コンピューターはこうしてクリエイティブになる
-
0:01 - 0:04私はGoogleで 機械知能に取り組む
開発チームを率いています -
0:04 - 0:07機械知能とは コンピューターや
いろいろな種類の端末に -
0:07 - 0:11人間の脳のような機能を
持たせるための技術です -
0:11 - 0:14仕事上 私たちは
人間の脳の働きや -
0:14 - 0:16神経科学に関心があり
-
0:16 - 0:20脳が未だコンピューターより
はるかに優れている領域に -
0:20 - 0:24特に興味を持っています
-
0:25 - 0:29そのような領域として
古くから認識されていたのは 知覚です -
0:29 - 0:32知覚とは 外界に存在するもの―
-
0:32 - 0:33つまり 音や映像のようなものを
-
0:34 - 0:36心の中の概念に 変えるプロセスです
-
0:36 - 0:39これは 人間の脳に
本質的に備わっている能力ですが -
0:39 - 0:41コンピューターにも 有用なものです
-
0:41 - 0:45例えば 私の部署で作っている
機械知覚アルゴリズムは -
0:45 - 0:47Googleフォトの画像を
-
0:47 - 0:51写っているものに基づいて
検索できるようにする技術です -
0:52 - 0:55一方 知覚と対照的なものに
創造性があります -
0:55 - 0:58創造性とは 概念を
何かの形で世に生み出すことです -
0:58 - 1:02この1年の我々の
機械知覚への取り組みの中で -
1:02 - 1:06コンピューターによる創造
「機械芸術」の世界との -
1:06 - 1:09意外な接点を見ました
-
1:09 - 1:12ミケランジェロには
先見の明があり -
1:12 - 1:16この「知覚と創造の二重の関係」を
見ていたのだと思います -
1:16 - 1:18彼は 有名な言葉を残しています
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1:18 - 1:22「どんな石の塊にも 彫像が隠れており
-
1:22 - 1:26彫刻家の仕事は
その像を見出すことである」 -
1:26 - 1:29ミケランジェロが気づいていたのは
-
1:29 - 1:32我々は 知覚によって
創造しているということで -
1:32 - 1:35知覚自体が 想像する行為であり
-
1:36 - 1:39創造的なものだということです
-
1:39 - 1:43人体の中で 思考 知覚 想像を行う器官は
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1:43 - 1:45言うまでもなく 脳です
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1:45 - 1:48そこで 脳科学の歩みについて
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1:48 - 1:50簡単に振り返りましょう
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1:50 - 1:53心臓や腸などとは違い
-
1:53 - 1:56脳については 外観からは
分からないことが多いからです -
1:56 - 1:58少なくとも 肉眼で見た場合には
-
1:58 - 2:01脳に注目した 昔の解剖学者たちは
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2:01 - 2:04脳の外部構造を見て
しゃれた名前を付けました -
2:04 - 2:07例えば「海馬」
これは タツノオトシゴのことです -
2:07 - 2:09しかし そのように付けられた名前は
-
2:09 - 2:12その働きについて
ほとんど何も示していません -
2:13 - 2:16脳内で起きていることについて
本当の知見を初めて得たのは -
2:16 - 2:2019世紀の 偉大な
スペイン人神経解剖学者 -
2:20 - 2:22サンティアゴ・ラモン・イ・カハールだと
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2:22 - 2:24私は思います
-
2:24 - 2:28彼は顕微鏡と
選択的に染める特殊な染料を使って -
2:28 - 2:32脳内の個々の細胞を
非常にはっきりした形で -
2:32 - 2:34見られるようにし
-
2:34 - 2:37そこから 形態学的理解が
進むようになりました -
2:38 - 2:4119世紀に 彼が描いた
神経のイメージは -
2:41 - 2:42このようなものでした
-
2:42 - 2:44これは 鳥の脳です
-
2:44 - 2:47このように 驚くほど
多様な細胞があります -
2:47 - 2:51当時は 細胞説自体が
ごく新しいものでした -
2:51 - 2:52この構造 この細胞には
-
2:52 - 2:54樹状突起があります
-
2:54 - 2:57この突起は
