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頼む 俺のエアジョーダンを奪わないでくれ

  • 0:01 - 0:05
    俺のエアジョーダンは
    税込み100ドル
  • 0:06 - 0:10
    俺の革ジャンの背中には
    レイダースのロゴがある
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    俺がスタイリッシュに笑顔で
    外見を取り繕うのは
  • 0:13 - 0:17
    聞いて欲しいからじゃない
    ただそう見られたいから
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    俺の革のアディダスの野球帽には
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    偽物のグッチのリュックが
    お似合いさ(笑)
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    俺ほどキマってる奴はいない
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    でもこれには金が要る
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    俺は無職の一文無し
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    でもモールからは
    何でも簡単に盗める
  • 0:32 - 0:35
    親は盗むなと言うが
    他に手段はない
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    見た目が肝心な俺には
    やるしかない
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    俺が外見を取り繕う
    本当の理由は―
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    俺だって知らない
    特別な気分になれるからかもしれない
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    最新のギアなら
    堂々とできる
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    新しい服をすぐに調達しないと
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    俺のエゴが安物の
    風船みたく破裂しそう
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    でも店のセキュリティが厳しい
    日ごとに警官は増える
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    ダチは俺のボロい服を笑う
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    学校はそろそろ終わる
    夏は目の前
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    なのに俺のジョーダンは破れてる
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    新しい靴が要る
    やることは一つしかない
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    金曜に学校をサボり
    地下鉄でダウンタウンへ
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    ぶらついて獲物を探していれば
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    格好の餌食は運良く見つかるさ
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    最新のギアがいるんだ
    もうやるしかない
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    銃を仕込み やる気も十分
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    これはお遊びじゃない
    何も楽しくない
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    俺を笑うダチだっていない
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    クールなシロモノを手に入れるんだ
    まあ見てなって
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    駅を出て 公園付近の西4丁目
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    バスケをしている連中の一人に
    目をつけた
  • 1:36 - 1:37
    「よお そのナイキの靴はどこで買った?」
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    俺は内心思った
    「よし 俺の好みだ」
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    Q-tip の白
    まぶしくて目がくらむ
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    ジョーダンの赤いロゴが
    空を飛んでるようだ
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    シミ一つない
    新品のエアジョーダン
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    銃を手にやることは一つ
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    機会をうかがい
    接近して後をつけた
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    ヒューストン通りを左折し
    俺は銃を抜いた
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    そして俺は言った
    「エアジョーダンを渡せ!」
  • 2:00 - 2:02
    すると奴は逃げ出そうとした
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    逃がすもんか さっさと奪うぞ
    俺は打った「パン!」
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    2台の車の間に倒れ込み
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    奴は咳をして泣きながら
    地面に吐血していた
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    足元のエアジョーダンに
    つかみかかると
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    奴は地面に横たえ
    虫の息で言った
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    「頼む 俺のエアジョーダンを
    奪わないでくれ」
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    命の方が大事だろうと
    あんたは思うだろう
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    靴を脱がせていると
    奴の目に涙が見えた
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    翌日俺は学校へ行った
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    新品のエアジョーダンの
    俺はキマッていた
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    靴のために
    人を殺したけど 気にしてない
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    だって 今度は
    新しいジャケットが要るんだ
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    ありがとうございます(拍手)
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    僕が過去15年間の活動で
    ずっと願っていたことは
  • 2:54 - 2:58
    詩の域を超えて
    世の中に知ってもらうことです
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    ほら 本を書くだけでは
    不十分でしょう
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    ポエトリー・スラムに参加しても不十分で
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    そういうことに
    重点を置いている間は
  • 3:06 - 3:10
    ペンを握っても
    言葉が出てきませんでした
  • 3:10 - 3:14
    飢え渇きのような
    こんな思いを今も覚えています
  • 3:14 - 3:17
    「詩を嫌う人たちに
    僕を愛してもらうには
  • 3:17 - 3:20
    どうすれば良いか?
  • 3:20 - 3:22
    僕は仕事の延長線上にいるので
  • 3:22 - 3:24
    僕が愛されれば
    僕の仕事も愛され
  • 3:24 - 3:27
    僕の仕事が愛されれば
    彼らは詩を愛し
  • 3:27 - 3:30
    そして彼らが詩を愛せば
    詩の域を超えて伝えるという
  • 3:30 - 3:33
    僕の仕事は終わるだろう」
  • 3:33 - 3:38
    1996年に
    僕はスポークン・ワードの名人
  • 3:38 - 3:43
    レッグ・E・ゲインズに
    答えを見出しました
  • 3:43 - 3:48
    有名な詩「俺のエアジョーダンを奪わないでくれ」の作者です
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    彼が同じ部屋に入れてくれるまで
    どこに行くにもついていき
  • 3:52 - 3:54
    僕のお気に入りの作品を
    彼に読み聞かせました
  • 3:54 - 3:56
    すると彼に
    何て言われたと思います?
  • 3:56 - 3:58
    「おい変人
  • 3:58 - 4:01
    何が問題か分かるだろう?
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    お前は他の人の詩を読まないから
  • 4:04 - 4:07
    言葉に韻を踏むための
    熟慮された音色が
  • 4:07 - 4:11
    ちっとも浮かばないんだろう?」(笑)
  • 4:13 - 4:16
    彼はしばらくの間
  • 4:16 - 4:21
    詩やスタイルそして
    ニューヨリカン・カフェの金曜の夜の話を続けました
  • 4:21 - 4:23
    そこで僕はやめることもできたはず
    やめるべきでした
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    というのも詩は単なる
    自己表現だと思っていました
  • 4:27 - 4:30
    クリエイティブ・コントロールが必要とは
    知りませんでした
  • 4:30 - 4:34
    そこで詩をあきらめる代わりに
    彼について回りました
  • 4:34 - 4:38
    彼がブロードウェイ作品を書いている時
    僕はドアの外にいました
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    最高の詩人は誰か彼に聞きたくて
  • 4:41 - 4:44
    朝の6時半に彼を起こしたりしたものです
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    獲れたての魚の目玉は
