WEBVTT 00:00:01.312 --> 00:00:03.954 マイケル・ブラウニングは エンジニアで 00:00:03.978 --> 00:00:05.538 イノベーター 00:00:05.562 --> 00:00:06.751 真の 発明家で 00:00:06.775 --> 00:00:08.014 私の憧れの父親でした 00:00:08.594 --> 00:00:11.142 飛ぶことに対する 彼の情熱はご覧の通り 00:00:11.166 --> 00:00:15.178 いささか怪しげな 1970年代の退職記念品でもわかります 00:00:15.691 --> 00:00:18.502 その記念品の約40年後 00:00:18.526 --> 00:00:20.093 仲間が数人集まって 00:00:21.140 --> 00:00:22.297 挑戦を始めました 00:00:22.321 --> 00:00:26.678 空を飛ぶという人類の長年の憧れに 00:00:26.702 --> 00:00:28.759 かなり異質なやり方で挑むのです 00:00:28.783 --> 00:00:31.468 その挑戦の旅を今からお話しします NOTE Paragraph 00:00:31.492 --> 00:00:34.710 まず 人間の精神と肉体についての 仮説が出発点です 00:00:34.734 --> 00:00:37.128 この数日TED会場で ご覧になったと思いますが 00:00:37.152 --> 00:00:38.971 人間は本当によくできているんです 00:00:38.995 --> 00:00:42.661 もしこの素晴らしいマシンを 適切なテクノロジーを用いて 00:00:42.685 --> 00:00:44.163 拡張したらどうなるか? 00:00:44.187 --> 00:00:46.522 現実的なアプローチで 空を飛ぼうとしたら 00:00:46.546 --> 00:00:47.798 どこまで到達できるか? NOTE Paragraph 00:00:47.822 --> 00:00:51.189 これは私の訓練パートナー ロンドンにいるデントン君の 00:00:51.213 --> 00:00:54.217 優れたわざです 私よりずっと上手です 00:00:54.241 --> 00:00:55.901 ご覧の通り ロンドンです 00:00:55.925 --> 00:00:58.589 アイデアは これの増強です 00:00:58.613 --> 00:01:00.167 どのように増強するか? 00:01:00.191 --> 00:01:01.685 こういうのを1つ買いました NOTE Paragraph 00:01:03.216 --> 00:01:05.127 小型のガス・タービンです 00:01:05.670 --> 00:01:07.768 これがスタート地点です 00:01:07.792 --> 00:01:10.941 この小さなキットが かなり良いと分かったので 00:01:10.965 --> 00:01:12.877 2台にして広いところに行きました 00:01:14.750 --> 00:01:17.851 ちなみにこの場の真のヒーローは ずばり私の後方にいる女性で 00:01:17.875 --> 00:01:19.784 野菜の世話をしています 00:01:19.808 --> 00:01:22.825 私たちを無視するという 良い仕事をやってのけています NOTE Paragraph 00:01:22.849 --> 00:01:24.664 (笑) NOTE Paragraph 00:01:25.829 --> 00:01:28.234 唯一残念なのは芝生です 00:01:28.258 --> 00:01:30.710 かなり傷めてしまったと思います NOTE Paragraph 00:01:30.734 --> 00:01:32.420 この動画で推力のほどが分かります 00:01:32.444 --> 00:01:35.070 私には水平が保てません 00:01:35.094 --> 00:01:36.968 約50キロの推力があります 00:01:37.402 --> 00:01:39.071 かなり手ごたえを感じて 00:01:39.095 --> 00:01:40.937 見込みがありそうだと思いました NOTE Paragraph 00:01:40.961 --> 00:01:43.498 ここから進むべき 合理的な道はただ1つです 00:01:44.393 --> 00:01:45.563 4台使うのです NOTE Paragraph 00:01:45.587 --> 00:01:47.444 (笑) NOTE Paragraph 00:01:50.798 --> 00:01:53.054 白状しますが 今見ても楽しいです NOTE Paragraph 00:01:53.078 --> 00:01:56.083 それから 熟慮して 負荷を分散させることにしました 00:01:56.107 --> 00:01:57.999 脚は負荷を支えるよう できているので 00:01:58.023 --> 00:01:59.982 使わない手はありません 00:02:00.975 --> 00:02:02.538 そこは良かったんですが 00:02:03.014 --> 00:02:04.397 ハーネスは 00:02:04.421 --> 00:02:06.322 アイデア倒れでした 00:02:06.346 --> 00:02:07.802 ご覧の通りです 00:02:08.112 --> 00:02:10.874 いつだって 何かを試しては NOTE Paragraph 00:02:10.898 --> 00:02:11.972 (笑) NOTE Paragraph 00:02:11.996 --> 00:02:13.795 ほらね うまく行きませんね NOTE Paragraph 00:02:13.819 --> 00:02:17.571 試しては 失敗から 学ぶことばかりでした 00:02:17.595 --> 00:02:21.956 失敗には転倒も含まれます 00:02:22.742 --> 00:02:25.027 お気づきでしょうか? ここでは5機使用 ― 00:02:25.051 --> 00:02:27.614 1機が修理中だからと 休んだりしないで 00:02:27.638 --> 00:02:28.793 実験を続けています NOTE Paragraph 00:02:28.817 --> 00:02:29.824 (笑) NOTE Paragraph 00:02:29.848 --> 00:02:31.511 ここで燃料チューブを傷つけました 00:02:31.514 --> 00:02:34.261 ここでもまた学習しました 同じ間違いはすまいと NOTE Paragraph 00:02:35.285 --> 00:02:36.485 これは行き止まりでした NOTE Paragraph 00:02:36.509 --> 00:02:37.536 (笑) NOTE Paragraph 00:02:37.560 --> 00:02:39.121 これは 両腕に3機ずつですが 00:02:39.145 --> 00:02:40.311 これは無茶です 00:02:40.335 --> 00:02:42.296 片腕に推力70キロですから 00:02:42.320 --> 00:02:43.913 1機ずつ外しました NOTE Paragraph 00:02:43.937 --> 00:02:45.584 (笑) NOTE Paragraph 00:02:45.608 --> 00:02:49.070 でも かなり納得できる進歩が出始めました 00:02:49.094 --> 00:02:51.428 これなら 多分おそらく 上手く行きそうだと 00:02:51.452 --> 00:02:52.757 思えるほどの進歩です 00:02:53.398 --> 00:02:55.107 ご覧ください 素敵でしょう? 00:02:55.587 --> 00:02:59.436 両脚に1機ずつ 腕に2機ずつという形は 00:02:59.460 --> 00:03:01.170 計算上は 十分な推力です 00:03:01.711 --> 00:03:04.844 そこから試したことを これからご覧に入れます 00:03:04.868 --> 00:03:07.030 今見ても 楽しいです 00:03:09.612 --> 00:03:14.248 これは 初めて 6秒間 安定して飛行できたところです NOTE Paragraph 00:03:15.300 --> 00:03:18.504 (拍手) NOTE Paragraph 00:03:19.983 --> 00:03:23.005 ここに来て初めて この取り組みが 00:03:23.029 --> 00:03:25.115 「うまく行くかどうか全くわからない」から 00:03:25.139 --> 00:03:26.640 「おや イケそう」になりました 00:03:26.664 --> 00:03:28.259 そこから改良を重ねて行きましたが 00:03:28.283 --> 00:03:30.146 引き続き転倒してばかりです 00:03:31.093 --> 00:03:34.180 言ったように 転倒したら 一番よくわかるんです 00:03:34.204 --> 00:03:37.902 しばらくして 全体の配置に 磨きがかかりました 00:03:37.926 --> 00:03:40.259 ご覧のように 安定性と制御性が上がりました 00:03:40.283 --> 00:03:42.113 ワイヤーも何もありません 00:03:42.137 --> 00:03:44.571 電子機器を入れた背中の プラスチック容器を含め 00:03:44.595 --> 00:03:47.798 私たちが技術的な改善をすると共に 00:03:47.822 --> 00:03:50.233 バランスと制御をよく学んだ結果です NOTE Paragraph 00:03:52.073 --> 00:03:54.726 皆さんの耳を守るため 次の映像は音を消して 00:03:54.750 --> 00:03:55.909 説明しましょう 00:03:55.933 --> 00:03:58.516 ジェットエンジンは音が ちょっとうるさいですからね 00:03:58.540 --> 00:03:59.942 これはほんの数週間前です 00:03:59.966 --> 00:04:02.891 ご覧の通り 安定性と制御性が 本当にかなり良くなりました 00:04:02.915 --> 00:04:06.365 これは最初の仮説の正しさを 証明していると思います 00:04:06.389 --> 00:04:11.101 その仮説は 人間の精神と肉体を適切に増強すれば 00:04:11.125 --> 00:04:12.911 かなり すごいことが達成できる というものでした 00:04:12.935 --> 00:04:14.508 それというのも 00:04:14.532 --> 00:04:17.496 この時点で私は 腕をどこに動かすかとか 考えていません 00:04:17.520 --> 00:04:20.554 自分が行きたい方向を見ると 00:04:20.578 --> 00:04:22.377 自転車に乗っているような感じで 00:04:22.401 --> 00:04:24.203 