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脳から脳へと意思疎通する時代へ ― その方法とは

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    2014年の6月12日
    ちょうど3時33分のことです
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    ブラジルのサンパウロで
    ある穏やかな冬の午後―
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    典型的な南アメリカの冬の午後に
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    サッカーのゴールを決めたかのように
    喜んでいる
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    この若者―
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    ジュリアーノ・ピント 29歳は
    素晴らしいことを成し遂げました
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    彼は対麻痺(両下肢の麻痺)であり
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    胸より下はつま先まで
    感覚が全くありません
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    これは彼が兄弟を失った
    6年前の交通事故によるもので
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    ジュリアーノは脊髄を完全損傷して
    車椅子の生活になってしまいました
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    しかし この時ジュリアーノは
    6年間彼を見てきた人であれば
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    不可能だと思うようなことを
    成し遂げたのです
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    ジュリアーノ・ピントは
    考える力だけで
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    ここブラジルで行われた2014年の
    サッカー・ワールドカップでの
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    オープニング・キックを行ったのです
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    彼は身体を動かすことはできませんが
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    ボールを蹴るのに必要な動きを
    思い描くことはできます
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    損傷を受ける前はアスリートであった彼は
    今はパラアスリートです
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    彼は数年後にはパラリンピックに
    出場していることでしょう
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    脊髄損傷によって
    ジュリアーノが失わなかったのは
  • 1:29 - 1:32
    夢を見る力です
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    そして彼はその午後
    7万5千人の観衆のいるスタジアムで
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    何十億人もがテレビで見ている中で
    夢を見たのです
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    そのキックは 30年に及ぶ
    基礎研究が報われた瞬間でした
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    脳という 耳の間にある
  • 1:51 - 1:55
    この驚くべき宇宙の働きの研究です
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    脳は私たちの頭上に広がる
    宇宙に比較されます
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    脳には1000億もの要素があり
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    電気信号で互いに
    伝達し合っているからです
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    ジュリアーノが成し遂げたことには
    研究室での研究に30年―
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    構想に15年かかりました
  • 2:12 - 2:17
    私がジョン・チェイピンと一緒に
    15年前に論文で
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    ブレイン・マシン・インターフェースと
    呼ばれるものを作り
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    脳を機械に接続して
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    動物や人間が
    機械からどれほど離れていようと
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    やりたいことを想像するだけで
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    機械を動かせるようにすると
    提案したとき
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    同僚たちは
    精神科に診てもらった方がいいと
  • 2:37 - 2:40
    口を揃えました
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    それでも このスコットランド人と
    このブラジル人は信じ続けました
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    私たちはそれぞれの国で
