WEBVTT 00:00:00.720 --> 00:00:02.136 こんにちは 私はエンジニアで 00:00:02.160 --> 00:00:04.136 ロボットを製作しています 00:00:04.160 --> 00:00:07.656 もちろん皆さんはロボットが どんなものかお分かりですね 00:00:07.680 --> 00:00:09.856 分からなければ検索してみると 00:00:09.880 --> 00:00:11.736 はっきりします 00:00:11.760 --> 00:00:13.000 ではやってみます 00:00:13.640 --> 00:00:16.376 検索するとこんな感じです 00:00:16.400 --> 00:00:19.576 色んな種類の ロボットがあるのですが 00:00:19.600 --> 00:00:23.336 これらは主に構造上 人型ロボットになっています 00:00:23.360 --> 00:00:25.016 如何にもロボットという感じです 00:00:25.040 --> 00:00:27.496 プラスチックや金属で出来ており 00:00:27.520 --> 00:00:29.816 モーターやギア等を 備えていますからね 00:00:29.840 --> 00:00:31.456 中には結構 親しみの湧く物もあり 00:00:31.480 --> 00:00:33.536 抱えて抱きしめたり 出来そうです 00:00:33.560 --> 00:00:34.976 そうでないものもあり 00:00:35.000 --> 00:00:37.456 『ターミネーター』から そのまま出てきたようです 00:00:37.480 --> 00:00:40.016 実際『ターミネーター』 そのものでしょう 00:00:40.040 --> 00:00:42.776 このロボットで ワクワクするような凄い事が 00:00:42.800 --> 00:00:44.416 沢山出来るのです NOTE Paragraph 00:00:44.440 --> 00:00:47.376 しかし私は 違う種類のロボットに着目し 00:00:47.400 --> 00:00:49.376 そんな物を作ってみたいと 思っています 00:00:49.400 --> 00:00:52.816 そこで私は人ではなく ある物から 00:00:52.840 --> 00:00:54.240 ヒントを得ました 00:00:54.680 --> 00:00:57.256 それは自然の中に 存在する生き物で 00:00:57.280 --> 00:00:59.856 私達には出来ない 実に凄い事をするのです 00:00:59.880 --> 00:01:02.376 現在あるロボットにも 出来ない事を― 00:01:02.400 --> 00:01:05.576 色々な事―床を這い回ったり 00:01:05.600 --> 00:01:07.856 菜園に入り作物を食べたり 00:01:07.880 --> 00:01:09.136 木に登ったり 00:01:09.160 --> 00:01:11.376 水に出入りしたり 00:01:11.400 --> 00:01:13.976 虫を捕まえて消化したりするのです 00:01:14.000 --> 00:01:15.816 実に興味深い事をします 00:01:15.840 --> 00:01:19.216 彼らは生き、呼吸をし、死に 00:01:19.240 --> 00:01:21.056 自然の中にある物を食します 00:01:21.080 --> 00:01:23.656 現存するロボットは実際 そんな事をしません 00:01:23.680 --> 00:01:24.896 こんな特性をいくらか 00:01:24.920 --> 00:01:28.576 未来のロボットに取り込めたら 大いに関心を集める課題を 00:01:28.600 --> 00:01:31.296 解決する手助けになるかも しれませんよね? 00:01:31.320 --> 00:01:34.376 現在の環境が抱える 2つの問題を見てみましょう 00:01:34.400 --> 00:01:37.136 その環境の下では これらの動植物から見出した 00:01:37.160 --> 00:01:39.176 テクノロジーや技術を使う事ができ 00:01:39.200 --> 00:01:40.736 問題解決の為には 00:01:40.760 --> 00:01:42.856 ロボットが使えるのです NOTE Paragraph 00:01:42.880 --> 00:01:45.240 2つの環境問題を 検討してみましょう 00:01:45.960 --> 00:01:47.376 両方共 私達が作り出した物で 00:01:47.400 --> 00:01:49.856 人が環境と関わる中で かなり不快な事態を 00:01:49.880 --> 00:01:52.256 引き起こしたと言える物です 00:01:52.280 --> 00:01:55.920 1つ目は人口の増加と 関連しています 00:01:56.440 --> 00:01:58.856 世界中の人口が急増する中で 00:01:58.880 --> 00:02:03.016 農家や農場は より多くの作物の生産を 求められるようになりました 00:02:03.040 --> 00:02:04.256 その為に農家は 00:02:04.280 --> 00:02:06.656 農地により多くの化学物質を 