サイコパス・テストへの奇妙なこたえ
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0:00 - 0:04私は友人の家にいました
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0:04 - 0:08彼女の本棚には
DSMマニュアルがあります -
0:08 - 0:11これは精神障害を診断する
マニュアルで -
0:11 - 0:13あらゆる精神障害が
載っています -
0:13 - 0:171950年代には
薄っぺらな冊子でしたが -
0:17 - 0:20その後 どんどん どんどん
厚くなり -
0:20 - 0:23今では886ページもあります
-
0:23 - 0:27現在374種類の
精神障害を掲載しています -
0:27 - 0:29自分に精神障害があるか考えながら
-
0:29 - 0:31パラパラとめくっていくと
-
0:31 - 0:3412種類あることが
わかりました -
0:34 - 0:35(笑)
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0:35 - 0:37まず 全般性不安障害です
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0:37 - 0:38これは予想通りでした
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0:38 - 0:40そして悪夢障害 ―
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0:40 - 0:42これは追いかけられる夢や
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0:42 - 0:46ダメ人間と言われる夢を
繰り返し見る障害です -
0:46 - 0:50私は夢でいつも
誰かに追いかけられて -
0:50 - 0:51「ダメ人間」と罵られます
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0:51 - 0:53(笑)
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0:53 - 0:56親子関係の問題も抱えています
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0:56 - 0:58これは両親のせいでしょう
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0:58 - 1:00(笑)
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1:00 - 1:03冗談です いや本当です
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1:03 - 1:04いや冗談です
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1:04 - 1:06仮病もあります
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1:06 - 1:07仮病と全般性不安障害を
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1:07 - 1:11両方もっているのは
かなり珍しいと思います -
1:11 - 1:13だって 仮病を使うと
不安になるのですから -
1:13 - 1:15DSMを読みながら
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1:15 - 1:18自分は想像以上に
おかしいのかと考えたり ― -
1:18 - 1:21訓練されたプロ以外
自分自身を診断するのは -
1:21 - 1:23よくないと思ったり ―
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1:23 - 1:28あるいは精神科医は
普通の行動を精神障害と -
1:28 - 1:33名づける奇妙な欲求が
あるのだと考えたりしました -
1:33 - 1:35どれが正しいかは
わかりませんが -
1:35 - 1:37少し興味がわいてきました
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1:37 - 1:40だから精神医学に
批判的な人に話を聞こうと -
1:40 - 1:41考えたのです
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1:41 - 1:46それで結局は「サイエントロジー」信者とランチすることになりました (笑)
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1:46 - 1:47その人の名はブライアン ―
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1:47 - 1:50サイエントロジストの精鋭
チームを率いて -
1:50 - 1:55精神医学を片っ端から
叩き潰そうとしています -
1:55 - 1:56チームの名前はCCHRです
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1:56 - 1:59私はこう尋ねました
「精神医学は ― -
1:59 - 2:03いかがわしい疑似科学だと
証明できるかい?」 -
2:03 - 2:05彼のこたえは
「ああ 証明できるよ」 -
2:05 - 2:07「どうやって?」
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2:07 - 2:10「トニーに会えばいい」
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2:10 - 2:12「トニーって 誰?」
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2:12 - 2:16「トニーはブロードモアにいる」
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2:16 - 2:18ブロードモア病院のことです
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2:18 - 2:23かつてブロードモア刑事犯精神病院と
呼ばれた所で -
2:23 - 2:26連続殺人犯や
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2:26 - 2:28自分を抑えられない人が
