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自然における最小の工場：カルビン回路 ― キャシー・シミントン

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    あなたの目の前には
    エネルギーたっぷりの
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    カーボンクランチが入った
    大きな器があります
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    一口 二口 三口
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    食事のエネルギーが
    体に入ると
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    あなたは
    すぐにパワーアップします
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    でも このエネルギーは
    どうやってこの器に入ったのでしょうか？
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    エネルギーは糖として存在しています
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    それは小麦やトウモロコシのような
    シリアルの原材料となる
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    植物で作られます
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    ご覧のように 炭素は化学的な
    基本骨格を構成しています
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    植物は炭素を
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    私たちが呼吸した空気から
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    二酸化炭素の形で取り込みます
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    では 葉緑体のストロマの中に入っている
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    エネルギー製造工場は
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    二酸化炭素などの
    炭素を１つだけ含む気体を
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    ブドウ糖などの炭素を６つ含む固体に
    変えるのでしょうか？
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    光合成のことだと思ったあなたは
    正解です
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    光合成には２つの段階があります
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    第１段階では太陽からのエネルギーを
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    アデノシン三リン酸（ATP）の
    形で貯えます
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    第２段階のカルビン回路は
    炭素を取り入れて
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    糖に変える過程です
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    この第２段階は
    自然界で最も持続可能な
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    生産ラインの１つを実現しています
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    というわけで
    世界最小の工場へようこそ
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    最初の材料は
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    空気中の二酸化炭素の分子と
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    リブロ―スビスリン酸（RuBP）という
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    あらかじめ組み立てられている
    炭素を５つ含む分子の
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    混合物です
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    触媒は？
    RubisCOという名の働き者の酵素です
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    この酵素は
    ６個の炭素結合を作る最初の過程で
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    二酸化炭素に含まれる炭素を１つ
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    RuBPに結合させる役割をします
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    そして それはすぐに
    炭素を３個ずつ含む―
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    ２つの短い鎖状の分子に分解します
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    これはホスホグリセリン酸
    （PGA）と呼ばれます
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    ここでATPと
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    ニコチンアミドジヌクレオチドリン酸
    （NADPH）という
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    化学物質の登場です
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    潤滑剤のように作用するATPは
    エネルギーを送り届け
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    一方 NADPHはPGA鎖のそれぞれに
    水素を１つずつ付加させて
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    グリセルアルデヒド３リン酸（G3P）に
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    変化させます
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    ブドウ糖には６つの炭素が必要ですが
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    丁度良いことに
    G3P分子が２つあれば
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    炭素の数が６つになります
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    ということで 糖が作られましたね？
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    いいえ まだです
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    カルビン回路は持続可能な
    生産ラインのようなものです
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    つまり 反応を開始させる
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    元からあったRuBPは
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    カルビン回路で発生する物質から
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    再合成される必要があります
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    でも RuBPには炭素が５個必要で
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    ブドウ糖を作るのに６個使います
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    何かおかしいですね
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    その答えは驚くべき事実の中にあります
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    私たちが１つの生産ラインに
    注目している一方で
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    他に５つの生産ラインが同時に動いています
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    ６つのベルトコンベアーが
    一斉に動くので
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    １つのRuBPに炭素がたった１個だけ
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    結合するのではなく
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    ６つのRuBPに６つの炭素が
    結合するのです
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    すると２個ではなく
    12個のG3P鎖が作られます
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    つまり合計36個の炭素が存在するのです
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    それは糖を合成し しかも
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    RuBPを再合成するのに
    必要となるピッタリの数です
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    一か所に集められた12個のG3Pの内
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    ２個が取り出されて
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    エネルギー豊富な６個の炭素からなる
    ブドウ糖の糖鎖を作ります
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    朝食を摂ると これがあなたの
    燃料になります　成功です！
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    ちょっと 生産ラインに戻りましょう
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    糖を作るときの副産物は
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    先ほど述べた６個のRuBPを
    再合成するために すぐに集められます
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    それには30個の炭素が必要です
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    これは残りの10個のG3Pに
    含まれる炭素の数とピッタリ同じです
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    ここで分子の混合と結合が起こります
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    ２つのG3Pが結合して
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    ６つの炭素が並びます
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    ３つ目のG3Pが加えられ
    ９個の炭素からなる炭素鎖が作られます
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    ５つの炭素からなる最初のRuBPが
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    ここから作られ
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    ４個の炭素が残ります
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    しかし ここに無駄なものはありません
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    これは４つ目のG3Pに結合し
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    ７個の炭素からなる鎖ができます
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    ５つ目のG3P分子を加えて
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    10個の炭素からなる鎖が作られます
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    これはRuBPをもう２つ
    作るのに十分な数です
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    10個あるG3Pの内
    ５つから
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    ３つのRuBPが再合成されました
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    このプロセスが２回繰り返されることで
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    カルビン回路を再開するのに必要な
    ６個のRuBP鎖が再生します
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    カルビン回路を再開するのに必要な
    ６個のRuBP鎖が再生します
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    ですから カルビン回路は
    ちょうど必要な数の
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    分子とプロセスを作りだして
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    生化学的な生産ラインを
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    ずっと稼働させ続けています
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    これは自然界に100種類も存在する―
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    回路の１つに過ぎません
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    なんで そんなに多いかって？
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    なぜなら生物学的な生成反応が直線的だと
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    自然界が必要とする
    糖のような物質を作るために
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    直線的な反応では
    エネルギーをこれほど効率的に
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    もしくは上手く使うことは
    できないでしょう
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    回路は重要なフィードバックの
    ループを作ります
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    これによって材料を何度も再利用し
    再合成することで
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    地球上で利用できる資源から
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    できるだけ多くのものを作ります
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    糖のようなものは
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    日光と炭素を原料とし
    植物内部の工場で
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    変換されることで作られて
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    あなたに力を与えるエネルギーとなり
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    しかも あなたの生命活動において
    循環し続けるのです
Title:
自然における最小の工場：カルビン回路 ― キャシー・シミントン
Description:

お皿にいっぱい入ったシリアルは一日のはじまりにエネルギーを与えてくれますが、実際にはどのように、そのエネルギーが作られるのでしょうか？ すべては光合成から始まります。光合成は私たちの呼気をエネルギーに富んだ糖に変換する過程です。キャシー・シミントンはとても効率が良い光合成の第二段階について詳しく説明します。それはカルビン回路と呼ばれていて、巧妙に計算された仕組みで二酸化炭素を糖に変えるのです。

講師：キャシー・シミントン、アニメーション：Flaming Medusa Studios Inc.
＊このビデオの教材 : http://ed.ted.com/lessons/nature-s-smallest-factory-the-calvin-cycle-cathy-symington
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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
05:38

Japanese subtitles

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