WEBVTT

00:00:00.717 --> 00:00:05.434
パデュー大学の進化生物学者
ウィリアム・ミューアが

00:00:05.434 --> 00:00:07.130
ニワトリの研究をしました

00:00:07.310 --> 00:00:09.279
彼は生産性に関心を抱きました

00:00:09.279 --> 00:00:11.599
皆さんも関心をお持ちでしょう

00:00:11.599 --> 00:00:14.937
ニワトリの場合は測定が簡単で
卵を数えるだけです

00:00:14.937 --> 00:00:16.527
（笑)

00:00:16.527 --> 00:00:19.944
ミューアはニワトリの生産性を高める
要因を知るため

00:00:19.944 --> 00:00:22.990
見事な実験法を考案しました

00:00:22.990 --> 00:00:27.378
ニワトリは群れで生活するため
まず 普通の群れを１つだけ選び

00:00:27.378 --> 00:00:30.778
その群れを６世代の間 
孤立させました

00:00:30.778 --> 00:00:32.967
次に ２つ目の群れを作りました

00:00:32.967 --> 00:00:35.575
最も生産性の高いニワトリを集め―

00:00:35.575 --> 00:00:38.270
仮にスーパーチキンと呼びましょう―

00:00:38.270 --> 00:00:40.377
こうしてエリート群を作り

00:00:40.377 --> 00:00:45.145
世代交代するごとに最も多産な
ニワトリだけを選抜しました

NOTE Paragraph

00:00:45.415 --> 00:00:48.109
６世代後

00:00:48.109 --> 00:00:49.877
結果はどうだったでしょうか？

00:00:49.877 --> 00:00:53.548
１つ目の普通のグループは
とてもよくやっていました

00:00:53.548 --> 00:00:56.074
全てのニワトリが丸々とし
羽も生え揃っていました

00:00:56.074 --> 00:00:58.502
そして 産卵数も
劇的に増加しました

00:00:58.702 --> 00:01:00.819
２つ目のグループはどうかというと

00:01:01.089 --> 00:01:03.503
３羽を残して全滅でした

00:01:03.823 --> 00:01:06.413
他のニワトリを
つついて殺したからです

00:01:06.413 --> 00:01:07.990
（笑）

00:01:07.990 --> 00:01:13.661
個々で多産なニワトリが
成功した理由は

00:01:13.661 --> 00:01:18.164
他のニワトリの生産性を
抑圧したために他ならなかったのです

NOTE Paragraph

00:01:18.830 --> 00:01:22.525
さて 私は世界中を回って
このことについて語り

00:01:22.525 --> 00:01:24.907
あらゆる種類の組織や企業で
この話をしましたが

00:01:24.907 --> 00:01:27.353
話を聞いた人は
すぐに自分との関連性に気づき

00:01:27.353 --> 00:01:29.659
私にこう訴えます

00:01:29.659 --> 00:01:32.750
「そのスーパーチキンの群は 私の企業だ」

00:01:32.750 --> 00:01:34.715
（笑）

00:01:34.715 --> 00:01:38.226
あるいは「私の国だ」

00:01:38.226 --> 00:01:40.428
または「私の人生だ」と

NOTE Paragraph

00:01:40.798 --> 00:01:44.722
私はこれまでの人生でずっと 
出世には競争せよと言われてきました

00:01:44.722 --> 00:01:48.874
良い学校に入り 良い仕事に就き 
トップに上り詰めろと

00:01:49.244 --> 00:01:52.492
でもそれを聞いて
ピンときたことはありませんでした

00:01:52.492 --> 00:01:57.365
起業や経営をしてきましたが
それは創意工夫が楽しいからです

00:01:57.365 --> 00:02:00.595
また頭脳明晰で創造性豊かな
人々と働くことは

00:02:00.595 --> 00:02:02.075
それ自体が恩恵なのです

00:02:02.755 --> 00:02:08.395
また上下関係や スーパーチキン
スーパースターには

00:02:08.395 --> 00:02:10.966
やる気が出ませんでした

00:02:11.276 --> 00:02:13.220
しかし 過去50年の間

00:02:13.220 --> 00:02:17.452
私たちは 大抵の組織や
いくつかの社会を

00:02:17.452 --> 00:02:19.840
「スーパーチキン方式」で
運営してきました

00:02:19.960 --> 00:02:23.742
スーパースターを集めることで
成功できると考えてきたのです

00:02:23.742 --> 00:02:28.181
すなわち 最も優秀な男性や
時には女性を選抜し

00:02:28.181 --> 00:02:31.090
彼らにリソースや権限を全て
委ねることでした

00:02:31.430 --> 00:02:35.493
その結果は 
ウィリアム・ミューアの実験同様

00:02:35.493 --> 00:02:40.462
いがみ合い、機能不全
そして消耗でした

00:02:40.462 --> 00:02:44.732
最も生産性の高い人が
成功する唯一の方法が

00:02:44.732 --> 00:02:47.753
他者の生産性を
抑制することであるならば

00:02:47.753 --> 00:02:51.236
私たちには 切実に
それよりも良い働き方や

00:02:51.236 --> 00:02:54.190
より豊かな生き方を
見つけることが必要です

00:02:54.510 --> 00:02:58.921
(拍手)

