脳から脳へと意思疎通する時代へ ― その方法とは
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0:00 - 0:072014年の6月12日
ちょうど3時33分のことです -
0:07 - 0:11ブラジルのサンパウロで
ある穏やかな冬の午後― -
0:11 - 0:15典型的な南アメリカの冬の午後に
-
0:15 - 0:18サッカーのゴールを決めたかのように
喜んでいる -
0:18 - 0:19この若者―
-
0:19 - 0:25ジュリアーノ・ピント 29歳は
素晴らしいことを成し遂げました -
0:26 - 0:28彼は対麻痺(両下肢の麻痺)であり
-
0:28 - 0:33胸より下はつま先まで
感覚が全くありません -
0:33 - 0:38これは彼が兄弟を失った
6年前の交通事故によるもので -
0:38 - 0:45ジュリアーノは脊髄を完全損傷して
車椅子の生活になってしまいました -
0:45 - 0:50しかし この時ジュリアーノは
6年間彼を見てきた人であれば -
0:50 - 0:56不可能だと思うようなことを
成し遂げたのです -
0:57 - 1:02ジュリアーノ・ピントは
考える力だけで -
1:02 - 1:08ここブラジルで行われた2014年の
サッカー・ワールドカップでの -
1:08 - 1:10オープニング・キックを行ったのです
-
1:11 - 1:13彼は身体を動かすことはできませんが
-
1:13 - 1:18ボールを蹴るのに必要な動きを
思い描くことはできます -
1:18 - 1:21損傷を受ける前はアスリートであった彼は
今はパラアスリートです -
1:21 - 1:24彼は数年後にはパラリンピックに
出場していることでしょう -
1:24 - 1:29脊髄損傷によって
ジュリアーノが失わなかったのは -
1:29 - 1:32夢を見る力です
-
1:32 - 1:38そして彼はその午後
7万5千人の観衆のいるスタジアムで -
1:38 - 1:42何十億人もがテレビで見ている中で
夢を見たのです -
1:42 - 1:49そのキックは 30年に及ぶ
基礎研究が報われた瞬間でした -
1:49 - 1:51脳という 耳の間にある
-
1:51 - 1:55この驚くべき宇宙の働きの研究です
-
1:55 - 1:59脳は私たちの頭上に広がる
宇宙に比較されます -
1:59 - 2:02脳には1000億もの要素があり
-
2:02 - 2:04電気信号で互いに
伝達し合っているからです -
2:04 - 2:10ジュリアーノが成し遂げたことには
研究室での研究に30年― -
2:10 - 2:12構想に15年かかりました
-
2:12 - 2:17私がジョン・チェイピンと一緒に
15年前に論文で -
2:17 - 2:22ブレイン・マシン・インターフェースと
呼ばれるものを作り -
2:22 - 2:25脳を機械に接続して
-
2:25 - 2:28動物や人間が
機械からどれほど離れていようと -
2:28 - 2:30やりたいことを想像するだけで
-
2:30 - 2:33機械を動かせるようにすると
提案したとき -
2:33 - 2:37同僚たちは
精神科に診てもらった方がいいと -
2:37 - 2:40口を揃えました
-
2:40 - 2:45それでも このスコットランド人と
このブラジル人は信じ続けました -
2:45 - 2:50私たちはそれぞれの国で
そのように育てられましたし -
2:50 - 2:5312~15年の間
-
2:53 - 2:57これが可能であると
論証を重ねてきたからです -
2:57 - 2:59ブレイン・マシン・インターフェースは
ロケット科学ではありません -
2:59 - 3:01脳の研究です
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3:01 - 3:04運動の指令を出すために
-
3:04 - 3:08脳が発する電気信号を読み取るのに
-
3:08 - 3:10センサーを用いるだけです
-
3:10 - 3:12この信号は脊髄に
ダウンロードする必要があるので -
3:12 - 3:15何百もの 現在では何千もの脳細胞を
-
3:15 - 3:18同時に読み取ることのできる
センサーを取り付けました -
3:18 - 3:21こうした電気信号から
-
3:21 - 3:24空間を動き回るために
脳が生成している -
3:24 - 3:27運動計画を抽出するのです
-
3:27 - 3:31そうすることで それらの信号を
デジタル化された指令に変えて -
3:31 - 3:36機械や電子制御装置や
仮想デバイスも理解できるようにします -
3:36 - 3:42それにより 被験者は動きを想像して
-
3:42 - 3:46デバイスは脳の指令に従うのです
-
3:46 - 3:50こうしたデバイスに様々な種類の
センサーを装備することによって -
3:50 - 3:52これからご覧いただくように
-
3:52 - 3:55脳にメッセージを送り返して
-
3:55 - 3:59それがどこであれ 随意運動が
実行されたことを確認します -
3:59 - 4:04被験者のすぐ横であっても 一軒隣であっても
