近い将来起こり得る我が国土の水没を世界の協力で防止を
-
0:01 - 0:04クリス・アンダーソン: 始めに あなたの国について
ご紹介いただきたいと思います -
0:04 - 0:08地球儀に3つの点が
大きく描かれています -
0:08 - 0:11それぞれがカリフォルニア州程度の
広さがあります -
0:11 - 0:13キリバスについてご説明ください
-
0:13 - 0:17アノテ・トン:
まずは 関心を寄せて頂いている方に -
0:17 - 0:22お話をさせて頂く機会を設けて頂き
深く感謝したいと思います -
0:22 - 0:27これまでに 多くの方にお話をさせて頂きましたが
真面目に話を聞いて頂けませんでした -
0:27 - 0:31キリバスは3つの諸島からなっています
-
0:31 - 0:34西部にはギルバート諸島があり
-
0:34 - 0:37中央にはフェニックス諸島
-
0:37 - 0:42東部にはライン諸島があります
-
0:42 - 0:45素直に申し上げれば
キリバスは世界の4大領域の -
0:45 - 0:47角に接する唯一の国といえるでしょう
-
0:47 - 0:50北半球と南半球にまたがっている一方
-
0:50 - 0:54日付変更線の東西をまたいでいます
-
0:54 - 1:00これらの島々は全て
サンゴの環礁でできていて -
1:00 - 1:05平均海抜は2メートル程度です
-
1:05 - 1:08これが我が国の特徴です
-
1:08 - 1:13ほとんどの島は幅が2キロもありません
-
1:13 - 1:16折に触れ言われることは
-
1:16 - 1:19「危険なら
海岸から離れればいいじゃないか」って -
1:19 - 1:20彼らは理解していません
-
1:20 - 1:24それが何を意味するのか
まるで分っていないのです -
1:24 - 1:27海面が上昇したら「後ろに下がれば
いいじゃないか」と言われたら -
1:27 - 1:29私はこう答えます
-
1:29 - 1:33「後退したら反対側にある
太平洋に落っこちるのだよ」と -
1:33 - 1:38皆 こういうことを
理解していないのです -
1:38 - 1:42クリス: まさにこの写真には
脆弱性を見て取ることができます -
1:42 - 1:45あなた自身が この国に
-
1:45 - 1:48危険が迫っているとお気づきになったのは
いつのことでしたか? -
1:48 - 1:52アノテ: 気候変動については
ここ何十年も -
1:52 - 1:53議論されてきました
-
1:53 - 1:582003年に大統領に就任して以来
-
1:58 - 2:02国連総会で気候変動問題について
語ってきましたが -
2:02 - 2:05しかし議論は盛り上がりませんでした
-
2:05 - 2:09まだ科学者の間にも対立する意見—
人間の活動がもたらしたものなのか -
2:09 - 2:14また 気候変動は事実なのかという
議論があったからです -
2:14 - 2:20しかしIPCC
(気候変動に関する政府間パネル)が発行した -
2:20 - 2:262007年の第4次評価報告書において
気候変動は事実であり 人為的であると -
2:26 - 2:33断言的に述べられたことから
議論はほぼ収束しました -
2:33 - 2:37また我が国などには
極めて重大なことが起きると -
2:37 - 2:39予測しています
-
2:39 - 2:43これを機に
私は事態を重く見るようになりました -
2:43 - 2:47過去にもこの問題について
語ったことはあり -
2:47 - 2:48心配はしていましたが
-
2:48 - 2:522007年の予測が発表されると
-
2:52 - 2:54これは現実的な問題になりました
-
2:54 - 3:00クリス: これらの予測によると
たしか 2100年までには -
3:00 - 3:02海水面がおそらく約1メートル上昇します
-
3:02 - 3:05上昇はそれ以上になるとのシナリオも
あったはずです -
3:05 - 3:07次の様に話す懐疑的な人々に
あなたは返答しますか? -
3:07 - 3:08「1メートルだって?
