さい
  • 12:38 - 12:41
    ここフェニックス諸島で
    起きたことです
  • 12:41 - 12:47
    アノテ: 背景として 我々にとっての
    魚の意味をお話ししたいと思います
  • 12:47 - 12:51
    我々には世界に現存する
    最大のマグロ漁業があります
  • 12:51 - 12:54
    太平洋に残っているマグロ漁業の内
  • 12:54 - 12:55
    60%程を占めていると思います
  • 12:55 - 13:00
    健在なマグロの種もいますが
    そうでない種もいます
  • 13:00 - 13:05
    キリバスは マグロ資源を保有する
  • 13:06 - 13:08
    3大オーナーの1つです
  • 13:08 - 13:11
    アクセス料やライセンス費としての収入は
  • 13:11 - 13:14
    今のところ収入の
  • 13:14 - 13:17
    80~90%を占めています
  • 13:17 - 13:18
    クリス: 国家収入のことですね
  • 13:19 - 13:20
    アノテ: 国家収入のことです
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    これによって
  • 13:23 - 13:27
    政府が病院や学校といったものを
    運営しています
  • 13:27 - 13:32
    しかし マグロ漁の閉鎖を決めました
    とても困難な決断でした
  • 13:32 - 13:38
    政治的にも 人々の生活にとっても
    容易なことではありません
  • 13:38 - 13:42
    しかし 漁業を維持可能なものとするために
  • 13:42 - 13:47
    必要な措置であると確信したのです
  • 13:47 - 13:49
    いくつかの種
    特にメバチが
  • 13:49 - 13:54
    絶滅の危機に晒されている
    兆候があるのです
  • 13:54 - 13:57
    キハダマグロも乱獲されました
  • 13:57 - 13:59
    カツオはまだ大丈夫です
  • 13:59 - 14:03
    だから何らかの保護が必要で
    捕獲停止措置を決めたのです
  • 14:04 - 14:07
    他にも理由があります
  • 14:07 - 14:12
    我々は世界の国々に対して
  • 14:12 - 14:17
    気候変動問題に対処するよう
    懇願してきました
  • 14:17 - 14:21
    それには犠牲を伴い
    約束ごとが必要です
  • 14:21 - 14:26
    国際社会に犠牲をお願いするのですから
  • 14:26 - 14:29
    我々も犠牲を払わなければ
    ならないと考えました
  • 14:29 - 14:31
    だから犠牲を払うことにしたのです
  • 14:31 - 14:36
    フェニックス諸島の保護域での
  • 14:36 - 14:38
    商用漁業を控えると
  • 14:38 - 14:40
    収入を失います
  • 14:40 - 14:43
    損失の影響を評価中ですが
  • 14:43 - 14:48
    今年の初めに商業漁業を停止したので
  • 14:48 - 14:50
    年末までには
  • 14:50 - 14:54
    失った収入の影響が判明するでしょう
  • 14:54 - 14:56
    クリス: これには様々なことが
    関わっていきます
  • 14:56 - 15:03
    一方では健全な漁業が
    促進されるかもしれません
  • 15:03 - 15:05
    残された海域での漁業料を値上げすることで
  • 15:05 - 15:08
    どの程度収入を増やすことが
    できるかという意味です
  • 15:08 - 15:13
    アノテ: 難しい交渉が続いています
  • 15:13 - 15:16
    しかし船一杯あたりの料金を
    上げることができました
  • 15:16 - 15:19
    海域に入る全ての漁船には
  • 15:19 - 15:23
    一杯一日当たり約70万円から100万円の
    漁業料を課していましたが
  • 15:23 - 15:27
    これを約120万円から150万円に値上げしました
  • 15:27 - 15:31
    かなりの値上げです
  • 15:31 - 15:35
    しかし 一方で申し上げて
    おくべきことがあります
  • 15:35 - 15:40
    かつて これらの船は
  • 15:40 - 15:43
    一日に10トン程の魚を漁獲していたと
    思われますが
  • 15:44 - 15:47
    今では効率がとても上がり
    100トン程を漁獲しています
  • 15:47 - 15:50
    だから それに対応したものでもあるのです
  • 15:50 - 15:54
    技術がとても進歩しているので
    我々は用心しなければなりません
  • 15:54 - 15:59
    ブラジルの漁船が大西洋から
    太平洋に移ってきたことがありました
  • 15:59 - 16:01
    彼らは大量捕獲はできませんした
  • 16:01 - 16:04
    大量捕獲が出来ないか
    実験を始めた程度でしたが
  • 16:04 - 16:08
    今や それに成功し
    とても効率的になっています
  • 16:09 - 16:12
    クリス: 交渉の様子について
    少し教えて頂けますか?
