WEBVTT 00:00:01.268 --> 00:00:04.853 アメリカ北西部 ― 00:00:04.853 --> 00:00:07.727 カナダ国境のすぐ近くに 00:00:07.727 --> 00:00:11.553 モンタナ州 リビーという 小さな町があります 00:00:11.553 --> 00:00:16.038 松林と湖 そして 00:00:16.038 --> 00:00:20.761 美しい野生動物と ― 00:00:20.761 --> 00:00:26.099 天まで届く様な 巨大な木々に囲まれています 00:00:26.099 --> 00:00:29.618 こんな環境に囲まれた 小さな町 リビーを 00:00:29.618 --> 00:00:33.963 訪れたのですが なんだか寂しい所で 00:00:33.963 --> 00:00:36.360 孤島のようでした NOTE Paragraph 00:00:36.360 --> 00:00:40.012 リビーにはゲイラ・ ベネフィールドという ― 00:00:40.012 --> 00:00:42.039 個性的な女性がいます 00:00:42.039 --> 00:00:44.402 ロシア系の彼女は 00:00:44.402 --> 00:00:46.966 人生のほとんどを この町で暮らして来ましたが 00:00:46.966 --> 00:00:49.414 常に自分は どこか人と違うと 感じていました 00:00:49.414 --> 00:00:51.047 学生時代 女子で機械製図を選択したのは 00:00:51.047 --> 00:00:52.820 学生時代 女子で機械製図を選択したのは 00:00:52.820 --> 00:00:56.174 彼女だけだったと 私に話してくれました NOTE Paragraph 00:00:56.174 --> 00:01:00.072 その後 ゲイラは就職し 家を一軒ずつ回って ― 00:01:00.072 --> 00:01:04.182 ガスや電気の計量メーターを 検針する仕事を始めました 00:01:04.182 --> 00:01:07.182 昼の仕事でしたが 00:01:07.182 --> 00:01:10.609 彼女が気になったのは 00:01:10.609 --> 00:01:14.715 昼間なのに男達が 家にいることでした 00:01:14.715 --> 00:01:19.105 それも40~50歳代の 中年の人たちで 00:01:19.105 --> 00:01:24.548 かなりの人々が 酸素ボンベをつけていました 00:01:24.548 --> 00:01:27.311 彼女は何か変だと思いました 00:01:27.311 --> 00:01:30.922 数年後 ゲイラの父親が 59才で亡くなりました 00:01:30.922 --> 00:01:34.852 年金の受け取りが始まる わずか5日前のことでした 00:01:34.852 --> 00:01:35.940 鉱夫だったので 00:01:35.940 --> 00:01:41.382 きつい仕事の結果だと ゲイラは思いました NOTE Paragraph 00:01:41.382 --> 00:01:45.114 ところがその数年後 今度は母親が亡くなります 00:01:45.114 --> 00:01:48.131 母の死は一層奇妙に思えました 00:01:48.131 --> 00:01:50.965 なぜなら母親の一族は 00:01:50.965 --> 00:01:54.826 永久に生きると思うほど 長生きの家系だったのです 00:01:54.826 --> 00:01:58.395 実際 ゲイラの伯父さんは 今も元気で 00:01:58.395 --> 00:02:00.569 ワルツを習っています 00:02:00.569 --> 00:02:04.004 自分の母親が若くして亡くなる ― 00:02:04.004 --> 00:02:06.458 理由が見つかりませんでした 00:02:06.458 --> 00:02:10.702 その死は「異常」だったので ゲイラは悩んだのです 00:02:10.702 --> 00:02:12.758 考えるうちに いろいろ思い出しました 00:02:12.758 --> 00:02:14.486 例えば こんな事がありました 00:02:14.486 --> 00:02:17.585 母が足を骨折して病院に行った時 ― 00:02:17.585 --> 00:02:19.360 レントゲン写真を何枚も撮られました 00:02:19.360 --> 00:02:22.315 2枚の足の写真は当然としても 00:02:22.315 --> 00:02:27.125 