-
3:08 - 3:11土地の高さは2メートルあるんだろう
-
3:11 - 3:12それがどうしたっていうんだ?」
-
3:12 - 3:14アノテ: 大半の国土の標高は低いので
-
3:14 - 3:16僅かな海面の上昇により
-
3:16 - 3:19多くの土地が失われることは
-
3:19 - 3:22理解されると思います
-
3:22 - 3:27しかしそれだけでなく
常に大波の危険にさらされており -
3:27 - 3:3060センチでも危険です
-
3:30 - 3:33そもそも気候変動は
将来に起こりそうな問題であると -
3:33 - 3:39人々が考えていることに
過ちがあります -
3:39 - 3:42我々は影響を
もっとも敏感に受ける立ち場にあり -
3:42 - 3:43既に影響を受けています
-
3:43 - 3:47既に移住した共同体もあります
-
3:47 - 3:51移住せざるを得なかったのです
国会での議論があるたびに -
3:51 - 3:53他の共同体から不満が述べられます
-
3:53 - 3:56護岸堤防を設置しろとか
-
3:56 - 3:59(塩水の上に安定的に浮かぶ)淡水レンズが
破壊しつつあるので -
3:59 - 4:01何とかしてくれ といったことです
-
4:01 - 4:03方々の島を訪問するごとに
-
4:03 - 4:06各共同体がたしかに
問題を抱えていることが分かります -
4:06 - 4:10作物の収穫量の減少だとか
-
4:10 - 4:13淡水レンズの混濁があり
-
4:13 - 4:18これらの共同体はおそらく
5年から10年以内に -
4:18 - 4:20移住しなければならないことでしょう
-
4:20 - 4:24クリス: 今年発生した最初の
サイクロンでも被害を受けましたね -
4:24 - 4:27これも気候変動と関連していますか?
ここでは何が起きたのでしょう? -
4:28 - 4:30アノテ: 我が国は赤道上にあります
-
4:30 - 4:35多くの方々は
赤道上といえば -
4:35 - 4:38無風状態だと思っているでしょう
我々はサイクロンの襲来を受けるのではなく -
4:38 - 4:41サイクロンを作りだし 北にも南にも
送り届けています -
4:41 - 4:42(笑)
-
4:43 - 4:44普通はこちらに戻ってきませんが
-
4:44 - 4:47今年の始めに
そのようなことが初めて起こり -
4:47 - 4:51サイクロン・パムが
バヌアツに被害をもたらしました -
4:51 - 4:54その進路において
我が国の最南端にある -
4:54 - 4:562つの諸島にも接し
-
4:57 - 5:02パムが襲来した
(隣国)ツバルは全域が浸水しました -
5:02 - 5:06私たちの 南端の2諸島には
-
5:06 - 5:09高波が土地の半分以上を襲いまいした
-
5:09 - 5:11かつて無かったことです
-
5:11 - 5:13初めての経験です
-
5:13 - 5:18自分の選挙区からこちらに駆けつけると
-
5:18 - 5:22何十年も見続けていた美しい木々が
-
5:22 - 5:24完全になぎ倒されていました
-
5:24 - 5:25こんなことが起きているのです
-
5:26 - 5:29しかし海面の上昇について語るとき
-
5:29 - 5:32それは徐々に進行するものと捉えがちです
-
5:33 - 5:36風だとか波浪といった形でも表れ
-
5:36 - 5:38その影響は拡大され得るものです
-
5:38 - 5:44今や気候パターンの変化が
目撃され始めています -
5:44 - 5:46海面の上昇は差し迫っており
-
5:47 - 5:51もっと早急な対応が必要でしょう
-
5:51 - 5:54クリス: あなたの国は
すでに影響を受けているのですね -
5:54 - 5:57将来のことを考えると
-
5:57 - 6:00国にとってどんな選択肢があるのでしょう?