地球の反対側であってもです -
4:04 - 4:08このメッセージが脳に
フィードバックされると -
4:08 - 4:12脳は目標を実現したことになります
そう 動かすのです -
4:12 - 4:15これは数年前に発表した実験で
-
4:15 - 4:18サルが身体を動かすことなく
-
4:18 - 4:22アバターの腕の動かし方を
学んでいるところです -
4:22 - 4:24実際には存在しない仮想の腕です
-
4:24 - 4:27聞こえているのは 仮想スペースで
-
4:27 - 4:31見た目にはまったく同じ3つの円を
探っている -
4:31 - 4:33サルの脳の音です
-
4:33 - 4:37サルが大好きなオレンジジュースの
ご褒美をもらうためには -
4:37 - 4:41サルは触れることでこれらの物体を
-
4:41 - 4:43探らねばなりません
-
4:43 - 4:44視覚によってではなく
触覚によってです -
4:44 - 4:47なぜならこの仮想の手が
物体のひとつに触れる度に -
4:47 - 4:50電気信号がサルの脳に送られ
-
4:50 - 4:55この物体の表面の
細かい触り心地を伝えるため -
4:55 - 4:59サルはどれをつかんだらよいのかが
わかるのです -
4:59 - 5:04それができれば サルは筋肉ひとつ
動かさずにご褒美がもらえるのです -
5:04 - 5:06ブラジル流の完璧な昼食ですね
-
5:06 - 5:10筋肉ひとつ動かさずに
オレンジジュースがもらえるのです -
5:10 - 5:13これを観察して
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5:13 - 5:18私たちは15年前に発表した
アイディアに再び戻ってきました -
5:18 - 5:20論文をよみがえらせたのです
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5:20 - 5:22引き出しから論文を引っ張り出して
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5:22 - 5:26麻痺になった人間に
ブレイン・マシン・インターフェースを用いて -
5:26 - 5:30再び動けるようにできるかもしれないと
提案したのです -
5:30 - 5:32これは もし自分がそうなったら―
というところから来ています -
5:32 - 5:35そして 誰にでも起こりうることなのです
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5:35 - 5:37お教えしましょう
これはとても急に起こります -
5:37 - 5:38交通事故による
たった1ミリ秒の衝突が -
5:38 - 5:42人生を全く変えてしまうのです
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5:42 - 5:45脊髄を完全損傷をすると
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5:45 - 5:48電気信号が筋肉に届かないため
動くことができません -
5:48 - 5:52しかし 電気信号は頭の中で
作られ続けます -
5:52 - 5:56対麻痺や四肢麻痺の患者は
毎晩動いている夢を見ます -
5:56 - 5:58頭の中ではそれができるのです
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5:58 - 6:02問題は いかにその信号を外に出して
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6:02 - 6:05動きを起こすかということです
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6:05 - 6:08私たちが提案したのは
「新しい身体を作ればいい」ということです -
6:08 - 6:10ロボットのベストを作ろうと考えました
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6:10 - 6:14そして これによってジュリアーノは
考えるだけでボールを蹴れたのです -
6:14 - 6:19彼は初の脳制御のロボットのベストを
着用していました -
6:19 - 6:22これによって対麻痺や
四肢麻痺の患者が動いたり -
6:22 - 6:24フィードバックを受けることができます
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6:24 - 6:27これは15年前の元のアイディアです
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6:27 - 6:32これからお見せするのは
25の国々の156人の人々が -
6:32 - 6:35美しい地球の
五大陸のあちこちから -
6:35 - 6:38彼らの生活や特許や
-
6:38 - 6:42愛犬や妻や子供
学校や仕事をなげうって -
6:42 - 6:48ブラジルに集まり 18ヶ月かけて
