WEBVTT 00:00:01.210 --> 00:00:03.046 私は中学生や高校生向けの 00:00:03.056 --> 00:00:05.266 技術工作の課題を考案しています 00:00:05.280 --> 00:00:08.520 よく 考えもつかないような材料を 使うことがあります 00:00:08.900 --> 00:00:12.856 インスピレーションの源は 私が日常で行きあたる問題です 00:00:12.880 --> 00:00:14.016 たとえば — 00:00:14.050 --> 00:00:18.140 コミック・コンベンションに行くため コスチュームが必要だった時 00:00:18.160 --> 00:00:20.160 あまり費用をかけたくなかったので 00:00:20.180 --> 00:00:22.000 自作しました 00:00:22.720 --> 00:00:24.776 冠とスカートは光らせました NOTE Paragraph 00:00:25.076 --> 00:00:26.280 (笑) NOTE Paragraph 00:00:26.640 --> 00:00:27.856 もう一つの例は 00:00:27.880 --> 00:00:30.290 ひどくショックな事件が あった時のことでした 00:00:30.330 --> 00:00:33.040 私の大好きなゲーム 『フラッピーバード』が 00:00:33.040 --> 00:00:35.036 販売中止になっていたのです NOTE Paragraph 00:00:35.056 --> 00:00:36.816 (笑) NOTE Paragraph 00:00:36.840 --> 00:00:38.420 私のジレンマは 00:00:38.440 --> 00:00:42.386 二度と携帯をアップデートしないか 二度と このゲームで遊ばないか でした NOTE Paragraph 00:00:42.386 --> 00:00:44.200 (笑) NOTE Paragraph 00:00:45.320 --> 00:00:47.310 どちらもイヤだったので 00:00:47.330 --> 00:00:49.700 自分にとって一番 理にかなったことをしました 00:00:49.760 --> 00:00:52.256 実物版『フラッピーバード』 を作ったんです 00:00:52.286 --> 00:00:54.486 これなら販売停止 なんてことはありません NOTE Paragraph 00:00:54.486 --> 00:00:56.140 (笑) NOTE Paragraph 00:00:57.070 --> 00:00:59.840 (ゲームオーバー) NOTE Paragraph 00:01:02.280 --> 00:01:03.920 (ビープ音) NOTE Paragraph 00:01:05.080 --> 00:01:06.616 (音楽) NOTE Paragraph 00:01:06.640 --> 00:01:08.440 (笑) NOTE Paragraph 00:01:09.100 --> 00:01:12.256 友達の中にも このゲームに かなりハマっている人がいたので 00:01:12.280 --> 00:01:14.480 遊んでみないかと誘ったんです NOTE Paragraph 00:01:14.820 --> 00:01:16.176 (ビデオ)友達:あーっ! NOTE Paragraph 00:01:16.200 --> 00:01:18.020 (笑) NOTE Paragraph 00:01:19.000 --> 00:01:20.616 (ビデオ)友達:何よこれっ! NOTE Paragraph 00:01:20.640 --> 00:01:21.656 (笑) NOTE Paragraph 00:01:21.680 --> 00:01:25.766 本物と同じように 頭に来るらしいです NOTE Paragraph 00:01:25.786 --> 00:01:27.016 (笑) NOTE Paragraph 00:01:27.040 --> 00:01:30.546 それでこの作品のビデオを ネットで公開したところ 00:01:30.546 --> 00:01:32.936 驚くことに 爆発的な人気を呼び 00:01:32.960 --> 00:01:36.106 ほんの数日で 再生回数は2百万を超えました NOTE Paragraph 00:01:36.136 --> 00:01:37.496 (笑) NOTE Paragraph 00:01:37.520 --> 00:01:40.806 これより さらに興味深かったのは 人々のコメントです 00:01:40.820 --> 00:01:43.176 多くの人が自分でも作りたいと 00:01:43.200 --> 00:01:45.056 作り方を尋ねて来たのです 00:01:45.080 --> 00:01:49.486 これは 課題を工夫することで 技術工作を教えられるという私の考えが 00:01:49.500 --> 00:01:51.820 肯定されたような気がしました NOTE Paragraph 00:01:52.390 --> 00:01:54.766 爆発人気を得たビデオからの収入で 00:01:54.766 --> 00:01:56.856 授業で 生徒たち全員に 自分の箱入りゲームを 00:01:56.880 --> 00:01:59.170 作らせることができました 00:01:59.640 --> 00:02:01.596 