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古代遺跡の発見に手を貸してください—手遅れになる前に

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    考古学者として私は
  • 0:03 - 0:06
    発見した中で一番気に入っているのは
    何かと よく聞かれます
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    答えは簡単です
  • 0:09 - 0:10
    夫のグレッグです
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    (笑)
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    出会いはエジプトで
    私の初発掘調査の時でした
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    予期せぬ素晴らしいものを発見した
    最初の経験であり
  • 0:20 - 0:24
    素晴らしい考古学上の
    協力関係の始まりでした
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    何年か後に 私たちが大好きな
    カップルの前で 彼にプロポーズしました
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    ラホテプ王子とノフレト王女という
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    カイロ美術館にある
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    4600年前の彫像です
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    グレッグに 残りの生涯ずっと
    一緒にいて欲しいと頼むとしたら
  • 0:42 - 0:45
    永遠に共にいることを誓った
    2人の前で言うのが
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    相応しいと思ったんです
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    これは持続の象徴です
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    2人を見るとき
    私たちは鏡を見ているのです
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    人に共通する人間性が
    変わらないことを
  • 0:57 - 1:00
    私たちに力強く示しています
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    考古学的発見のスリルは
    恋愛に負けないくらい強力です
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    古代の歴史ほど魅惑的な相手は
    考えにくいですから
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    幾多の考古学者達が
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    いにしえの謎の解明に
    人生を捧げてきました
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    照りつける太陽の下で
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    極北の風の中で
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    熱帯雨林の奥深くで
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    多くが探し求め
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    ある者は見つけましたが
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    誰もが信じているのは
    可能性という神殿 —
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    1つの発見が歴史を変える
    かもしれないということです
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    エジプトでの発掘初日に
    私が作業をしたのは
  • 1:37 - 1:39
    ナイル川デルタの北東部にある
  • 1:39 - 1:43
    メンデスという
    4200年前の墓地です
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    写真の私は
  • 1:44 - 1:46
    ただ喜びに溢れています
  • 1:46 - 1:50
    美しい緑の水田に囲まれた中で
    発掘をしていて
  • 1:50 - 1:53
    欠落のない
    完全な壺を発見しました
  • 1:54 - 1:55
    ひっくり返してみると
  • 1:55 - 2:00
    そこには作り手の
    親指の跡がありました
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    一瞬 時が止まり
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    自分がどこにいるのか
    分からない感覚に捕らわれました
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    気付いたからです
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    自分たちが過去から
