ボアズ・アルモグが超伝導体を浮遊させる
-
0:10 - 0:14ほんの一瞬 ご覧になられた現象は
-
0:14 - 0:20量子浮揚と量子固定と呼ばれています
-
0:20 - 0:24ここに浮遊していた物体は
-
0:24 - 0:26超電導体と呼ばれるものです
-
0:26 - 0:32超電導では 物質は量子状態にあり
-
0:32 - 0:36特定の臨界温度以下でしか
この現象は起きません -
0:36 - 0:39これ自体は昔から知られた現象です
-
0:39 - 0:40100年前に発見されました
-
0:40 - 0:42しかし 最近の
-
0:42 - 0:45いくつかの技術の進歩によって
-
0:45 - 0:47こうやって皆さんに
-
0:47 - 0:51量子浮揚と量子固定について
披露できるようになりました -
0:51 - 0:57超電導体は2つの特性によって定義されます
-
0:57 - 1:01一つ目は電気抵抗がゼロであること
-
1:01 - 1:07二つ目は超電導体の内部から
磁界を排除することです -
1:07 - 1:10複雑に聞こえますよね
-
1:10 - 1:13では 電気抵抗とは何でしょうか?
-
1:13 - 1:19電気とは 物質の中の電子の流れです
-
1:19 - 1:23これらの電子が流れる中で
-
1:23 - 1:25原子と衝突しますが この衝突によって
-
1:25 - 1:28いくらかエネルギーを失います
-
1:28 - 1:33このエネルギーはご存知のように
熱という形で消失します -
1:33 - 1:39しかし 超電導体の中では
衝突は起きないのです -
1:39 - 1:44従って エネルギーの消失もありません
-
1:44 - 1:47驚くべきことです
考えてみてください -
1:47 - 1:52古典物理学では なんらかの摩擦に伴う
エネルギーの消失があります -
1:52 - 1:56しかし ここではそれはありません
これは量子効果だからです -
1:56 - 2:05それだけではありません
超伝導体は磁界を好まないため -
2:05 - 2:09循環電流によって
-
2:09 - 2:15内部から磁界を排除しようとします
-
2:15 - 2:18このように二つの現象の組み合わせである
-
2:18 - 2:24磁界の排除と
電気抵抗がゼロの状態となることによって -
2:24 - 2:27超伝導体となるのです
-
2:27 - 2:32しかし ご存知のように
物事はそう簡単ではありません -
2:32 - 2:39たまに 磁界の一部である磁束が
超伝導体内に残ってしまう場合があります -
2:39 - 2:43ここにあるような適切な条件化の中で
-
2:43 - 2:48超伝導体の内部の磁束を
閉じ込めることができます -
2:48 - 2:54このような超伝導体内部の磁束は
-
2:54 - 2:57離散的な量で存在します
-
2:57 - 3:00なぜでしょうか?量子現象だからです
量子物理学ではこうなるからです -
3:00 - 3:04そしてこれらはまるで
量子粒子のように振る舞います -
3:04 - 3:10この動画では 離散的に
それぞれどのように流れるか確認できます -
3:10 - 3:14これが磁束です
これらは粒子ではありませんが -
3:14 - 3:18粒子のように振る舞います
-
3:18 - 3:22そのためこのような現象を
量子浮遊と量子固定と呼ぶのです -
3:22 - 3:28それでは磁界の中へ超伝導体を
入れると どうなるでしょうか? -
3:28 - 3:33内部には残った磁束がありますが
-
3:33 - 3:37超伝導体は これらが動くのを嫌います
-
3:37 - 3:40磁束が動くと
エネルギーが発散され -
3:40 - 3:43超伝導性が失われてしまうからです
-
3:43 - 3:48実際には フラクソンと呼ばれる
-
3:48 - 3:53これらの鎖が固定化されるのです
-
3:53 - 4:00それによって 超伝導体自体が
その場所に固定されます -
4:00 - 4:09なぜでしょう?