胸部の写真が 6枚もあるのは不可解でした NOTE Paragraph 00:02:27.125 --> 00:02:30.107 彼女は自分と両親の人生の あらゆる瞬間を 00:02:30.107 --> 00:02:32.483 思い出しながら考えて 00:02:32.483 --> 00:02:36.484 自分が目にしたものを 理解しようとしました NOTE Paragraph 00:02:36.484 --> 00:02:38.195 自分の町のことを考えました 00:02:38.195 --> 00:02:41.183 町にはバーミキュライトの 鉱山がありました 00:02:41.183 --> 00:02:44.016 バーミキュライトを 土壌改良土として使うと 00:02:44.016 --> 00:02:47.296 植物は より早く大きく成長します 00:02:47.296 --> 00:02:50.354 屋根裏の断熱にも使われました 00:02:50.354 --> 00:02:53.001 大量に屋根裏に入れると 00:02:53.001 --> 00:02:56.852 長いモンタナの冬でも 暖かく過ごせるのです 00:02:56.852 --> 00:02:59.219 バーミキュライトは 公園にも 00:02:59.219 --> 00:03:00.615 フットボール場にも 00:03:00.615 --> 00:03:03.105 スケートリンクにも ありました 00:03:03.105 --> 00:03:06.934 ゲイラは この問題に取り組んで初めて バーミキュライトに 00:03:06.934 --> 00:03:14.019 非常に有害なアスベストが 含まれていた事を知りました NOTE Paragraph 00:03:14.019 --> 00:03:15.798 謎を解いた彼女は 00:03:15.798 --> 00:03:18.704 皆に伝えようとしました 00:03:18.704 --> 00:03:21.371 何が起きていたのか そして ― 00:03:21.371 --> 00:03:24.441 彼女の両親や酸素ボンベをつけて 昼間も家にいる人々が 00:03:24.441 --> 00:03:27.602 どんな仕打ちにあってきたか 00:03:27.602 --> 00:03:29.003 ところが彼女は驚愕します 00:03:29.003 --> 00:03:31.456 皆が事実を知れば 何かが始まると思っていたのに 00:03:31.456 --> 00:03:34.297 誰も知りたがらなかったのです 00:03:34.297 --> 00:03:36.412 この話を近所の人や友人や 00:03:36.412 --> 00:03:38.849 コミュニティーの皆に 00:03:38.849 --> 00:03:41.977 伝えようとすればするほど 嫌がられるようになり 00:03:41.977 --> 00:03:43.893 とうとう住民の一部が 00:03:43.893 --> 00:03:45.692 ステッカーを作って 誇らしげに車に貼るほどでした 00:03:45.692 --> 00:03:48.960 ステッカーを作って 誇らしげに車に貼るほどでした 00:03:48.960 --> 00:03:51.106 こんなステッカーです 00:03:51.106 --> 00:03:56.646 「故郷はモンタナ州 リビー でもアスベスト症には かかってない」 NOTE Paragraph 00:03:56.646 --> 00:04:00.026 それでもゲイラは あきらめず調査を続けました 00:04:00.026 --> 00:04:03.217 インターネットの普及が 調査を後押ししました 00:04:03.217 --> 00:04:05.237 できるだけ誰とでも話し ― 00:04:05.237 --> 00:04:08.512 論争を重ねるうちに とうとう幸運をつかみます 00:04:08.512 --> 00:04:10.712 ある研究者が鉱山史の調査で 町を訪れることを知ったのです 00:04:10.712 --> 00:04:13.146 ある研究者が鉱山史の調査で 町を訪れることを知ったのです 00:04:13.146 --> 00:04:16.288 彼女はその人に話をしました 00:04:16.288 --> 00:04:18.559 最初は信じてもらえませんでしたが 00:04:18.559 --> 00:04:20.876 その研究者がシアトルに戻って 00:04:20.876 --> 00:04:25.362 調査する過程で 話が本当だとわかったのです NOTE Paragraph 00:04:25.362 --> 00:04:29.424 