送られます -
2:28 - 2:30トニーが何をしたのか
ブライアンにたずねると -
2:30 - 2:33「大したことじゃない
-
2:33 - 2:36「誰かを殴ったか何かした後 ―
-
2:36 - 2:42狂ったふりをして 刑務所送りに
なるのを逃れようとしたんだ -
2:42 - 2:46ただ上手くやりすぎて
ブロードモアに収監された -
2:46 - 2:49彼が正気とは
誰も信じないだろう -
2:49 - 2:53トニーに会いにブロードモアへ
行ってみるかい?」 -
2:53 - 2:54「ぜひ」と私は答えました
-
2:54 - 2:57ブロードモア行きの
列車に乗りましたが -
2:57 - 3:01ケンプトンパークの辺りで
あくびが止まらなくなりました -
3:01 - 3:04犬は不安な時に
あくびをしますが -
3:04 - 3:06それと同じです
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3:06 - 3:07目的地に着き
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3:07 - 3:12たくさんのゲートを通って
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3:12 - 3:13健康管理センターに行きました
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3:13 - 3:15ここで患者と面会するのです
-
3:15 - 3:19あのハンプトン・インを巨大にした感じです
-
3:19 - 3:23桃色 松材 そして落ち着いた色彩で
まとめられています -
3:23 - 3:28唯一 鮮やかなのは
真っ赤な緊急ボタンです -
3:28 - 3:31患者が入ってきました
-
3:31 - 3:36みんな肥満体で
スウェットパンツ姿 ― -
3:36 - 3:38おとなしそうに見えます
-
3:38 - 3:40ブライアンが耳打ちしました
-
3:40 - 3:42「投薬されているんだ」
-
3:42 - 3:45これはサイエントロジストにとって
最も忌まわしいことなのですが -
3:45 - 3:48私は内心“よかった”と思いました
-
3:48 - 3:50(笑)
-
3:50 - 3:52ブライアンが言いました
「トニーだ」 -
3:52 - 3:54男が入って来ました
-
3:54 - 3:58太ってはおらず
健康そうです -
3:58 - 4:00スウェットではなく
-
4:00 - 4:03ピンストライプの
スーツ姿でした -
4:03 - 4:05『アプレンティス』に
登場するビジネスマンよろしく -
4:05 - 4:07男は手を差し伸べました
-
4:07 - 4:10自分が正気だと
-
4:10 - 4:14納得させるような服装を
しているのだと感じました -
4:14 - 4:16男が席につきました
-
4:16 - 4:19まず本当に狂気を装ったせいで
入所したのか聞きました -
4:19 - 4:22「そう その通り
17で暴行事件を起こしたんだ -
4:22 - 4:25裁判まで拘置所にいたんだが
-
4:25 - 4:26同じ房のやつが言ったんだ
-
4:26 - 4:28“わかってるな?
-
4:28 - 4:29狂った振りをしろ
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4:29 - 4:33自分は狂ってるって言え
そしたら楽な病院に送られる -
4:33 - 4:35看護士がピザを運んでくれて
-
4:35 - 4:37PlayStationができる”ってね」
-
4:37 - 4:39私は方法を聞きました
-
4:39 - 4:42「精神科医の
診察を希望したのさ -
4:42 - 4:44映画の『クラッシュ』を
-
4:44 - 4:48見たばかりだった 車をぶつけることで
性的に興奮する人たちの話だ -
4:48 - 4:49だから医者に
-
4:49 - 4:53“車を衝突させると性的に
興奮するんです”って言ったのさ」 -
4:53 - 4:55「他には?」と尋ねると
-
4:55 - 4:57「こんなことも言った
-
4:57 - 5:01女が死ぬところが見たい
そうしたら まともになったような -
5:01 - 5:03気がするからってね」
-
5:03 - 5:05その話をどこで仕入れたか聞くと
-
5:05 - 5:08彼はこう言いました
「刑務所の図書室にあった ― -
5:08 - 5:09テッド・バンディの伝記さ」
-
5:09 - 5:14とにかくトニーは自分の狂ったふりが
上手すぎたと言っていました -
5:14 - 5:16結局 楽な病院ではなく
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5:16 - 5:18ブロードモアに送られたのです
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5:18 - 5:20彼はここに着くとすぐに
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5:20 - 5:23精神科医に面会を申し出て
言いました -
5:23 - 5:24「大きな誤解だ ―
-
5:24 - 5:27俺は精神病じゃない」
-
5:27 - 5:29私は入所して何年になるか
聞きました -
5:29 - 5:33「元々の刑期なら
5年で出られたはずだ -
5:33 - 5:35「元々の刑期なら
5年で出られたはずだ -
5:35 - 5:41なのにブロードモアに来て
もう12年になる」 -
5:41 - 5:45トニーによれば 自分が正気だと
思わせるのは -
5:45 - 5:47狂っていると思わせるより
難しいのです -
5:47 - 5:49「正常だと思わせるには
-
5:49 - 5:52サッカーやテレビみたいな
普通の話題を -
5:52 - 5:54普通に話せばいいと
思っていたんだ -
5:54 - 5:56俺は「ニュー・サイエンティスト」を
-
5:56 - 5:58とっていて 最近 ―
-
5:58 - 6:02米陸軍が爆発物探知用に
ハチを訓練する記事を読んだ -
6:02 - 6:03だから看護士に ―
-
6:03 - 6:06“米軍が爆弾を探すハチを
訓練してるって -
6:06 - 6:08知ってたかい?”って
言ったんだ -
6:08 - 6:09ある時自分のカルテを見たら
-
6:09 - 6:11こう書いてあったよ
-
6:11 - 6:15“ハチが爆薬を嗅ぎわける
と信じ込んでいる”ってね」 -
6:15 - 6:17「奴らは俺の精神状態を知るために
-
6:17 - 6:20言葉以外の手がかりを
いつも探しているのさ -
6:20 - 6:23でも正常な座り方って
どうやればいいんだ? -
6:23 - 6:26正常な足の組み方は?