  • 16:12 - 16:14
    あなたは実際のところ
  • 16:14 - 16:18
    何億円という価格交渉の前面に
    立っているわけですが
  • 16:18 - 16:21
    どうやって交渉を有利に導いていくのですか?
  • 16:21 - 16:23
    同じ漁業会社と交渉に向かう
  • 16:23 - 16:26
    他のリーダーたちに
    漁業から得る国の収益を最大化している
  • 16:26 - 16:30
    あなたの交渉方法について
  • 16:30 - 16:34
    何らかのアドバイスを与えられませんか?
  • 16:34 - 16:36
    どんなアドバイスがありますか?
  • 16:36 - 16:42
    人々は利益率を上げるために
  • 16:42 - 16:44
    ライセンス費削減に
    こだわり過ぎています
  • 16:44 - 16:47
    というのも ライセンス費は
  • 16:47 - 16:49
    お店での末端価格ではなく
  • 16:49 - 16:53
    陸揚げ時の 漁獲高の10%程度に
    なっているからです
  • 16:53 - 16:57
    我々は僅か10%程度を得ています
  • 16:57 - 16:59
    我々がここ数年の間に試みていることは
  • 16:59 - 17:03
    この産業への関わりを深めること
    つまり
  • 17:03 - 17:06
    漁を行い 加工し
    できれば 究極的には
  • 17:06 - 17:08
    マーケティングも行いたいと思っています
  • 17:08 - 17:11
    この業界に入っていくことは
    簡単ではありません
  • 17:11 - 17:14
    でも 実現に向けて動いています
  • 17:14 - 17:16
    きっと上手くいくでしょう
  • 17:16 - 17:21
    我々が利益率を高めるには
    もっと関与を高めなければなりません
  • 17:21 - 17:24
    我々は行動を開始しています
  • 17:24 - 17:28
    この業界を再構築しなければなりません
  • 17:28 - 17:31
    彼らに伝えるべきメッセージは
    「世界は変わったのだ」ということです
  • 17:31 - 17:34
    自らの手で魚を扱っていきたいのです
  • 17:34 - 17:36
    クリス: 片や 地元の漁師たちは
  • 17:36 - 17:39
    漁業を続けることができますが
  • 17:39 - 17:42
    彼らにとってこのビジネスの持つ意味は
    何でしょう?
  • 17:42 - 17:44
    今より大変なことでしょうか?
    水産資源の枯渇?
  • 17:44 - 17:47
    それとも維持可能な形で
    経営できるのでしょうか?
  • 17:47 - 17:49
    アノテ: 職人芸的な漁では
  • 17:49 - 17:52
    国内市場への供給を別とすれば
  • 17:52 - 17:55
    商業的な漁業活動に
    関わっていません
  • 17:55 - 17:59
    マグロ漁業は
    完全に外国市場向けで
  • 17:59 - 18:05
    そのほとんどは米国、欧州や日本へと
    送られます
  • 18:05 - 18:09
    私だって漁師ですから
  • 18:09 - 18:13
    キハダマグロを捕獲したものでした
  • 18:13 - 18:15
    でも今やキハダマグロが
    捕獲されることは稀です
  • 18:15 - 18:19
    きんちゃく網漁船で何百トンも
  • 18:19 - 18:21
    水揚げされたからです
  • 18:22 - 18:27
    クリス: ここにはあなたの国の
    可愛い少女達が写っていますね
  • 18:27 - 18:31
    彼女たちの将来に向け
  • 18:31 - 18:33
    どんなメッセージを彼女たちに
  • 18:33 - 18:36
    そして世界に伝えたいですか?