    掘り起こしているのは
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    物ではなく
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    人なのだと
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    大いなる過去のただ中にいる時ほど
    今を感じることはありません
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    ギザのピラミッドの前にいて
    言葉を失ったことが
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    何度あったかわかりません
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    自分ほど幸運な人間はいない
    と感じます
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    ピラミッドは人間の英知と
    何だって可能だということの証なのです
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    人間業だとは納得ができず
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    宇宙人が作ったと思っている人も
    たくさんいます
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    馬鹿げています
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    ただ近寄ってみればいいんです
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    刻まれた のみ跡の中に
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    人の手が隠されているのを
    見て取ることができます
  • 2:56 - 3:00
    ギザの大ピラミッドは
    1度に1つずつ
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    230万個の石を積み上げて
    作られたのです
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    驚異的なまでの
    統制と効率によって
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    時の試練に耐えたのは
    ピラミッドではなく
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    人間の才知です
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    人類共通の卓越性です
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    歴史は繰り返すものであっても
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    私たちは特異な存在です
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    私が考古学を好きなのは
  • 3:25 - 3:29
    人間が変わっていないことを
    確認できるからです
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    姑をネタにしたジョークが
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    3500年前のメソポタミアで
    見つかります
  • 3:35 - 3:37
    (笑)
  • 3:38 - 3:41
    お隣同士が罵り合っているのを
  • 3:41 - 3:44
    4600年前のエジプトで
    聞くことが出来ます
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    私の大のお気に入りは
    3300年前のルクソールのものです
  • 3:49 - 3:54
    碑文に授業をサボって飲みに行く
    学生のことが記されています
  • 3:54 - 3:56
    (笑)
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    近頃の若いもんときたら —
  • 3:58 - 4:00
    (笑)
  • 4:00 - 4:04
    私が目にするのは
    この上なく見事な建築
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    息を飲むような彫像 —
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    これはいわば
    石塊を使った自撮りです
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    人はいつだって
    宝石で身を飾り
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    ウォールに投稿し
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    ネコに夢中だったんです
  • 4:18 - 4:19
    (笑)
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    何千年も昔から
  • 4:21 - 4:22
    (笑)
  • 4:22 - 4:24
    (拍手)
  • 4:27 - 4:30
    考古学者というのは
    文化的記憶の保管人であり
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    我々以前にいた