NOTE Paragraph

00:02:58.921 --> 00:03:02.915
では ある集団を
他の集団よりも

00:03:02.915 --> 00:03:06.390
明らかに成功し より生産的な集団に
変える要因は何か？

00:03:06.700 --> 00:03:09.974
これを あるMITのチームが
研究課題としました

00:03:09.974 --> 00:03:12.400
彼らはボランティアを数百人集め

00:03:12.400 --> 00:03:15.894
複数のチームに分けて
非常に難しい課題を与えました

00:03:15.894 --> 00:03:18.515
結果は皆さんの期待どおり

00:03:18.515 --> 00:03:21.931
他よりも はるかに好成績を
上げるチームが現れました

00:03:21.931 --> 00:03:25.461
でも とても興味深いことに
好成績を上げたチームは

00:03:25.461 --> 00:03:28.108
とびきり高いIQの保持者が

00:03:28.108 --> 00:03:31.149
１人か２人いるチームではなく

00:03:31.149 --> 00:03:34.748
また全員のIQの総和が最高という

00:03:34.748 --> 00:03:37.117
チームでもありませんでした

00:03:37.117 --> 00:03:42.991
そのかわり 好成績だったチームには
３つの特徴がありました

00:03:42.991 --> 00:03:48.723
第１に お互いに高い
社会的感受性を示していたことです

00:03:48.723 --> 00:03:52.232
「目で相手の心を読む検査（RMET）」で
これを測定することができます

00:03:52.232 --> 00:03:54.717
共感性の検査として
広く認知されています

00:03:54.717 --> 00:03:57.104
そしてこの検査で
高得点を出したチームは

00:03:57.104 --> 00:03:58.864
実験成績も良かったのです

00:03:58.864 --> 00:04:03.972
第２に 好成績チームではメンバーに
均等に時間が配分され

00:04:03.972 --> 00:04:06.317
全ての人が意見でき

00:04:06.317 --> 00:04:09.103
仕事をさぼる人も
いませんでした

00:04:09.103 --> 00:04:11.820
そして第３に 好成績なチームほど

00:04:11.820 --> 00:04:14.165
女性がたくさんいました

00:04:14.165 --> 00:04:16.161
（拍手）

00:04:16.161 --> 00:04:20.437
ではこれは
女性は一般的に

00:04:20.437 --> 00:04:22.310
RMETで高得点を取るから

00:04:22.310 --> 00:04:25.037
共感でポイントを
倍稼げるためでしょうか？

00:04:25.037 --> 00:04:27.795
それとも 女性が多様な視点を
もたらしたからでしょうか？

00:04:27.795 --> 00:04:31.951
理由はよく分かりませんが
この実験の印象深いところは

00:04:31.951 --> 00:04:36.380
私たちの予想通り 
チームごとの成績に差が出ましたが

00:04:36.380 --> 00:04:39.071
その鍵となったのが

00:04:39.071 --> 00:04:42.598
社会的なつながりでした

NOTE Paragraph

00:04:43.763 --> 00:04:46.375
では これが実社会でどんな
展開をもたらすか？

00:04:46.375 --> 00:04:51.716
人との関わりの中で起こることが
非常に重要だということなんです

00:04:51.716 --> 00:04:55.644
うまく調和のとれている
感受性の高いチームの中では

00:04:55.644 --> 00:04:58.780
アイディアが湧きやすく
発展できるからです

00:04:58.780 --> 00:05:02.978
行き詰まって 無駄な労力を
消耗することもありません

NOTE Paragraph

00:05:02.978 --> 00:05:07.562
例えば 世界的に成功した
エンジニアリング企業 アラップ社が

00:05:07.692 --> 00:05:10.134
あるとき 馬術センターの建設を
受注しました

00:05:10.134 --> 00:05:12.000
北京オリンピックのためです

00:05:12.000 --> 00:05:13.826