こうして仲間が出来ました 00:04:29.424 --> 00:04:32.014 それでも住民は知ろうとしません 00:04:32.014 --> 00:04:35.738 彼らの言い分はこうです 「そんなに危険だったら ― 00:04:35.738 --> 00:04:38.771 誰かが教えてくれるはずだ」 00:04:38.771 --> 00:04:41.793 「それが皆が死んでいく 本当の理由だとしたら ― 00:04:41.793 --> 00:04:46.369 医者が警告したはずだ」 00:04:46.369 --> 00:04:49.745 過酷な労働に慣れた 男達はこう言いました 00:04:49.745 --> 00:04:51.556 「犠牲者になんて 00:04:51.556 --> 00:04:53.574 絶対になりたくない ― 00:04:53.574 --> 00:05:00.507 でも どんな産業にも 事故はつきものさ」 NOTE Paragraph 00:05:00.507 --> 00:05:04.313 それでもゲイラはあきらめず とうとう ― 00:05:04.313 --> 00:05:06.925 町に連邦政府機関を呼んで 00:05:06.925 --> 00:05:11.213 住民1万5千人の 健康診断に こぎつけたのです 00:05:11.213 --> 00:05:15.941 それでわかったことは 00:05:15.941 --> 00:05:19.360 この町の死亡率が 00:05:19.360 --> 00:05:25.418 アメリカ全体の死亡率の 80倍にも上ることでした 00:05:25.418 --> 00:05:29.434 2002年のことでした でもその時でさえ 00:05:29.434 --> 00:05:33.124 進んで警告を発する人は 誰一人いませんでした 00:05:33.124 --> 00:05:37.439 「あなたの孫が遊んでいる 公園を調べてごらん ― 00:05:37.439 --> 00:05:42.143 バーミキュライトだらけだよ」 などと言う人はいませんでした NOTE Paragraph 00:05:42.143 --> 00:05:45.210 これは無知のせいではありません 00:05:45.210 --> 00:05:47.979 「意図的な無視」によるものです 00:05:47.979 --> 00:05:51.458 意図的な無視とは法律用語で 00:05:51.458 --> 00:05:54.392 知り得るだけでなく 知るべき情報なのに 00:05:54.392 --> 00:05:57.862 知らずに済まそうとする場合 ― 00:05:57.862 --> 00:06:00.608 法律上は意図的な無視と見なされます 00:06:00.608 --> 00:06:04.383 知らずにいることを 自分から選択したのです 00:06:04.383 --> 00:06:08.782 最近 意図的な無視の例が 身の回りにたくさん見られます 00:06:08.782 --> 00:06:11.633 お金のない人々に 00:06:11.633 --> 00:06:14.690 住宅ローンを売りつける人が 何千人もいるのは 00:06:14.690 --> 00:06:16.398 銀行による意図的な無視です 00:06:16.398 --> 00:06:18.056 金利が操作されていると 00:06:18.056 --> 00:06:20.220 誰もが知りながら わざと放置していたのも 00:06:20.220 --> 00:06:22.632 誰もが知りながら わざと放置していたのも 00:06:22.632 --> 00:06:25.806 銀行の意図的な無視です 00:06:25.806 --> 00:06:29.230 カトリック教会内の児童虐待が 何十年にも渡り 00:06:29.230 --> 00:06:33.851 放置されていたのも 意図的な無視です 00:06:33.851 --> 00:06:36.146 意図的な無視は 00:06:36.146 --> 00:06:40.657 イラク戦争の 準備段階でも見られました 00:06:40.657 --> 00:06:44.296 このように意図的な無視は 大規模に存在する一方 ― 00:06:44.296 --> 00:06:47.191 ごく小規模のものが 00:06:47.191 --> 00:06:51.119 家族や家庭やコミュニティー または 00:06:51.119 --> 00:06:56.597 組織や団体にも見られます 00:06:56.597 --> 00:07:00.839 企業の意図的な無視を 調査する時には 00:07:00.839 --> 00:07:03.122 こんな質問をします 00:07:03.122 --> 00:07:05.948 「職場に社員が指摘するのを 00:07:05.948 --> 00:07:09.378 恐れる様な問題がありますか」 00:07:09.378 --> 00:07:11.570 研究者がアメリカの企業を対象に 調査したところ ― 00:07:11.570 --> 00:07:13.890 研究者がアメリカの企業を対象に 調査したところ ― 00:07:13.890 --> 00:07:19.138 こうした質問に 85%の人が「はい」と答えました 00:07:19.138 --> 00:07:22.146 85%もの人が 問題の存在を知りながら 00:07:22.146 --> 00:07:24.221 何も言わないのです 00:07:24.221 --> 00:07:27.608 私がヨーロッパで 同じ質問項目を使って 00:07:27.608 --> 00:07:30.270 同じ調査をしたところ ― 00:07:30.270 --> 00:07:33.360 まったく同じ割合になりました 00:07:33.360 --> 00:07:37.411 85%です とても多くの沈黙 ― 00:07:37.411 --> 00:07:39.493 とても多くの無視です 00:07:39.493 --> 00:07:42.939 面白いと思ったのは スイスの企業に行くと 00:07:42.939 --> 00:07:46.555 「これはスイス特有の問題です」 と言われ 00:07:46.555 --> 00:07:50.755 ドイツに行けば 「これはドイツ病です」と言われ 00:07:50.755 --> 00:07:53.027 イギリスの企業では 00:07:53.027 --> 00:07:56.804 「イギリス人が苦手とする ところです」と言われます 00:07:56.804 --> 00:08:01.474 でも本当は 人間固有の問題なのです 00:08:01.474 --> 00:08:07.839 環境がそろうと私達は誰でも 意図的に無視します NOTE Paragraph 00:08:07.839 --> 00:08:10.323 調査で明らかになったのは 00:08:10.323 --> 00:08:13.992 恐怖や報復への恐れから 無視する人もいれば 00:08:13.992 --> 00:08:17.367 目を向ける事は無駄で 00:08:17.367 --> 00:08:19.785 どうせ何も変わらないから 00:08:19.785 --> 00:08:21.641 無視する人もいることです 00:08:21.641 --> 00:08:24.455 例えばイラク戦争に抗議しても 00:08:24.455 --> 00:08:26.225 何も変わらない やるだけ無駄 00:08:26.225 --> 00:08:30.767 見ない方がいいと思うのです NOTE Paragraph 00:08:30.767 --> 00:08:33.766 私が繰り返し耳にするのは 00:08:33.766 --> 00:08:36.245 人々のこんな言葉です 00:08:36.245 --> 00:08:39.745 「目を向ける人々は タレ込み屋で 00:08:39.745 --> 00:08:42.369 奴らがどうなるか 誰だって知っている」 00:08:42.369 --> 00:08:46.418 内部告発する人については 根深い誤解があります 00:08:46.418 --> 00:08:50.731 まず彼らは 「頭がおかしい」という誤解です 00:08:50.731 --> 00:08:53.044 私が世界中を巡って ― 00:08:53.044 --> 00:08:56.231 内部告発者と話して 気づいたのは 00:08:56.231 --> 00:09:00.986 彼らが とても誠実で 保守的な人も多いことです 00:09:00.986 --> 00:09:04.891 自分が所属する団体への 深い忠誠心を持っています 00:09:04.891 --> 00:09:07.198 彼らが声をあげる理由 ― 00:09:07.198 --> 00:09:10.080 目を逸らすまいとする理由は 00:09:10.080 --> 00:09:13.577 その団体を心から大切に思い 00:09:13.577 --> 00:09:17.163 健全であってほしいと 願っているからです NOTE Paragraph 00:09:17.163 --> 00:09:19.326 内部告発者について 00:09:19.326 --> 00:09:22.554 こんなことも言われます 「奴らの活動は無意味だ 00:09:22.554 --> 00:09:25.123 奴らの身に何が起こったか 見るがいい 00:09:25.123 --> 00:09:26.437 潰されてしまうんだ 00:09:26.437 --> 00:09:30.179 誰だってそんな経験は したくないだろう」 00:09:30.179 --> 00:09:33.506 一方 告発者達に話を聞くと 00:09:33.506 --> 00:09:38.666 彼らの口調には 常にプライドがあります NOTE Paragraph 00:09:38.666 --> 00:09:41.051 例えば ジョー・ダービーです 00:09:41.051 --> 00:09:44.503 誰もがアブグレイブ刑務所の 写真を覚えているでしょう 00:09:44.503 --> 00:09:48.225 世界を震撼させ イラクで行われた戦争が 00:09:48.225 --> 00:09:50.889 どんなものだったかを 示したのです 00:09:50.889 --> 00:09:53.900 でもジョー・ダービーは 記憶にあるでしょうか 00:09:53.900 --> 00:09:57.396 従順で優秀な兵士だった彼が 00:09:57.396 --> 00:10:02.159 例の写真を発見して 告発したのです 00:10:02.159 --> 00:10:05.877 彼の言葉です 「私は他人を 売るような人間ではありません 00:10:05.877 --> 00:10:10.103 でも もう最後の一線を 超えていました 00:10:10.103 --> 00:10:12.199 知らない方が身のためだと 00:10:12.199 --> 00:10:15.927 言われましたが そんな事には耐えられません」 NOTE Paragraph 00:10:15.927 --> 00:10:18.962 イギリスの医師 スティーブ・ボルシンとも話しました 00:10:18.962 --> 00:10:23.268 彼が5年に渡って 人々に知らせようとしたのは 00:10:23.268 --> 00:10:28.291 赤ちゃんを殺していた 危険な外科医のことでした 00:10:28.291 --> 00:10:30.217 彼にきっかけを尋ねると 00:10:30.217 --> 00:10:34.449 こう答えてくれました 「私の背中を押したのは娘なんです 00:10:34.449 --> 00:10:36.713 ある晩 娘が来て言ったんです 00:10:36.713 --> 00:10:40.142 『パパ 子ども達を死なせないで』って」 NOTE Paragraph 00:10:40.142 --> 00:10:42.893 シンシア・トーマスは ― 00:10:42.893 --> 00:10:46.878 とても誠実な 軍人の娘であり妻です 00:10:46.878 --> 00:10:49.830 彼女は イラク戦争から帰還した ― 00:10:49.830 --> 00:10:54.132 友人や親せきに会って 00:10:54.132 --> 00:10:56.020 彼らの精神状態のひどさと 00:10:56.020 --> 00:11:00.051 心的外傷後ストレス症候群を 軍が認めようとしないことに 00:11:00.051 --> 00:11:02.715 衝撃を受けました 00:11:02.715 --> 00:11:08.323 そこで軍人ばかりの町の 真ん中にカフェをオープンして 00:11:08.323 --> 00:11:13.953 法律面 精神面 医療面での 支援を始めました 00:11:13.953 --> 00:11:16.893 彼女はこんなことを言っていました 00:11:16.893 --> 00:11:20.686 「私はいつも 将来 何になりたいか ― 00:11:20.686 --> 00:11:22.974 わからないと言ってきました 00:11:22.974 --> 00:11:27.467 でも この仕事を始めて ― 00:11:27.467 --> 00:11:32.484 自分が変わったことに 気づきました」 NOTE Paragraph 00:11:32.484 --> 00:11:35.780 今 私達は様々な 自由を享受しています 00:11:35.780 --> 00:11:37.736 苦労の末 手にした自由です 00:11:37.736 --> 00:11:41.204 例えば検閲を恐れず 書いたものを出版する自由 ― 00:11:41.204 --> 00:11:44.979 以前 ここハンガリーに 来た時には存在しなかった自由です 00:11:44.979 --> 00:11:47.465 そして投票の自由 ― 特に女性にとっては 00:11:47.465 --> 00:11:49.944 闘わなければ 得られませんでした 00:11:49.944 --> 00:11:52.792 いろいろな人種や文化背景 ― 00:11:52.792 --> 00:11:57.782 性的志向をもつ人々が 望み通りに生きる自由・・・ 00:11:57.782 --> 00:12:02.616 でも自由は行使しなければ 存在しません 00:12:02.616 --> 00:12:04.957 ゲイラ・ベネフィールドのような 00:12:04.957 --> 00:12:07.524 内部告発者達の行いは 00:12:07.524 --> 00:12:12.130 自分達の持つ自由を 行使することに他なりません 00:12:12.130 --> 00:12:15.612 彼らは起こりうる事態への 覚悟を決めています 00:12:15.612 --> 00:12:18.242 「これから議論が起こり 00:12:18.242 --> 00:12:21.234 隣人や同僚や友人達と 00:12:21.234 --> 00:12:25.223 言い争うことになるだろうが 00:12:25.223 --> 00:12:28.445 こんな争いにも強くなろう」 00:12:28.445 --> 00:12:30.788 「否定的な人々の相手もしよう 00:12:30.788 --> 00:12:35.708 彼らが 私の主張をもっと優れた 強固なものにするのだから」 00:12:35.708 --> 00:12:38.140 「よりよい活動にするために 00:12:38.140 --> 00:12:42.622 反対の立場の人とも協力しよう」 00:12:42.622 --> 00:12:45.444 彼らはとても粘り強く 00:12:45.444 --> 00:12:50.347 強い忍耐力をもち 00:12:50.347 --> 00:12:55.818 無視も沈黙もしないと 決意しています NOTE Paragraph 00:12:55.818 --> 00:12:59.011 私はモンタナ州 リビーに行った時 ― 00:12:59.011 --> 00:13:02.372 アスベスト症診療所を訪れました 00:13:02.372 --> 00:13:06.293 ゲイラ・ベネフィールドのおかげで 生まれたものです 00:13:06.293 --> 00:13:09.173 最初は治療を必要として 00:13:09.173 --> 00:13:12.415 助けを求めに来た人でさえ 00:13:12.415 --> 00:13:15.045 裏口から入ることがありました 00:13:15.045 --> 00:13:17.530 彼女が正しいと 認めたくなかったのです 00:13:17.530 --> 00:13:19.975 彼女が正しいと 認めたくなかったのです 00:13:19.975 --> 00:13:23.148 私が食堂の席から 外を眺めていると 00:13:23.148 --> 00:13:27.176 幹線道路をトラックが 行き来するのが見えました 00:13:27.176 --> 00:13:31.430 家々の庭から土を運び出し 00:13:31.430 --> 00:13:38.342 汚染のない新しい土と 入れ替えていたのです NOTE Paragraph 00:13:38.342 --> 00:13:40.602 私は12才の娘を連れて行きました 00:13:40.602 --> 00:13:43.989 ゲイラに会わせようと思ったのです NOTE Paragraph 00:13:43.989 --> 00:13:46.905 「なんで?」と娘が聞くので NOTE Paragraph 00:13:46.905 --> 00:13:49.090 私はこう言いました 00:13:49.090 --> 00:13:53.377 「ゲイラは映画スターでも セレブでも専門家でもないし 00:13:53.377 --> 00:13:56.115 ゲイラ自身が言うとおり ― 00:13:56.115 --> 00:13:59.059 聖人なんかじゃない 00:13:59.059 --> 00:14:02.199 でも彼女が普通の人だということが 00:14:02.199 --> 00:14:04.866 とっても大事なの 00:14:04.866 --> 00:14:09.692 彼女は私達と同じ 普通の人 ― 00:14:09.692 --> 00:14:15.655 自由を持っていて それを行使しようとした」 NOTE Paragraph 00:14:15.655 --> 00:14:17.154 ありがとうございました NOTE Paragraph 00:14:17.154 --> 00:14:21.878 (拍手)