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脳を知れば、すべてが変わる | デイビッド・ロック | TEDxTokyo

  • 0:04 - 0:08
    この非常に重要なイベントに
    参加できてうれしいです
  • 0:08 - 0:12
    優れたアイデアというのは往々にして
    自然に広まって行くのではなく
  • 0:12 - 0:14
    ちょっとした手助けが必要です
  • 0:14 - 0:16
    良い例がこれです
    もし優れたアイデアが
  • 0:16 - 0:18
    自然に広まって行くなら
    あの素晴らしい―
  • 0:18 - 0:20
    日本のトイレは
    世界中に普及しているでしょう
  • 0:20 - 0:23
    ですから こうしたイベントは
    大変重要だと思います
  • 0:23 - 0:28
    私は日々 自分がとてもワクワクすることに
    取り組んでいます
  • 0:28 - 0:32
    主に大規模な組織のリーダーや
    経営者のお手伝いをしています
  • 0:32 - 0:37
    より良い決断をし 考えを深め
    重圧の下でも冷静さを保てるようにです
  • 0:37 - 0:38
    もっとも重要なのは
  • 0:38 - 0:42
    良い影響を与えたり
    うまく他者と協働するための手伝いです
  • 0:42 - 0:46
    お察しのとおり私はかなり忙しいです
    やることが山ほどあります
  • 0:46 - 0:49
    しかし5年ほど前
    私はあることに気づき
  • 0:49 - 0:51
    大いに驚くことになりました
  • 0:51 - 0:55
    人々に自分たちの脳について教えると
  • 0:55 - 0:58
    自己や他者を理解する能力に
    絶大な影響を与えることが
  • 0:58 - 0:59
    わかったのです
  • 0:59 - 1:03
    脳について教えると
    その人の達成したい目標が何であれ
  • 1:03 - 1:04
    大きな効果が現れるのです
  • 1:04 - 1:05
    とても驚きました
  • 1:05 - 1:08
    想定してそうなったわけでは
    ないんですよ
  • 1:08 - 1:10
    以来5年間 私は
  • 1:10 - 1:14
    驚くべき神経科学の研究結果を
    解読し 読み取り 言葉を換え
  • 1:14 - 1:18
    人々にわかりやすく伝えることに
    情熱を傾けてきました
  • 1:18 - 1:20
    ここにお集りの方々の多くは
  • 1:20 - 1:23
    変革の担い手だと思われますが
  • 1:23 - 1:26
    皆さんのアイデアを
    より効果的に広めるための
  • 1:26 - 1:30
    道具になり得る
    秘密をお教えします
  • 1:30 - 1:33
    脳について知ることは
    すべてを変えるのだと気づきました
  • 1:33 - 1:37
    なぜそうなるのか
    理由を4つお話しします
  • 1:37 - 1:39
    私はこのことを考えて
    もう数年になります
  • 1:39 - 1:43
    脳について学ぶことがなぜ有益か
    それには4つの理由があります
  • 1:44 - 1:46
    1つめは「新奇効果」と
    呼ばれるものです
  • 1:47 - 1:49
    こちらは私の娘
    1歳半の時です
  • 1:49 - 1:52
    この頃 娘は素晴らしい体験をしていました
  • 1:52 - 1:55
    ずっとTEDに出席しているようなものです
  • 1:55 - 1:58
    何もかもが斬新で革新的で
    刺激的ですからね
  • 1:58 - 2:01
    子どものうちは新しい物事が
    ドーパミン濃度に大きく影響し
  • 2:01 - 2:05
    非常に興奮しますが 大人になると
    新しい物事に出会う機会が減ります
  • 2:05 - 2:09
    相手がリーダーであれ教師であれ
    役人であれ教育者であれ
  • 2:09 - 2:13
