[Script Info] Title: [Events] Format: Layer, Start, End, Style, Name, MarginL, MarginR, MarginV, Effect, Text Dialogue: 0,0:00:08.30,0:00:10.09,Default,,0000,0000,0000,,なぜ自分が実在すると\N思いますか? Dialogue: 0,0:00:10.09,0:00:12.96,Default,,0000,0000,0000,,聞かれるまで\N疑ったこともない問いです Dialogue: 0,0:00:12.96,0:00:14.68,Default,,0000,0000,0000,,真剣に考えてみましょう Dialogue: 0,0:00:14.68,0:00:17.40,Default,,0000,0000,0000,,自分が実在すると\Nどうやったら分るのでしょうか? Dialogue: 0,0:00:17.40,0:00:23.04,Default,,0000,0000,0000,,その問いに答えるため\Nルネ・デカルトは『省察』で Dialogue: 0,0:00:23.04,0:00:29.21,Default,,0000,0000,0000,,自身の先入観や 意見を廃し\N基礎に立ち返るところから始めました Dialogue: 0,0:00:29.21,0:00:32.52,Default,,0000,0000,0000,,デカルトの知識のすべては\N世界の知覚から来ています Dialogue: 0,0:00:32.52,0:00:33.77,Default,,0000,0000,0000,,あなたも同じですよね? Dialogue: 0,0:00:33.77,0:00:37.53,Default,,0000,0000,0000,,あなたは このビデオを目で見\N耳で聞いている自分の存在を知ります Dialogue: 0,0:00:37.53,0:00:40.30,Default,,0000,0000,0000,,あなたの五感は世界を\Nありのままに映します Dialogue: 0,0:00:40.30,0:00:43.34,Default,,0000,0000,0000,,あなたを欺きませんが\N時として欺くのです Dialogue: 0,0:00:43.34,0:00:46.27,Default,,0000,0000,0000,,遠くにいる人を\N他の誰かと間違えたり Dialogue: 0,0:00:46.27,0:00:50.67,Default,,0000,0000,0000,,取れると思ったフライのボールが\N目の前の地面に落ちたりします Dialogue: 0,0:00:50.67,0:00:54.79,Default,,0000,0000,0000,,でもこの時に 眼前に広がる世界が\N実在することが分かります Dialogue: 0,0:00:54.79,0:00:57.39,Default,,0000,0000,0000,,あなたの目や手や体\Nそれがあなたなのです Dialogue: 0,0:00:57.39,0:01:01.23,Default,,0000,0000,0000,,狂った人々が否定したとしても\Nあなたは自分が狂っていないと知っています Dialogue: 0,0:01:01.23,0:01:04.10,Default,,0000,0000,0000,,そのことに疑いを抱く人々は\N夢を見ているに違いありません Dialogue: 0,0:01:04.10,0:01:06.62,Default,,0000,0000,0000,,いや 夢を見ているとしたら\Nどうなるのでしょうか? Dialogue: 0,0:01:06.62,0:01:08.11,Default,,0000,0000,0000,,夢を実在のものと感じます Dialogue: 0,0:01:08.11,0:01:12.58,Default,,0000,0000,0000,,ベッドで横になっていても\N泳いでいる 飛んでいる Dialogue: 0,0:01:12.58,0:01:15.31,Default,,0000,0000,0000,,あるいは 素手で怪物を撃退している\Nと思うのです Dialogue: 0,0:01:15.31,0:01:18.43,Default,,0000,0000,0000,,いえいえ 目覚めている時は\N目覚めていると分かりますが Dialogue: 0,0:01:18.43,0:01:21.78,Default,,0000,0000,0000,,でも 目覚めていないと\N目覚めていないことが分かりません Dialogue: 0,0:01:21.78,0:01:25.25,Default,,0000,0000,0000,,だから あなたは夢を見ているのではないと\N証明できません Dialogue: 0,0:01:25.25,0:01:29.05,Default,,0000,0000,0000,,おそらく 自らを知覚する体が\Nそこにはありません Dialogue: 0,0:01:29.05,0:01:31.99,Default,,0000,0000,0000,,現実のすべてが Dialogue: 0,0:01:31.99,0:01:36.46,Default,,0000,0000,0000,,時間 形 色 数などの抽象的概念でさえ\N偽りであり Dialogue: 0,0:01:36.46,0:01:40.83,Default,,0000,0000,0000,,すべてが悪い霊の成せる所業かもしれません Dialogue: 0,0:01:40.83,0:01:41.98,Default,,0000,0000,0000,,いいえ 違います Dialogue: 0,0:01:41.98,0:01:46.89,Default,,0000,0000,0000,,デカルトは 悪い霊があなたを騙し 現実感が\N実在であると思わせるのだという考えを Dialogue: 0,0:01:46.89,0:01:50.58,Default,,0000,0000,0000,,反証できるか尋ねました Dialogue: 0,0:01:50.58,0:01:53.99,Default,,0000,0000,0000,,この悪い霊に\N騙されたのかもしれません Dialogue: 0,0:01:53.99,0:01:56.79,Default,,0000,0000,0000,,この世界 それを知覚するあなた\Nそしてあなたの体 Dialogue: 0,0:01:56.79,0:02:01.84,Default,,0000,0000,0000,,それらの存在を反証できませんし\Nそれなくして あなたは存在できたでしょうか? Dialogue: 0,0:02:01.84,0:02:04.51,Default,,0000,0000,0000,,存在できませんでしたし\Nできないのです Dialogue: 0,0:02:04.51,0:02:10.55,Default,,0000,0000,0000,,人生は夢の如し ずっと陽気に\N船の櫓を漕ぐわけではありませんね? Dialogue: 0,0:02:10.55,0:02:17.47,Default,,0000,0000,0000,,騙された人や存在しない間抜けのように\N疲れきって櫓を漕いでいるのです Dialogue: 0,0:02:17.47,0:02:19.04,Default,,0000,0000,0000,,説得力がありましたか? Dialogue: 0,0:02:19.04,0:02:20.31,Default,,0000,0000,0000,,納得しましたか? Dialogue: 0,0:02:20.31,0:02:23.50,Default,,0000,0000,0000,,納得いかないのなら 良し\N納得したのなら さらに良しです Dialogue: 0,0:02:23.50,0:02:29.30,Default,,0000,0000,0000,,納得することで\N説得されたことが分かるのです Dialogue: 0,0:02:29.30,0:02:31.77,Default,,0000,0000,0000,,何かを考えているのなら\Nあなたは無になれません Dialogue: 0,0:02:31.77,0:02:34.40,Default,,0000,0000,0000,,たとえ無について考えている\Nとしてもです Dialogue: 0,0:02:34.40,0:02:37.79,Default,,0000,0000,0000,,たとえ何を考えようとも\N物事を考えているからです Dialogue: 0,0:02:37.79,0:02:42.19,Default,,0000,0000,0000,,そのことをデカルトは「われ思う 故に我あり」と言いました Dialogue: 0,0:02:42.19,0:02:44.47,Default,,0000,0000,0000,,あなたも同じです