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母国語を大切に | パトリシア・ライアン | TEDxDubai

  • 0:11 - 0:13
    ドバイに住んでいて
    よく聞かれるのは
  • 0:14 - 0:16
    「ここで休暇をとっいてるのですか?」
  • 0:16 - 0:18
    (笑)
  • 0:18 - 0:19
    「お子さんに会いに来たの?」
  • 0:19 - 0:21
    (笑)
  • 0:21 - 0:22
    「どれくらい滞在するつもりなの?」
  • 0:22 - 0:26
    そうですね
    もうしばらくは住み続けたいです
  • 0:26 - 0:32
    私は30年以上もの間 湾岸諸国に住み
    英語を教えてきました
  • 0:32 - 0:33
    (歓声)(拍手)
  • 0:35 - 0:39
    その間に多くの変化を
    この目で見てきました
  • 0:40 - 0:45
    この統計は非常に衝撃的です
    私が今日 お話したいのは
  • 0:45 - 0:50
    言語の減少と英語の国際化についてです
  • 0:50 - 0:52
    友人についてお話したいのですが
  • 0:52 - 0:55
    その友人はアブダビで
    成人に英語を教えていました
  • 0:55 - 0:59
    ある晴れた日に 彼女は生徒たちを
    庭園へ連れて行き
  • 0:59 - 1:02
    自然に関する単語を
    教えようとしました
  • 1:02 - 1:05
    しかし 最終的には彼女が
    アラビア語の単語を学ぶことになりました
  • 1:05 - 1:08
    地元の植物の名前や
    その使い道についてです
  • 1:08 - 1:12
    薬草としてや 美容効果のため
    また料理に使うハーブなどです
  • 1:12 - 1:16
    生徒たちはその知識を
    どこで手に入れたのでしょう?
  • 1:16 - 1:20
    当然 それは祖父母や
    さらに曾祖父母から学んだのです
  • 1:20 - 1:23
    世代間でコミュニケーションを取れることが
  • 1:23 - 1:27
    いかに重要か 皆さんに
    お話しするまでもありませんね
  • 1:27 - 1:33
    しかし悲しいことに 言語は
    かつてない速度で消滅しつつあるのです
  • 1:33 - 1:36
    14日ごとに1つの言語が
    この世界から消えています
  • 1:36 - 1:39
    どのようにして調べたのか
    分かりませんが事実のようです
  • 1:40 - 1:44
    それと同時に英語は誰もが認める
    国際公用語となっています
  • 1:44 - 1:48
    このことに何らかの関連性があるのか?
    私には分かりません
  • 1:48 - 1:50
    しかし 多くのことが変わったことは
    私はそれを見て 知っています
  • 1:50 - 1:54
    湾岸諸国のなかで
    最初に訪れたのはクウェートです
  • 1:54 - 1:57
    その頃はまだ赴任するのに
    危険手当がつきました
  • 1:57 - 2:02
    実際にはそこまで昔ではありません
    これは少し昔過ぎますね
  • 2:02 - 2:05
    それでもなお 他の25人程の教師と私は
  • 2:05 - 2:08
    英国文化振興会に採用されました
  • 2:08 - 2:13
    私たちはクウェートの公立学校で教える
    初めての非ムスリムでした
  • 2:13 - 2:16
    私たちは英語を教えるため
    派遣されたのです
  • 2:16 - 2:19
    そうすることで英国政府は
    クウェートを近代化し
  • 2:19 - 2:22
    教育を施すことで市民を
    力づけたいと望んでいたからです
  • 2:22 - 2:27
    当然 英国は素晴らしき石油マネーの
    恩恵を授かりました
  • 2:27 - 2:28
    よろしい
  • 2:33 - 2:36
    私が見たなかで最も変わった点は
  • 2:36 - 2:39
    英語を教えるということが
  • 2:39 - 2:43
    相互利益につながる行為から
  • 2:43 - 2:46
    大変な国際ビジネスへと
    変貌したことです
  • 2:46 - 2:47
    これが現状です
  • 2:47 - 2:50
    今や学校のカリキュラムにある
    外国語であることにとどまらず
  • 2:50 - 2:54
    母国英国の領土内にとどまりません
  • 2:54 - 2:56
    地球上の英語話者のいる全ての国は
  • 2:56 - 3:00
    勝組となっているのです
  • 3:00 - 3:02
    それはそうでしょう?
  • 3:02 - 3:04
    最も優れた教育は
  • 3:04 - 3:08
    最新の世界大学ランキングによると
  • 3:08 - 3:12
    英国と米国の大学にあるとされています
  • 3:14 - 3:17
    すると当然 誰もが英語教育を受けたがります
  • 3:17 - 3:21
    しかしネイティブの英語話者でない場合
    テストに合格しなければなりません
  • 3:21 - 3:26
    言語能力のみにもとづいて
  • 3:26 - 3:28
    入学を認めないのは正しいでしょうか?