    そのように育てられましたし
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    12~15年の間
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    これが可能であると
    論証を重ねてきたからです
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    ブレイン・マシン・インターフェースは
    ロケット科学ではありません
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    脳の研究です
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    運動の指令を出すために
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    脳が発する電気信号を読み取るのに
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    センサーを用いるだけです
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    この信号は脊髄に
    ダウンロードする必要があるので
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    何百もの 現在では何千もの脳細胞を
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    同時に読み取ることのできる
    センサーを取り付けました
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    こうした電気信号から
  • 3:21 - 3:24
    空間を動き回るために
    脳が生成している
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    運動計画を抽出するのです
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    そうすることで それらの信号を
    デジタル化された指令に変えて
  • 3:31 - 3:36
    機械や電子制御装置や
    仮想デバイスも理解できるようにします
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    それにより 被験者は動きを想像して
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    デバイスは脳の指令に従うのです
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    こうしたデバイスに様々な種類の
    センサーを装備することによって
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    これからご覧いただくように
  • 3:52 - 3:55
    脳にメッセージを送り返して
  • 3:55 - 3:59
    それがどこであれ 随意運動が
    実行されたことを確認します
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    被験者のすぐ横であっても 一軒隣であっても
    地球の反対側であってもです
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    このメッセージが脳に
    フィードバックされると
  • 4:08 - 4:12
    脳は目標を実現したことになります
    そう 動かすのです
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    これは数年前に発表した実験で
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    サルが身体を動かすことなく
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    アバターの腕の動かし方を
    学んでいるところです
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    実際には存在しない仮想の腕です
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    聞こえているのは 仮想スペースで
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    見た目にはまったく同じ3つの円を
    探っている
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    サルの脳の音です
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    サルが大好きなオレンジジュースの
    ご褒美をもらうためには
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    サルは触れることでこれらの物体を
  • 4:41 - 4:43
    探らねばなりません
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    視覚によってではなく
    触覚によってです
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    なぜならこの仮想の手が
    物体のひとつに触れる度に
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    電気信号がサルの脳に送られ
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    この物体の表面の
    細かい触り心地を伝えるため
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    サルはどれをつかんだらよいのかが
    わかるのです
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    それができれば サルは筋肉ひとつ
    動かさずにご褒美がもらえるのです
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    ブラジル流の完璧な昼食ですね
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    筋肉ひとつ動かさずに
    オレンジジュースがもらえるのです
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    これを観察して
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    私たちは15年前に発表した