非常に長く伸びうるのですが -
2:57 - 2:59これも 当時は目新しいことでした
-
2:59 - 3:02樹状突起は 配線のようにも見えます
-
3:02 - 3:05このことは 19世紀の一部の人には
一目瞭然だったかもしれません -
3:05 - 3:10電気による革命が進み
配線が普及し始めた時代だったからです -
3:10 - 3:11しかし いろいろな面で
-
3:11 - 3:15ラモン・イ・カハールが提示した
微細解剖学的な図は -
3:15 - 3:17ある意味 今なお越えられていません
-
3:17 - 3:181世紀を経た今も 我々は
-
3:18 - 3:22ラモン・イ・カハールが始めた仕事を
完成させようと試み続けています -
3:22 - 3:24これは 我々が提携している
-
3:24 - 3:28マックス・プランク神経科学研究所による
生のデータです -
3:28 - 3:29彼らが行ったのは
-
3:29 - 3:34脳の組織の小さな断片を
可視化するということです -
3:34 - 3:38この試料全体の大きさは
1立方ミリメートルで -
3:38 - 3:40今 お見せしているのは
そのごく一部です -
3:40 - 3:43左の棒の長さが
1ミクロンです -
3:43 - 3:45ご覧の構造は ミトコンドリアで
-
3:45 - 3:47大きさとしては
バクテリアと同程度です -
3:47 - 3:49ごく小さな組織片の
-
3:49 - 3:52連続的断面を映しています
-
3:52 - 3:54比較のために言うと
-
3:54 - 3:58髪の毛の直径は
平均約100ミクロンです -
3:58 - 4:01ご覧のものは
髪の毛の直径よりも -
4:01 - 4:02はるかに小さいんです
-
4:02 - 4:06このような 電子顕微鏡による
連続断面像から -
4:06 - 4:11ニューロンの3次元像を
再構成できます -
4:11 - 4:14ここでは ラモン・イ・カハールが
したのと同じように -
4:14 - 4:16ごく一部のニューロンだけを示しています
-
4:16 - 4:18そうしなければ
あまりに密集していて -
4:18 - 4:20わけが分からなくなってしまいます
-
4:20 - 4:22ニューロンは 互いに結合し合った —
-
4:22 - 4:24非常に複雑な構造をしているためです
-
4:25 - 4:28ラモン・イ・カハールは
時代の先を行っていて -
4:28 - 4:30脳に対する理解は
-
4:30 - 4:33その後の数十年で
ゆっくりと進んでいきました -
4:33 - 4:36やがて ニューロンは
電気を使っていることが発見され -
4:36 - 4:38第二次世界大戦の頃には
-
4:38 - 4:41仕組みの解明のため
生きたニューロンを使って -
4:41 - 4:45電気的な実験ができるくらいに
技術が進歩しました -
4:45 - 4:49ほぼ同時期に
コンピューターも発明されましたが -
4:49 - 4:52これは 人間の脳をモデル化するという
アイデアに基づいていました -
4:52 - 4:55コンピュータ科学の父の1人である
アラン・チューリングは -
4:55 - 4:58これを「知的機械」と呼びました
-
4:58 - 5:01そしてウォーレン・マカロックと
ウォルター・ピッツが -
5:01 - 5:04ラモン・イ・カハールの
視覚野の図に 目を向けました -
5:04 - 5:06今 ここでお見せしているものです
-
5:06 - 5:10これは 目から受け取ったイメージを
処理する皮質です -
5:10 - 5:142人には これが
回路図のように見えました -
5:14 - 5:18マカロックとピッツの回路図の
細かい部分には -
5:18 - 5:20間違いが たくさんありますが
-
5:20 - 5:21その基本的な概念
-
5:21 - 5:25つまり 視覚野は一連の
計算要素のように働き -
5:25 - 5:28段階的に情報を
受け渡していくという概念は -
5:28 - 5:29本質的に正しいものでした
-
5:29 - 5:32ここで 少し時間を取って
-
5:32 - 5:36視覚情報処理が どんなことをするのか
説明しようと思います -
5:36 - 5:39知覚の基本的な仕事は
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5:39 - 5:43このような画像を見て 識別をすることです
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5:43 - 5:44「あれは鳥だ」と
-
5:44 - 5:47人間の脳は
この処理を簡単にやってのけますが -
5:47 - 5:51コンピューターにとっては難問で
-
5:51 - 5:54数年前までは ほとんど不可能でした
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5:54 - 5:56従来の コンピューターの構造は