生徒たちには かなりの挑戦でしたが 00:02:01.606 --> 00:02:05.190 彼らは工学やプログラミングの 新しい概念を多く学びました 00:02:05.200 --> 00:02:08.616 ゲームを完成するためにはと みんな学ぶ意欲満々でした NOTE Paragraph 00:02:08.620 --> 00:02:09.919 (笑) NOTE Paragraph 00:02:10.440 --> 00:02:13.086 箱入り『フラッピーバード』を作る前からも 00:02:13.100 --> 00:02:18.616 創意工夫を凝らした工学課題を 授業に使うことは考えていました 00:02:18.640 --> 00:02:20.896 ある日 中学校での授業で 00:02:20.920 --> 00:02:25.736 よくある技術工作キットで ロボットを作るようにと言うと 00:02:25.760 --> 00:02:28.656 生徒たちの多くは つまらなさそうにしていました 00:02:28.680 --> 00:02:31.430 しばらくすると 数人の生徒が紙を取り出し 00:02:31.450 --> 00:02:33.096 ロボットを飾り始めました 00:02:33.120 --> 00:02:35.236 すると他の生徒たちも参加して 00:02:35.246 --> 00:02:37.730 課題にもっと関心を示していました 00:02:37.740 --> 00:02:41.156 ここから私は テクノロジーとは何か 生徒に知ってもらう方法を 00:02:41.166 --> 00:02:43.380 もっと工夫しようと模索を始めました 00:02:43.560 --> 00:02:47.660 学校にある 市販の 技術工作キットのほとんどは 00:02:47.660 --> 00:02:49.646 ちょっと取っつきにくいし 00:02:49.686 --> 00:02:53.190 プラスチック製で 思うようにカスタマイズできません 00:02:53.620 --> 00:02:56.176 その上 非常に高価で 00:02:56.200 --> 00:02:58.656 1キット何百ドルもします 00:02:58.680 --> 00:03:02.890 大抵の授業用の予算では まず 賄える訳がありません NOTE Paragraph 00:03:03.320 --> 00:03:04.986 他に何も見当たらなかったので 00:03:05.016 --> 00:03:07.016 自分で作ることにしました 00:03:07.040 --> 00:03:09.976 まず紙と布で始めました 00:03:10.000 --> 00:03:13.176 誰もが子供の頃から していたようなことです 00:03:13.200 --> 00:03:14.736 このような材料は安価ですし 00:03:14.770 --> 00:03:17.880 身の回りの どこにでもあります 00:03:18.200 --> 00:03:19.890 それで私が考案したのは 00:03:19.920 --> 00:03:24.530 布とギョロ目を使って 光るクリーチャーを作るという課題です 00:03:25.150 --> 00:03:27.476 作業中 生徒たちは協力し合い 笑ったりしながら 00:03:27.486 --> 00:03:29.696 その課題について 話し合っていました 00:03:29.730 --> 00:03:31.006 最も特筆すべきは 00:03:31.020 --> 00:03:34.260 生徒たちが自分の創意工夫を 生かせていたということです NOTE Paragraph 00:03:34.680 --> 00:03:36.736 この課題が成功したので 00:03:36.760 --> 00:03:39.430 私は 技術工作の課題を さらに作り続けました 00:03:39.470 --> 00:03:41.426 生徒たちに挑戦を与えるためです 00:03:41.466 --> 00:03:44.540 また このようなワークショップを 00:03:44.550 --> 00:03:46.866 学校外の地域内でも始めました 00:03:46.906 --> 00:03:49.176 すると面白いことに気がつきました 00:03:49.200 --> 00:03:52.276 経歴も本当に様々な たくさんの人々が 00:03:52.300 --> 00:03:54.616 やって来るようになったのです 00:03:54.780 --> 00:03:56.016 特に 00:03:56.040 --> 00:04:00.520 私が予想していたよりずっと多くの 女性やマイノリティの人々— 00:04:00.560 --> 00:04:04.920 従来の工学のワークショップでは 普通 見かけないような人々です NOTE Paragraph 00:04:05.280 --> 00:04:11.176 これは ある大手テクノロジー企業の 2016年の従業員構成です 00:04:11.200 --> 00:04:15.256 技術者のうち女性が占める割合は ほんの19%で 00:04:15.380 --> 00:04:18.850 元々の数も少ない マイノリティの人となると4%だけです 00:04:19.440 --> 00:04:21.489 これに似た人数比が見られるのは 00:04:21.509 --> 00:04:23.710 高校のロボット工学クラブや 00:04:23.730 --> 00:04:27.500 