-
6:01 - 6:03アノテ: 毎年のように語っていることですが
-
6:03 - 6:05私は何度も
-
6:05 - 6:10世界の国々を訪れ
人々に理解してもらおうと努めています -
6:10 - 6:12我々には計画があります
あると思っています -
6:12 - 6:16ある時 それはジュネーブでのことでしたが
-
6:16 - 6:20これと同じような機会があって
ある方からインタビューを -
6:20 - 6:21受けたことがありました
-
6:22 - 6:24「洋上に浮かぶ島構想があるんだ」
と言ったら -
6:24 - 6:26彼は 懐疑的だったのですが
別の人がこう言いました -
6:26 - 6:30「笑っていられるもんか
この人たちは解決策を探しているんだ」 -
6:30 - 6:34私は浮かぶ島構想を捨てていません
-
6:34 - 6:37日本人が浮かぶ島の建設に
興味を示しています -
6:37 - 6:40国として決めた約束事があります
-
6:40 - 6:44何が起ころうとも
-
6:44 - 6:48国の存続にベストを尽くすのだと
-
6:48 - 6:50それは
-
6:50 - 6:53とても大変なことを伴います
-
6:53 - 6:55とても本質的なことです
-
6:55 - 6:57洋上に浮かぶ島に住むか
-
6:57 - 7:01海面が上昇したり
嵐がもっと激しくなっても -
7:01 - 7:06水没しないように
島々をかさ上げするようなことです -
7:06 - 7:08しかし 実現のために
必要な資金を調達することは -
7:08 - 7:11とても難しいことです
-
7:11 - 7:15クリス: となると 唯一の手段は
強制移住といったことになりますね -
7:15 - 7:17アノテ: それも考えています
-
7:17 - 7:20世界の国々が何もしてくれない事態にも
-
7:20 - 7:22備えておかねばなりませんから
-
7:22 - 7:23欧州の都合に
-
7:23 - 7:27振り回されぬよう 備えているのです
-
7:27 - 7:29ある時 突然に集団で移住することを
望んではいません -
7:29 - 7:33今のうちに国民に選択肢を与え
-
7:33 - 7:36希望する人々が
移住できるようにしたいのです -
7:36 - 7:41心の準備もない
突然の強制移住は -
7:42 - 7:44望ましくありません
-
7:44 - 7:47もちろん 我々の文化や社会は
とてもユニークです -
7:47 - 7:50移住先の環境や文化とは
-
7:50 - 7:51異なっています
-
7:51 - 7:54大変な適応を必要とすることです
-
7:54 - 7:57クリス: あなたの国では
過去にも強制移住がありました -
7:57 - 7:59今週
-
7:59 - 8:02昨日か一昨日のことですが
-
8:02 - 8:04あなたは その人たちの元を訪ねましたね
-
8:04 - 8:07そこでは何がありましたか?
何が語られましたか? -
8:07 - 8:09アノテ: はい 残念ながら
-
8:09 - 8:12なぜ密かに訪問したのだと
詰問する人もいました -
8:12 - 8:16訪問には正当な理由があります
ソロモン諸島のその地域には -
8:16 - 8:20キリバス人の共同体があります
-
8:20 - 8:24この人たちは1960年代に
フェニックス諸島から -
8:24 - 8:25移住させられました
-
8:25 - 8:30ひどい干ばつに見舞われ
島で生活することが出来なくなり -
8:30 - 8:33ソロモン諸島で生活することに
なったのです -
8:33 - 8:37昨日 この方々にお会いすることは
とても興味深いことでした -
8:37 - 8:39彼らは私について
聞いたことも無かったようです -
8:39 - 8:42後で気づいた方もいました
-
8:42 - 8:45彼らはこの出会いを
とても喜んでいたと思います -
8:45 - 8:50また別の機会に正式なおもてなしをしたいと
熱望されました -
8:50 - 8:53我が国民に会うことが出来て
-
8:53 - 8:55とても嬉しく思いました
-
8:55 - 9:01自分達の言語で話しかけ
彼らも同じ言葉で返します -
9:01 - 9:05でも彼らはキリバスの言葉を忘れかけていて
アクセントは元来のものとは異なっています -
9:05 - 9:08赤い歯をした女性がここにいます
-
9:08 - 9:10彼女はビンロウの実を噛んでいます
-
9:10 - 9:12キリバスにはない習慣です
-
9:12 - 9:15我々はビンロウの実を噛みません
-
9:15 - 9:21現地の人と結婚してできた
家族にも会いました -
9:21 - 9:25こういったことが起きています
-
9:25 - 9:29違う共同体に入っていけば