-
6:26 - 6:28そんなの無理だよ」
-
6:28 - 6:29トニーの話を聞いて
考えてしまいました -
6:29 - 6:32私はジャーナリストらしく
座ってるのだろうか? -
6:32 - 6:36ジャーナリストの
足の組み方だろうか? -
6:36 - 6:41彼は続けます 「俺の隣には
ストックウェルの絞殺魔がいて -
6:41 - 6:45反対側には“チューリップ畑”の
強姦魔だ -
6:45 - 6:48だから怖くなって
部屋にこもりがちになった -
6:48 - 6:51そしたら それがおかしい
証拠だって言うんだ ― -
6:51 - 6:54打ち解けず
気取ってるってね」 -
6:54 - 6:58つまりブロードモアでは
連続殺人犯を避ける態度が -
6:58 - 7:00狂気のしるしなんです
-
7:00 - 7:03私には彼が正常に見えましたが
本当にそうでしょうか? -
7:03 - 7:07そこで彼の主治医の
アンソニー・メイデンに連絡し -
7:07 - 7:08事情を聞きました
-
7:08 - 7:13彼によると 「トニーが刑を逃れるため
狂気を装ったことは わかっていました -
7:13 - 7:18そもそも彼の妄想は
ありきたりで -
7:18 - 7:20ブロードモアに来たら
消えてしまったからです -
7:20 - 7:22それでも私達は
彼を診察して -
7:22 - 7:27サイコパスと
診断したのです」 -
7:27 - 7:29狂気を装うこと自体が
-
7:29 - 7:33サイコパス特有の
人を操る 悪賢い行為です -
7:33 - 7:36診断表にもあります
“狡猾で人を操る” -
7:36 - 7:38頭がおかしいと
装うこと自体 -
7:38 - 7:41頭がおかしい証拠です
-
7:41 - 7:42他の専門家によると
-
7:42 - 7:46ピンストライプのスーツは
典型的な精神病質のしるしです -
7:46 - 7:48診断表の
最初の2項目は -
7:48 - 7:53“口が達者で一見魅力的”
そして“過剰な自尊感情”です -
7:53 - 7:56私はトニーが他の患者に
近付かないと言いましたが -
7:56 - 8:00典型的なサイコパスには
誇張と 共感の欠如が見られます -
8:00 - 8:04トニーの正常そうに見える
部分こそが -
8:04 - 8:07狂気の証拠だったのです
-
8:07 - 8:09狂気の証拠だったのです
-
8:09 - 8:11彼はサイコパスでした
-
8:11 - 8:12医師は言いました
-
8:12 - 8:14「サイコパスについて
もっと知りたければ -
8:14 - 8:17診断表を作った
ロバート・ヘアが主催する -
8:17 - 8:21サイコパス診断講座に
行ったらいい」 -
8:21 - 8:22だからそうしました
-
8:22 - 8:24サイコパス診断講座に通って
-
8:24 - 8:28今では公認の
-
8:28 - 8:31結構 優秀な
-
8:31 - 8:33サイコパス診断者です
-
8:33 - 8:35ここで統計を紹介しましょう
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8:35 - 8:40普通の人100人のうち
1人はサイコパスです -
8:40 - 8:44ここには1,500人いますから
-
8:44 - 8:50皆さんのうち15人は
サイコパスです -
8:50 - 8:52この割合はCEOや会社役員では
-
8:52 - 8:554%になるので
-
8:55 - 8:58この部屋に30-40人の
-
8:58 - 9:03サイコパスがいても
おかしくありません -
9:03 - 9:05夜中には死体の山が
出来ているかも知れません -
9:05 - 9:09(笑)
-
9:09 - 9:14ヘアは理由をこう説明します
徹底した資本主義では -
9:14 - 9:17精神病質的な行為が称えられる
-
9:17 - 9:22たとえば人に共感しないことや
弁が立つこと -
9:22 - 9:24狡猾に人を操ることなどです
-
9:24 - 9:27最も非情な状態の資本主義は
-
9:27 - 9:32精神病質が具現化したものです
-
9:32 - 9:33私達全員に降りかかる
-
9:33 - 9:38精神病質のようです
-
9:38 - 9:40さらにヘアは言いました
「狂気を装ったかどうかも怪しい -