    アイディアに再び戻ってきました
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    論文をよみがえらせたのです
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    引き出しから論文を引っ張り出して
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    麻痺になった人間に
    ブレイン・マシン・インターフェースを用いて
  • 5:26 - 5:30
    再び動けるようにできるかもしれないと
    提案したのです
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    これは もし自分がそうなったら―
    というところから来ています
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    そして 誰にでも起こりうることなのです
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    お教えしましょう
    これはとても急に起こります
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    交通事故による
    たった1ミリ秒の衝突が
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    人生を全く変えてしまうのです
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    脊髄を完全損傷をすると
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    電気信号が筋肉に届かないため
    動くことができません
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    しかし 電気信号は頭の中で
    作られ続けます
  • 5:52 - 5:56
    対麻痺や四肢麻痺の患者は
    毎晩動いている夢を見ます
  • 5:56 - 5:58
    頭の中ではそれができるのです
  • 5:58 - 6:02
    問題は いかにその信号を外に出して
  • 6:02 - 6:05
    動きを起こすかということです
  • 6:05 - 6:08
    私たちが提案したのは
    「新しい身体を作ればいい」ということです
  • 6:08 - 6:10
    ロボットのベストを作ろうと考えました
  • 6:10 - 6:14
    そして これによってジュリアーノは
    考えるだけでボールを蹴れたのです
  • 6:14 - 6:19
    彼は初の脳制御のロボットのベストを
    着用していました
  • 6:19 - 6:22
    これによって対麻痺や
    四肢麻痺の患者が動いたり
  • 6:22 - 6:24
    フィードバックを受けることができます
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    これは15年前の元のアイディアです
  • 6:27 - 6:32
    これからお見せするのは
    25の国々の156人の人々が
  • 6:32 - 6:35
    美しい地球の
    五大陸のあちこちから
  • 6:35 - 6:38
    彼らの生活や特許や
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    愛犬や妻や子供
    学校や仕事をなげうって
  • 6:42 - 6:48
    ブラジルに集まり 18ヶ月かけて
    これを成し遂げた様子です
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    なぜならワールドカップ開催地が
    ブラジルに決まった数年後に
  • 6:52 - 6:55
    ブラジル政府が 開会式で有意義なことを
  • 6:55 - 6:57
    成し遂げたいと考えている
    と聞いたからです
  • 6:57 - 7:01
    サッカーを大きく変え 完成させたこの国で―
  • 7:01 - 7:03
    もちろんドイツ人に出会うまでの話ですが
  • 7:03 - 7:04
    (笑)
  • 7:04 - 7:06
    でも それはまた別の話ですし
  • 7:06 - 7:10
    別の神経科学者に話してもらいましょう
  • 7:10 - 7:12
    ブラジルの目的は
  • 7:12 - 7:14
    まったく異なる一面を見せることでした
  • 7:14 - 7:17
    科学技術を重んじる国であり
  • 7:17 - 7:21
    脊髄損傷によって動くことのできない
    世界中の2500万人の人々に
  • 7:21 - 7:24
    贈り物ができる国であることを
    見せようとしていたのです
  • 7:24 - 7:27
    ブラジル政府からFIFAへと赴き
    こう提案しました
  • 7:27 - 7:30
    「2014年のワールドカップのキックオフは
  • 7:30 - 7:33
    ブラジルの対麻痺の青年に
    やってもらいましょう
  • 7:33 - 7:38
    脳制御のエクソスケルトンによって
    ボールを蹴り
  • 7:38 - 7:40
    蹴った感触を味わえるのです」
  • 7:40 - 7:43
    FIFAの人たちは私たちを見て
    頭がおかしいと思ったのでしょう
  • 7:43 - 7:45
    「いいでしょう やってみましょう」
    と答えました
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    私たちは18ヶ月でゼロから
    すべてをやらねばなりませんでした
  • 7:50 - 7:53
    エクソスケルトンもなければ
    患者もいない
  • 7:53 - 7:54
    何も準備はできていなかったのです
  • 7:54 - 7:57
    これらの人々が集い
  • 7:57 - 8:01
    18ヶ月で8人の患者に
    訓練に参加してもらい
  • 8:01 - 8:05
    これを1から作り上げました
  • 8:05 - 8:08
    ブラジル=サントス・デュモン1です
  • 8:09 - 8:13
    脳制御のエクソスケルトンの
    第1号機は
  • 8:13 - 8:17
    ブラジルの最も高名な科学者
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    アルベルト・サントス・デュモン
    に由来しています
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    彼は1901年10月19日に
    初めての制御された飛行船を作り
  • 8:25 - 8:32
    パリで百万人の人々の前で
    飛行してみせたのです
