トルストイの『戦争と平和』を読むべき理由 ― ブレンダン・ペルスー
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0:07 - 0:09『戦争と平和』は
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0:09 - 0:10大作であり
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0:10 - 0:11気の遠くなる長さです
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0:11 - 0:15寝る前に読む類の本ではありません
読みながら寝たら -
0:15 - 0:18本の重みで
脳しんとうを起こしそうですからね -
0:18 - 0:19でもそれだけではありません
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0:19 - 0:22『戦争と平和』は確かに長い本ですが
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0:22 - 0:25好奇心をそそるような
歴史の検証であり -
0:25 - 0:30深遠で実在しそうな登場人物に
溢れています -
0:30 - 0:35本の長さに圧倒されたら
トルストイの残念な気持ちを想像してください -
0:35 - 0:391863年トルストイは
亡命先のシベリアから戻り -
0:39 - 0:42反体制派の政治家についての
短編小説の執筆を始めました -
0:42 - 0:465年後 トルストイが書き上げた
1200ページに及ぶ壮大な叙事詩には -
0:46 - 0:47恋愛物語
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0:47 - 0:48戦場
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0:48 - 0:49破産
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0:49 - 0:50発砲部隊
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0:50 - 0:51宗教的観念
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0:51 - 0:52モスクワ炎上
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0:52 - 0:55飼いならされた熊が登場しますが
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0:55 - 0:57亡命や反体制派の政治家は
登場しません -
0:57 - 0:59その経緯は次のようなものです
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0:59 - 1:01激しい気性のトルストイは
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1:01 - 1:061828年 一風変わっていることで知られる
名門貴族の元に生まれました -
1:06 - 1:0930歳までには カザン大学を辞めて
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1:09 - 1:11家族の資産を使い果たし
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1:11 - 1:12軍に入隊
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1:12 - 1:13体験記を書き
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1:13 - 1:17文壇を拒絶して
ヨーロッパの旅に出ました -
1:17 - 1:21その後 先祖代々所有する邸宅
ヤスーナヤ・ポリャーナに落ち着き -
1:21 - 1:24デカブリストの再起について
書きました -
1:24 - 1:3030年間の国外追放の後 1856年に
恩赦を受けた 出自の良い革命家たちです -
1:30 - 1:32トルストイは考えました
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1:32 - 1:35デカブリストの再起を語るためには
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1:35 - 1:371825年に起きた―
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1:37 - 1:42時の皇帝 ニコライ1世に対する
反乱を書く必要があるのでは? -
1:42 - 1:45それを書くには
1812年の出来事― -
1:45 - 1:47ナポレオンのロシア遠征によって
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1:47 - 1:52デカブリストが強く反対した権威主義の
昂揚が起きたことを書く必要があるのでは? -
1:52 - 1:561812年を語るには
1805年の出来事― -
1:56 - 1:59アウステルリッツの戦いでの敗戦の後に
ロシアが初めて -
1:59 - 2:03ナポレオンの脅威を認識したことを
書かねばならないのでは? -
2:03 - 2:05こうしてトルストイは
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2:05 - 2:06歴史上の大きな出来事と
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2:06 - 2:09その中を生きた人々の生活について
書き始めました -
2:09 - 2:12彼は 既によく知っている
貴族階級に焦点を当てました -
2:12 - 2:14この著書はごく一部でしか
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2:14 - 2:17ロシア国民の大半を占めていた
小作人や -
2:17 - 2:19農奴ですらあったような
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2:19 - 2:23地主に縛られ生きるために働いた
農民の生活には触れていません -
2:23 - 2:27『戦争と平和』は
フランスとロシアの開戦前夜から始まります -
2:27 - 2:31貴族たちは パーティーで
戦争の気配にやきもきしますが -
2:31 - 2:35すぐに話題は貴族の主な関心事に移ります
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2:35 - 2:36お金や
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2:36 - 2:37セックス
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2:37 - 2:38そして死などです
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2:38 - 2:39壮大な時間軸の中で
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2:39 - 2:43政治と人々の生活の間を行き来する
物語の様子を -
2:43 - 2:45最初のシーンが表現しています
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2:45 - 2:47『戦争と平和』には主人公がいません
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2:47 - 2:50読者が足を踏み入れるのは
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2:50 - 2:53複雑に絡み合う
人間模様や問いなのです -
2:53 - 2:55不運な境遇にある
伯爵の私生児は -
2:55 - 2:58美しくも狡猾な王女と結婚するのか?