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5:56 - 5:59こういうタスクには不向きなんです
-
5:59 - 6:02鳥のピクセル画像と
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6:02 - 6:06「鳥」という言葉の間にあるのは
-
6:06 - 6:08ニューラルネットワークの中の
-
6:08 - 6:10結合しあった 一連のニューロンです
-
6:10 - 6:11図示すると こうなります
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6:11 - 6:15このニューラルネットワークは
視覚野内に生物学的なものとして存在し -
6:15 - 6:17また最近では コンピューター上に
-
6:17 - 6:20モデル化できるようになりました
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6:20 - 6:22どのように動作するか お見せしましょう
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6:22 - 6:26画像は ニューロンの
第1層を示しています -
6:26 - 6:28これは目で言うと
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6:28 - 6:30網膜内のニューロンに相当します
-
6:30 - 6:31情報は
-
6:31 - 6:35ニューロンの1つの層から別の層へと
次々と受け渡され -
6:35 - 6:38ニューロン同士は 重みの異なる
シナプスでつながれています -
6:38 - 6:39このネットワークの動作は
-
6:39 - 6:42シナプス結合の
強さによって変わり -
6:42 - 6:46それが ネットワークの
計算的特徴を決めます -
6:46 - 6:47そうして最終的には
-
6:47 - 6:50少数のニューロン群が反応し
-
6:50 - 6:52「鳥」だと認識されます
-
6:52 - 6:55ここで3つの対象物 ―
-
6:55 - 7:00入力されたピクセル
ニューラルネットワーク内のシナプス -
7:00 - 7:01出力である「鳥」
-
7:01 - 7:05この3つを
「x」「w」「y」と置きましょう -
7:05 - 7:07xは 画像中のピクセルなので
-
7:07 - 7:09100万個くらいあり
-
7:09 - 7:11wは数十億から数兆個
-
7:11 - 7:15ニューラルネット内の全シナプスの
結合強度を表します -
7:15 - 7:16このネットワークからの
出力である -
7:16 - 7:18yの個数はごくわずかです
-
7:18 - 7:20「bird」は たった4文字ですよね?
-
7:21 - 7:25ここで 次の簡単な式が
成立すると仮定します -
7:25 - 7:27x “×” w =y
-
7:27 - 7:29「かける」に引用符を付けたのは
-
7:29 - 7:31この場面で実行される演算は
-
7:31 - 7:35実際には 非常に複雑な
数学的な計算だからです -
7:35 - 7:361つの方程式があって
-
7:36 - 7:383個の変数があります
-
7:38 - 7:42ご存じのように
3つの変数のうち 2つの値が分かれば -
7:42 - 7:45残りの変数の値も求められます
-
7:45 - 7:47ここでの問題は
-
7:47 - 7:49鳥の画像から
-
7:49 - 7:53それが鳥だと推論する
ということでした -
7:53 - 7:56つまり y が未知で
xとwが分かっています -
7:56 - 7:59画像 x と ネットワーク w は
与えられています -
7:59 - 8:02ご覧のように
比較的単純な問題です -
8:02 - 8:052と3を掛け合わせれば
答えは出ます -
8:05 - 8:08我々が最近構築した
ニューラルネットワークでは -
8:08 - 8:10まさに これを実行しています
-
8:10 - 8:12携帯電話上で
リアルタイムで処理をしています -
8:13 - 8:16こんなに すごいことができるのも
-
8:16 - 8:19現在の携帯電話では 1秒当たり
数十億~数兆の命令を -
8:19 - 8:21実行できるからです
-
8:21 - 8:22ご覧いただいているのは
-
8:22 - 8:26携帯電話で次々に出す
鳥の画像に対し -
8:26 - 8:29ニューラルネットが
「これは鳥だ」と言うだけでなく -
8:29 - 8:32鳥の種類まで
特定しているところです -
8:33 - 8:35この式で言うと
-
8:35 - 8:39xとwが既知で yが未知の場合です
-
8:39 - 8:41ここで 難しい部分を はしょっていました
-
8:41 - 8:45wは そもそも
どうやって求めたらいいのか -
8:45 - 8:47脳がやっているようなことですが
-
8:47 - 8:49人間は どうやって学ぶのでしょう?