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    アメリカの友人には申し訳ないけれど―
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    私はノース・カロライナに住んでいますが―
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    これはライト兄弟が
    ノース・カロライナの海岸で
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    飛行した2年も前のことなのです
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    (拍手)
  • 8:45 - 8:50
    飛行技術はブラジル産なのです
    (笑)
  • 8:50 - 8:53
    私たちは彼らと一緒に
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    エクソスケルトンを作りました
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    可動域15度の水圧式機械で
  • 9:00 - 9:03
    脳波記録法と呼ばれる
  • 9:03 - 9:07
    非観血的に記録された
    脳信号によって命令が下されます
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    患者は運動を思い描き
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    命令を制御装置
    そしてモーターへと送り
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    遂行するのです
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    このエクソスケルトンは
    人工皮膚で覆われています
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    これはミュンヘンにいる私のよき友人の
    ゴードン・チェンによって作られたもので
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    動いている関節や
    地面に触れている足の感覚が
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    患者にベストやシャツを通じて
    伝わるようにするためです
  • 9:32 - 9:35
    微細振動を発生する
    スマートシャツで
  • 9:35 - 9:40
    フィードバックを伝達して
    患者の脳を欺いて
  • 9:40 - 9:43
    その感覚を感知しているのが
    機械ではなく
  • 9:43 - 9:46
    再び歩き始めた患者自身なのだと
    思わせるのです
  • 9:46 - 9:49
    私たちはこの開発を進め これは
  • 9:49 - 9:54
    私たちの患者の1人 ブルーノが
    初めて歩いた様子です
  • 9:54 - 9:57
    これには数秒間かかります
    というのも設定しているところで
  • 9:57 - 10:00
    ヘルメットの前方が
    青く光るのが見えると思います
  • 10:00 - 10:04
    ブルーノが行おうとしている運動を
    思い描くと
  • 10:04 - 10:07
    コンピュータがそれを分析して
    ブルーノがそれを確認します
  • 10:07 - 10:09
    確認されると
  • 10:09 - 10:13
    デバイスはブルーノの脳の命令に従って
    動き始めるのです
  • 10:13 - 10:17
    彼はちょうど確認して
    歩き始めるところです
  • 10:17 - 10:20
    9年間動くことができなかった彼が
  • 10:20 - 10:23
    自らの足で歩いているのです
  • 10:23 - 10:24
    そして それ以上に―
  • 10:24 - 10:28
    (拍手)
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    歩いているだけでなく
  • 10:29 - 10:32
    彼は地面を感じてもいるのです
  • 10:32 - 10:34
    エクソ(スケルトン)のスピードが上がると
  • 10:34 - 10:38
    彼はサントスの砂の上を
    歩いているのだと教えてくれます
  • 10:38 - 10:42
    事故に遭う前によく訪れた
    ビーチ・リゾートだそうです
  • 10:42 - 10:46
    こうして脳はブルーノの頭の中に
    新たな知覚を生み出しているのです
  • 10:46 - 10:49
    彼は歩き終えると―
    すでに時間を超過していますが―
  • 10:49 - 10:52
    彼はこう言いました
  • 10:52 - 10:55
    「結婚するときには
    これを貸してもらわなくちゃ
  • 10:55 - 10:57
    自分で牧師のところまで歩いていって
  • 10:57 - 11:01
    自分で花嫁を迎えに行きたいからね」
  • 11:01 - 11:04
    もちろん 必要なときは
    いつでも使ってもらえます
  • 11:04 - 11:09
    これはワールドカップの時に
    お見せしようと思ってできなかったものです
  • 11:09 - 11:13
    どういうわけか FIFAは放送を
    半分の長さにしてしまったからです
  • 11:14 - 11:21
    これからご覧いただくのは
    ジュリアーノ・ピントがエクソを着て
  • 11:21 - 11:24
    ピッチに向かう数分前に
    蹴る動作を行い
  • 11:24 - 11:26
    観衆たちの前で実際の動作を
    行った様子です
  • 11:26 - 11:30
    これからご覧になる光が
    操作をあらわしています
  • 11:30 - 11:35
    点滅している青い光は
    エクソの準備ができていることを示しています
  • 11:35 - 11:38
    思考を受信して
    フィードバックを伝達し
  • 11:38 - 11:41
    ジュリアーノがボールを蹴ろうと
    思ったときに
  • 11:41 - 11:44
    緑と黄色の2つの光が
    ヘルメットから
  • 11:44 - 11:47
    脚の方へと流れ
  • 11:47 - 11:51
    これは頭で行われた命令が
    エクソに伝えられて
  • 11:51 - 11:53
    実行されることを示しています
  • 11:53 - 11:55
    13秒で
  • 11:55 - 11:57
    ジュリアーノはやってのけました
  • 11:57 - 11:59
    命令が目に見えますね