この施設は極度に神経質な

00:05:13.826 --> 00:05:19.120
サラブレッド種の馬を
2500頭 収容せねばなりません

00:05:19.120 --> 00:05:21.209
しかも長時間の空輸のため

00:05:21.209 --> 00:05:24.692
時差ぼけがひどく
絶好調とは言えない状態です

00:05:24.692 --> 00:05:28.104
そこで技術者が直面した問題は

00:05:28.104 --> 00:05:32.050
どれだけの排泄物が出るかでした

00:05:32.540 --> 00:05:37.184
エンジニアリングの学校では
こんなことは教えてくれません—（笑）—

00:05:37.184 --> 00:05:40.388
しかも これは 
絶対失敗したくないことです

00:05:40.388 --> 00:05:43.853
技術者は 何ヶ月もかけて
獣医と議論したり 調査したり

00:05:43.853 --> 00:05:45.884
表計算を繰り返してもよかったのですが

00:05:45.884 --> 00:05:48.799
そうするかわりに 助けを求めました

00:05:48.799 --> 00:05:53.285
ニューヨークの乗馬クラブを設計した
人物を見つけ出したのです

00:05:53.285 --> 00:05:57.634
その日のうちに問題は解決しました

00:05:57.634 --> 00:06:00.191
アラップ社は
助け合いの文化こそが

00:06:00.191 --> 00:06:03.069
成功の秘訣だと信じています

NOTE Paragraph

00:06:03.279 --> 00:06:07.400
助け合いという言葉は
正直言って 頼りなく聞こえますが

00:06:07.400 --> 00:06:11.498
助け合いこそが
成功を収めるチームの核心であり

00:06:11.498 --> 00:06:16.777
助け合いの方がいつも
個人の知力に勝るのです

00:06:16.807 --> 00:06:20.312
助け合えば 
全部を知る必要はなくなります

00:06:20.322 --> 00:06:25.600
助け合いの得意な人の中で
仕事を行えばよいだけです

00:06:25.600 --> 00:06:31.501
SAP社では どんな質問にも
17分以内で答えられるといいます

00:06:32.131 --> 00:06:35.126
でも 私が今まで働いてきた
ハイテク企業の１社たりとも

00:06:35.126 --> 00:06:40.561
それを 技術の問題とは
微塵も考えませんでした

00:06:40.571 --> 00:06:45.041
助け合いを推進するのは
互いを知ることだからです

00:06:45.771 --> 00:06:50.782
これは当たり前すぎて
普通に起こると思いがちですが

00:06:50.782 --> 00:06:52.410
そうではありません

00:06:52.410 --> 00:06:55.704
私は 初めてソフトウェア企業を
経営したとき

00:06:55.704 --> 00:06:57.738
経営が行き詰まりそうになりました

00:06:57.738 --> 00:07:01.523
いさかいは沢山ありましたが
特にそれ以外の問題はありませんでした

00:07:01.523 --> 00:07:06.399
次第に分かってきたのは 
優秀で独創的な従業員たちが

00:07:06.399 --> 00:07:08.364
お互いを知らないことでした

00:07:08.364 --> 00:07:12.241
自分の仕事に集中するあまり

00:07:12.241 --> 00:07:15.020
自分の隣りのデスクの人すら
知りませんでした

00:07:15.020 --> 00:07:18.541
そして 私の主張により
仕事の手を休めて

00:07:18.541 --> 00:07:21.125
互いを知る時間を
設けるようになってようやく

00:07:21.125 --> 00:07:24.223
経営に弾みがついたのでした

00:07:24.923 --> 00:07:27.509
これは20年前の話ですが
今 私が訪問する企業では

00:07:27.509 --> 00:07:30.311
デスクへのコーヒー持ち込みを
禁止しています

00:07:30.311 --> 00:07:34.305
なぜなら社員に
コーヒーマシーンを囲んで

00:07:34.305 --> 00:07:36.139
会話してもらいたいからです

00:07:36.139 --> 00:07:38.647
スウェーデン語には