  • 3:28 - 3:32
    天才的なコンピューター科学者が
    いるかもしれません
  • 3:32 - 3:35
    その彼に弁護士と同じ言葉が
    必要でしょうか?
  • 3:35 - 3:38
    私はそうは思いません
  • 3:39 - 3:43
    英語教師は彼らのような生徒の
    入学を認めないのです
  • 3:43 - 3:47
    一時停止の標識を立て
    彼らの進路を妨げるのです
  • 3:47 - 3:52
    彼らは英語を習得するまで
    夢を追い求めることはできないのです
  • 3:53 - 3:54
    言い換えるならば
  • 3:54 - 3:59
    仮にオランダ語しか話せない人に会って
  • 3:59 - 4:01
    その人がガンの治療法を知っているとして
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    その人が英国の大学に入ることを止めますか?
  • 4:04 - 4:06
    私はそうは思いません
  • 4:06 - 4:09
    しかし それが私たちのしていることなのです
  • 4:09 - 4:12
    私たち英語教師は門番であり
  • 4:12 - 4:16
    まず私たちを満足させる必要があるのです
  • 4:16 - 4:18
    あなたの英語力が十分であると
  • 4:20 - 4:23
    これは危険なことになりかねません…
  • 4:23 - 4:25
    (笑)(拍手)
  • 4:25 - 4:30
    社会のごく少数の人々に
    それほど多くの権限を与えることは
  • 4:30 - 4:33
    言語バリアはあまりにも普遍的なものに
    なっているのかもしれません
  • 4:35 - 4:37
    しかし 皆さんはこう言われるでしょう
  • 4:37 - 4:41
    「学術研究はどうなんだ?
    すべて英語で行われてるじゃないか」
  • 4:41 - 4:43
    学術書は英語で書かれていますし
  • 4:43 - 4:45
    専門のジャーナルも英語です
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    しかし これは結果として
    そうなっているのです
  • 4:48 - 4:52
    これにより英語の必要性は
    さらに増していきます
  • 4:52 - 4:56
    さて 翻訳はどうなったのでしょう?
  • 4:56 - 4:59
    イスラーム黄金時代を考えてみると
  • 5:00 - 5:02
    その当時多くの翻訳がありました
  • 5:02 - 5:05
    彼らはラテン語やギリシャ語を
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    アラビア語やペルシャ語に翻訳し
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    そして それらはヨーロッパの
    ゲルマン系諸言語に翻訳され
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    ロマンス系諸言語にも翻訳されました
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    そしてヨーロッパの暗黒時代に
    明かりを灯したのです
  • 5:18 - 5:20
    誤解しないでください
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    英語を教えることに
    反対している訳ではありません
  • 5:25 - 5:28
    国際語があるということは
    素晴らしいことだと思います
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    これまで以上に国際語は必要なのです
  • 5:31 - 5:35
    しかし それを障壁とするのには反対です
  • 5:35 - 5:38
    私たちは本当に600の言語しかない世界を
    望んでいるのでしょうか?
  • 5:38 - 5:41
    そして主要言語が英語か中国である世界を?
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    私たちにはもっと必要です
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    私たちはどこに境界線を引くのでしょう?
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    この制度は知性と
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    英語の知識を同一視する―
  • 5:52 - 5:54
    (笑)
  • 5:54 - 5:57
    極めて恣意的なものです
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    (歓声)(拍手)
  • 6:02 - 6:04
    思い出してください
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    現代の知識人が依って立つ天才たちは
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    英語を話す必要はありませんでしたし
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    英語の試験に合格する必要もありませんでした
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    代表例はアインシュタインです
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    彼は学校では補習が必要と
    見なされていました
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    彼が実は失読症だったためです
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    世界にとって幸いなことに
    彼は英語の試験に合格しなくて済みました
  • 6:27 - 6:31
    TOEFLといった標準的な英語の試験は
  • 6:31 - 6:34
    1964年になるまで存在しませんでした
  • 6:34 - 6:37