  • 11:59 - 12:03
    彼は準備をして
    ボールがセットされ 彼が蹴るのです
  • 12:03 - 12:05
    何より素晴らしいのは
  • 12:05 - 12:09
    蹴ってから10秒後に
    ピッチにいる私たちを見上げて
  • 12:09 - 12:11
    彼は喜ぶ私たちに
  • 12:11 - 12:13
    「ボールの感触を感じた」と
    教えてくれたのです
  • 12:14 - 12:16
    これは何にも代えがたいことです
  • 12:16 - 12:18
    (拍手)
  • 12:18 - 12:19
    ではこれからこの研究は
    どこへ向かうのでしょう?
  • 12:19 - 12:21
    残りの2分間で
  • 12:21 - 12:24
    あなたがたの想像を
    超えることをお伝えしましょう
  • 12:24 - 12:26
    脳制御技術はすでにあります
  • 12:26 - 12:29
    これが最新のものです
    1年前に発表したもので
  • 12:29 - 12:31
    初めての脳から脳へと伝達する
    インターフェースです
  • 12:31 - 12:35
    動物の2つの個体が
    思考でメッセージを交換できます
  • 12:35 - 12:38
    一方の個体が環境から
    何かを感じ取ると
  • 12:38 - 12:44
    いわば思考でSMS―
    神経生理学的な信号を
  • 12:44 - 12:46
    もう一方の個体に送り
  • 12:46 - 12:50
    もう一方は環境が発する
    メッセージを知ることなく
  • 12:50 - 12:54
    必要とされる動きができるのです
  • 12:54 - 12:57
    なぜならメッセージは
    最初の個体の脳から送られているからです
  • 12:57 - 13:00
    これが1つ目のデモです
  • 13:00 - 13:04
    最新のものをお見せしたいので
    少し急ぎますね
  • 13:04 - 13:09
    ここでは1匹目のマウスが
  • 13:09 - 13:12
    ケージの左側の光から
    情報を受け
  • 13:12 - 13:16
    ご褒美をもらうために
    ケージの左側を押すのがわかります
  • 13:16 - 13:18
    左へと移動していますね
  • 13:18 - 13:20
    同時に このマウスは
    光を目にしていないもう1匹に
  • 13:20 - 13:23
    思考のメッセージを送っているのです
  • 13:23 - 13:25
    ですから もう1匹のマウスも
    70%の確率で
  • 13:25 - 13:30
    網膜に光の刺激を受けることなく
  • 13:30 - 13:34
    左側に行って ご褒美をもらっています
  • 13:34 - 13:38
    私たちはこれを
    もう少し高度なものにして
  • 13:38 - 13:43
    サルに脳のネットワークで
    思考で共同作業させています
  • 13:43 - 13:45
    脳の活動を共有しあい
  • 13:45 - 13:48
    先ほどお見せした仮想の腕を
    一緒に動かすのです
  • 13:48 - 13:53
    これは2匹のサルがはじめて
    脳の活動を組み合わせ
  • 13:53 - 13:57
    脳を完璧に同調させて
    仮想の腕を動かす様子です
  • 13:57 - 14:00
    1匹のサルはx軸を操作し
  • 14:00 - 14:03
    もう1匹はy軸を操作します
  • 14:03 - 14:07
    しかし 3匹のサルに共同作業させ
  • 14:07 - 14:11
    1匹にx軸とy軸を
  • 14:11 - 14:14
    もう1匹にy軸とz軸を
  • 14:14 - 14:17
    そして3匹目にx軸とz軸を操作させると
    大変興味深いことが起こります
  • 14:17 - 14:19
    3匹一緒に3Dの腕を動かして
  • 14:19 - 14:25
    有名なブラジルのオレンジジュースを
    手に入れるというゲームをプレイさせるのです
  • 14:25 - 14:27
    実際に一緒にやりとげることができます
  • 14:27 - 14:31
    黒い点は同時に平行して
    働いている3匹の脳の
  • 14:31 - 14:34
    平均を表しています
  • 14:34 - 14:37
    これは生物コンピュータの定義で
  • 14:37 - 14:42
    脳の活動で交流し
    運動目標を達成する様子です
  • 14:42 - 14:44
    今後はどのように展開するのでしょう?
  • 14:44 - 14:46
    それはわかりません
  • 14:46 - 14:48
    だってただの科学者ですからね
  • 14:48 - 14:49
    (笑)
  • 14:49 - 14:52
    私たちは給料をもらって
    子供のように
  • 14:52 - 14:56
    限界を突き詰めて
    そこにあるものを発見するだけのことです
  • 14:56 - 14:57
    わかっていることが1つだけあります
  • 14:57 - 15:00
    いつか 数十年後に
  • 15:00 - 15:03
    私たちの孫の世代は
    考えるだけでネットサーフィンをしたり
  • 15:03 - 15:07
    目が不自由な自閉症の子供に
    ある母親が視力をあげたり
  • 15:07 - 15:10
    脳から脳への伝達のおかげで
    しゃべれるようになったりするはずです
  • 15:10 - 15:17
    あなた方の中には ある冬の午後
    ブラジルのサッカー場で行われた
  • 15:17 - 15:21
    不可能なキックからすべてが始まったことを
    覚えている人もいるかもしれません
  • 15:21 - 15:22
    ありがとうございました
  • 15:22 - 15:28
    (拍手)
  • 15:32 - 15:35
    ありがとう
  • 15:47 - 15:51
    ブルーノ・ジュッサーニ:ミゲル
    時間内に収めてくれてありがとう
  • 15:51 - 15:54
    もう数分かけて 話してもらおうと思います
  • 15:54 - 15:57
    いくつか詳しく知りたい点もあるし
  • 15:57 - 16:01
    今後の展開を理解するには脳同士の
    コミュニケーションが必要ですからね
  • 16:01 - 16:03
    少し整理してみましょう
  • 16:03 - 16:04
    私の理解が正しければ
  • 16:04 - 16:07
    1匹のサルは信号を受け取り
  • 16:07 - 16:09
    もう1匹のサルはその信号に
    反応しているのですよね
  • 16:09 - 16:14
    1匹目が受け取って 神経学的信号を
    発しているということですか?