変化は必然的に起こります -
9:29 - 9:33アイデンティティがある程度
消失することは避けられません -
9:33 - 9:37将来 移住した時に起こることを
-
9:37 - 9:39見据えておかねばなりません
-
9:39 - 9:42クリス: 今日はとても感情を揺さぶられました
というも― -
9:42 - 9:45アイデンティティに関する問いかけや
あなたという人物に会った喜び -
9:45 - 9:50それに国民が失った事の重大さを
強調されたからかもしれません -
9:50 - 9:54国をあるがままの場所に
留めるべく -
9:54 - 9:58最後まで戦うのだというあなたの姿勢を伺い
とても鼓舞されるものがあります -
9:58 - 9:59アノテ: それが我々の願いです
-
9:59 - 10:02誰も我が家を離れたくありません
-
10:02 - 10:06だからこそ 私にとってとても難しい
意思決定なのです -
10:06 - 10:11他の指導者なら 家を捨て島を去るなどという
計画を立てたりしません -
10:11 - 10:13だから よく尋ねられます
-
10:13 - 10:14「どんな気持ちですか?」と
-
10:14 - 10:18全くいい気持がしません
-
10:18 - 10:21とても感情的になりますが
それを抑えようとしてきました -
10:21 - 10:26問題解決を図ろうとしていないと
方々で非難されていることを私は知っています -
10:26 - 10:28その通りです 解決方法がないのですから
-
10:28 - 10:31全体論的な方法でしか解決できません
-
10:31 - 10:37気候変動は地球規模の現象で
いつも私が訴えていることですが― -
10:37 - 10:41残念なことにも
国連総会の機会に -
10:41 - 10:46オーストラリアやニュージーランドも
メンバーとなっている -
10:46 - 10:49太平洋諸島フォーラムの国々と
会合を持ち -
10:49 - 10:51議論しますが
-
10:51 - 10:53そこでは(温暖化ガスの)排出削減について
-
10:53 - 10:58いくらかは話題にはなるのですが
-
10:58 - 11:00産業界への影響があるので
-
11:00 - 11:03彼らには実現できそうにないことなのです
-
11:03 - 11:05その場で私はこう言います
-
11:05 - 11:07「話は聞いた
-
11:07 - 11:08あなた達が言いたいことは分かった
-
11:09 - 11:11だが私の言うことも理解してほしい
-
11:11 - 11:13あなた方が排出を削減しなければ
-
11:13 - 11:16我々の存続は危ぶまれるのだ
-
11:16 - 11:20あなた方の都合と モラルを秤にかけることは
あなた方の問題だ」 -
11:20 - 11:24国民の生存と産業の対立の問題です
-
11:24 - 11:27クリス: 昨日 何があなたを
立腹させているのかと尋ねました -
11:27 - 11:30あなたは「怒ってはいない」と答えながらも
言葉に詰まりました -
11:30 - 11:32これが立腹の理由なのでしょう
-
11:32 - 11:37アノテ: 私は国連で発言しましたが
-
11:37 - 11:42私はとても腹が立ち 挫折し
そして意気消沈しました -
11:42 - 11:44無駄だと感じたからです
-
11:44 - 11:49見込みの無い戦いを
闘っているのです -
11:49 - 11:52アプローチの仕方を
変えなければなりませんでした -
11:52 - 11:54もっと理性的になるべきだと考えました
-
11:54 - 11:57道理をわきまえないと
人々は話を聞いてくれないと思ったのです -
11:57 - 11:59とはいえ今も私は過激的に合理的です
-
12:00 - 12:01(笑)
-
12:01 - 12:05クリス: さて あなたの国では
漁業が大切な営みですね -
12:05 - 12:08ほとんどの国民が何からの形で漁業に
関わっているということでしたね -
12:08 - 12:11アノテ: 私たちは来る日も来る日も
魚を食べています -
12:11 - 12:16魚の消費量は間違いなく
-
12:16 - 12:18世界一でしょうね
-
12:18 - 12:20家畜はあまりなくて
-
12:20 - 12:23魚に食を依存しています
-
12:23 - 12:26クリス: あなた方は食生活だけでなく
-
12:26 - 12:29国際的なマグロ漁産業から得る
-
12:29 - 12:32国家収入という意味でも
魚に依存していますが -
12:32 - 12:37それにも関わらず あなたは数年前に
過激な行動を取られましたね -
12:37 - 12:38これについてお話し下さい
-