これを成し遂げた様子です -
6:48 - 6:52なぜならワールドカップ開催地が
ブラジルに決まった数年後に -
6:52 - 6:55ブラジル政府が 開会式で有意義なことを
-
6:55 - 6:57成し遂げたいと考えている
と聞いたからです -
6:57 - 7:01サッカーを大きく変え 完成させたこの国で―
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7:01 - 7:03もちろんドイツ人に出会うまでの話ですが
-
7:03 - 7:04(笑)
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7:04 - 7:06でも それはまた別の話ですし
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7:06 - 7:10別の神経科学者に話してもらいましょう
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7:10 - 7:12ブラジルの目的は
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7:12 - 7:14まったく異なる一面を見せることでした
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7:14 - 7:17科学技術を重んじる国であり
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7:17 - 7:21脊髄損傷によって動くことのできない
世界中の2500万人の人々に -
7:21 - 7:24贈り物ができる国であることを
見せようとしていたのです -
7:24 - 7:27ブラジル政府からFIFAへと赴き
こう提案しました -
7:27 - 7:30「2014年のワールドカップのキックオフは
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7:30 - 7:33ブラジルの対麻痺の青年に
やってもらいましょう -
7:33 - 7:38脳制御のエクソスケルトンによって
ボールを蹴り -
7:38 - 7:40蹴った感触を味わえるのです」
-
7:40 - 7:43FIFAの人たちは私たちを見て
頭がおかしいと思ったのでしょう -
7:43 - 7:45「いいでしょう やってみましょう」
と答えました -
7:45 - 7:50私たちは18ヶ月でゼロから
すべてをやらねばなりませんでした -
7:50 - 7:53エクソスケルトンもなければ
患者もいない -
7:53 - 7:54何も準備はできていなかったのです
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7:54 - 7:57これらの人々が集い
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7:57 - 8:0118ヶ月で8人の患者に
訓練に参加してもらい -
8:01 - 8:05これを1から作り上げました
-
8:05 - 8:08ブラジル=サントス・デュモン1です
-
8:09 - 8:13脳制御のエクソスケルトンの
第1号機は -
8:13 - 8:17ブラジルの最も高名な科学者
-
8:17 - 8:19アルベルト・サントス・デュモン
に由来しています -
8:19 - 8:25彼は1901年10月19日に
初めての制御された飛行船を作り -
8:25 - 8:32パリで百万人の人々の前で
飛行してみせたのです -
8:32 - 8:34アメリカの友人には申し訳ないけれど―
-
8:34 - 8:35私はノース・カロライナに住んでいますが―
-
8:35 - 8:40これはライト兄弟が
ノース・カロライナの海岸で -
8:40 - 8:42飛行した2年も前のことなのです
-
8:42 - 8:45(拍手)
-
8:45 - 8:50飛行技術はブラジル産なのです
(笑) -
8:50 - 8:53私たちは彼らと一緒に
-
8:53 - 8:56エクソスケルトンを作りました
-
8:56 - 9:00可動域15度の水圧式機械で
-
9:00 - 9:03脳波記録法と呼ばれる
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9:03 - 9:07非観血的に記録された
脳信号によって命令が下されます -
9:07 - 9:10患者は運動を思い描き
-
9:10 - 9:14命令を制御装置
そしてモーターへと送り -
9:14 - 9:16遂行するのです
-
9:16 - 9:19このエクソスケルトンは
人工皮膚で覆われています -
9:19 - 9:23これはミュンヘンにいる私のよき友人の
ゴードン・チェンによって作られたもので -
9:23 - 9:27動いている関節や
地面に触れている足の感覚が -
9:27 - 9:32患者にベストやシャツを通じて
伝わるようにするためです -
9:32 - 9:35微細振動を発生する
スマートシャツで -
9:35 - 9:40フィードバックを伝達して