大学の工学系の授業です NOTE Paragraph 00:04:27.720 --> 00:04:31.470 さて 現存する 非常に様々な問題が原因となり 00:04:31.490 --> 00:04:36.416 エンジニア人口に 多様性が欠けてしまっています 00:04:36.440 --> 00:04:38.576 おそらく その解決法の1つは 00:04:38.580 --> 00:04:43.470 課題を工夫して テクノロジーに触れる機会を 生徒たちに与えることでしょう 00:04:43.880 --> 00:04:47.016 それだけで全て解決 という訳にはいきませんが 00:04:47.040 --> 00:04:49.116 テクノロジーの面白さを 00:04:49.140 --> 00:04:52.896 今までの教え方や先行イメージのせいで 関心の持てなかった生徒たちにも 00:04:52.920 --> 00:04:56.180 伝えるきっかけになるかもしれません NOTE Paragraph 00:04:56.760 --> 00:05:01.896 では どうすればテクノロジーに対する 見方を変えられるのでしょうか? 00:05:01.920 --> 00:05:06.536 ほとんどの生徒は 退屈で取っつきにくいと思っているので 00:05:06.560 --> 00:05:10.336 次の3原則を常に念頭に置いて 課題を考案しています 00:05:10.360 --> 00:05:12.856 まず敷居を下げること 00:05:12.880 --> 00:05:16.470 つまり取っつきやすい課題にする ということです 00:05:17.080 --> 00:05:19.856 この指導ビデオを見て下さい 00:05:19.880 --> 00:05:21.796 生徒たちに与えた最初の課題は 00:05:21.820 --> 00:05:24.260 紙の上に電気回路を作る というものでした 00:05:24.270 --> 00:05:26.856 ご覧のように 習得するのに それ程時間はかかりません 00:05:26.886 --> 00:05:29.550 初心者にも ごく簡単なものです 00:05:29.800 --> 00:05:31.700 敷居が低いというのは つまり 00:05:31.720 --> 00:05:37.516 資金不足で課題が完結できないような状況も 防げるということです 00:05:37.550 --> 00:05:41.566 この課題は 紙、銅テープ、 電球、電池を使って 00:05:41.566 --> 00:05:44.810 1ドル以下で完成することが可能です NOTE Paragraph 00:05:45.330 --> 00:05:48.736 2番目の原則は 天井を高くしておくこと 00:05:48.760 --> 00:05:51.900 これはつまり 大きく成長できる環境を作るということであり 00:05:51.930 --> 00:05:54.720 生徒たちには常に 挑戦が与えられているということです 00:05:55.400 --> 00:05:57.976 最初は 光るだけの クリーチャーだったとしても 00:05:58.000 --> 00:06:00.816 マイクロコントローラーや センサーなどを追加して 00:06:00.840 --> 00:06:04.576 周辺環境と作用し合うような プログラムに発展させたりもできます NOTE Paragraph 00:06:04.600 --> 00:06:05.976 (笑) NOTE Paragraph 00:06:06.000 --> 00:06:07.336 最後に 00:06:07.360 --> 00:06:09.816 第3の原則は カスタマイゼーション 00:06:09.840 --> 00:06:14.856 これは課題を 誰にとっても 関心を持てる内容にできるという意味です 00:06:14.880 --> 00:06:17.376 簡単に手に入る材料を使う 利点がここにあります 00:06:17.400 --> 00:06:20.880 紙や布を使って とても簡単に カスタマイズできますからね 00:06:21.160 --> 00:06:24.336 『フラッピーバード』なんて 好きじゃないという人でも 00:06:24.360 --> 00:06:26.680 自分のゲームを作ることができます NOTE Paragraph 00:06:27.330 --> 00:06:30.186 (ビデオ)生徒:私たちのは ジャスティン・ビーバーのゲーム 00:06:30.196 --> 00:06:32.936 だって彼はスピード違反しているから 00:06:32.956 --> 00:06:37.626 彼が警察に捕まらないようにするのが このゲームの目的 (笑) NOTE Paragraph 00:06:37.626 --> 00:06:40.000 [彼はもう十分笑い物に されているんじゃない?] NOTE Paragraph 00:06:40.000 --> 00:06:42.216 (ビデオ)生徒:でも 彼変わってきてるんで・・・ 00:06:42.230 --> 00:06:44.566 私たち 彼を守ってる仲間なんです NOTE Paragraph 00:06:44.586 --> 00:06:46.456 (笑) NOTE Paragraph 00:06:46.480 --> 00:06:47.976 ありがとうございます NOTE Paragraph 00:06:48.006 --> 00:06:50.343 (拍手)