超伝導体が動くとフラクソンの -
4:09 - 4:11配置を変化させることになるからです
-
4:11 - 4:16これによって量子固定が発生します
ではこの様子をご紹介します -
4:16 - 4:22ここに 低温状態を保つために
包んだ超伝導体があります -
4:22 - 4:26通常の磁石の上に乗せると
-
4:26 - 4:30このように空中に留まるのです
-
4:30 - 4:34(拍手)
-
4:34 - 4:38これはただの浮遊でも
反発でもありません -
4:38 - 4:43フラクソンの位置を変えることで
新しい位置に固定することができます -
4:43 - 4:47このように 右や左に
ずらすこともできます -
4:47 - 4:55これが量子固定です
超伝導体を実際に3次元で固定しているのです -
4:55 - 4:57もちろん上下逆に
することも可能です -
4:57 - 5:00そして そのまま固定されます
-
5:00 - 5:09この浮遊現象が 実は
固定現象であることだと理解いただけたので -
5:09 - 5:14ええ 理解しましたよね
-
5:14 - 5:18磁界が均一な状態にある
-
5:18 - 5:22このリング状の磁石に対して
-
5:22 - 5:28超伝導体はこの磁石の軸を元に
自由に回転することが可能だと聞いても
驚きはないでしょう -
5:28 - 5:34なぜでしょうか? なぜなら 回転している間は
固定化が維持されるからです -
5:34 - 5:40この様に超伝導体を ちょっと動かし
回転させることもできます -
5:40 - 5:47摩擦の全くない運動です
浮遊していますが くるくる動き回ることができます -
5:47 - 5:56これが量子固定で
この磁石の上を浮遊させることができます -
5:56 - 6:02それではこの一枚のディスクにどれほどの
フラクソン つまり磁束が存在しているのでしょうか? -
6:02 - 6:05これは計算可能で かなり多く
存在していることがわかります -
6:05 - 6:13この7.5センチ程のディスク内に
千億もの磁束が存在しているのです -
6:13 - 6:17実はまだ皆さんにご紹介していない
驚くべきことがあります -
6:17 - 6:22驚くべきことに
ご覧になっている超伝導体の -
6:22 - 6:30厚さはとても薄く
たったの0.5ミクロンしかありません -
6:30 - 6:39この非常に薄い層が
自らの重さの7万倍以上の重量を
浮遊させることができるのです -
6:39 - 6:45驚異的な現象であり 大変強力です
-
6:45 - 6:49この円状の磁石を大きくして
-
6:49 - 6:54自由な線路を作る事が可能です
-
6:54 - 6:58例えば このような大きな円状の線路を
作ることができます -
6:58 - 7:05この上に超伝導体を乗せると
-
7:05 - 7:09このようの自由に動きます
-
7:09 - 7:18(拍手)
-
7:18 - 7:23これだけではありません
位置を調節して回すことで -
7:23 - 7:29新しい位置を保って動きまわります
-
7:29 - 7:34ここで今までやったことがない
新しいことを行ってみましょう -
7:34 - 7:40このディスクをここに乗せて
-
7:40 - 7:43ここに留まっている間に
ー 動かないで ー -
7:43 - 7:49線路をひっくり返してみます
-
7:49 - 7:51うまくいけば
-
7:51 - 7:54ぶら下がった状態を保つでしょう
-
7:54 - 8:03(拍手)
-
8:03 - 8:10これが量子固定です
浮遊ではありません -
8:10 - 8:14しばらくグルグルと回っている間に
-
8:14 - 8:18超伝導体についてもう少し説明しましょう
-
8:18 - 8:23それでは ー(笑)ー
-
8:23 - 8:30このように 超伝導体の内部にとてつもない量の
電流を送り込むことができることが分かっています -
8:30 - 8:35これらを使ってMRIや量子加速装置のための
-
8:35 - 8:41強力な磁界を発生させたりすることができます
-
8:41 - 8:45また 超伝導体を使えば
エネルギーを損失させずに -
8:45 - 8:47貯蔵することもできます
-
8:47 - 8:54更に 発電所間で膨大な量のエネルギーを
送る送電線を作る事もできるでしょう -
8:54 - 9:03発電所一個分の電力をたった一本の
超伝導体製の送電線でバックアップできることを
想像してみてください -
9:03 - 9:08量子浮遊や量子固定の未来は
どうなるでしょうか? -
9:08 - 9:15この単純な質問に対して
一つ例を出しましょう -
9:15 - 9:21ここにあるディスクと同じようなものがあるとします
-
9:21 - 9:25直径7.5センチ程のものですが
一つ違う点があります -
9:25 - 9:30超伝導体における層の厚みは
0.5ミクロンの薄さである代わりに -
9:30 - 9:332ミリの薄さだとします
それでもかなり薄いです -
9:33 - 9:44この2ミリの超伝導体の層は
1000キロ分支えられるので
この手のひらで小さな車を
支えることができるのです -
9:44 - 9:47驚くべきことです
ありがとうございました -
9:47 - 10:03(拍手)
- Title:
- ボアズ・アルモグが超伝導体を浮遊させる
- Speaker:
- Boaz Almog
- Description:
-
驚く程に薄い、直径7.5cm 程のディスクがどうやって自身の7万倍以上の重量を持つものを浮遊させることができるのでしょうか? 未来的な実演でボアズ・アルモグは、量子固定と呼ばれる現象が超伝導体のディスクを磁石製の線路上に浮遊させる仕組みを説明します。摩擦やエネルギー損失全く無しに浮遊する様子は見る人の目を釘付けにします。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 10:25
Dimitra Papageorgiou approved Japanese subtitles for The levitating superconductor | ||
Akiko Hicks accepted Japanese subtitles for The levitating superconductor | ||
Akiko Hicks edited Japanese subtitles for The levitating superconductor | ||
Akiko Hicks edited Japanese subtitles for The levitating superconductor | ||
Akiko Hicks edited Japanese subtitles for The levitating superconductor | ||
Akiko Hicks edited Japanese subtitles for The levitating superconductor | ||
Yuki Okada edited Japanese subtitles for The levitating superconductor | ||
Yuki Okada edited Japanese subtitles for The levitating superconductor |