-
8:49 - 8:53この学習プロセス
wを解くという問題は -
8:53 - 8:55変数が数値の 簡単な式であれば
-
8:55 - 8:57どうすればよいか分かります
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8:57 - 9:006=2×w を解くには
-
9:00 - 9:03両辺を2で割れば済みます
-
9:04 - 9:07ここで問題になるのは
この演算子です -
9:07 - 9:08今 割り算をしましたが
-
9:08 - 9:11それは割り算が
掛け算の逆演算だからです -
9:11 - 9:13しかし 先ほど言ったとおり
-
9:13 - 9:15掛け算と見るのには ウソがあり
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9:15 - 9:18実際には とても複雑な非線形演算で
-
9:18 - 9:20逆演算が存在しません
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9:20 - 9:23だから 除算演算子を使わずに
-
9:23 - 9:25これを解かなければなりません
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9:25 - 9:28でも そのやり方はそう難しくありません
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9:28 - 9:30代数学的な ちょっとしたワザを使うんです
-
9:30 - 9:33まず「6」を式の右辺に移します
-
9:33 - 9:36依然として乗算を使っています
-
9:36 - 9:39そして 左辺の「0」を誤差と考えます
-
9:39 - 9:42つまり wを正しく求められれば
-
9:42 - 9:43誤差の値は0になります
-
9:43 - 9:45wの値が 正しくない場合
-
9:45 - 9:47誤差は0より大きくなります
-
9:47 - 9:50誤差の値が最小になるよう
推量をします -
9:50 - 9:53こういう処理なら
コンピューターは大得意です -
9:53 - 9:54最初の推測値として
-
9:54 - 9:55w=0では どうでしょう?
-
9:55 - 9:57誤差は6です
-
9:57 - 9:58w=1の場合 誤差は4
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9:58 - 10:01マルコ・ポーロ式鬼ごっこのような調子で
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10:01 - 10:04誤差を0に近づけていき
-
10:04 - 10:07そうやってwの近似値を求めます
-
10:07 - 10:11通常 正解そのものにたどり着くことは
ありませんが -
10:11 - 10:16数十回繰り返すと w=2.999のような
十分近い値が求まります -
10:16 - 10:18これが 学習プロセスです
-
10:18 - 10:21ここで改めて 思い出してください
-
10:21 - 10:25私たちがやっていたのは
既知の xとyに対し -
10:25 - 10:29反復的プロセスによって
真ん中の wの値を求めるということです -
10:29 - 10:32これは人間がものごとを学習するのと
同じやり方です -
10:32 - 10:35赤ちゃんのとき
たくさんの絵を見せられ -
10:35 - 10:38「これは鳥 これは鳥じゃない」と
教わります -
10:38 - 10:40この学習を反復することで
-
10:40 - 10:43wを解いて
神経結合を作り出すんです -
10:43 - 10:47xと w に対して
y を求めるというのは -
10:47 - 10:49高速な日常的「知覚」です
-
10:49 - 10:51w を求める方法を
先ほど考えましたが -
10:51 - 10:53これは「学習」であり
ずっと難しいことです -
10:53 - 10:55なぜなら 多くの訓練例を使って
-
10:55 - 10:57誤差を最小化する必要が
あるからです -
10:57 - 11:001年ほど前 私のチームの
アレックス・モードヴィンツェフは -
11:00 - 11:04既知の w と y に対して
x の値を求めるとどうなるか -
11:04 - 11:06実験してみることにしました
-
11:06 - 11:07言い換えると
-
11:07 - 11:10鳥に対してトレーニングされた
ニューラルネットが -
11:10 - 11:12鳥だと答えを出す
-
11:12 - 11:15「鳥の絵」はどんなものか
ということです -
11:15 - 11:20鳥を認識するネットワークを訓練するのと
同じ誤差最小化の手順が -
11:20 - 11:24この場合も使えることが
分かりました -
11:24 - 11:27結果として出てきたのは —
-
11:30 - 11:32一種の鳥の絵です
-
11:33 - 11:36これは「鳥」を認識するように訓練した
ニューラルネットワークによって -
11:36 - 11:38生成された鳥のイメージです
-
11:38 - 11:41yの値を求めるかわりに
-
11:41 - 11:44反復によって xを求めたんです
-
11:44 - 11:46別の面白い例を 紹介しましょう