9:40 - 9:42トニーみたいな男は問題じゃない
-
9:42 - 9:44大した話じゃない
-
9:44 - 9:46本当の問題は企業の精神病質なんだ
-
9:46 - 9:51企業にいるサイコパスに
話を聞いてみるといい」 -
9:51 - 9:54だから試しにエンロンの社員に
手紙を書きました -
9:54 - 9:56「刑務所にお邪魔して
皆さんに面談し -
9:56 - 9:58サイコパスかどうか
診断したいのですが」 -
9:58 - 10:02でも返事は来ませんでした
-
10:02 - 10:04そこで方針を変えて
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10:04 - 10:08“チェーンソー・アル” ダンラップに
メールしました -
10:08 - 10:1190年代に会社資産の収奪で
利益をあげた人です -
10:11 - 10:16弱体化した企業に参入して
社員の30%を解雇し -
10:16 - 10:19街をゴースト・タウンに
変えてきました -
10:19 - 10:20今度はこう伝えました
-
10:20 - 10:22「私の推測では
あなたが特別で ― -
10:22 - 10:25恐れを知らないやり手なのは
-
10:25 - 10:29脳が特殊だからです
-
10:29 - 10:31その特別な脳について
-
10:31 - 10:33インタビューしたいのですが」
-
10:33 - 10:36彼は 来るように返信してきました
-
10:36 - 10:39アル・ダンラップが住む
フロリダの豪邸に行くと -
10:39 - 10:44いたるところに
捕食動物の彫刻がありました -
10:44 - 10:47ライオンやトラがありました
-
10:47 - 10:48彼が庭を案内してくれます
-
10:48 - 10:51ハヤブサやワシもあります
-
10:51 - 10:52「向こうにはサメもある」と
教えてくれました -
10:52 - 10:55力強い話し方です
-
10:55 - 11:01「サメなら もっとあるし
トラもある」 -
11:01 - 11:03まるでナルニア国です
-
11:03 - 11:06(笑)
-
11:06 - 11:09次にキッチンへ行きました
-
11:09 - 11:13さて アル・ダンラップは
倒産寸前の会社を救うためにやって来て -
11:13 - 11:15労働力の3割を削減しました
-
11:15 - 11:18また彼はよく冗談を言いながら
人をクビにしました -
11:18 - 11:21こんな話があります
-
11:21 - 11:24社員が彼に言ったそうです
「新車を買ったんですよ」 -
11:24 - 11:26彼はこう応えたそうです
「新車が手に入ったって -
11:26 - 11:32失ったものがあるだろう
仕事だよ」 -
11:32 - 11:35キッチンには彼と
妻のジュディ ― -
11:35 - 11:38ボディガードのショーンが一緒でした
私はこう言いました -
11:38 - 11:41「あなたが特別なのは
脳が特殊だからだと言いましたよね」 -
11:41 - 11:43「素晴らしい仮説だ」と彼
-
11:43 - 11:46「スタートレックみたいだな
驚異に満ちた物語ってわけだ」 -
11:46 - 11:54私は続けて言いました
「心理学者ならこう言うでしょう -
11:54 - 11:57その脳のせいであなたは...」
(ぶつぶつと) -
11:57 - 11:59(笑)
-
11:59 - 12:00「何だ?」
-
12:00 - 12:02「あなたはサイコパスなんです
-
12:02 - 12:07いま精神病質の
診断表を持っています -
12:07 - 12:09一緒に見ていきましょうか?」
-
12:09 - 12:12彼は気持とは裏腹に
興味深げでした -
12:12 - 12:13「いいだろう」
-
12:13 - 12:16「まず過剰な自尊感情です」
-
12:16 - 12:19これには彼も頷くしか
ないようでした -
12:19 - 12:22彼の後ろには巨大な
肖像画が掛っていたのですから -
12:22 - 12:27(笑)
-
12:27 - 12:30彼は言いました 「自分を信頼すべきだ」
-
12:30 - 12:33「人を操りたがる」と私
-
12:33 - 12:36「それはリーダーシップだ」
-
12:36 - 12:38「感情の薄さ つまり