12:38 - 12:41ここフェニックス諸島で
起きたことです -
12:41 - 12:47アノテ: 背景として 我々にとっての
魚の意味をお話ししたいと思います -
12:47 - 12:51我々には世界に現存する
最大のマグロ漁業があります -
12:51 - 12:54太平洋に残っているマグロ漁業の内
-
12:54 - 12:5560%程を占めていると思います
-
12:55 - 13:00健在なマグロの種もいますが
そうでない種もいます -
13:00 - 13:05キリバスは マグロ資源を保有する
-
13:06 - 13:083大オーナーの1つです
-
13:08 - 13:11アクセス料やライセンス費としての収入は
-
13:11 - 13:14今のところ収入の
-
13:14 - 13:1780~90%を占めています
-
13:17 - 13:18クリス: 国家収入のことですね
-
13:19 - 13:20アノテ: 国家収入のことです
-
13:20 - 13:23これによって
-
13:23 - 13:27政府が病院や学校といったものを
運営しています -
13:27 - 13:32しかし マグロ漁の閉鎖を決めました
とても困難な決断でした -
13:32 - 13:38政治的にも 人々の生活にとっても
容易なことではありません -
13:38 - 13:42しかし 漁業を維持可能なものとするために
-
13:42 - 13:47必要な措置であると確信したのです
-
13:47 - 13:49いくつかの種
特にメバチが -
13:49 - 13:54絶滅の危機に晒されている
兆候があるのです -
13:54 - 13:57キハダマグロも乱獲されました
-
13:57 - 13:59カツオはまだ大丈夫です
-
13:59 - 14:03だから何らかの保護が必要で
捕獲停止措置を決めたのです -
14:04 - 14:07他にも理由があります
-
14:07 - 14:12我々は世界の国々に対して
-
14:12 - 14:17気候変動問題に対処するよう
懇願してきました -
14:17 - 14:21それには犠牲を伴い
約束ごとが必要です -
14:21 - 14:26国際社会に犠牲をお願いするのですから
-
14:26 - 14:29我々も犠牲を払わなければ
ならないと考えました -
14:29 - 14:31だから犠牲を払うことにしたのです
-
14:31 - 14:36フェニックス諸島の保護域での
-
14:36 - 14:38商用漁業を控えると
-
14:38 - 14:40収入を失います
-
14:40 - 14:43損失の影響を評価中ですが
-
14:43 - 14:48今年の初めに商業漁業を停止したので
-
14:48 - 14:50年末までには
-
14:50 - 14:54失った収入の影響が判明するでしょう
-
14:54 - 14:56クリス: これには様々なことが
関わっていきます -
14:56 - 15:03一方では健全な漁業が
促進されるかもしれません -
15:03 - 15:05残された海域での漁業料を値上げすることで
-
15:05 - 15:08どの程度収入を増やすことが
できるかという意味です -
15:08 - 15:13アノテ: 難しい交渉が続いています
-
15:13 - 15:16しかし船一杯あたりの料金を
上げることができました -
15:16 - 15:19海域に入る全ての漁船には
-
15:19 - 15:23一杯一日当たり約70万円から100万円の
漁業料を課していましたが -
15:23 - 15:27これを約120万円から150万円に値上げしました
-
15:27 - 15:31かなりの値上げです
-
15:31 - 15:35しかし 一方で申し上げて
おくべきことがあります -
15:35 - 15:40かつて これらの船は
-
15:40 - 15:43一日に10トン程の魚を漁獲していたと
思われますが -
15:44 - 15:47今では効率がとても上がり
100トン程を漁獲しています -
15:47 - 15:50だから それに対応したものでもあるのです
-
15:50 - 15:54技術がとても進歩しているので
我々は用心しなければなりません -
15:54 - 15:59ブラジルの漁船が大西洋から
太平洋に移ってきたことがありました -
15:59 - 16:01彼らは大量捕獲はできませんした
-
16:01 - 16:04大量捕獲が出来ないか
実験を始めた程度でしたが -
16:04 - 16:08今や それに成功し
とても効率的になっています -
16:09 - 16:12クリス: 交渉の様子について
少し教えて頂けますか? -
16:12 - 16:14あなたは実際のところ
-
16:14 - 16:18何億円という価格交渉の前面に
立っているわけですが -
16:18 - 16:21どうやって交渉を有利に導いていくのですか?