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2:58 - 3:01彼の唯一の友人は
オーストリアの戦いを生き延びられるか? -
3:01 - 3:06その2人の男性と恋をした
気立ての良い若い娘はどうなるのか? -
3:06 - 3:11これらの架空の登場人物は
歴史上 実在する人物に出会います -
3:11 - 3:13ナポレオンも数回登場しますし
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3:13 - 3:17トルストイの先祖も脇役として
登場するのです -
3:17 - 3:20登場人物と
その心模様が面白い一方 -
3:20 - 3:23トルストイは物語の途中で
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3:23 - 3:26洞察に富んだ歴史に関する問いを
投げかけることを恐れません -
3:26 - 3:27なぜ 戦争は起こるのか?
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3:27 - 3:30戦場での良い戦術とは何か?
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3:30 - 3:34ナポレオンのような偉大な存在に
国の行く末は左右されるのか? -
3:34 - 3:39それとも 文化や経済などの
大きな流れが作用しているのか? -
3:39 - 3:42物語と同時に進行する
これらのテーマが -
3:42 - 3:44『戦争と平和』の視野を
大きく広げています -
3:44 - 3:46しかし それゆえに
19世紀の批評家には -
3:46 - 3:50『戦争と平和』は小説に思えないと
受け取る者もいました -
3:50 - 3:55ヘンリー・ジェイムズは
「大きなブクブクの怪獣」と評したほどです -
3:55 - 3:57トルストイも 実はそれに賛成でした
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3:57 - 4:00彼にとって小説は
西欧の芸術様式だったのです -
4:00 - 4:05ロシアの作家は 生き方が違うのだから
違う書き方をする必要があると考えました -
4:05 - 4:07「この本は一体何だろう」
と彼は問いました -
4:07 - 4:08「これは小説ではない
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4:08 - 4:10叙事詩というには何か足りない
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4:10 - 4:12歴史物語というのも少し違う
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4:12 - 4:17『戦争と平和』は
作家が書きたいと欲し 結果的に -
4:17 - 4:19このような形で表現された作品なのだ」
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4:19 - 4:24言い換えれば この本は
トルストイの創造力の結晶であり -
4:24 - 4:26それ以上でもそれ以下でもないのです
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4:26 - 4:28『戦争と平和』の終盤では
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4:28 - 4:32登場人物たちは1820年を迎えます
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4:32 - 4:37彼が元々書きたかった出来事の
起こる36年前です -
4:37 - 4:40自らの生きる時代を理解しようとしながら
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4:40 - 4:44トルストイはそこに至るまでの過去を
深く振り返りました -
4:44 - 4:48その結果として生み出されたのが
歴史 文化 哲学 心理― -
4:48 - 4:53そして戦争に対する人々の反応についての
壮大な考証だったのです
- Title:
- トルストイの『戦争と平和』を読むべき理由 ― ブレンダン・ペルスー
- Description:
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『戦争と平和』は大作であり、気の遠くなるような長さです。読みながら寝たら、本の重みで脳しんとうを起こしそうですから、寝る前に読む類の本ではありませんよね? でもそれだけではありません。『戦争と平和』は確かに長い本ですが、深遠で実在しそうな登場人物に溢れています。ブレンダン・ペルスーが、この名作を読む上で必要なすべてをお教えします。
講師:ブレンダン・ペルスー、アニメーション:パトリック・スミス
*このビデオのレッスン:http://ed.ted.com/lessons/why-should-you-read-tolstoy-s-war-and-peace-brendan-pelsue - Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 05:10
Moe Shoji approved Japanese subtitles for Why should you read Tolstoy's "War and Peace"? - Brendan Pelsue | ||
Moe Shoji accepted Japanese subtitles for Why should you read Tolstoy's "War and Peace"? - Brendan Pelsue | ||
Moe Shoji edited Japanese subtitles for Why should you read Tolstoy's "War and Peace"? - Brendan Pelsue | ||
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Moe Shoji declined Japanese subtitles for Why should you read Tolstoy's "War and Peace"? - Brendan Pelsue | ||
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Moe Shoji edited Japanese subtitles for Why should you read Tolstoy's "War and Peace"? - Brendan Pelsue | ||
HItomi Takakura edited Japanese subtitles for Why should you read Tolstoy's "War and Peace"? - Brendan Pelsue |