『フランケンシュタイン』を読むのに必要なこと ― イーサルト・ギレスピー
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0:07 - 0:131815年 タンボラ山の噴火によって
広い範囲が暗闇に覆われ -
0:13 - 0:18「夏のない年」として知られることとなる
薄暗い1年となりました -
0:18 - 0:23メアリーとパーシー・シェリー夫妻が
レマン湖のほとりのバイロン卿の私邸に着くと -
0:23 - 0:26その休暇のほとんどを
屋内で過ごすこととなりました -
0:26 - 0:31余興にバイロン卿は
文学者の友人らに難題をつきつけます -
0:31 - 0:34「誰が一番恐ろしい幽霊話を書けるか」
というのです -
0:34 - 0:38この難題で 18歳のメアリーに
ある考えがひらめきました -
0:38 - 0:43彼女は その後数か月をかけて
『フランケンシュタイン』を書くのです -
0:43 - 0:46一般に流布している描写から
唸り声を上げる緑色の怪物が想像されますが -
0:46 - 0:49それはメアリー・シェリーの
描いた怪物ではありません -
0:49 - 0:54実は 本の中では
名もない怪物の創造主こそが -
0:54 - 0:56ヴィクター・
フランケンシュタイン博士なのです -
0:56 - 1:00創造主と怪物の間に起こる
葛藤があまりに激しいために -
1:00 - 1:03両者が私たちの想像力の中で
一体化してしまったのです -
1:03 - 1:06原作を読んだり
再読したりする前に -
1:06 - 1:10フランケンシュタインについて
そしてこの語が -
1:10 - 1:13複数の意味を持った理由について
知っておくと役立つことがあります -
1:13 - 1:19本には博士が怪物に生命を吹き込み
これを維持しようとする無益な研究が描かれます -
1:19 - 1:22彼は死体を継ぎ合わせて
怪物を作り -
1:22 - 1:25電気ショックを与えて
意識をもたらします -
1:25 - 1:31しかし 実験が完了すると
結果におののき 逃げ出します -
1:31 - 1:34しかし うち捨てられた怪物を
払いのけるには時間も空間も足りず -
1:34 - 1:38物語は両者の恐ろしい
追いかけっこに展開します -
1:38 - 1:41シェリーはこの幽霊話に
こんな副題をつけました -
1:41 - 1:43「現代のプロメーテウス」
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1:43 - 1:46これはギリシャ神話に登場する
巨人神プロメーテウスへの言及です -
1:46 - 1:50彼は神々から火を盗み
人間に与えました -
1:50 - 1:52火によって 人間は
知識と力を手にしましたが -
1:52 - 1:55現状に逆らったことで
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1:55 - 2:00プロメーテウスは岩につながれ
永遠にハゲタカに食われてしまいます -
2:00 - 2:04プロメーテウスは18世紀の
ロマン派の時代に -
2:04 - 2:05文学において蘇ります
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2:05 - 2:08メアリーはロマン派の重要人物で
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2:08 - 2:13自然 感情 芸術の純粋さを
重視するロマン派運動に共鳴しました -
2:13 - 2:16メアリーが『フランケンシュタイン』を
出版してから2年後 -
2:16 - 2:20パーシーはプロメテウスの苦境を
自身の叙情劇に表現しました -
2:20 - 2:22『鎖を解かれたプロメーテウス』です
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2:22 - 2:24ロマン派の作家は
この神話に言及することで -
2:24 - 2:29現代と相反する
古代世界の純粋さを表したのです -
2:29 - 2:31彼らは科学に懐疑的な目を向け
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2:31 - 2:34『フランケンシュタイン』は
人工知能に対する警鐘を鳴らした― -
2:34 - 2:37最初の作品のひとつです
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2:37 - 2:40シェリーにとって
恐怖は超自然的なものではなく -
2:40 - 2:42実験室でこそ
生まれるものだったのです -
2:42 - 2:45さらに ゴシック小説の仕掛けが
文章に満ちています -
2:45 - 2:48ゴシックというジャンルは
不安をあおる― -
2:48 - 2:49不気味な設定
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2:49 - 2:51グロテスクさ
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2:51 - 2:53そして忘却に対する恐怖などが特徴です
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2:53 - 2:56これらはすべて
『フランケンシュタイン』に表れています -
2:56 - 2:59しかし この恐怖は
個人的なトラウマにも端を発しています -
2:59 - 3:03シェリー自身の状況への言及が
文章に溢れているのです -
3:03 - 3:071797年にメアリーは
ウィリアム・ゴドウィンと -
3:07 - 3:10メアリー・ウルストンクラフトの
間に生まれました -
3:10 - 3:12両親ともに革新的な知識人で
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3:12 - 3:16母親の書いた『女性の権利の擁護』は
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3:16 - 3:18フェミニズムの文献として
重要なものです -
3:18 - 3:23悲劇的なことに 母親は出産の際に
合併症で亡くなりました -
3:23 - 3:25メアリーには
母親の死の影がつきまとい -
3:25 - 3:29のちに彼女自身が
出産時に問題を経験します -
3:29 - 3:33彼女は16歳でパーシーと
駆け落ちして 妊娠しましたが -
3:33 - 3:36生まれて間もなく
赤ん坊は死んでしまいます -
3:36 - 3:40その後の4回の妊娠で
無事成長したのは1人だけでした -
3:40 - 3:45この悲劇を作品のテーマに
結びつける批評家もいます -
3:45 - 3:48シェリーは出産を創造的
かつ破壊的なものとして描き -
3:48 - 3:54怪物は自然な生命のサイクルに生じた
歪みを映すものとして描かれます -
3:54 - 3:58怪物は 栄光を追い求めるあまり
自然を歪めてしまった― -
3:58 - 4:00博士自身を体現しているのです
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4:00 - 4:04これが彼の決定的な欠陥―
「悲劇的欠陥」を成しています -
4:04 - 4:06彼の神に対するコンプレックスは
次の言葉に最もよく表れています -
4:06 - 4:12「生と死は理想的な境界に思える
私はまずはそれを打ち破り -
4:12 - 4:16暗闇の世界に
光の流れを注ぎ込むのだ」 -
4:16 - 4:18彼は畏敬の念を起こさせることを
成し遂げる一方で -
4:18 - 4:22彼は自らの倫理を犠牲に
火遊びをしてしまうのです -
4:22 - 4:24その判断は小説を通じて
何度も描かれます -
4:24 - 4:30小説は火への言及に満ちており
光と闇を想起させるイメージが多くあります -
4:30 - 4:34こうした描写によって
プロメーテウスの火だけでなく -
4:34 - 4:40人生の薄暗い部分を暴露するような
過激な考えの力をも示唆されています
- Title:
- 『フランケンシュタイン』を読むのに必要なこと ― イーサルト・ギレスピー
- Description:
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1815年、バイロン卿はレマン湖のほとりにある私邸に招いた、数人の文学者の客人たちに難題をけしかけました。誰が一番恐ろしい幽霊話を書けるか、というのです。この難題で、18歳のメアリー・シェリーにある考えがひらめきました。彼女はその後数ヶ月をかけて、『フランケンシュタイン』の物語を書くことになります。イーサルト・ギレスピーーが、メアリー・シェリーの古典小説を読む上で知っておくべき事を全て教えてくれます。
講師:イーサルト・ギレスピー、アニメーション:シルヴィア・プリートフ
*このビデオの教材:http://ed.ted.com/lessons/everything-you-need-to-know-to-read-mary-shelley-s-frankenstein-iseult-gillespie - Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 05:02