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    何十億という人々
    何千という文化の
  • 4:35 - 4:37
    代弁者なのです
  • 4:37 - 4:41
    適切な科学手法と 想像力
    そして自らの信念への賭け —
  • 4:41 - 4:44
    それが死者を蘇らせるために
    考古学者の使う3種の神器です
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    この1年の間に
  • 4:46 - 4:50
    考古学者達は
    ものすごい発見をしてきました
  • 4:50 - 4:53
    南アフリカの新たな人類の祖先
  • 4:53 - 4:57
    ケニアで発見された
    330万年前の道具 —
  • 4:57 - 4:59
    これはかつて発見された
  • 4:59 - 5:00
    最も古い道具の1つです
  • 5:00 - 5:04
    そして1718年の
    海賊船から見つかった
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    一連の医療器具
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    ご覧いただいているのは
    梅毒治療に使われた道具です
  • 5:13 - 5:15
    痛そう!
  • 5:15 - 5:16
    (笑)
  • 5:16 - 5:18
    話題にはならなくとも
  • 5:18 - 5:19
    きわめて重要な発見が
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    この何千倍も
  • 5:21 - 5:24
    考古学者仲間によって
    なされています
  • 5:25 - 5:31
    しかし考古学者としての
    我々の最も重要な仕事は
  • 5:31 - 5:35
    過去に人々が存在し
    学ぶ価値のある人生を送っていたことを
  • 5:35 - 5:37
    認めることだと
    私は思います
  • 5:38 - 5:41
    すべての人間を
    そのように認めたなら
  • 5:41 - 5:45
    今日の世界は どう違っていたか
    想像できますか?
  • 5:47 - 5:50
    発掘には困難が伴います
  • 5:51 - 5:53
    よくある光景は
    このようなもので
  • 5:53 - 5:54
    何も見当たりません
  • 5:54 - 5:56
    どこから掘り始めたらいいのか?
  • 5:56 - 5:58
    これはカイロの南にある遺跡です
  • 5:58 - 6:00
    宇宙から見てみましょう
  • 6:01 - 6:03
    相変わらず何も見当たりません
  • 6:03 - 6:04
    ご覧いただいているのは
  • 6:04 - 6:07
    ワールドビュー3号の衛星画像で
  • 6:07 - 6:10
    30cmの解像度があります
  • 6:10 - 6:13
    高度600kmの宇宙から
    ズームインして
  • 6:13 - 6:17
    皆さんがお持ちのタブレットを
    見分けることができるということです
  • 6:17 - 6:20
    なぜ私がそんなことを
    知っているのかというと
  • 6:20 - 6:24
    私は「宇宙考古学者」だからです
  • 6:24 - 6:26
    聞き間違いじゃありませんよ
  • 6:26 - 6:29
    私は宇宙考古学者なんです
  • 6:29 - 6:30
    それはつまり—
  • 6:30 - 6:31
    (拍手)
  • 6:31 - 6:32
    どうも
  • 6:33 - 6:37
    衛星画像をアルゴリズムで処理し
  • 6:37 - 6:40
    地下に何か埋もれていることを示す
  • 6:40 - 6:42
    微かなスペクトルの違いを見つけ
  • 6:42 - 6:45
    その場所に
    発掘調査しに行くんです
  • 6:45 - 6:47
    ちなみに
  • 6:47 - 6:49
    NASAには宇宙考古学
    プログラムがあります
  • 6:49 - 6:51
    れっきとした
    仕事ってことです
  • 6:51 - 6:52
    (笑)
  • 6:53 - 6:54
    もう一度見てみましょう
  • 6:54 - 6:56
    カイロのすぐ南にある遺跡です
  • 6:56 - 6:58
    何もありません
  • 6:58 - 7:01
    赤い四角の部分に
    注目してください
  • 7:01 - 7:04
    この画像をアルゴリズム処理します
  • 7:04 - 7:07
    宇宙版のCATスキャンみたいなものです
  • 7:07 - 7:10
    するとこんなものが現れます
  • 7:10 - 7:14
    この四角い跡は
    古代の墳墓で
  • 7:14 - 7:17
    これまで知られておらず
    発掘もされていませんでした
  • 7:17 - 7:22
    数千年の間 誰の目にも触れることが
    なかったものを 初めてご覧いただいています
  • 7:22 - 7:27
    (拍手)
  • 7:27 - 7:30
    まだ未発見のものが
    どれほどあるかを考えれば
  • 7:30 - 7:33
    私たちはまだ表面を
    ひっかいているに過ぎません
  • 7:33 - 7:35
    ナイル川デルタに限っても
  • 7:35 - 7:37
    我々が発掘したのは
  • 7:37 - 7:42
    エジプトの遺跡の総量の
    千分の1%に過ぎないんです
  • 7:42 - 7:44
    我々のチームが発見した
  • 7:44 - 7:47
    他の何千という遺跡を
    それに加えるなら
  • 7:47 - 7:49
    私たちが知っている
    つもりでいたものは
  • 7:49 - 7:53
    未発見のものに比べて
    ほんの小さなものに過ぎません
  • 7:53 - 7:55
    考古学者仲間が