-
16:21 - 16:23同じ漁業会社と交渉に向かう
-
16:23 - 16:26他のリーダーたちに
漁業から得る国の収益を最大化している -
16:26 - 16:30あなたの交渉方法について
-
16:30 - 16:34何らかのアドバイスを与えられませんか?
-
16:34 - 16:36どんなアドバイスがありますか?
-
16:36 - 16:42人々は利益率を上げるために
-
16:42 - 16:44ライセンス費削減に
こだわり過ぎています -
16:44 - 16:47というのも ライセンス費は
-
16:47 - 16:49お店での末端価格ではなく
-
16:49 - 16:53陸揚げ時の 漁獲高の10%程度に
なっているからです -
16:53 - 16:57我々は僅か10%程度を得ています
-
16:57 - 16:59我々がここ数年の間に試みていることは
-
16:59 - 17:03この産業への関わりを深めること
つまり -
17:03 - 17:06漁を行い 加工し
できれば 究極的には -
17:06 - 17:08マーケティングも行いたいと思っています
-
17:08 - 17:11この業界に入っていくことは
簡単ではありません -
17:11 - 17:14でも 実現に向けて動いています
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17:14 - 17:16きっと上手くいくでしょう
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17:16 - 17:21我々が利益率を高めるには
もっと関与を高めなければなりません -
17:21 - 17:24我々は行動を開始しています
-
17:24 - 17:28この業界を再構築しなければなりません
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17:28 - 17:31彼らに伝えるべきメッセージは
「世界は変わったのだ」ということです -
17:31 - 17:34自らの手で魚を扱っていきたいのです
-
17:34 - 17:36クリス: 片や 地元の漁師たちは
-
17:36 - 17:39漁業を続けることができますが
-
17:39 - 17:42彼らにとってこのビジネスの持つ意味は
何でしょう? -
17:42 - 17:44今より大変なことでしょうか?
水産資源の枯渇? -
17:44 - 17:47それとも維持可能な形で
経営できるのでしょうか? -
17:47 - 17:49アノテ: 職人芸的な漁では
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17:49 - 17:52国内市場への供給を別とすれば
-
17:52 - 17:55商業的な漁業活動に
関わっていません -
17:55 - 17:59マグロ漁業は
完全に外国市場向けで -
17:59 - 18:05そのほとんどは米国、欧州や日本へと
送られます -
18:05 - 18:09私だって漁師ですから
-
18:09 - 18:13キハダマグロを捕獲したものでした
-
18:13 - 18:15でも今やキハダマグロが
捕獲されることは稀です -
18:15 - 18:19きんちゃく網漁船で何百トンも
-
18:19 - 18:21水揚げされたからです
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18:22 - 18:27クリス: ここにはあなたの国の
可愛い少女達が写っていますね -
18:27 - 18:31彼女たちの将来に向け
-
18:31 - 18:33どんなメッセージを彼女たちに
-
18:33 - 18:36そして世界に伝えたいですか?