    脳という観点で話すと
    彼らに新たな視点を与えることになり
  • 2:13 - 2:15
    その新奇効果には
    かなりの影響力があります
  • 2:16 - 2:20
    ビジネスウィーク誌がこれについて
    特集を載せたとき
  • 2:20 - 2:22
    単なる新奇効果として書かれましたが
  • 2:22 - 2:25
    本当はそれだけではありません
    新奇効果は実に有益で
  • 2:25 - 2:27
    人々の注意を引きます
  • 2:27 - 2:29
    後ほど触れますが
    注意こそが脳を変えるのです
  • 2:29 - 2:31
    新奇効果は強力ですが
  • 2:31 - 2:33
    その効果は目新しさに留まりません
  • 2:34 - 2:40
    たとえば脳の回路やネットワークが
    高度な戦略的思考や
  • 2:40 - 2:44
    計画や決断などに関わっているという
    話をするとします
  • 2:44 - 2:47
    このネットワークは
    自己や他者を理解する時のものとは
  • 2:47 - 2:50
    ずいぶん違うネットワークです
  • 2:50 - 2:52
    この2つのネットワークには
    逆の相関関係があるので
  • 2:52 - 2:55
    片方が活発なら もう片方は休み
    そう聞けば
  • 2:55 - 2:58
    なぜ知的な活動に従事している人が
    もう片方の分野では
  • 2:58 - 3:01
    往々にして改善の余地ありなのか
    それは―
  • 3:01 - 3:05
    片方の回路で
    接続が切れているからだとわかります
  • 3:05 - 3:08
    私がそう話すと
    リーダーに成長が必要な理由について
  • 3:08 - 3:11
    新たな考え方が生まれ
    新たなつながりが生まれます
  • 3:12 - 3:15
    脳について話すことで
    確かに新奇効果は起きますが
  • 3:15 - 3:17
    それ以上の効果があるのです
  • 3:17 - 3:19
    変化を生む方法として
    脳が非常に効果的であると
  • 3:19 - 3:21
    私が考える理由の2つめは
  • 3:21 - 3:23
    人に何かを認識させようと思ったら
  • 3:23 - 3:26
    「見える」ということがカギになるからです
  • 3:26 - 3:29
    目に見えると 認識はうんとラクになります
  • 3:29 - 3:32
    目に見えるものは頭の中で
    思い浮かべることができます
  • 3:32 - 3:34
    私が「象ですよ」と言えば
    皆さんの目に象が浮かびます
  • 3:34 - 3:37
    「認知的不協和ですよ」と言えば
    「え?」となるでしょう
  • 3:37 - 3:39
    しかし もし私が「ある脳の領域が
  • 3:39 - 3:42
    他の領域の酸素とグルコースを
    すっかり奪ってしまうと
  • 3:42 - 3:47
    前頭前野への供給が急に不足して
    働きが鈍くなりますよ」と言えば
  • 3:47 - 3:49
    その様子が目に浮かびますよね
  • 3:49 - 3:50
    そうして問題の箇所に
    焦点があてられます
  • 3:50 - 3:55
    目に見えるものが認識しやすいというのは
    周知の事実です
  • 3:55 - 3:58
    ですから生物学を
    物理的な側面から説明できるようになると
  • 3:58 - 4:02
    こちらの言うことが相手に伝わりやすくなり
    納得してもらいやすくなります
  • 4:03 - 4:05
    3つめは重要な理由です
  • 4:05 - 4:08
    私たちは持論に磨きをかけます
    世界を創造するのは理論です
  • 4:08 - 4:10
    「アイデアはこうして生まれる」
    というキャプションで
  • 4:10 - 4:14
    幹部がシャワーを浴びている
    1コマ漫画がありますが
  • 4:14 - 4:18
    素晴らしい閃きが起きたとき
    シャワー中だったことにお気づきですか?