  • 7:55 - 7:57
    世界中で上げている
  • 7:57 - 7:59
    もの凄い成果を見ると
  • 7:59 - 8:03
    発見されるのを
    待っている遺跡が
  • 8:03 - 8:06
    まだ何百万とあるに
    違いありません
  • 8:06 - 8:08
    それらを発見することは
  • 8:08 - 8:13
    人類という存在の可能性の鍵を
    開くことになるでしょう
  • 8:14 - 8:17
    しかし頭の痛い問題もあります
  • 8:17 - 8:19
    私たちは この1年
  • 8:19 - 8:22
    ISISなどの手による
  • 8:22 - 8:25
    考古学遺跡の
    目を覆うような破壊や
  • 8:25 - 8:29
    大規模な盗掘のニュースを
    見てきました
  • 8:30 - 8:33
    ISISはパルミラの神殿を
    破壊しました
  • 8:33 - 8:35
    神殿を爆破するなんて
    考えられます?
  • 8:35 - 8:38
    ISISは預言者ヨナの墓を
    破壊しました
  • 8:38 - 8:42
    遺跡の盗掘が横行し
  • 8:42 - 8:46
    月面クレーターを
    見ているようです
  • 8:47 - 8:52
    現代社会を破壊し尽くそうという
    ISISの思惑からすれば
  • 8:52 - 8:56
    文化的アイデンティティをも
    破壊しようとするのは自然なことです
  • 8:56 - 9:00
    歴史上 幾多の侵略者の群れが
    同じことをしてきました
  • 9:00 - 9:03
    ISISが盗掘で利益を得ていることは
    分かっていますが
  • 9:03 - 9:06
    それがどれほどの規模なのかは
    分かっていません
  • 9:06 - 9:07
    それはつまり
  • 9:07 - 9:11
    中東由来の古物を何か
    市場で購入すると
  • 9:11 - 9:14
    テロリストを支援することに
    なりかねないんです
  • 9:15 - 9:17
    遺跡が盗掘に遭うと
  • 9:17 - 9:22
    ピースの9割が欠けている
    ジグソーパズルのようで
  • 9:22 - 9:26
    残されたピースだけでは
    何だか分からなくなってしまいます
  • 9:26 - 9:29
    これは古代の歴史を
    大規模に抹消する行為です
  • 9:29 - 9:31
    盗掘にも2種類あります
  • 9:31 - 9:34
    ISISのような
    犯罪因子による盗掘と
  • 9:34 - 9:38
    地元民による生活のための
    思いあまった上での盗掘です
  • 9:38 - 9:41
    我々だって家族を食べさせるためなら
    やるかもしれません
  • 9:41 - 9:44
    だから地元民を
    非難するつもりはありません
  • 9:44 - 9:48
    非難すべきは 中間商人
    人倫にもとる密売人
  • 9:48 - 9:53
    法律が曖昧だったり
    整備されていないのを悪用する
  • 9:53 - 9:56
    国際美術品市場です
  • 9:57 - 10:01
    盗掘は世界規模で行われ
    増加していますが
  • 10:01 - 10:05
    それを止める手立てが
    ありませんでした
  • 10:05 - 10:07
    しかしそれが
    変わりつつあります
  • 10:07 - 10:12
    私のチームは エジプトにおける
    盗掘の調査を終えたところです
  • 10:12 - 10:14
    オープンソースデータを元に
  • 10:14 - 10:18
    2002年から2013年の間に
    エジプトで起きた盗掘をすべて
  • 10:18 - 10:20
    地図にしました
  • 10:20 - 10:25
    盗掘や遺跡破壊の証拠を
    267の遺跡で見つけ
  • 10:25 - 10:30
    掘られた穴20万カ所以上を
    地図にしました
  • 10:30 - 10:31
    酷いものです
  • 10:31 - 10:33
    そのデータをまとめました
  • 10:33 - 10:36
    盗掘の跡に印を付けてあります
  • 10:36 - 10:42
    この遺跡では盗掘の状況が 2009年
    2011年 2012年と悪化していて
  • 10:42 - 10:44
    何百カ所もの跡があります
  • 10:44 - 10:46
    これらのデータをまとめて
    分かったのは
  • 10:46 - 10:48
    一般に考えられているのとは違って
  • 10:48 - 10:53
    エジプトで盗掘が酷くなったのは
    2011年のアラブの春以降ではなく
  • 10:53 - 10:58
    2009年の不況からだということです
  • 10:58 - 11:00
    ビッグデータを使って私たちは
  • 11:00 - 11:04
    盗掘は基本的に経済問題なのだと
    示したのです
  • 11:05 - 11:08
    この問題に歯止めをかけるために
    何かしなければ
  • 11:08 - 11:13
    エジプトの遺跡のすべてが
    2040年までに被害に遭うでしょう
  • 11:13 - 11:16
    私たちは瀬戸際にいます
  • 11:16 - 11:17
    私たちの世代は
  • 11:17 - 11:20
    盗掘を止めるために必要な
    道具やテクノロジーを手にしていますが
  • 11:20 - 11:23
    十分に速く動いていません
  • 11:26 - 11:31
    考古学遺跡は その回復力により
    驚かせることがあります
  • 11:31 - 11:35
    エジプト考古省との
    共同プロジェクトとして
  • 11:35 - 11:37
    リシュトで行っている発掘から
  • 11:37 - 11:40
    戻ってきたばかりですが
    そこの遺跡は
  • 11:40 - 11:44
    紀元前2000〜前1750年にかけての