-
18:36 - 18:40アノテ: 今も起きている気候変動について
何かしなければならないと -
18:40 - 18:42世界に訴え続けてきました
-
18:42 - 18:44それはこの子たちの将来のためです
-
18:44 - 18:46私には少なくとも12人の孫がいます
-
18:46 - 18:4812人だと思いますが
妻が正確に知っています -
18:48 - 18:51(笑)
-
18:51 - 18:54子供は8人います
-
18:54 - 18:55彼らの将来のことです
-
18:55 - 18:59毎日 この少女たちと同じ位の年の
孫たちを見ていますが -
18:59 - 19:01とても心配になります
-
19:01 - 19:03本当の所
時々 怒りを感じます -
19:03 - 19:05彼らの将来はどうなってしまうのか
-
19:05 - 19:09我々が伝えるべきメッセージは
-
19:09 - 19:11彼らのことです
-
19:11 - 19:13国の利益についてではありません
-
19:13 - 19:17気候変動の問題は
残念ながら 不幸にも -
19:17 - 19:21多くの国で国家の利益の問題と
捉えられています それは違います -
19:21 - 19:24この点について 最近
パートナーであるオーストラリアや -
19:24 - 19:26ニュージーランドと議論しました
-
19:26 - 19:29なぜなら 彼らは
「これ以上の削減は無理だ」というからです -
19:29 - 19:33その1人 オーストラリアのリーダーは
こう言いました -
19:33 - 19:37「我々の割り当て分は済んだ
削減しているんだ」 -
19:37 - 19:41私は言い返しました「削減の残りは?
それを外に出さないなら -
19:41 - 19:43削減できない分を
-
19:43 - 19:46国内にとどめておけるというなら
-
19:46 - 19:47何も言わない
-
19:48 - 19:49好きなだけ排出したまえ
-
19:49 - 19:51だが残念ながら
排出は我々にも関わり -
19:52 - 19:54我が子供たちの将来に
影響を及ぼしているんだ」 -
19:54 - 19:59これこそが こんにち抱える
気候変動問題の核心にあるのです -
19:59 - 20:02今年の年末にパリで会合があります
-
20:02 - 20:06個々の国々が引き起こしているものの
-
20:06 - 20:09全世界的に対処すべき問題であると
認識されるまでは -
20:09 - 20:11他の国に影響を及ぼし続けます
-
20:11 - 20:15しかし 今だもって
対策を施すことは拒否され続けています -
20:15 - 20:17一国の(利益の)問題として扱っていますが
-
20:17 - 20:19違います
世界全体の問題なのです -
20:19 - 20:22一致団結することによってこそ
解決が図られるのです -
20:23 - 20:27クリス: 人々はグラフや数字が示すものに
実に鈍感です -
20:27 - 20:31見て見ぬふりをしています
-
20:31 - 20:38しかしながら 時に
少しだけ気に掛ける時もあります -
20:38 - 20:40それはあなた方のような国が―
-
20:41 - 20:45それは大変な危機に直面しているからですが
-
20:45 - 20:50とても視覚に訴える
強いメッセージでもって -
20:50 - 20:52警告を行っているからに
違いありません -
20:52 - 20:55あなたのリーダーシップと
この場に来て頂いたことに -
20:55 - 20:57皆さんを代表して
お礼を申し上げたいと思います -
20:57 - 20:59大統領 どうも有難うございました
-
20:59 - 21:00アノテ: 有り難うございました
-
21:00 - 21:02(拍手)
- Title:
- 近い将来起こり得る我が国土の水没を世界の協力で防止を
- Speaker:
- アノテ・トン
- Description:
-
キリバスの国民にとって、気候変動は日常に起こる現実であり、議論するものでも、否定するものでも、法制化するものでもありません。太平洋に浮かぶ海抜が低いこの島国は海面の上昇により、近い将来水没するかもしれません。TEDの運営者であるクリス・アンダーソンとの対談でキリバスの大統領であるアノテ・トンは、この国が直面する気候的な破局と将来の危機について語ります。「気候変動に対処するには、犠牲を伴い、約束ごとが必要です」そして「世界の有り方は変わったのだと人々に伝えるべきなのです」と訴えます。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 21:15
Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for My country will be underwater soon -- unless we work together | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for My country will be underwater soon -- unless we work together | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for My country will be underwater soon -- unless we work together | ||
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Masako Kigami accepted Japanese subtitles for My country will be underwater soon -- unless we work together | ||
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