これを表す特別な単語があります

00:07:38.647 --> 00:07:42.007
「フィーカ」と呼ばれ
コーヒー休憩以上の意味があります

00:07:42.007 --> 00:07:45.613
一体となって回復するという
意味合いがあります

00:07:45.613 --> 00:07:48.724
合衆国メイン州の企業
アイデックス社では

00:07:48.724 --> 00:07:51.516
敷地内に野菜畑があり

00:07:51.516 --> 00:07:53.908
社内の様々な部署からの社員が

00:07:53.908 --> 00:07:58.644
共同作業を行うことで
事業の全体像を把握できます

00:07:58.644 --> 00:08:00.989
みんなして おかしくなったのでしょうか？

00:08:00.989 --> 00:08:04.542
まったく逆です 
状況が厳しくなったとき—

00:08:04.542 --> 00:08:06.585
まあ厳しくなるのが常ですが—

00:08:06.585 --> 00:08:09.301
特に非常に重要な
画期的事業の場合はなおさら—

00:08:09.301 --> 00:08:11.972
必要なのは 仲間同士の支えであり

00:08:11.972 --> 00:08:15.199
誰に助けを求めるべきか
知っていることだと理解したのです

00:08:15.199 --> 00:08:19.936
アイディアを生むのは
企業ではなく 人です

00:08:19.936 --> 00:08:22.536
そして人にやる気をもたらすのは

00:08:22.536 --> 00:08:27.030
相互間で育んだ絆であり
忠誠心であり信頼関係です

00:08:27.566 --> 00:08:31.260
重要なのはレンガだけではなく

00:08:31.260 --> 00:08:33.688
それをつなぐモルタルです

NOTE Paragraph

00:08:34.299 --> 00:08:36.273
そしてこれをひっくるめて

00:08:36.273 --> 00:08:39.431
社会資本と呼びます

00:08:39.431 --> 00:08:44.039
社会資本は
自立しながら支え合う信頼関係です

00:08:44.039 --> 00:08:48.471
この言葉は非常時に
著しい回復を見せた—

00:08:48.471 --> 00:08:52.739
コミュニティを研究していた
社会学者によるものです

00:08:53.409 --> 00:08:57.960
社会資本は
企業経営に弾みをつけ

00:08:57.960 --> 00:09:03.362
社会資本は
逆境に強い企業を作ります

00:09:04.182 --> 00:09:06.442
では 具体的に何を
意味するのでしょうか？

00:09:06.672 --> 00:09:10.759
時間こそ全てということです

00:09:10.759 --> 00:09:15.426
社会資本は
時間とともに成長するからです

00:09:15.426 --> 00:09:19.064
よって 長く共同作業をしたチームほど
良いチームができる理由は

00:09:19.064 --> 00:09:26.041
率直で気の置けない信頼関係を
築くには時間がかかるからです

00:09:26.461 --> 00:09:29.925
時間が価値を生み出すのです

00:09:30.625 --> 00:09:32.878
アレックス・ペントランドは
ある企業に対し

00:09:32.878 --> 00:09:35.594
コーヒー休憩を一斉に取って

00:09:35.594 --> 00:09:39.495
社員同士が話す機会を設けるよう
助言したところ

00:09:39.495 --> 00:09:42.978
利益が1500万ドル増加し

00:09:42.978 --> 00:09:46.832
社員満足度も10％上昇しました

00:09:46.832 --> 00:09:49.933
社会資本からの見返りとしては
まずまずです

00:09:49.933 --> 00:09:53.960
使った分だけ 膨れ上がります

00:09:53.960 --> 00:10:00.022
これは 馴れ合いの話でもなければ
怠け者を免責するものでもありません

00:10:00.022 --> 00:10:04.656
このような働き方をする人は
どこかイライラしやすく

00:10:04.656 --> 00:10:08.690
忍耐強さに欠け 非常に
自己中心的な傾向があります

00:10:08.690 --> 00:10:12.450
それが彼らなりの貢献だからです