    今や爆発的氾濫状態です
  • 6:37 - 6:39
    数えきれないほどの英語の試験があります
  • 6:39 - 6:43
    そして何百万人もの生徒が
    毎年それらの試験を受けるのです
  • 6:43 - 6:45
    私たちはこう考えるかもしれません
  • 6:45 - 6:48
    試験料はそこまで高くないし
    別に問題ないと
  • 6:48 - 6:52
    しかし何百万人もの貧しい人々は
    試験を受けることができないのです
  • 6:52 - 6:54
    これは事実上の拒絶です
  • 6:54 - 6:56
    (拍手)
  • 6:57 - 7:01
    最近見た新聞の見出しを思い出させます
  • 7:01 - 7:03
    「教育:大きな格差」
  • 7:04 - 7:08
    なぜ人々が英語に焦点を当てたがるのか
    理解しました
  • 7:08 - 7:12
    自分の子供たちに
    最も良い機会を与えてやりたいのです
  • 7:12 - 7:15
    そのためには西欧で
    教育を受ける必要があるのです
  • 7:15 - 7:18
    その理由は
    いい仕事は
  • 7:18 - 7:22
    先に述べたように
    西欧の大学を出た人が獲得するものだからです
  • 7:22 - 7:24
    これは延々と繰り返されます
  • 7:26 - 7:30
    2人の科学者
    ―2人のイギリス人科学者の話を聞いて下さい
  • 7:30 - 7:34
    彼らは遺伝学の実験をしていました
  • 7:34 - 7:37
    動物の前肢や後肢に関する実験です
  • 7:37 - 7:40
    しかし望んだ結果が
    得られませんでした
  • 7:40 - 7:42
    どうしたらよいのか途方に暮れていました
  • 7:42 - 7:45
    そこへドイツ人科学者がやってきて
  • 7:45 - 7:49
    彼らが前肢と後肢という言葉を
    使っているのに気付きましたが
  • 7:49 - 7:55
    遺伝学的にはどちらも同じで
    ドイツ語ではそれらを区別しません
  • 7:56 - 7:59
    おみごと!問題は解決しました
  • 7:59 - 8:02
    もし考え方を変えられなければ
  • 8:02 - 8:04
    行き詰まってしまいます
  • 8:04 - 8:07
    しかし別の言語で考え方を
    変えられれば
  • 8:07 - 8:12
    協力することで より多くのことを
    学び 成し遂げることができます
  • 8:13 - 8:18
    私の娘はクウェートから
    イングランドに来ました
  • 8:18 - 8:23
    彼女はアラビアを使う学校で
    科学と数学をアラビア語で勉強しました
  • 8:23 - 8:27
    彼女はグラマースクールで
    全てを英語に訳す必要がありました
  • 8:27 - 8:31
    そして彼女の科学と数学の成績は
    クラスで一番でした
  • 8:31 - 8:35
    このことが示すのは
    外国から学生が来たとき
  • 8:35 - 8:39
    彼らの知っていることを
    十分に評価しておらず
  • 8:39 - 8:42
    彼らは母国語で
    それらを学んだということです
  • 8:42 - 8:44
    言語が消滅すれば
  • 8:44 - 8:48
    その言語と一緒に何を失うか
    私たちは知りません
  • 8:50 - 8:51
    ここで素晴らしい話を一つ―
  • 8:51 - 8:54
    皆さんが最近のCNNを
    ご覧になったか分かりませんが
  • 8:54 - 8:57
    ケニアの若い羊飼いの男の子に
  • 8:57 - 9:01
    ヒーローズ・アウォードが送られました
  • 9:01 - 9:05
    村の他の子どもたちと同じように
    彼は夜に勉強ができませんでした
  • 9:05 - 9:09
    灯油ランプが煙を発し
    目を傷めるからです
  • 9:09 - 9:12
    しかも灯油は
    十分にありませんでした
  • 9:12 - 9:14
    1日1ドルの生活で何が買えるでしょうか?
  • 9:16 - 9:20
    そのため彼はコストの掛からない
    太陽光ランプを発明しました
  • 9:20 - 9:24
    今では村の子供たちは
    家庭に電気のある子供たちと
  • 9:24 - 9:27
    同じ成績を学校でとっています
  • 9:28 - 9:30
    (拍手)
  • 9:34 - 9:38
    彼は受賞後に
    素晴らしいスピーチをしました
  • 9:38 - 9:41
    「子供たちはアフリカを
    今のような暗い大陸から
  • 9:41 - 9:45
    明るい大陸に導くことができます」
  • 9:45 - 9:50
    単純な発想がこんなに大きな影響を与える
    結果をもたらすことができるのです
  • 9:51 - 9:53
    実際的か比喩的かにかかわらず
  • 9:53 - 9:56
    明かりを持っていない人々は
  • 9:56 - 9:59
    私たちの試験に合格できません
  • 9:59 - 10:02
    そして彼らの能力を知ることもできません
  • 10:02 - 10:07
    彼ら そして私たち自身を
    暗闇に閉じ込めるのは止めましょう
  • 10:07 - 10:10
    多様性があることを祝いましょう
  • 10:10 - 10:12
    母国語を大切にしましょう!
  • 10:13 - 10:17
    そして素晴らしいアイディアを
    発信しましょう!
  • 10:17 - 10:18
    (拍手)
Title:
母国語を大切に | パトリシア・ライアン | TEDxDubai
Description:

英語は国際的ビジネス語となっていますが、一方、かつてないほど多くの言語が消滅しつつあります。そこに関連性はあるのでしょうか?これは新たなマクドナル化の出現、つまり望ましくない国際化の一面でしょうか。私たちは本当に、様々な言語とそれに付随する文化を失うことを望んでいるのでしょうか。
このビデオはTEDカンファレンスとは独立して運営されるTEDxイベントにおいて収録されたものです。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
10:25

Japanese subtitles

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