腕が勝手に動くんです 00:04:24.227 --> 00:04:25.792 とても不思議な体験でした NOTE Paragraph 00:04:25.816 --> 00:04:27.492 このプロジェクトの目標は何か? NOTE Paragraph 00:04:27.516 --> 00:04:29.252 これは着地シーンで 00:04:29.276 --> 00:04:31.296 うまく着地するはずです NOTE Paragraph 00:04:31.662 --> 00:04:34.586 私は 誰かがこの装置で ショッピングに行くとか 00:04:34.610 --> 00:04:37.495 子供を学校に送迎する日が すぐに来るとは考えていません 00:04:37.519 --> 00:04:40.385 でも我々グラビティ社のチームは すごい技術を築いて 00:04:40.409 --> 00:04:42.725 これが朝飯前に見えるように しようとしています 00:04:42.749 --> 00:04:44.098 私たちの取り組みは 00:04:44.122 --> 00:04:46.856 飛行という非凡な体験を 00:04:46.880 --> 00:04:49.922 イベントや見世物に留まらず もっと多くの人にもたらすことです 00:04:49.946 --> 00:04:52.428 第2 第3のパイロットも 探し始めていて 00:04:52.452 --> 00:04:53.697 ボランティア募集中です NOTE Paragraph 00:04:53.721 --> 00:04:54.919 目下の夢はこうです 00:04:54.943 --> 00:04:57.571 無謀かも知れませんが 粘り強く頑張れば 00:04:57.595 --> 00:04:59.873 いつの日か ビーチから上空に舞い上がって 00:04:59.897 --> 00:05:02.619 海岸線をあちこちと 今よりもう少し高く飛べるかも — 00:05:02.643 --> 00:05:05.911 そのための安全装備に 目下 取り組んでいます 00:05:05.935 --> 00:05:08.661 水平線から貨物室のハッチを 開いた輸送機が飛んできて 00:05:08.685 --> 00:05:10.750 機体が通り過ぎたら 速度をあげて 00:05:10.774 --> 00:05:12.229 輸送機に追い付いて 00:05:12.253 --> 00:05:14.903 後ろから ― 前からはお勧めしません ― 00:05:14.927 --> 00:05:16.561 後部に飛び乗りたいものです 00:05:16.585 --> 00:05:19.570 現時点では まだ先の話ですけどね NOTE Paragraph 00:05:19.594 --> 00:05:23.514 でも ここで 話を大きく前に戻すなら — 00:05:23.538 --> 00:05:26.125 これは 私にとって とても個人的な旅でもあります 00:05:27.352 --> 00:05:29.149 先ほどの愉しい写真 — 00:05:29.173 --> 00:05:31.338 絵の中の写真に話を戻します 00:05:31.362 --> 00:05:34.255 悲しいことに 私が15歳の時に 父は命を絶ちました 00:05:34.279 --> 00:05:37.247 かなえられなかった夢が たくさん残されました 00:05:37.271 --> 00:05:38.895 父は素晴らしい発明家であり 00:05:38.919 --> 00:05:40.300 独立独行のクリエイターでした 00:05:40.324 --> 00:05:42.500 私は思います もし — 00:05:42.500 --> 00:05:44.206 もし父が見下ろしていたら 00:05:44.206 --> 00:05:45.411 父はきっと 00:05:45.611 --> 00:05:48.497 私たちの来し方を見て 微笑んでくれるだろうと思います 00:05:48.500 --> 00:05:51.210 プロジェクトを父に捧げます NOTE Paragraph 00:05:51.214 --> 00:05:52.714 どうもありがとうございました NOTE Paragraph 00:05:52.560 --> 00:05:55.256 (拍手) NOTE Paragraph 00:05:56.088 --> 00:05:58.771 (本人音声) このあとで行うデモは 00:05:58.795 --> 00:06:00.333 多分話をするよりも 緊張します 00:06:00.357 --> 00:06:02.377 デモのためには やるべきことがいっぱいです 00:06:02.401 --> 00:06:04.690 考えられる最悪のシナリオは 上手くスタートできないことです NOTE Paragraph 00:06:04.714 --> 00:06:07.934 それか 飛行中に 想定外の失敗をすることです 00:06:07.958 --> 00:06:09.560 高く飛ばないのはそのためです 00:06:09.584 --> 00:06:13.071 だから悪くても バカみたいに尻餅をつくだけです 00:06:13.095 --> 00:06:15.106 でも みんなには その方が面白いかも NOTE Paragraph 00:06:15.130 --> 00:06:18.439 (音楽) NOTE Paragraph 00:06:36.174 --> 00:06:38.950 (高まるエンジン音) NOTE Paragraph 00:06:55.916 --> 00:06:56.399 (歓声)