    頭が良くなる食べ物だと
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    彼に言われて食べたことを
    覚えています
  • 4:50 - 4:53
    ある日僕は彼に言いました
  • 4:53 - 5:00
    「レッグ・E 言葉に韻を踏むための
    熟慮された音色って何ですか?」(笑)
  • 5:00 - 5:05
    彼は
    モノクロ印刷の論文を僕に渡しました
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    詩人エザーリッジ・ナイトが書いた
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    「口頭詩の特性」
    という論文です
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    この時から
  • 5:12 - 5:14
    僕の頂点はレッグ・Eでは
    なくなりました
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    エザーリッジ・ナイトが
    教えてくれたのは
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    言葉は音楽のように
    奏でることができて
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    短い 単音節の単語 たとえば
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    if, and, but, what だって
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    gangstaのようなスラングでも
    うまく響く音にできること
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    それ以降僕は
    エザーリッジ・ナイトを追いかけました
  • 5:34 - 5:36
    彼がどんな詩を読むのか
    探し求めていると
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    「闇の予言:輝きの歌」という詩に出会いました
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    この「トースト」は詩人として
    僕が最高の舞台を手にする
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    きっかけとなりました
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    ブロードウェイです
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    その時以来
    マイクから離れることを覚え
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    全身で詩に
    攻め込むようになりました
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    でもこれが僕が学んだ
    最大の教訓ではありません
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    最大の教訓はその何年も後でした
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    ビバリーヒルズで偶然出会った
    あるタレント・エージェントに
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    ジロジロ見られてから
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    この業界の経験が全く無いように
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    見えると言われた時です
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    僕は彼に言いました
    「いいか 腰抜け
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    あんたは俳優業に失敗して
    エージェントになった
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    何で失敗したのかわかるか?
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    俺のような人間が
    俳優になるんだよ
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    クリーブランドからはるばる
    ニューヨークのエセックスに来て
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    各停の6番線に乗り
    ハンツ・ポイントの商売女と
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    距離感という技を身に付けたり
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    無限にいる男と女そして
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    子供たちの身になり
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    俺の経験として
    背負うことだってできるんだ
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    俺の経験談の
    チケットを買った人たちは
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    それを冷蔵庫に貼り付けて
    こんなことを知らせる
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    革命は目前だ
    買いだめをしておけ
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    お前が「ソネット集」を習いに
    一流の学校に通ってる間に
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    俺は経験を積んで
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    いろんなビートを打って
    体に刻み込んできたんだ
  • 7:01 - 7:04
    「クライング・ゲーム」の衝撃も
    お手の物だ
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    母親にエイズをうつした男の息子に
    そうと知らずに
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    エイズの犠牲者と呼ばれていじめられる少年の
    恐怖も俺には分かる
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    そしてこれは掛け言葉なんだぜ
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    俺は経験豊富だ
    フェル・スクールに行った時
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    裕福な家庭の子供たちが
    その中の一人を支援すると決め
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    それは俺だったけど
    俺がその少年たちに
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    ジーンズで擦って
    精力をつける方法を教えていると
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    見つかって追い出されたんだ
    チェーホフを見せてくれ
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    サンフォード・マイズナーは
    心の中で静かに声を上げ
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    「上手くいかないのは
    どこかに不具合があるからだ」
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    メソッド演技法なんて
    単なる人格の混合物で
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    嘘を現実と思い込むのと同様
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    高校の時のケニーが
    警官になりたいと言うのと同じ
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    あいつは受刑者の学校にいくんだ
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    デヴィッド・マメットは
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    俺の攻撃的な問答を分析した
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    スタニスラフスキーは
    ブルース・リーの如く
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    お前んとこの無能な生徒たちを
    蹴散らすだろう
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    ロンドンでゲリラ演劇を
    学んで何ができる?
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    俺なら土曜の午後の
    カンフー番組で
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    中国古来の秘技を教えてやるよ
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    「板は殴り返してこない」
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    黒人はこの業界で
    仕事を見つけるのが難しい
  • 8:06 - 8:09
    と思ってるのか?
    俺は曖昧なムラートだ
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    つまり黒過ぎて白人でいられないが
    白過ぎて正しいこともできないんだ
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    アメリカのスラム街も知ってる
    ソウェトに立ち寄った時
  • 8:15 - 8:19
    中絶児を無縁墓地に埋葬しても
    俺は何とか笑顔を繕っていた
  • 8:19 - 8:21
    つまり俺がこのドアを出てから
  • 8:21 - 8:24
    お前が俺をどう罵ろうと
  • 8:24 - 8:28
    俺のやり方をどう中傷しようと
  • 8:28 - 8:29
    知ったことか」
  • 8:30 - 8:35
    ありがとうございます(拍手)
Title:
頼む 俺のエアジョーダンを奪わないでくれ
Speaker:
レモン・アンダーセン
Description:

一足のエアジョーダンのための殺人をあなたには想像できるでしょうか?レモン・アンダーセンは、レッグ・E・ゲインズによる、ある少年が犯した事例を描いた詩を、独特のスタイルで歌い上げます。力強く、率直なスポークン・ワードという芸術に出会ったレモンは、詩というのは自己表現を超え、持ち前のリズム感とニューヨークの裏路地らしい無骨な感性が備わっていれば、音楽のように奏でることができると学びました。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
08:55

Japanese subtitles

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