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11:46 - 11:49私のグループのマイク・タイカが
作ってくれたものです -
11:49 - 11:51マイクは「動物のパレード」と呼んでました
-
11:51 - 11:54ウィリアム・ケントリッジの作品を
思わせます -
11:54 - 11:57ケントリッジは
スケッチを描いては消し -
11:57 - 11:58また 描いては消しして
-
11:58 - 12:00アニメーションを作り出します
-
12:00 - 12:01この場合
-
12:01 - 12:04マイクは 動物種の集合の中で
yの値を変えていて -
12:04 - 12:07動物の種類を識別するよう
設計された -
12:07 - 12:08ネットワークを使っています
-
12:08 - 12:13エッシャーのだまし絵のように
動物が別の動物へと変形していきます -
12:14 - 12:18次は マイクとアレックスが
協力して作ったもので -
12:18 - 12:22y を二次元空間に
収めようと試みていて -
12:22 - 12:25ネットワークが認識するもの
全てを含む空間の -
12:25 - 12:27地図を作っています
-
12:27 - 12:29この画像合成・画像生成を
-
12:29 - 12:32yの値を変化させながら
画面全体にわたって行うことで -
12:32 - 12:34このような地図が できあがります
-
12:34 - 12:37ネットワークが認識するものすべての
視覚地図です -
12:37 - 12:41いろんな動物が現れます
あそこにアルマジロがいますね -
12:41 - 12:43他のネットワークでも
同様の処理が実行できます -
12:43 - 12:46これは 人物の顔を見分ける―
-
12:46 - 12:49顔認識のために設計された
ネットワークです -
12:49 - 12:52ここで yは「私」です
-
12:52 - 12:53私の顔をパラメータにして
-
12:53 - 12:55このネットワークを使い
xの値を求めると -
12:55 - 12:58かなり ぶっ飛んだ
画像が作られます -
12:58 - 13:02キュービズムというか シュールというか
サイケな感じの 私の絵です -
13:02 - 13:04複数の視点を
1つにまとめています -
13:04 - 13:06このように 複数の視点が
1つになっている理由は -
13:06 - 13:10このネットワークが あいまいさを除去する
設計になっているためです -
13:10 - 13:13人の顔の見え方は
見る角度によって変わり -
13:13 - 13:16光の当たり方によっても
変わります -
13:16 - 13:18だから このような再構成を行う場合
-
13:18 - 13:22ガイドとなる画像や
統計値がないと -
13:22 - 13:24視点に関して
-
13:24 - 13:25混乱が生じるんです
-
13:25 - 13:27あいまいさがあるためです
-
13:28 - 13:32ここでは 私の顔を再構成する
最適化プロセスで -
13:32 - 13:36アレックスの顔の映像を
ガイドとして使っています -
13:36 - 13:39完璧とは言えず
-
13:39 - 13:41この最適化プロセスを
改善するために -
13:41 - 13:43やることは まだまだありますが
-
13:43 - 13:46とりあえず
顔をガイドとして使うことで -
13:46 - 13:49統一感のあるイメージが
できるようになります -
13:49 - 13:50別に 真っ白なキャンバスや
-
13:50 - 13:53ホワイトノイズから
始める必要はありません -
13:53 - 13:54xを求めるという場合
-
13:54 - 13:58xとして 何か別の画像から
出発してもいいんです -
13:58 - 14:00それを説明するデモを
お見せしましょう -
14:00 - 14:05これは 人工物であれ 動物であれ
-
14:05 - 14:08あらゆるものを分類するよう
設計されたネットワークです -
14:08 - 14:10この雲の写真からスタートします
-
14:10 - 14:12これを最適化すると
-
14:12 - 14:17このネットワークは
「雲の中に何が見えるか」を探します -
14:17 - 14:19画面をじっと見ているうちに
-
14:19 - 14:22雲の中に いろんなものが
見えてきます -
14:23 - 14:26これに顔認識ネットワークを使うと
幻覚っぽい映像になります -
14:26 - 14:28ちょっと頭がおかしくなりそうな
-
14:28 - 14:29(笑)
-
14:30 - 14:33マイクはまた
-
14:33 - 14:37この雲の画像で 別の実験もしています
-
14:37 - 14:41幻視とズームを繰り返していくと
-
14:41 - 14:42こんな感じに
-
14:42 - 14:46フーガのような 自由連想のような映像を
-
14:46 - 14:49このネットワークから 作り出せます
-
14:49 - 14:52ネットワークが
自分の尻尾を食べています -
14:52 - 14:55それそれのイメージが
次のイメージのベースになっています -
14:55 - 14:56「次に 何が見える?
-
14:56 - 14:59次に 何が見える?