患者の脳を欺いて -
9:40 - 9:43その感覚を感知しているのが
機械ではなく -
9:43 - 9:46再び歩き始めた患者自身なのだと
思わせるのです -
9:46 - 9:49私たちはこの開発を進め これは
-
9:49 - 9:54私たちの患者の1人 ブルーノが
初めて歩いた様子です -
9:54 - 9:57これには数秒間かかります
というのも設定しているところで -
9:57 - 10:00ヘルメットの前方が
青く光るのが見えると思います -
10:00 - 10:04ブルーノが行おうとしている運動を
思い描くと -
10:04 - 10:07コンピュータがそれを分析して
ブルーノがそれを確認します -
10:07 - 10:09確認されると
-
10:09 - 10:13デバイスはブルーノの脳の命令に従って
動き始めるのです -
10:13 - 10:17彼はちょうど確認して
歩き始めるところです -
10:17 - 10:209年間動くことができなかった彼が
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10:20 - 10:23自らの足で歩いているのです
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10:23 - 10:24そして それ以上に―
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10:24 - 10:28(拍手)
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10:28 - 10:29歩いているだけでなく
-
10:29 - 10:32彼は地面を感じてもいるのです
-
10:32 - 10:34エクソ(スケルトン)のスピードが上がると
-
10:34 - 10:38彼はサントスの砂の上を
歩いているのだと教えてくれます -
10:38 - 10:42事故に遭う前によく訪れた
ビーチ・リゾートだそうです -
10:42 - 10:46こうして脳はブルーノの頭の中に
新たな知覚を生み出しているのです -
10:46 - 10:49彼は歩き終えると―
すでに時間を超過していますが― -
10:49 - 10:52彼はこう言いました
-
10:52 - 10:55「結婚するときには
これを貸してもらわなくちゃ -
10:55 - 10:57自分で牧師のところまで歩いていって
-
10:57 - 11:01自分で花嫁を迎えに行きたいからね」
-
11:01 - 11:04もちろん 必要なときは
いつでも使ってもらえます -
11:04 - 11:09これはワールドカップの時に
お見せしようと思ってできなかったものです -
11:09 - 11:13どういうわけか FIFAは放送を
半分の長さにしてしまったからです -
11:14 - 11:21これからご覧いただくのは
ジュリアーノ・ピントがエクソを着て -
11:21 - 11:24ピッチに向かう数分前に
蹴る動作を行い -
11:24 - 11:26観衆たちの前で実際の動作を
行った様子です -
11:26 - 11:30これからご覧になる光が
操作をあらわしています -
11:30 - 11:35点滅している青い光は
エクソの準備ができていることを示しています -
11:35 - 11:38思考を受信して
フィードバックを伝達し -
11:38 - 11:41ジュリアーノがボールを蹴ろうと
思ったときに -
11:41 - 11:44緑と黄色の2つの光が
ヘルメットから -
11:44 - 11:47脚の方へと流れ
-
11:47 - 11:51これは頭で行われた命令が
エクソに伝えられて -
11:51 - 11:53実行されることを示しています
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11:53 - 11:5513秒で
-
11:55 - 11:57ジュリアーノはやってのけました
-
11:57 - 11:59命令が目に見えますね
-
11:59 - 12:03彼は準備をして
ボールがセットされ 彼が蹴るのです -
12:03 - 12:05何より素晴らしいのは
-
12:05 - 12:09蹴ってから10秒後に
ピッチにいる私たちを見上げて -
12:09 - 12:11彼は喜ぶ私たちに
-
12:11 - 12:13「ボールの感触を感じた」と
教えてくれたのです -
12:14 - 12:16これは何にも代えがたいことです
-
12:16 - 12:18(拍手)
-
12:18 - 12:19ではこれからこの研究は
どこへ向かうのでしょう? -
12:19 - 12:21残りの2分間で
-
12:21 - 12:24あなたがたの想像を
超えることをお伝えしましょう -
12:24 - 12:26脳制御技術はすでにあります
-
12:26 - 12:29これが最新のものです
1年前に発表したもので -
12:29 - 12:31初めての脳から脳へと伝達する
インターフェースです -
12:31 - 12:35動物の2つの個体が
思考でメッセージを交換できます -
12:35 - 12:38一方の個体が環境から
何かを感じ取ると -