  • 4:18 - 4:21
    そう言えばプールを往復しながら
    泳いでいる時にも閃いたかも
  • 4:21 - 4:26
    水は関係ないのですが 多くの人が
    そういう誤った相関を見出します
  • 4:26 - 4:28
    誤った相関は他にもたくさんあります
  • 4:28 - 4:31
    この理論の理解に役立つ科学が
    ないせいです
  • 4:31 - 4:33
    優れたアイデアが浮かぶのは―
  • 4:33 - 4:36
    これは ここ数年で
    わかってきたばかりですが
  • 4:36 - 4:39
    皆さんが かすかな信号に
    気づくことができた時です
  • 4:39 - 4:43
    幸福や他の物事によって
    可能性が高まることもありますが
  • 4:43 - 4:45
    脳という観点からすると
  • 4:45 - 4:49
    かすかな信号を見逃さない能力こそが
    優れたアイデアを促進しているのです
  • 4:49 - 4:51
    脳の世界へ入り しっかり勉強して
  • 4:51 - 4:53
    持論に磨きをかけましょう
  • 4:53 - 4:56
    神経科学の膨大な研究が
    解明しつつある―
  • 4:56 - 5:00
    驚きの例をいくつか ご紹介します
  • 5:00 - 5:03
    現在 神経科学に携わっている学者は
    約5万人です
  • 5:03 - 5:05
    巨大な分野です
  • 5:05 - 5:09
    大きな驚きの1つに 私たちの注意力は
    たかが知れているというのがあります
  • 5:09 - 5:13
    前頭前野が いかに小さく不安定か
    ということです
  • 5:13 - 5:15
    お気づきの方もいるでしょう
    今まさに―
  • 5:15 - 5:18
    昼食か何か他のことを考えていて
  • 5:18 - 5:19
    集中できないなと思っていたり
  • 5:19 - 5:22
    私の英語がどこの訛りか考えて
    気が散っているでしょう
  • 5:22 - 5:25
    ちょっと判断し難いかも
    アメリカとオーストラリアの半々です
  • 5:25 - 5:28
    私たちの注意力は非常に限られています
    これは生物学的なもので
  • 5:28 - 5:33
    良質な思考は1日あたり
    本当にほんのわずかしかできませんから
  • 5:33 - 5:34
    貴重なものとして扱うべきです
  • 5:34 - 5:36
    いかに限られているかを
  • 5:36 - 5:39
    多くの研究が示していて驚かされます
  • 5:39 - 5:41
    大きな驚きの2つめは
    私たちの感情に対する誤解です
  • 5:42 - 5:45
    文化による部分もありますが
    誤解はかなり普遍的なようです
  • 5:46 - 5:48
    「感情について語ると
  • 5:49 - 5:52
    どうなるでしょう?」と尋ねられると
  • 5:52 - 5:54
    人々は「その感情を悪化させる」と
    答えます
  • 5:54 - 5:56
    同じ意見ですか?
  • 5:56 - 5:59
    私たちは感情について
    語らない傾向があります
  • 5:59 - 6:02
    感情を抑え 感情にフタをしようとする
    傾向があります
  • 6:02 - 6:05
    実は数多くの研究によって
  • 6:05 - 6:07
    感情が湧き上がってきた時
    簡単な表現で
  • 6:07 - 6:09
    その感情について語ると
    感情の喚起を著しく
  • 6:09 - 6:11
    軽減できることがわかっています
  • 6:11 - 6:14
    しかし こうした研究結果を知った後でも
  • 6:14 - 6:18
    実際にそれを体験してみるには
    練習が必要です
  • 6:18 - 6:21
    感情について語るのはよくないと
    植え付けられていますからね
  • 6:21 - 6:24
    語ることによって感情の影響を
    軽減できるのにです
  • 6:24 - 6:25
    では どうしましょうか
  • 6:25 - 6:28
    語らない代わりに どうしましょう?