  • 18:36 - 18:40
    アノテ: 今も起きている気候変動について
    何かしなければならないと
  • 18:40 - 18:42
    世界に訴え続けてきました
  • 18:42 - 18:44
    それはこの子たちの将来のためです
  • 18:44 - 18:46
    私には少なくとも12人の孫がいます
  • 18:46 - 18:48
    12人だと思いますが
    妻が正確に知っています
  • 18:48 - 18:51
    (笑)
  • 18:51 - 18:54
    子供は8人います
  • 18:54 - 18:55
    彼らの将来のことです
  • 18:55 - 18:59
    毎日 この少女たちと同じ位の年の
    孫たちを見ていますが
  • 18:59 - 19:01
    とても心配になります
  • 19:01 - 19:03
    本当の所
    時々 怒りを感じます
  • 19:03 - 19:05
    彼らの将来はどうなってしまうのか
  • 19:05 - 19:09
    我々が伝えるべきメッセージは
  • 19:09 - 19:11
    彼らのことです
  • 19:11 - 19:13
    国の利益についてではありません
  • 19:13 - 19:17
    気候変動の問題は
    残念ながら 不幸にも
  • 19:17 - 19:21
    多くの国で国家の利益の問題と
    捉えられています それは違います
  • 19:21 - 19:24
    この点について 最近
    パートナーであるオーストラリアや
  • 19:24 - 19:26
    ニュージーランドと議論しました
  • 19:26 - 19:29
    なぜなら 彼らは
    「これ以上の削減は無理だ」というからです
  • 19:29 - 19:33
    その1人 オーストラリアのリーダーは
    こう言いました
  • 19:33 - 19:37
    「我々の割り当て分は済んだ
    削減しているんだ」
  • 19:37 - 19:41
    私は言い返しました「削減の残りは?
    それを外に出さないなら
  • 19:41 - 19:43
    削減できない分を
  • 19:43 - 19:46
    国内にとどめておけるというなら
  • 19:46 - 19:47
    何も言わない
  • 19:48 - 19:49
    好きなだけ排出したまえ
  • 19:49 - 19:51
    だが残念ながら
    排出は我々にも関わり
  • 19:52 - 19:54
    我が子供たちの将来に
    影響を及ぼしているんだ」
  • 19:54 - 19:59
    これこそが こんにち抱える
    気候変動問題の核心にあるのです
  • 19:59 - 20:02
    今年の年末にパリで会合があります
  • 20:02 - 20:06
    個々の国々が引き起こしているものの
  • 20:06 - 20:09
    全世界的に対処すべき問題であると
    認識されるまでは
  • 20:09 - 20:11
    他の国に影響を及ぼし続けます
  • 20:11 - 20:15
    しかし 今だもって
    対策を施すことは拒否され続けています
  • 20:15 - 20:17
    一国の(利益の)問題として扱っていますが
  • 20:17 - 20:19
    違います
    世界全体の問題なのです
  • 20:19 - 20:22
    一致団結することによってこそ
    解決が図られるのです
  • 20:23 - 20:27
    クリス: 人々はグラフや数字が示すものに
    実に鈍感です
  • 20:27 - 20:31
    見て見ぬふりをしています
  • 20:31 - 20:38
    しかしながら 時に
    少しだけ気に掛ける時もあります
  • 20:38 - 20:40
    それはあなた方のような国が―
  • 20:41 - 20:45
    それは大変な危機に直面しているからですが
  • 20:45 - 20:50
    とても視覚に訴える
    強いメッセージでもって
  • 20:50 - 20:52
    警告を行っているからに
    違いありません
  • 20:52 - 20:55
    あなたのリーダーシップと
    この場に来て頂いたことに
  • 20:55 - 20:57
    皆さんを代表して
    お礼を申し上げたいと思います
  • 20:57 - 20:59
    大統領 どうも有難うございました
  • 20:59 - 21:00
    アノテ: 有り難うございました
  • 21:00 - 21:02
    (拍手)
Title:
近い将来起こり得る我が国土の水没を世界の協力で防止を
Speaker:
アノテ・トン
Description:

キリバスの国民にとって、気候変動は日常に起こる現実であり、議論するものでも、否定するものでも、法制化するものでもありません。太平洋に浮かぶ海抜が低いこの島国は海面の上昇により、近い将来水没するかもしれません。TEDの運営者であるクリス・アンダーソンとの対談でキリバスの大統領であるアノテ・トンは、この国が直面する気候的な破局と将来の危機について語ります。「気候変動に対処するには、犠牲を伴い、約束ごとが必要です」そして「世界の有り方は変わったのだと人々に伝えるべきなのです」と訴えます。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
21:15

Japanese subtitles

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