12:38 - 12:44いわば思考でSMS―
神経生理学的な信号を -
12:44 - 12:46もう一方の個体に送り
-
12:46 - 12:50もう一方は環境が発する
メッセージを知ることなく -
12:50 - 12:54必要とされる動きができるのです
-
12:54 - 12:57なぜならメッセージは
最初の個体の脳から送られているからです -
12:57 - 13:00これが1つ目のデモです
-
13:00 - 13:04最新のものをお見せしたいので
少し急ぎますね -
13:04 - 13:09ここでは1匹目のマウスが
-
13:09 - 13:12ケージの左側の光から
情報を受け -
13:12 - 13:16ご褒美をもらうために
ケージの左側を押すのがわかります -
13:16 - 13:18左へと移動していますね
-
13:18 - 13:20同時に このマウスは
光を目にしていないもう1匹に -
13:20 - 13:23思考のメッセージを送っているのです
-
13:23 - 13:25ですから もう1匹のマウスも
70%の確率で -
13:25 - 13:30網膜に光の刺激を受けることなく
-
13:30 - 13:34左側に行って ご褒美をもらっています
-
13:34 - 13:38私たちはこれを
もう少し高度なものにして -
13:38 - 13:43サルに脳のネットワークで
思考で共同作業させています -
13:43 - 13:45脳の活動を共有しあい
-
13:45 - 13:48先ほどお見せした仮想の腕を
一緒に動かすのです -
13:48 - 13:53これは2匹のサルがはじめて
脳の活動を組み合わせ -
13:53 - 13:57脳を完璧に同調させて
仮想の腕を動かす様子です -
13:57 - 14:001匹のサルはx軸を操作し
-
14:00 - 14:03もう1匹はy軸を操作します
-
14:03 - 14:07しかし 3匹のサルに共同作業させ
-
14:07 - 14:111匹にx軸とy軸を
-
14:11 - 14:14もう1匹にy軸とz軸を
-
14:14 - 14:17そして3匹目にx軸とz軸を操作させると
大変興味深いことが起こります -
14:17 - 14:193匹一緒に3Dの腕を動かして
-
14:19 - 14:25有名なブラジルのオレンジジュースを
手に入れるというゲームをプレイさせるのです -
14:25 - 14:27実際に一緒にやりとげることができます
-
14:27 - 14:31黒い点は同時に平行して
働いている3匹の脳の -
14:31 - 14:34平均を表しています
-
14:34 - 14:37これは生物コンピュータの定義で
-
14:37 - 14:42脳の活動で交流し
運動目標を達成する様子です -
14:42 - 14:44今後はどのように展開するのでしょう?
-
14:44 - 14:46それはわかりません
-
14:46 - 14:48だってただの科学者ですからね
-
14:48 - 14:49(笑)
-
14:49 - 14:52私たちは給料をもらって
子供のように -
14:52 - 14:56限界を突き詰めて
そこにあるものを発見するだけのことです -
14:56 - 14:57わかっていることが1つだけあります
-
14:57 - 15:00いつか 数十年後に
-
15:00 - 15:03私たちの孫の世代は
考えるだけでネットサーフィンをしたり -
15:03 - 15:07目が不自由な自閉症の子供に
ある母親が視力をあげたり -
15:07 - 15:10脳から脳への伝達のおかげで
しゃべれるようになったりするはずです -
15:10 - 15:17あなた方の中には ある冬の午後
ブラジルのサッカー場で行われた -
15:17 - 15:21不可能なキックからすべてが始まったことを
覚えている人もいるかもしれません -
15:21 - 15:22ありがとうございました
-
15:22 - 15:28(拍手)
-
15:32 - 15:35ありがとう
-
15:47 - 15:51ブルーノ・ジュッサーニ:ミゲル
時間内に収めてくれてありがとう -
15:51 - 15:54もう数分かけて 話してもらおうと思います
-
15:54 - 15:57いくつか詳しく知りたい点もあるし
-
15:57 - 16:01今後の展開を理解するには脳同士の
コミュニケーションが必要ですからね -
16:01 - 16:03少し整理してみましょう
-
16:03 - 16:04私の理解が正しければ
-
16:04 - 16:071匹のサルは信号を受け取り
-
16:07 - 16:09もう1匹のサルはその信号に
反応しているのですよね -
16:09 - 16:141匹目が受け取って 神経学的信号を
発しているということですか? -
16:14 - 16:16ミゲル:それは少し違います
-
16:16 - 16:19サルたちはサルが他に2匹いることを
知らないのです -
16:19 - 16:22彼らが視覚的に受けるフィードバックは
2次元なのですが -
16:22 - 16:24遂行するタスクは3次元の中です
-
16:24 - 16:27腕を3次元で動かさなければならないのです
-
16:27 - 16:30それぞれのサルは