-
12:38 - 12:40多様な感情を持てないこと」
-
12:40 - 12:43「くだらん感情で悩みたい奴が
どこにいる」 -
12:43 - 12:46彼は診断表を
読み換えていきました -
12:46 - 12:49「チーズはどこへ消えた?」
みたいにです -
12:49 - 12:53(笑)
-
12:53 - 12:56でもアル・ダンラップと過ごして
気づいたのです -
12:56 - 12:58彼が普通のことを話したとします
例えば ― -
12:58 - 13:02「青少年の非行はだめ」
-
13:02 - 13:03彼は陸軍士官学校
出身だそうですが -
13:03 - 13:06ウエストポイントに
不良は入れません -
13:06 - 13:09「結婚を何度も繰り返すのはだめ」
-
13:09 - 13:11彼は2度結婚しています
-
13:11 - 13:14確かに最初の妻は
離婚届けに こう書いています -
13:14 - 13:16“彼がナイフで脅してきて
-
13:16 - 13:19人肉はどんな味だろうと
言った”と -
13:19 - 13:23でも関係が悪化すると 口論の末に
馬鹿なことを口走るものです -
13:23 - 13:26それに2度目の結婚は
41年も続いています -
13:26 - 13:29とにかく そんな普通のことなら
-
13:29 - 13:33本には載せられないと
私は思いました -
13:33 - 13:37その時気付いたのは
サイコパスの診断をはじめて ― -
13:37 - 13:40自分が少しサイコパスに
近付いたということです -
13:40 - 13:45私は必死になってサイコパスの
レッテルを彼に貼り -
13:45 - 13:50彼の狂っている部分だけを
見て診断しようとしていたのです -
13:50 - 13:53さらに気付きました
ジャーナリストとして自分は -
13:53 - 13:55こういうことを
20年間してきたのだ -
13:55 - 13:59我々ジャーナリストは
メモ帳を携えて世界を駆けまわり -
13:59 - 14:00宝石を探します
-
14:00 - 14:05その宝石とは
インタビュー相手の人格の -
14:05 - 14:07極端な部分です
-
14:07 - 14:10我々は中世の僧のように
宝石をつなぎ合わせますが -
14:10 - 14:14ありきたりの物は
捨ててしまいます -
14:14 - 14:21これがある種の精神障害を
過剰に診断することにつながります -
14:21 - 14:24小児双極性障害では
たった4歳の子どもが -
14:24 - 14:26双極性障害と診断されます
-
14:26 - 14:29子どもは癇癪を起こすので
-
14:29 - 14:33双極性障害の診断表で
スコアが高くなるためです -
14:33 - 14:37私がロンドンに戻ると
トニーが電話してきました -
14:37 - 14:40「どうして電話をくれなかった?」
-
14:40 - 14:44私は みんな彼がサイコパスだと
言ってると伝えました -
14:44 - 14:46「俺はサイコパスじゃない ―
-
14:46 - 14:49診断表の項目に
“後悔の欠如”があるけど -
14:49 - 14:52別の項目には
“狡猾さ”や“人を操る傾向”もある -
14:52 - 14:55だから犯した罪を
後悔していると言っても -
14:55 - 14:57医者は“サイコパスにありがちな ―
-
14:57 - 15:00後悔を装う巧妙な
手口だ”って言うんだ -
15:00 - 15:03奴らは魔法みたいに
何でも逆に解釈するんだ」 -
15:03 - 15:06そしてこう言いました
「審理があるんだ -
15:06 - 15:08来るかい?」
-
15:08 - 15:10私は了解して
-
15:10 - 15:13審理に行きました
-
15:13 - 15:18ブロードモアに入って14年
とうとう彼は釈放されました -
15:18 - 15:21決定理由はこうです
彼を無期限に収容すべきでない -
15:21 - 15:24なぜなら診断表で
スコアが高くても -
15:24 - 15:29それが意味するのは
再犯の可能性がある という程度だからです -
15:29 - 15:31彼は釈放されました
-
15:31 - 15:33廊下で彼は言いました
-
15:33 - 15:34「ジョン いいか?