次に 何が見える?」という風に -
14:59 - 15:02ちなみに
このデモを 最初に披露したのは -
15:02 - 15:08シアトルで開かれた
「高等教育」と題した講演会で -
15:08 - 15:10マリファナが合法化された
直後のことでした -
15:10 - 15:13(笑)
-
15:15 - 15:16最後にまとめとして
-
15:16 - 15:21この技術は お見せしたようなものに
限定されないことを指摘しておきます -
15:21 - 15:25今回は視覚的にちょっと面白い例を
紹介しましたが -
15:25 - 15:27別に 視覚のテクノロジー
というわけではないんです -
15:27 - 15:31我々の協力者でアーティストの
ロス・グッドウィンによる実験ですが -
15:31 - 15:33彼がカメラで写真を撮ると
-
15:33 - 15:37その写真の中身を元に
背負っているコンピューターが -
15:37 - 15:39ニューラルネットワークで
詩を書きます -
15:39 - 15:41詩のニューラルネットワークは
-
15:41 - 15:4420世紀の詩の 膨大なコーパスで
トレーニングされています -
15:44 - 15:46そうやって書かれた詩は
-
15:46 - 15:48どうして そう悪くないと思います
-
15:48 - 15:49(笑)
-
15:49 - 15:50まとめになりますが
-
15:50 - 15:53ミケランジェロは正しかったと
-
15:53 - 15:54つくづく思います
-
15:54 - 15:58知覚と創造性とは
密接に結びついているんです -
15:58 - 16:00先ほどお見せした
ニューラルネットワークは -
16:00 - 16:03世の中の さまざまなものを区別するよう
-
16:03 - 16:05学習させたものですが
-
16:05 - 16:08処理を逆転させて
新しいものを作り出すこともできます -
16:08 - 16:10そこで気づかされるのは
-
16:10 - 16:12石の塊の中に 彫刻を見ることができるのは
-
16:12 - 16:15ミケランジェロだけではないということ
-
16:15 - 16:19どんな生物であれ どんな存在
地球外生命体だろうと -
16:19 - 16:22知覚を行う能力のあるものは
-
16:22 - 16:23創造もできるということです
-
16:23 - 16:27どちらも同じメカニズムで
できることだからです -
16:27 - 16:29そして 知覚と創造は
-
16:29 - 16:32決して 人間に限られたものではありません
-
16:32 - 16:36私たちは そのようなことができる
コンピューターモデルを作り始めています -
16:36 - 16:40驚くことではありません
脳もまた計算機械だからです -
16:40 - 16:41最後に
-
16:41 - 16:46コンピューティングは
知的機械の設計から始まり -
16:46 - 16:49機械はいかに知的になれるか
という発想から -
16:49 - 16:51モデル化されましたが
-
16:51 - 16:54今や我々は 昔の先駆者が
夢見た世界を -
16:54 - 16:56ようやく実現させつつあります
-
16:56 - 16:58チューリングやフォン・ノイマンの夢
-
16:58 - 17:00マカロックやピッツの夢を
-
17:00 - 17:03コンピューティングは 会計処理だとか
-
17:03 - 17:06キャンディークラッシュで
遊ぶだけのものではありません -
17:06 - 17:10コンピューターはそもそも
人間の脳をモデルとしたものでしたが -
17:10 - 17:12それは 人間の知性を
よりよく理解するためにも -
17:12 - 17:15人間の知性を拡張するためにも
使えるのです -
17:15 - 17:16ありがとうございました
-
17:16 - 17:22(拍手)
- Title:
- コンピューターはこうしてクリエイティブになる
- Speaker:
- ブレイス・アグエラ・ヤルカス
- Description:
-
我々はアートと創造性の新時代の入り口におり、その主人公は人間ではない—そう語るGoogle社の主席サイエンティストのブレイス・アグエラ・ヤルカスは、深層学習を行うニューラルネットワークで機械知覚と分散学習を実現する取り組みを進めています。画像認識用にトレーニングしたニューラルネットワークを逆に使って非常に斬新な映像を生み出すという、目を奪われるようなデモを彼は披露してくれます。コンピューターが作り出すその映像は、幻想的ですばらしく、既成のジャンル分けには当てはまらないコラージュ作品です。そればかりか、コンピューターは今や詩まで作れるといいます。彼はこう言います。「知覚と創造性の間には非常に密接な結び付きがあり、知覚行為を行う能力を有するものは創造力も兼ね備えている」
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 17:34
Yasushi Aoki approved Japanese subtitles for How we're teaching computers to be creative | ||
Yasushi Aoki accepted Japanese subtitles for How we're teaching computers to be creative | ||
Kaori Nozaki edited Japanese subtitles for How we're teaching computers to be creative | ||
Kaori Nozaki edited Japanese subtitles for How we're teaching computers to be creative | ||
Yasushi Aoki declined Japanese subtitles for How we're teaching computers to be creative | ||
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for How we're teaching computers to be creative | ||
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for How we're teaching computers to be creative | ||
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