  • 16:14 - 16:16
    ミゲル:それは少し違います
  • 16:16 - 16:19
    サルたちはサルが他に2匹いることを
    知らないのです
  • 16:19 - 16:22
    彼らが視覚的に受けるフィードバックは
    2次元なのですが
  • 16:22 - 16:24
    遂行するタスクは3次元の中です
  • 16:24 - 16:27
    腕を3次元で動かさなければならないのです
  • 16:27 - 16:30
    それぞれのサルは
    ビデオ・スクリーンで自分が操作する
  • 16:30 - 16:32
    2次元しか見ていません
  • 16:32 - 16:35
    それを行うには
  • 16:35 - 16:38
    最低2匹のサルが脳を同調させる
    必要がありますが
  • 16:38 - 16:40
    理想的には3匹必要です
  • 16:40 - 16:43
    これでわかるのは
    1匹がついていけなくなると
  • 16:43 - 16:46
    他の2匹がよりよいパフォーマンスを見せ
  • 16:46 - 16:48
    1匹がついてこられるようにして
  • 16:48 - 16:50
    動的に調整するのです
  • 16:50 - 16:54
    それでも全体の同調性は同じです
  • 16:54 - 16:57
    ここでサルに教えることなく
  • 16:57 - 16:59
    それぞれの脳が操作する軸を切り替えると
  • 16:59 - 17:02
    たとえば x軸とy軸を操作していたサルが
  • 17:02 - 17:04
    今度はy軸とz軸を操作するとなると
  • 17:04 - 17:09
    即座に 動物の脳は
    前のことを忘れて
  • 17:09 - 17:11
    新しい軸に集中し始めるのです
  • 17:11 - 17:15
    ここで言いたいのは
    どんなチューリング・マシンも
  • 17:15 - 17:19
    どんなコンピュータも脳のネットワークが
    行うことを予測できないということです
  • 17:19 - 17:21
    私たちは科学技術を
    体の一部として吸収しても
  • 17:21 - 17:24
    科学技術が私たちを
    吸収することはありません
  • 17:24 - 17:26
    単純に不可能なのです
  • 17:26 - 17:30
    ブルーノ:何回実験を行ったのですか?
  • 17:30 - 17:32
    失敗に対して 成功した回数は?
  • 17:32 - 17:34
    ミゲル:何十回も行いました
  • 17:34 - 17:37
    サル3匹でですか?
    数回行いました
  • 17:37 - 17:41
    何回かやってみなければ
    ここでお話しできませんから
  • 17:41 - 17:44
    時間を気にして 言い忘れましたが
  • 17:44 - 17:48
    ちょうど3週間前に
    ヨーロッパの研究グループが
  • 17:48 - 17:53
    人間同士の脳から脳への
    伝達を初めて実践しました
  • 17:53 - 17:54
    ブルーノ:それはどういうものですか?
  • 17:54 - 17:59
    ミゲル:情報が少しあります 大きなアイディアは
    いつも小さいものから始まるものです
  • 17:59 - 18:05
    1人の被験者の脳の活動が
  • 18:05 - 18:09
    2人目の被験者に
    非観血的技術で伝えられました
  • 18:09 - 18:14
    マウスのように被験者1は
    視覚的なメッセージを受け取り
  • 18:14 - 18:16
    被験者2に伝達します
  • 18:16 - 18:21
    被験者2は視覚野に
    磁気パルスか別のパルスの
  • 18:21 - 18:24
    2つの異なるパルスを受け取ります
  • 18:24 - 18:27
    1つのパルスは 被験者が
    あるものを見たことを示し
  • 18:27 - 18:29
    もう1つは 別のものを見た
    ということを示すものです
  • 18:29 - 18:31
    被験者2は被験者1が
  • 18:31 - 18:34
    大陸間のインターネットを通じて送った
  • 18:34 - 18:37
    メッセージを言葉で示すことができたそうです
  • 18:37 - 18:39
    ブルーノ:おお
    そのような方向に進んでいるのですね
  • 18:39 - 18:42
    それは次のTEDカンファレンスで
    話してもらいましょう
  • 18:42 - 18:45
    ミゲル・ニコレリスでした ありがとう
    ミゲル:ありがとう ブルーノ
Title:
脳から脳へと意思疎通する時代へ ― その方法とは
Speaker:
ミゲル・ニコレリス
Description:

神経科学者のミゲル・ニコレリスを覚えているでしょうか ― 彼は脳で制御するエクソスケルトンを開発し、そのおかげで2014年のFIFAワールドカップで、全身まひの男性が大会最初のキックオフをすることができました。彼は今、何に取り組んでいるのでしょうか?2つの知能が(今のところはマウスやサルですが)脳から脳へとメッセージを送れるシステムを構築しているのです。彼の言葉を借りれば、「想像の限界を超える」ことになる実験を見逃さないよう、最後までご覧ください。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
18:57

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