  • 6:28 - 6:30
    私たちは感情を抑え
    それを良いことだと思っています
  • 6:30 - 6:32
    ここで役に立つのが神経科学です
  • 6:32 - 6:35
    感情を抑えようとすると
  • 6:35 - 6:38
    脳の辺縁系は感情喚起の時点と同じか
    より悪い状態になります
  • 6:38 - 6:42
    その状態では感情喚起のために
    認知機能からリソースが奪われます
  • 6:42 - 6:47
    つまり感情を抑制すると
    頭の回転が鈍くなるというわけです
  • 6:47 - 6:49
    さらに妙なことに
    記憶にもダメージを与えます
  • 6:50 - 6:52
    気持ちを抑えようとすると
  • 6:52 - 6:54
    他の人に何を言われたか
    覚えていられません
  • 6:54 - 6:57
    家庭など生活の中で起きる
    数々の衝突の場面で
  • 6:57 - 6:58
    そうなってますよね
  • 6:58 - 7:00
    3つめです
    あなたが感情を抑えると
  • 7:00 - 7:02
    周りの人の血圧が上がります
  • 7:02 - 7:05
    周りの人たちが
    脅威に対する反応を示すのです
  • 7:05 - 7:06
    実に驚きですよね
  • 7:06 - 7:08
    私たちは誤解しがちです
  • 7:08 - 7:11
    その結果 私たちは持論やモデルや構想を
  • 7:11 - 7:14
    実際の生物学的な機能に逆らって
    組み立ててしまいます
  • 7:14 - 7:18
    かつて私たちは地球が平らだと考え
    今はそうでないと知っています
  • 7:18 - 7:22
    科学技術は挽回し 私たちの社会に
    重大な変化をもたらすことができます
  • 7:22 - 7:24
    感情に関して
    約5百人を対象にした研究です
  • 7:24 - 7:27
    [楽観性、環境適応力、
    良好な関係、人生の満足度]
  • 7:27 - 7:32
    回答者は感情抑制型と
    再評価型に分けられました
  • 7:32 - 7:35
    感情の再評価は
    非常に優れたストラテジーです
  • 7:35 - 7:38
    再評価は難しいのです
    認知的なリソースを大量に必要とします
  • 7:38 - 7:40
    状況を見つめなければなりません
  • 7:40 - 7:42
    それも自分とはまったく違う観点から
  • 7:42 - 7:44
    こういう場での出来事も見つめます
  • 7:44 - 7:48
    再評価とは たとえば
    誰かと言い争っているとして
  • 7:48 - 7:51
    その状況を相手の視点で見る
    ということです
  • 7:51 - 7:55
    わかりますか?心が乱されていたら
    物理的に不可能な気がしますよね
  • 7:55 - 7:57
    研究では 人々を2種類に分けました
  • 7:57 - 8:00
    抑制する傾向が強い人と
    再評価する傾向が強い人
  • 8:00 - 8:03
    抑制型の人はこれらの項目すべてで
  • 8:03 - 8:04
    平均値を大きく下回り
  • 8:04 - 8:06
    再評価型の人は上回りました
  • 8:06 - 8:08
    これは大変興味深いことです
  • 8:08 - 8:12
    私たちが日々 関わる感情的な場面は
    ほとんどが内面のもので
  • 8:12 - 8:15
    その元になっているのは
    不安、心配、懸念です
  • 8:15 - 8:19
    わが身を振り返ってもそうです
    「スライドの用意は大丈夫かな?」と
  • 8:19 - 8:23
    この24時間で30回は考えました
    これは脳内で場所を取ります
  • 8:24 - 8:27
    こうした内面的な脅威があっても
  • 8:28 - 8:32
    脳をよく知れば 自分に
    こう言い聞かせることができるようになります
  • 8:32 - 8:34
    「あぁ これは脳の働きが
    乱れてるだけだ」
  • 8:34 - 8:39
    そうやっていけば自分のことを
    もっと再評価できる人になれますよ
  • 8:39 - 8:43
    先週シカゴで私がある大きな組織の人と