    エジプト中王国のものです
  • 11:44 - 11:47
    中王国は古代エジプトにおける
    ルネサンス期です
  • 11:47 - 11:51
    激しい内紛や
    自然災害の時期を経て
  • 11:51 - 11:53
    エジプトは復興し
  • 11:53 - 11:57
    美術 建築 文学が
    見事に花開きました
  • 11:57 - 12:00
    エジプト史の中でも
    好きな時代ですが
  • 12:00 - 12:04
    それは人間が大きな災厄を
    いかに生き抜き 繁栄できるものか
  • 12:04 - 12:06
    教えてくれるからです
  • 12:06 - 12:10
    この遺跡で私たちはすでに
    数え切れないほどの盗掘の跡を見つけています
  • 12:10 - 12:12
    リシュトには王の墓があるので
  • 12:12 - 12:14
    ファラオの宮廷に仕えた
    何千という人々が
  • 12:14 - 12:16
    そこに埋葬された
    ことでしょう
  • 12:16 - 12:19
    前後の変化をご覧下さい
    何十もの盗掘跡があります
  • 12:19 - 12:20
    これが北リシュトで
  • 12:20 - 12:24
    こちらは南リシュトの前と後です
  • 12:25 - 12:26
    はじめてこの遺跡を
    訪れたとき
  • 12:26 - 12:28
    多くの高官の墓が
  • 12:28 - 12:30
    盗掘されているのが
    分かりました
  • 12:31 - 12:34
    どれほどの規模か
    分かるように言いましょう
  • 12:34 - 12:37
    棺や宝石や見事な彫像で
    満たされた
  • 12:37 - 12:41
    2メートル四方の
    部屋を想像してください
  • 12:41 - 12:44
    掛けること
    その1000倍以上
  • 12:45 - 12:47
    それほどのものが
    盗られているんです
  • 12:48 - 12:49
    作業し始めたとき
  • 12:49 - 12:52
    共同監督のエジプト人 モハメド・ユーセフが
    やって来て言いました
  • 12:52 - 12:55
    「この墓から始めなきゃいけない
  • 12:55 - 12:57
    盗掘に遭っているから
  • 12:57 - 12:59
    何かしなければ
    またやられる」
  • 12:59 - 13:02
    私は同意しましたが
    何か見つかるとは思っていませんでした
  • 13:02 - 13:04
    もう すべて
    持ち去られただろうと
  • 13:04 - 13:07
    しかしそこから見事な浮き彫りが
    出始めたのです
  • 13:07 - 13:10
    この肖像を見てください
    息を飲むばかりです
  • 13:10 - 13:12
    さらに碑文が見つかって
  • 13:12 - 13:14
    墓の主の肩書きさえ
    分かりました
  • 13:14 - 13:17
    「軍の監督官」
  • 13:17 - 13:18
    「宝庫の管理者」
  • 13:18 - 13:21
    ことによると当人の名前が
    分かるかもしれないという
  • 13:21 - 13:23
    希望が頭をもたげました
  • 13:23 - 13:25
    古代エジプト人にとっては
  • 13:25 - 13:28
    永遠に名を残すことが
    究極の願いでした
  • 13:28 - 13:30
    そしてある日
  • 13:30 - 13:32
    これが出てきました
  • 13:32 - 13:36
    墓の主の名です
    「インテフ」
  • 13:36 - 13:39
    ヒエログリフで
    そう書かれています
  • 13:39 - 13:42
    エジプトのチームと力を合わせて
  • 13:42 - 13:46
    私たちは3900年前の
    人物の名前を復元したのです
  • 13:46 - 13:53
    (拍手)
  • 13:54 - 13:55
    エジプト人のチームの
    人たちと一緒に
  • 13:55 - 13:58
    共同作業の賜である
    この発見の瞬間を祝いました
  • 13:58 - 14:01
    我々のやってきたことは
    正しかったのだと
  • 14:01 - 14:04
    このほとんど無傷の
    素晴らしい偽扉を見つけました
  • 14:04 - 14:07
    インテフのことと
    その銘が刻まれています
  • 14:07 - 14:10
    ここに彼が腰掛けている姿を
    見ることさえできます
  • 14:11 - 14:15
    盗掘された遺跡について
    自分の思い込んでいたことは
  • 14:15 - 14:17
    間違いだったと
    気付きました
  • 14:18 - 14:21
    毎日現場で一緒に働いている
    70名のエジプト人は
  • 14:21 - 14:23
    仕事仲間であり友人です
  • 14:24 - 14:26
    中東の人々に対する
  • 14:26 - 14:28
    あまりの憎悪や無知を
    見るにつけ
  • 14:28 - 14:33
    遺跡での一瞬一瞬は
    平和を求める抗議のように感じられます
  • 14:33 - 14:36
    一緒に働いていて
    見かけや 考え方や
  • 14:36 - 14:38
    言葉は違っても
  • 14:38 - 14:41
    考古学的発見という
    共通の使命の元で
  • 14:41 - 14:44
    表面的な違いは
    全て消え去ります
  • 14:45 - 14:47
    今回の発掘で
    私が学んだのは
  • 14:47 - 14:50
    考古学の本質は
    何を見つけるかではなく
  • 14:50 - 14:53
    どんな可能性を示せるかにある
    ということです
  • 14:53 - 14:57
    旅をしていると 長い間生き別れていた