-
15:34 - 15:37みんな少しはサイコパスなんだ
-
15:37 - 15:41あんたも 俺も
まあ俺は明らかだが」 -
15:41 - 15:43私はこれからどうするつもりか
聞きました -
15:43 - 15:46彼は
「ベルギーに行くつもりだ -
15:46 - 15:48好きな女がいるんだが
-
15:48 - 15:51結婚してる
だから旦那と別れさせるのさ」 -
15:51 - 15:56(笑)
-
15:56 - 15:59ここまでが2年前の話です
-
15:59 - 16:01私の本はここで終わっていました
-
16:01 - 16:05その後20か月は
すべて順調でした -
16:05 - 16:07悪いことは起こりませんでした
-
16:07 - 16:09彼はロンドン郊外で
女性と暮らしていて -
16:09 - 16:11サイエントロジストの
ブライアンによれば -
16:11 - 16:15失った時間を取り戻しています
― 不気味な気もしますが -
16:15 - 16:16いやそうでもありません
-
16:16 - 16:1920か月経った後
-
16:19 - 16:21彼は1か月間 刑務所に入りました
-
16:21 - 16:26彼によればバーで喧嘩になり
-
16:26 - 16:281か月 服役したのです
-
16:28 - 16:29悪いことではありますが
-
16:29 - 16:32刑期が1か月であれば
どんな喧嘩であれ -
16:32 - 16:35そうひどくなかったのでしょう
-
16:35 - 16:38トニーが電話をくれました
-
16:38 - 16:42私はトニーが出所したのは
正しいことだと考えています -
16:42 - 16:46狂った部分だけで
人を評価すべきではないからです -
16:46 - 16:50トニーは半分だけ
サイコパスなのです -
16:50 - 16:55社会は曖昧さを嫌いますが
彼はグレー・エリアです -
16:55 - 17:00でもグレー・エリアこそが
人の複雑さや -
17:00 - 17:03人間性が見えるところ ―
-
17:03 - 17:06真実が見えるところなのです
-
17:06 - 17:08トニーが言いました
-
17:08 - 17:12「ジョン 酒でもおごらせてくれ
-
17:12 - 17:15あんたがしてくれたことに
感謝しているんだ」 -
17:15 - 17:21でも私は出かけませんでした
皆さんならどうしていましたか? -
17:21 - 17:22ありがとう
-
17:22 - 17:39(拍手)
- Title:
- サイコパス・テストへの奇妙なこたえ
- Speaker:
- ジョン・ロンスン
- Description:
-
狂気と正気を確実に分ける一線はあるのでしょうか?『サイコパスを探せ! 「狂気」をめぐる冒険』の著者ジョン・ロンスンが,身の毛もよだつような話を通して,正気と狂気の間にあるグレー・ゾーンを明らかにしていきます。(ライブ・サウンドミックス:ジュリアン・トレジャー アニメーション:エヴァン・グラント)
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 18:01
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Yasushi Aoki approved Japanese subtitles for Strange answers to the psychopath test | ||
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