ビデオ・スクリーンで自分が操作する -
16:30 - 16:322次元しか見ていません
-
16:32 - 16:35それを行うには
-
16:35 - 16:38最低2匹のサルが脳を同調させる
必要がありますが -
16:38 - 16:40理想的には3匹必要です
-
16:40 - 16:43これでわかるのは
1匹がついていけなくなると -
16:43 - 16:46他の2匹がよりよいパフォーマンスを見せ
-
16:46 - 16:481匹がついてこられるようにして
-
16:48 - 16:50動的に調整するのです
-
16:50 - 16:54それでも全体の同調性は同じです
-
16:54 - 16:57ここでサルに教えることなく
-
16:57 - 16:59それぞれの脳が操作する軸を切り替えると
-
16:59 - 17:02たとえば x軸とy軸を操作していたサルが
-
17:02 - 17:04今度はy軸とz軸を操作するとなると
-
17:04 - 17:09即座に 動物の脳は
前のことを忘れて -
17:09 - 17:11新しい軸に集中し始めるのです
-
17:11 - 17:15ここで言いたいのは
どんなチューリング・マシンも -
17:15 - 17:19どんなコンピュータも脳のネットワークが
行うことを予測できないということです -
17:19 - 17:21私たちは科学技術を
体の一部として吸収しても -
17:21 - 17:24科学技術が私たちを
吸収することはありません -
17:24 - 17:26単純に不可能なのです
-
17:26 - 17:30ブルーノ:何回実験を行ったのですか?
-
17:30 - 17:32失敗に対して 成功した回数は?
-
17:32 - 17:34ミゲル:何十回も行いました
-
17:34 - 17:37サル3匹でですか?
数回行いました -
17:37 - 17:41何回かやってみなければ
ここでお話しできませんから -
17:41 - 17:44時間を気にして 言い忘れましたが
-
17:44 - 17:48ちょうど3週間前に
ヨーロッパの研究グループが -
17:48 - 17:53人間同士の脳から脳への
伝達を初めて実践しました -
17:53 - 17:54ブルーノ:それはどういうものですか?
-
17:54 - 17:59ミゲル:情報が少しあります 大きなアイディアは
いつも小さいものから始まるものです -
17:59 - 18:051人の被験者の脳の活動が
-
18:05 - 18:092人目の被験者に
非観血的技術で伝えられました -
18:09 - 18:14マウスのように被験者1は
視覚的なメッセージを受け取り -
18:14 - 18:16被験者2に伝達します
-
18:16 - 18:21被験者2は視覚野に
磁気パルスか別のパルスの -
18:21 - 18:242つの異なるパルスを受け取ります
-
18:24 - 18:271つのパルスは 被験者が
あるものを見たことを示し -
18:27 - 18:29もう1つは 別のものを見た
ということを示すものです -
18:29 - 18:31被験者2は被験者1が
-
18:31 - 18:34大陸間のインターネットを通じて送った
-
18:34 - 18:37メッセージを言葉で示すことができたそうです
-
18:37 - 18:39ブルーノ:おお
そのような方向に進んでいるのですね -
18:39 - 18:42それは次のTEDカンファレンスで
話してもらいましょう -
18:42 - 18:45ミゲル・ニコレリスでした ありがとう
ミゲル:ありがとう ブルーノ
- Title:
- 脳から脳へと意思疎通する時代へ ― その方法とは
- Speaker:
- ミゲル・ニコレリス
- Description:
-
神経科学者のミゲル・ニコレリスを覚えているでしょうか ― 彼は脳で制御するエクソスケルトンを開発し、そのおかげで2014年のFIFAワールドカップで、全身まひの男性が大会最初のキックオフをすることができました。彼は今、何に取り組んでいるのでしょうか?2つの知能が(今のところはマウスやサルですが)脳から脳へとメッセージを送れるシステムを構築しているのです。彼の言葉を借りれば、「想像の限界を超える」ことになる実験を見逃さないよう、最後までご覧ください。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 18:57
Moe Shoji edited Japanese subtitles for Brain-to-brain communication has arrived. How we did it | ||
Moe Shoji approved Japanese subtitles for Brain-to-brain communication has arrived. How we did it | ||
Masaki Yanagishita edited Japanese subtitles for Brain-to-brain communication has arrived. How we did it | ||
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