    家族が見つかることがあるものです
  • 14:57 - 14:59
    遺伝子を共有する
    家族ではなく
  • 14:59 - 15:02
    生命の書の一章を
    共有する家族です
  • 15:02 - 15:05
    彼は私の兄弟の
    オマル・ファルークです
  • 15:05 - 15:09
    オマルはルクソールのすぐ北にある村
    ガフトの出身です
  • 15:09 - 15:12
    ガフトの村人はエジプト学の
    栄えある伝統を担っています
  • 15:12 - 15:15
    彼らは発掘や
    作業員組織を支えています
  • 15:15 - 15:18
    オマルは私のCOO兼CFOで
  • 15:18 - 15:21
    彼なしでは やっていけません
  • 15:21 - 15:25
    何年も昔 私がまだ
    若い大学院生だった頃
  • 15:25 - 15:29
    オマルはガフトの若者で
    ほとんど英語ができませんでした
  • 15:29 - 15:31
    まったく偶然のことながら
  • 15:31 - 15:33
    私たちは同じ年の
  • 15:34 - 15:37
    同じ月の同じ日に
  • 15:37 - 15:40
    6時間違いで生まれたことを
    知りました
  • 15:41 - 15:42
    双子です
  • 15:42 - 15:43
    (笑)
  • 15:44 - 15:46
    大洋に隔てられてはいても
  • 15:46 - 15:49
    古代エジプトを母として
    ずっと繋がっていたんです
  • 15:49 - 15:51
    自分たちがずっと一緒だったことは
    分かっていました
  • 15:51 - 15:55
    頭ではなく 魂のどこかで
    そう分かっていたのです
  • 15:55 - 15:58
    すべてが説明できる
    わけではありません
  • 16:00 - 16:03
    (アラビア語で) 私の兄弟オマル
  • 16:03 - 16:06
    いつだって愛しているからね
  • 16:06 - 16:10
    (英語で) 私の兄弟オマル
    いつだって愛しているからね
  • 16:11 - 16:14
    エジプトでの
    初の発掘に出かける前に
  • 16:14 - 16:16
    有名なエジプト学者であり
    私の師である
  • 16:16 - 16:19
    ウィリアム・ケリー・シンプソン教授に
    呼ばれました
  • 16:19 - 16:22
    彼は2千ドルの小切手を渡して
    言いました
  • 16:22 - 16:25
    「これを使いなさい
  • 16:25 - 16:28
    この夏の冒険を楽しむといい
  • 16:28 - 16:32
    いつの日か
    誰かに同じことをしてほしい」
  • 16:32 - 16:37
    だから私のTED Prizeの願いは その恩を一部でも
    お返ししようとするものです 利息付で —
  • 16:37 - 16:38
    (笑)
  • 16:38 - 16:42
    偉大なる一人物の
    気前良さと 親切さに
  • 16:44 - 16:45
    では願いを言います
  • 16:46 - 16:52
    世界中の何百万という
    未知の考古学遺跡が
  • 16:52 - 16:53
    発見できますように
  • 16:53 - 16:58
    21世紀版の世界探検家の
    一団を結成し
  • 16:58 - 17:02
    人類全体の回復力と創造力の
    手がかりを秘めた
  • 17:02 - 17:05
    世界にまだ隠されている遺産を
  • 17:05 - 17:07
    どうか見つけ出し
    守れますように
  • 17:07 - 17:09
    (拍手)
  • 17:09 - 17:10
    ありがとうございます
  • 17:10 - 17:13
    (拍手)
  • 17:18 - 17:21
    どうすればできるでしょう?
  • 17:21 - 17:24
    TED Prizeの賞金を使って
  • 17:24 - 17:29
    オンラインでクラウドソースの
    市民科学のためのプラットフォームを構築し
  • 17:29 - 17:31
    世界中の誰もが
  • 17:31 - 17:35
    考古学遺跡発見に
    貢献できるようにします
  • 17:36 - 17:39
    世界に宇宙考古学者は
    200人たらずしかいません
  • 17:39 - 17:42
    世界中の人を巻き込んで
  • 17:42 - 17:45
    遺跡の発見と保護をするのが
    私の夢です
  • 17:45 - 17:48
    どうするかというと サインインして
    ユーザー名を作ります
  • 17:48 - 17:52
    ちなに「インディジョーンズ@レイダース・ドット・コム」は
    既に取られていますので —
  • 17:52 - 17:53
    (笑)
  • 17:53 - 17:55
    チュートリアルを受けたら
    取りかかります
  • 17:55 - 17:58
    遺跡のGPSデータや
    地図データは
  • 17:58 - 18:01
    表示されないことに
    注意してください
  • 18:01 - 18:03
    患者データのように扱い
  • 18:03 - 18:06
    場所がどこかは明かしません
  • 18:06 - 18:10
    カードの山から 20m四方か
    30m四方の場所の写真が配られるので
  • 18:10 - 18:12
    その中から ある特徴を探します
  • 18:12 - 18:14
    みなさんが見つけられるよう
  • 18:14 - 18:17
    衛星データはアルゴリズムを使って
  • 18:17 - 18:18
    事前にまとめて
    処理されているので
  • 18:18 - 18:20
    これは本当に
    科学的な作業になります
  • 18:20 - 18:22
    そして探していきます
  • 18:22 - 18:24
    何が見えるか?