    話していた時のことです
  • 8:43 - 8:44
    彼女は自分のことを笑っていました
  • 8:44 - 8:47
    経験談を笑い飛ばしていたので
    私が指摘すると
  • 8:47 - 8:49
    彼女が謝ったので 私は言いました
  • 8:49 - 8:52
    「いえいえ違います 素晴らしいことです」
  • 8:52 - 8:54
    最も健康な人というのは
  • 8:54 - 8:57
    自己を観察し
    自分を笑い飛ばすことができる人です
  • 8:57 - 9:02
    ちなみにユーモアは最も低コストで
    最も素晴らしいタイプの再評価で
  • 9:02 - 9:03
    リソースも あまり食いません
  • 9:03 - 9:07
    私たちは感情について誤解しています
    感情について語らず
  • 9:07 - 9:09
    抑制しようとし
    それが最善策だと思っていますが
  • 9:09 - 9:12
    他人と一緒に仕事をする上で
  • 9:12 - 9:14
    実際には驚くべき結果をもたらしています
  • 9:15 - 9:21
    驚きの3つめは
    おそらく最も意義深いものです
  • 9:21 - 9:25
    先ほどの感動的なセッションで
    バリー・シュワルツが述べていたことに
  • 9:25 - 9:27
    少し関連します
  • 9:27 - 9:30
    私たちは社会の重要性を
    完全に誤解しています
  • 9:30 - 9:32
    職務記述書が良い例です
  • 9:32 - 9:34
    私たちは脳の社会性を理解していません
  • 9:34 - 9:37
    脳の大部分が力を注いでいるのは
    社会的な交流です
  • 9:37 - 9:39
    生まれて10~12年の間 私たちは
  • 9:39 - 9:41
    社会なくして生きられないからです
  • 9:41 - 9:44
    ちょうど狼が鋭い嗅覚を持っているように
  • 9:44 - 9:48
    私たちには社会の動向を感知する
    鋭い感覚が備わっています
  • 9:48 - 9:49
    実に驚くべきことです
  • 9:49 - 9:52
    脳の観点からすると社会の重要性は
  • 9:52 - 9:56
    物質的な重要性と同じだということが
    わかってきています
  • 9:56 - 9:59
    命に関わる脅威を感じると
    脳内では
  • 9:59 - 10:01
    非常に強い反応が示されますが
  • 10:01 - 10:05
    他人の目に映る自分という認識において
    たとえば―
  • 10:05 - 10:08
    地位に関わる脅威を感じると
    皆さんの脳は
  • 10:08 - 10:10
    命を脅かされたかのような
    反応を示します
  • 10:10 - 10:12
    「意見があるんだけど」なんて
    言われると
  • 10:12 - 10:15
    誰でも「大変だ!」となって
    お腹のあたりが
  • 10:15 - 10:18
    嫌な感じになりますよね
    これがその理由です
  • 10:18 - 10:21
    組織における業績評価が
    最悪で厳しく感じられるのも うなづけます
  • 10:21 - 10:23
    脳は極めて社会的なものです
  • 10:23 - 10:27
    それは研究を進め 結果を蓄積して
    初めてわかります
  • 10:27 - 10:30
    肉体的な苦痛を感じる時と
    社会的苦痛を感じる時の
  • 10:30 - 10:31
    脳のネットワークは同じです
  • 10:31 - 10:35
    これはちょっと意外で奇抜な方法ですが
  • 10:35 - 10:39
    排斥や攻撃を受けていると感じたら
    タイレノールを飲んでください
  • 10:39 - 10:43
    鎮痛剤が社会的苦痛を軽減することは
    対象研究で確認されています
  • 10:43 - 10:46
    社会的苦痛には5つの要素があります
    [地位、確実性、自主性、関連性、公平]
  • 10:46 - 10:48
    これは私がまとめたのですが
  • 10:48 - 10:52
    社会的な苦痛または喜びは
    実は脳にとって目標なのです
  • 10:53 - 10:56
    誰かに たとえば「昇進」のような