00:10:12.450 --> 00:10:17.979
お互い率直な物言いをしても安全なので
しばしば衝突が生じますが

00:10:18.280 --> 00:10:23.681
このようにして 良いアイディアが
卓越したアイディアになるのです

00:10:23.681 --> 00:10:26.571
最初から完璧なアイディアは
存在しません

00:10:26.571 --> 00:10:29.900
アイディアは 新生児のように

00:10:29.900 --> 00:10:34.669
まとまりなく混乱した状態で
無限の可能性を持って生まれます

00:10:34.669 --> 00:10:40.610
そして 惜しみなく育み
信じて鍛え上げることによってのみ

00:10:40.610 --> 00:10:43.892
その潜在能力を開花させられるのです

00:10:43.892 --> 00:10:48.205
そして それを支えるのが社会資本です

NOTE Paragraph

00:10:49.455 --> 00:10:52.228
私たちは才能や独創性について

00:10:52.228 --> 00:10:56.198
こういった形で
語ることには慣れていません

00:10:56.198 --> 00:10:59.932
スターについては
語り慣れていますけどね

00:11:00.262 --> 00:11:04.371
そこで私が疑問に思ったのは
このような働き方を始めると

00:11:04.371 --> 00:11:06.595
スターがいなくなるのでは
ないでしょうか？

00:11:07.445 --> 00:11:09.805
そこで私は 英国王立劇芸術院へ

00:11:09.805 --> 00:11:13.661
オーディション見学に行きました

00:11:13.661 --> 00:11:17.026
そこで見た光景に驚きました

00:11:17.026 --> 00:11:21.786
審査員が求めていたのは
個々の華麗さではありません

00:11:21.786 --> 00:11:26.476
求められていたのは 
演技者の間のやり取りでした

00:11:26.476 --> 00:11:30.586
ドラマが生まれるのは
そこだからです

00:11:30.586 --> 00:11:32.875
また ヒットアルバムの
プロデューサーは

00:11:32.875 --> 00:11:36.103
「確かに音楽界にはたくさんの
スーパースターはいます

00:11:36.103 --> 00:11:39.220
でも 長続きしません」
と言いました

00:11:39.220 --> 00:11:43.220
長いキャリアを積むことができるのは
傑出した共同制作者なのです

00:11:43.220 --> 00:11:47.642
他者から最高のものを引き出すのは
自己の中に最高のものを見つけるのと

00:11:47.642 --> 00:11:49.076
同じだからです

00:11:49.686 --> 00:11:52.115
また 創意工夫と独創性で有名な

00:11:52.115 --> 00:11:54.182
企業を訪問しましたが

00:11:54.182 --> 00:11:57.107
スーパースターはいませんでした

00:11:57.107 --> 00:12:01.445
何故ならそこでは一人一人が
重要な存在だからです

00:12:01.445 --> 00:12:04.328
そして 私自身の経歴を振り返り

00:12:04.328 --> 00:12:08.252
卓越した人たちと働けた恩恵を思い返せば

00:12:08.252 --> 00:12:13.796
スーパーチキンを
目指すことをやめれば

00:12:13.796 --> 00:12:18.917
より多くを互いに与え合えるのにと
思ったのです

00:12:19.815 --> 00:12:24.970
（笑）（拍手）

00:12:24.970 --> 00:12:31.346
職場における社会性の真価に気がつけば

00:12:31.346 --> 00:12:34.443
必然的に多くが変化します

00:12:34.443 --> 00:12:38.530
才能を競わせるような企業経営は

00:12:38.530 --> 00:12:40.651
決まって社員間の対立を招いてきました

00:12:40.651 --> 00:12:45.625
これからは 競争心を社会資本に
置き換える必要があります

00:12:46.355 --> 00:12:49.480
何十年もの間 私たちは
人を金銭で動かしてきました

00:12:49.480 --> 00:12:52.360
金銭で社会的関係が損なわれる
という結果を

