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ボアズ・アルモグが超伝導体を浮遊させる

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    ほんの一瞬 ご覧になられた現象は
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    量子浮揚と量子固定と呼ばれています
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    ここに浮遊していた物体は
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    超電導体と呼ばれるものです
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    超電導では 物質は量子状態にあり
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    特定の臨界温度以下でしか
    この現象は起きません
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    これ自体は昔から知られた現象です
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    100年前に発見されました
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    しかし 最近の
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    いくつかの技術の進歩によって
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    こうやって皆さんに
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    量子浮揚と量子固定について
    披露できるようになりました
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    超電導体は2つの特性によって定義されます
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    一つ目は電気抵抗がゼロであること
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    二つ目は超電導体の内部から
    磁界を排除することです
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    複雑に聞こえますよね
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    では 電気抵抗とは何でしょうか?
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    電気とは 物質の中の電子の流れです
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    これらの電子が流れる中で
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    原子と衝突しますが この衝突によって
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    いくらかエネルギーを失います
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    このエネルギーはご存知のように
    熱という形で消失します
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    しかし 超電導体の中では
    衝突は起きないのです
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    従って エネルギーの消失もありません
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    驚くべきことです
    考えてみてください
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    古典物理学では なんらかの摩擦に伴う
    エネルギーの消失があります
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    しかし ここではそれはありません
    これは量子効果だからです
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    それだけではありません
    超伝導体は磁界を好まないため
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    循環電流によって
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    内部から磁界を排除しようとします
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    このように二つの現象の組み合わせである
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    磁界の排除と
    電気抵抗がゼロの状態となることによって
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    超伝導体となるのです
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    しかし ご存知のように
    物事はそう簡単ではありません
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    たまに 磁界の一部である磁束が
    超伝導体内に残ってしまう場合があります
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    ここにあるような適切な条件化の中で
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    超伝導体の内部の磁束を
    閉じ込めることができます
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    このような超伝導体内部の磁束は
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    離散的な量で存在します
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    なぜでしょうか?量子現象だからです
    量子物理学ではこうなるからです
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    そしてこれらはまるで
    量子粒子のように振る舞います
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    この動画では 離散的に
    それぞれどのように流れるか確認できます
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    これが磁束です
    これらは粒子ではありませんが
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    粒子のように振る舞います
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    そのためこのような現象を
    量子浮遊と量子固定と呼ぶのです
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    それでは磁界の中へ超伝導体を
    入れると どうなるでしょうか?
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    内部には残った磁束がありますが
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    超伝導体は これらが動くのを嫌います
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    磁束が動くと
    エネルギーが発散され
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    超伝導性が失われてしまうからです
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    実際には フラクソンと呼ばれる
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    これらの鎖が固定化されるのです
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    それによって 超伝導体自体が
    その場所に固定されます
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    なぜでしょう?
    超伝導体が動くとフラクソンの
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    配置を変化させることになるからです
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    これによって量子固定が発生します
    ではこの様子をご紹介します
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    ここに 低温状態を保つために
    包んだ超伝導体があります
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    通常の磁石の上に乗せると
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    このように空中に留まるのです
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    (拍手)
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    これはただの浮遊でも
    反発でもありません
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    フラクソンの位置を変えることで
    新しい位置に固定することができます
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    このように 右や左に
    ずらすこともできます
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    これが量子固定です
    超伝導体を実際に3次元で固定しているのです
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    もちろん上下逆に
    することも可能です
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    そして そのまま固定されます
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    この浮遊現象が 実は
    固定現象であることだと理解いただけたので
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    ええ 理解しましたよね
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    磁界が均一な状態にある
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    このリング状の磁石に対して
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    超伝導体はこの磁石の軸を元に
    自由に回転することが可能だと聞いても
    驚きはないでしょう
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    なぜでしょうか? なぜなら 回転している間は
    固定化が維持されるからです
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    この様に超伝導体を ちょっと動かし
    回転させることもできます
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    摩擦の全くない運動です
    浮遊していますが くるくる動き回ることができます
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    これが量子固定で
    この磁石の上を浮遊させることができます
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    それではこの一枚のディスクにどれほどの
    フラクソン つまり磁束が存在しているのでしょうか?
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    これは計算可能で かなり多く
    存在していることがわかります
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    この7.5センチ程のディスク内に
    千億もの磁束が存在しているのです
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    実はまだ皆さんにご紹介していない
    驚くべきことがあります
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    驚くべきことに
    ご覧になっている超伝導体の
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    厚さはとても薄く
    たったの0.5ミクロンしかありません
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    この非常に薄い層が
    自らの重さの7万倍以上の重量を
    浮遊させることができるのです
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    驚異的な現象であり 大変強力です
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    この円状の磁石を大きくして
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    自由な線路を作る事が可能です
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    例えば このような大きな円状の線路を
    作ることができます
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    この上に超伝導体を乗せると
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    このようの自由に動きます
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    (拍手)
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    これだけではありません
    位置を調節して回すことで
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    新しい位置を保って動きまわります
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    ここで今までやったことがない
    新しいことを行ってみましょう
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    このディスクをここに乗せて
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    ここに留まっている間に
    ー 動かないで ー
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    線路をひっくり返してみます
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    うまくいけば
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    ぶら下がった状態を保つでしょう
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    (拍手)
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    これが量子固定です
    浮遊ではありません
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    しばらくグルグルと回っている間に
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    超伝導体についてもう少し説明しましょう
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    それでは ー(笑)ー
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    このように 超伝導体の内部にとてつもない量の
    電流を送り込むことができることが分かっています
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    これらを使ってMRIや量子加速装置のための
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    強力な磁界を発生させたりすることができます
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    また 超伝導体を使えば
    エネルギーを損失させずに
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    貯蔵することもできます
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    更に 発電所間で膨大な量のエネルギーを
    送る送電線を作る事もできるでしょう
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    発電所一個分の電力をたった一本の
    超伝導体製の送電線でバックアップできることを
    想像してみてください
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    量子浮遊や量子固定の未来は
    どうなるでしょうか?
  • 9:08 - 9:15
    この単純な質問に対して
    一つ例を出しましょう
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    ここにあるディスクと同じようなものがあるとします
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    直径7.5センチ程のものですが
    一つ違う点があります
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    超伝導体における層の厚みは
    0.5ミクロンの薄さである代わりに
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    2ミリの薄さだとします
    それでもかなり薄いです
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    この2ミリの超伝導体の層は
    1000キロ分支えられるので
    この手のひらで小さな車を
    支えることができるのです
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    驚くべきことです
    ありがとうございました
  • 9:47 - 10:03
    (拍手)
Title:
ボアズ・アルモグが超伝導体を浮遊させる
Speaker:
Boaz Almog
Description:

驚く程に薄い、直径7.5cm 程のディスクがどうやって自身の7万倍以上の重量を持つものを浮遊させることができるのでしょうか? 未来的な実演でボアズ・アルモグは、量子固定と呼ばれる現象が超伝導体のディスクを磁石製の線路上に浮遊させる仕組みを説明します。摩擦やエネルギー損失全く無しに浮遊する様子は見る人の目を釘付けにします。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
10:25

Japanese subtitles

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