    目標を持たせる時
  • 10:56 - 11:00
    実はその目標を脳の目標と
    同化させているのです
  • 11:00 - 11:01
    脳の目標というのは要するに
  • 11:01 - 11:05
    良い気分になり 報酬に近づくこと
    これはドーパミンの放出です
  • 11:05 - 11:09
    そして脅威を避けること
    これはコルチゾールの放出です
  • 11:09 - 11:12
    脳は私たちの状態が常に良くなることを
    望んでいます
  • 11:12 - 11:15
    私たちが周囲の状況を理解し
    確実だと感じられ
  • 11:15 - 11:18
    自主性を発揮する権利を持ち
    他者とのつながりに安心し
  • 11:18 - 11:22
    物事が公平であることを
    脳は望んでいるのです
  • 11:22 - 11:23
    ところが組織においては
  • 11:23 - 11:26
    多くの経営者がすることは
    間違いだらけです
  • 11:26 - 11:29
    経営者はやり方を変えろと言い
  • 11:29 - 11:32
    何を期待しているか明確に伝えず
    社員に選択権を与えず
  • 11:32 - 11:35
    社員を信頼せず心を開かず
    社員を不公平に扱います
  • 11:35 - 11:39
    脅威を並べまくって
    まさに社員の頭を悪くしているのです
  • 11:39 - 11:41
    でも これを動機付けに使えばいいんです
  • 11:41 - 11:44
    「よくやった」と声をかけるだけで
    金銭的な報酬と同程度の
  • 11:44 - 11:49
    報酬系の活性化をもたらすと
    証明した研究があります
  • 11:49 - 11:52
    公平であるという感覚や
  • 11:52 - 11:55
    公平性の高まりなどの社会的な報酬も
    活性化をもたらします
  • 11:55 - 11:58
    組織内で社会的公正に関する
    プログラムを取り入れると
  • 11:58 - 12:00
    社員が報われたと感じるのは
    このためです
  • 12:00 - 12:02
    このように脳の働きの元を理解することは
  • 12:02 - 12:04
    私たちが社会全体を良くしていく上で
  • 12:04 - 12:07
    極めて重要な目標だと思います
  • 12:07 - 12:10
    これは何百という論文を
  • 12:10 - 12:14
    1つの枠組みにまとめ上げた―
  • 12:14 - 12:15
    SCARF(スカーフ)というモデルです
  • 12:15 - 12:18
    一目でわかりますから
    覚えやすいでしょう
  • 12:18 - 12:20
    そして気づくようになりますよ
  • 12:20 - 12:22
    「そうか 私はあの人の地位を
    脅かしてしまったんだ
  • 12:22 - 12:26
    それで話が支離滅裂になってるんだな
    じゃあちょっと鎮めるとしよう」
  • 12:26 - 12:29
    脳についての驚きの一部を
    ご紹介してきました
  • 12:30 - 12:34
    私たちの注意はごく限られており
    私たちは感情の働きを誤解していて
  • 12:35 - 12:39
    社会そのものや社会の重要性に対して
    認識を誤っています
  • 12:39 - 12:42
    驚きの最後は注意そのものが
    脳に変化をもたらすということです
  • 12:42 - 12:46
    体験の ある特定の側面に集中して
    注意を向けていると
  • 12:46 - 12:48
    記憶に深く残ったり 回路ができたりします
  • 12:48 - 12:51
    変化を起こす上で
    これにはさまざまな意義があります
  • 12:51 - 12:54
    どこに注意を集中させるか
    よく考えたほうがいいですよ
  • 12:54 - 12:57
    何に注意し 過去か未来か
    どこへ向かうか考えましょう
  • 12:57 - 12:59
    つまり注意を利用してどうするか
  • 12:59 - 13:02
    そこに気づくためには
    じっくり考えなければなりません
  • 13:03 - 13:04
    とてもお話ししきれません