00:12:52.360 --> 00:12:56.271
膨大な数の研究が示してきたにも
かかわらずです

00:12:56.851 --> 00:13:02.186
経営者に必要なのは
社員が互いに励まし合うように導くことです

00:13:02.646 --> 00:13:07.570
長年 リーダーは
難題を全て独力で解決する

00:13:07.570 --> 00:13:10.726
孤高の英雄と考えられてきました

00:13:10.726 --> 00:13:14.278
私たちはリーダーシップを
再定義しなければなりません

00:13:14.278 --> 00:13:18.342
リーダーシップとは
環境条件を整えて

00:13:18.342 --> 00:13:23.920
全員が一丸となって 大胆に思考を
巡らすことができるようにすることです

NOTE Paragraph

00:13:23.920 --> 00:13:27.820
これが有効であると
私たちは知っています

00:13:28.210 --> 00:13:32.505
クロロフルオロカーボン（CFC）の全廃を
モントリオール議定書で呼びかけたとき

00:13:32.505 --> 00:13:36.847
CFCはオゾンホールの原因物質とされ

00:13:36.847 --> 00:13:39.032
危険性は計り知れないと言われていました

00:13:39.332 --> 00:13:41.571
CFCはあらゆるところに存在し

00:13:41.571 --> 00:13:44.890
代用品が見つかるかどうか
誰にもわかりませんでした

00:13:45.360 --> 00:13:50.671
でも あるチームがこの課題に挑み
３つの原則を採用しました

00:13:51.289 --> 00:13:54.647
第１は技術部門のリーダーだった
フランク・マスレンの言葉です

00:13:54.647 --> 00:13:57.980
このチームにはスターはおらず

00:13:57.980 --> 00:14:00.257
誰もが必要であり

00:14:00.257 --> 00:14:02.985
誰もが確かな視点を
持っているという考え方です

00:14:03.485 --> 00:14:07.711
第２は
考えうる限りの最高を目指すという

00:14:07.711 --> 00:14:10.310
唯一の基準で働くということ

00:14:10.590 --> 00:14:13.632
そして第３に マスレンは
上司のジェフ・タッドホープに

00:14:13.632 --> 00:14:15.605
干渉しないでくれと言いました

00:14:15.605 --> 00:14:18.856
権力が混乱を招くと
知っていたからです

00:14:18.856 --> 00:14:21.689
では タッドホープが
何もしなかったかというと

00:14:21.689 --> 00:14:23.430
そうではなく監視役として

00:14:23.430 --> 00:14:27.540
３つの原則が守られていることを
確認し続けたのです

00:14:28.190 --> 00:14:34.260
この難問に取り組む他社に先んじて

00:14:34.260 --> 00:14:37.518
問題を最初に解決したのです

00:14:37.738 --> 00:14:40.339
そして今日まで 
モントリオール議定書は

00:14:40.339 --> 00:14:46.060
過去に制定された
国際環境法案の中で

00:14:46.060 --> 00:14:47.982
最も成功したものとなりました

NOTE Paragraph

00:14:49.402 --> 00:14:51.940
リスクは過去にも山積し

00:14:51.940 --> 00:14:54.679
現在も山積しています

00:14:54.679 --> 00:14:59.207
それを 少数の超人が
解決してくれると期待しても

00:14:59.207 --> 00:15:01.808
問題解決は出来ないでしょう

00:15:01.808 --> 00:15:05.314
全ての人が必要なのです

00:15:05.314 --> 00:15:11.540
全ての人の価値を認めて初めて

00:15:11.540 --> 00:15:18.586
並外れて優れたものを
創り出すために必要な

00:15:18.586 --> 00:15:23.360
活力と想像力と推進力を
発揮できるのですから

NOTE Paragraph

00:15:23.360 --> 00:15:26.100
ありがとうございました

NOTE Paragraph

00:15:26.100 --> 00:15:30.100
（拍手）