    神殿はないか?
  • 18:24 - 18:27
    墳墓はないか?
    ピラミッドはないか?
  • 18:27 - 18:31
    遺跡の損壊や盗掘の跡はないか?
  • 18:31 - 18:33
    そういった場所に
    印を付けていきます
  • 18:33 - 18:36
    ガイドとして 探すべきものの例が
  • 18:36 - 18:39
    沢山用意されています
  • 18:39 - 18:44
    皆さんの協力で集められたデータは
    精選された専門家に共有され
  • 18:44 - 18:47
    遺跡を守る
    世界的警戒網を作るために
  • 18:47 - 18:49
    役立てられます
  • 18:49 - 18:52
    しかしそれで終わりではありません
  • 18:53 - 18:56
    皆さんの発見を元に
  • 18:56 - 18:59
    考古学者達が皆さんを
    発掘現場へとお連れします
  • 18:59 - 19:04
    Periscopeストリーミングや
    Google+や ソーシャルメディアを通して
  • 19:05 - 19:09
    100年前 考古学は
    金持ちだけのものでした
  • 19:09 - 19:11
    50年前は
  • 19:11 - 19:13
    男だけのものでした
  • 19:13 - 19:16
    現在は概ね
    学者だけのものです
  • 19:16 - 19:21
    私たちの目標は
    考古学的発見のプロセスを民主化し
  • 19:21 - 19:23
    誰でも参加できる
    ようにすることです
  • 19:24 - 19:26
    94年前
    ハワード・カーターが
  • 19:26 - 19:29
    トゥト王(ツタンカーメン)の墓を
    発見しました
  • 19:30 - 19:33
    次のハワード・カーターになるのは
    誰でしょう?
  • 19:34 - 19:36
    皆さんかもしれませんよ
  • 19:38 - 19:40
    このプラットフォームを作ることで
  • 19:40 - 19:44
    我々以前にいた何十億という人々が住んだ
    何百万という場所が
  • 19:44 - 19:47
    見つかることでしょう
  • 19:47 - 19:49
    「我々は何者なのか?」
    「我々はどこから来たのか?」という
  • 19:49 - 19:52
    大きな疑問を解明したかったら
  • 19:52 - 19:56
    答えはピラミッドや
    宮殿の中にはありません
  • 19:56 - 20:00
    そういった人々のいた
    都市や村にあるのです
  • 20:01 - 20:03
    過去のことを知りたければ
  • 20:03 - 20:06
    ピラミッドをひっくり返す時です
  • 20:07 - 20:11
    過去は救う価値があると
    認めることには
  • 20:11 - 20:13
    深い意味があります
  • 20:14 - 20:18
    それは 私たち自身救う価値がある
    ということでもあるんです
  • 20:18 - 20:22
    かつて語られた
    最も素晴らしい物語は
  • 20:23 - 20:27
    我々人類が共有する
    旅の物語です
  • 20:28 - 20:31
    その物語を書くことのできる
    唯一の方法は
  • 20:31 - 20:34
    みんなで書くことです
  • 20:35 - 20:37
    いっしょにやりましょう
  • 20:37 - 20:38
    ありがとうございました
  • 20:38 - 20:42
    (拍手)
Title:
古代遺跡の発見に手を貸してください—手遅れになる前に
Speaker:
サラ・パーキャック
Description:

サラ・パーキャックは地表から何百キロも離れた軌道を回る衛星を使って、足もとに埋もれている古代の隠された宝を発見しています。パーキャックの見立てでは、ナイル川デルタに限っても、これまでに発掘されている遺跡は存在する遺跡の千分の1%にも満たないと言います。2016年のTED Prizeと感化力のある考古学への情熱をもって、彼女はGlobalXplorerというオンラインプラットフォームを開発し、インターネットが使える者は誰でも、人類の共有財産である遺跡の発見と保護に協力できようにします。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
21:48

Japanese subtitles

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