  • 13:04 - 13:08
    この世で最も複雑なものについて
    12~3分で話すなんて
  • 13:08 - 13:10
    おかしなことです
  • 13:10 - 13:14
    理由の4つめ
    これが最も意義があり重要だと思います
  • 13:14 - 13:17
    組織であれ学校であれ
    人間関係においてさえ
  • 13:17 - 13:18
    脳について教えたり
  • 13:18 - 13:22
    脳について学んだりするのはなぜか
    その4つめです
  • 13:22 - 13:25
    なぜ大いに役に立つか
    深い理由です
  • 13:25 - 13:27
    自分の脳について理解が深まると
  • 13:27 - 13:31
    自分の体験について理解できるようになり
    選択肢が増えます
  • 13:31 - 13:34
    事態が展開する前に
    察知できるようになります
  • 13:34 - 13:36
    そのタイミングは大変興味深いものです
  • 13:36 - 13:41
    これが究極的には
    マインドフルネスをもたらします
  • 13:41 - 13:44
    自分の言動を
    自分で観察できるようになります
  • 13:44 - 13:45
    シカゴで会った女性のようにね
  • 13:45 - 13:48
    少し離れて自分を観察できるようになると
  • 13:48 - 13:50
    より思慮深くなっていきます
  • 13:50 - 13:55
    驚くべきことに これによって
    より親身で深く思いやれるようにもなります
  • 13:56 - 13:59
    先週 マインドフル活動の創始者との
    会食がありました
  • 13:59 - 14:03
    大変重要な人物
    ダニエル・シーゲルです
  • 14:03 - 14:05
    彼は最近ダライ・ラマと同席したそうです
  • 14:05 - 14:07
    こんな話をしてくれました
    受け売りですが
  • 14:07 - 14:08
    確かにうなずけました
  • 14:08 - 14:09
    ダライ・ラマは言いました
  • 14:09 - 14:12
    「多くの人々に
    本当に優しさにあふれ
  • 14:12 - 14:16
    互いを思いやる人生をもたらすことに
    宗教は成功していません
  • 14:16 - 14:22
    マインドフルネス 延いては思いやりの心を
    全人類に広げるための研究を
  • 14:24 - 14:27
    科学的に もう少し進めてほしいと
    願っています」
  • 14:27 - 14:30
    最後に 哲学者セオドア・ゼルディンが問う
    難題をご紹介します
  • 14:30 - 14:34
    「いつになったら私たちは
    テクノロジーの世界で見せたのと同じ躍進を
  • 14:34 - 14:36
    人付き合いでも見せるのだろうか」
  • 14:36 - 14:39
    私はテクノロジーの躍進が大好きです
    実に素晴らしいです
  • 14:39 - 14:41
    その話なら何時間でもできます
  • 14:41 - 14:43
    しかし私たちは人付き合いにおいて
  • 14:43 - 14:45
    ここ30年、50年、100年の間
    ほぼ進歩していません
  • 14:45 - 14:48
    そろそろ そこに目を向け
    実際に変化を起こす―
  • 14:48 - 14:49
    そういう時期ではないでしょうか
  • 14:49 - 14:51
    ありがとうございました
  • 14:51 - 14:52
    (拍手)
Title:
脳を知れば、すべてが変わる | デイビッド・ロック | TEDxTokyo
Description:

デイビッド・ロックは、自分の脳について理解を深めるべきだと語ります。それによって私たちは自分や他人を客観的に見ることができるようになり、自分の持つ潜在的な可能性を発揮させやすくなるのです。
このビデオはTEDカンファレンスとは独立して運営されるTEDxイベントにおいて収録されたものです。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
14:55

Japanese subtitles

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