使うようになりました 00:02:06.680 --> 00:02:09.816 化学肥料や硝酸塩 殺虫剤等です 00:02:09.840 --> 00:02:13.216 それらは全て 穀物の生育を促す物ですが 00:02:13.240 --> 00:02:15.376 悪影響もあります 00:02:15.400 --> 00:02:18.856 その一例として 農地に化学肥料を与え過ぎると 00:02:18.880 --> 00:02:21.296 その全てが作物には行き届かず 00:02:21.320 --> 00:02:23.896 多くが土に留まり 00:02:23.920 --> 00:02:25.376 雨が降ると 00:02:25.400 --> 00:02:27.896 肥料は地下水面に流れ込み 00:02:27.920 --> 00:02:29.176 そして地下水面から 00:02:29.180 --> 00:02:33.920 流水となって湖や川に流れ込み 海へと流れて行くのです 00:02:34.400 --> 00:02:37.016 この化学肥料(硝酸塩)の全てが 00:02:37.040 --> 00:02:38.656 そうした環境に流れ込むと 00:02:38.680 --> 00:02:42.456 それに影響を受ける 生物がいるのです 00:02:42.480 --> 00:02:44.096 例えば藻類です 00:02:44.120 --> 00:02:46.656 藻類は硝酸塩や 化学肥料が好物なので 00:02:46.680 --> 00:02:48.776 そうした物質を 取り込み 00:02:48.800 --> 00:02:51.736 条件が整えば 繁殖し 00:02:51.760 --> 00:02:54.016 大量の新しい藻類が 増えるでしょう 00:02:54.040 --> 00:02:55.576 これをブルームと言います 00:02:55.600 --> 00:02:58.776 困った事に藻類が こうした形で繁殖すると 00:02:58.800 --> 00:03:01.040 水中の酸素が不足するのです 00:03:01.480 --> 00:03:02.736 この事態に陥ると即座に 00:03:02.760 --> 00:03:05.680 他の水中の生物は 生き残れなくなるのです 00:03:06.080 --> 00:03:08.096 では私達は何をすべきでしょう? 00:03:08.120 --> 00:03:12.136 藻類を食べ、それを消費し 安全な物にするロボットを 00:03:12.160 --> 00:03:14.016 試作しています 00:03:14.040 --> 00:03:15.400 それが1つ目の問題です NOTE Paragraph 00:03:15.960 --> 00:03:18.456 2つ目の問題も やはり人が生み出した物で 00:03:18.480 --> 00:03:20.360 石油による汚染と 関わりがあります 00:03:20.800 --> 00:03:24.536 石油は私達が使用する エンジンやボートから 00:03:24.560 --> 00:03:25.896 流出します 00:03:25.920 --> 00:03:28.976 時折 タンカーのオイルタンクから 海中にドッと漏れ出し 00:03:29.000 --> 00:03:31.256 石油が海に流れ込みます 00:03:31.280 --> 00:03:33.856 油田からの汚染を食べてしまう ロボットを使って 00:03:33.880 --> 00:03:38.600 この問題を 処理できれば良いですよね? 00:03:39.160 --> 00:03:40.776 これが私達の仕事です 00:03:40.800 --> 00:03:43.400 汚染物質を食べる ロボットを作るのです NOTE Paragraph 00:03:43.880 --> 00:03:45.216 実際そのロボットを作る為に 00:03:45.240 --> 00:03:47.440 2つの生物から ヒントを得ました 00:03:48.280 --> 00:03:50.416 右側にウバザメが見えます 00:03:50.440 --> 00:03:52.976 ウバザメは 大きな体つきをしています 00:03:53.000 --> 00:03:55.576 肉食ではないので 一緒に泳ぐ事が出来ます 00:03:55.600 --> 00:03:57.056 ご覧の通りです 00:03:57.080 --> 00:03:58.936 サメは口を大きく開けて 00:03:58.960 --> 00:04:01.800 水中を泳ぎ プランクトンを集めています 00:04:02.880 --> 00:04:05.096 動き回り続ける為にその体内で エネルギーを使っているのです 00:04:05.120 --> 00:04:08.640 そんなロボットが 私達に作れないものか 00:04:09.400 --> 00:04:11.256 海を泳ぎながら 汚染物質を食べ尽くす 00:04:11.280 --> 00:04:13.816 ウバザメのような― 00:04:13.840 --> 00:04:15.200 出来るかどうかやってみましょう 00:04:16.160 --> 00:04:17.896 別の生物からも ヒントを得ました 00:04:17.920 --> 00:04:20.976 ここにマツモムシの 写真があります 00:04:21.000 --> 00:04:24.886 本当に可愛らしい虫です 00:04:24.920 --> 00:04:26.496 水中で泳ぐ時 00:04:26.520 --> 00:04:29.000 ぺダルのような脚で 前に進みます NOTE Paragraph 00:04:29.600 --> 00:04:31.616 私達はこれら 2つの生物をヒントにして 00:04:31.640 --> 00:04:34.640 その両方を繋げ新種の ロボットを作ったのです 00:04:35.320 --> 00:04:38.496 実際この虫からヒントを得て 作ったので 00:04:38.520 --> 00:04:41.296 このロボットは水面に浮かび 00:04:41.320 --> 00:04:42.576 水面を漕ぎます 00:04:42.600 --> 00:04:44.816 "Row(漕ぐ)-bot(ロボット)" という名前です 00:04:44.840 --> 00:04:48.696 漕ぐロボットなのです 00:04:48.720 --> 00:04:51.416 どんなものでしょう? 00:04:51.440 --> 00:04:53.176 ここに何枚か Row-botの写真があります 00:04:53.200 --> 00:04:54.416 お見せしましょう 00:04:54.440 --> 00:04:57.776 最初に見たロボットとは 全く違っていますね 00:04:57.800 --> 00:04:59.936 グーグルは間違っています ロボットは 00:04:59.960 --> 00:05:01.176 むしろ こんな感じです NOTE Paragraph 00:05:01.200 --> 00:05:02.976 ここにRow-botを持って来ました 00:05:03.000 --> 00:05:04.416 お見せしますね 00:05:04.440 --> 00:05:06.096 大きさが分かるでしょうし 00:05:06.120 --> 00:05:08.256 他のロボットとは 違っていると分かるでしょう 00:05:08.280 --> 00:05:09.896 これはプラスチックで出来ています 00:05:09.920 --> 00:05:11.976 Row-botを構成しているパーツー 00:05:12.000 --> 00:05:13.316 これが何故特別なのか 00:05:13.340 --> 00:05:14.721 見てみましょう NOTE Paragraph 00:05:15.760 --> 00:05:18.576 Row-botは 3つのパーツから出来ていて 00:05:18.600 --> 00:05:21.896 それら3つは本当に 生物の一部のようです 00:05:21.920 --> 00:05:23.576 脳があり 00:05:23.600 --> 00:05:24.976 体があり 00:05:25.000 --> 00:05:27.296 胃があります 00:05:27.320 --> 00:05:29.736 エネルギーを生み出す為には 胃が必要なのです 00:05:29.760 --> 00:05:31.976 どのRow-botにも これら3つのパーツがありますが 00:05:32.000 --> 00:05:34.376 それはどんな生物も同様です 00:05:34.400 --> 00:05:36.296 では1つずつ見て行きましょう 00:05:36.320 --> 00:05:37.576 プラスチックで出来た 00:05:37.600 --> 00:05:39.376 体があり それは 00:05:39.400 --> 00:05:41.616 水面に浮かぶのです 00:05:41.640 --> 00:05:44.576 その側面に水かきがあります 00:05:44.600 --> 00:05:46.096 動く手助けとなるオールです 00:05:46.120 --> 00:05:47.480 まるでマツモムシのようです 00:05:48.200 --> 00:05:49.536 体はプラスチックですが 00:05:49.560 --> 00:05:52.416 ここには柔らかい ゴム製の口がこことここにあり 00:05:52.440 --> 00:05:54.336 その口は2つです 00:05:54.360 --> 00:05:55.776 何故口が2つあるのでしょう? 00:05:55.800 --> 00:05:57.616 1つは食べ物を取り入れ 00:05:57.640 --> 00:05:59.576 もう片方は 食べ物を排出するのです 00:05:59.600 --> 00:06:03.096 つまり口とお尻が ある事が分かります 00:06:03.120 --> 00:06:04.336 お尻と言うかー NOTE Paragraph 00:06:04.360 --> 00:06:05.376 (笑) NOTE Paragraph 00:06:05.400 --> 00:06:07.136 物が出て行く場所で 00:06:07.160 --> 00:06:08.856 正に本物の生物のようです 00:06:08.880 --> 00:06:11.696 ウバザメにも似てきました 00:06:11.720 --> 00:06:13.096 それは体です NOTE Paragraph 00:06:13.120 --> 00:06:16.256 2つ目のパーツは 胃かもしれません 00:06:16.280 --> 00:06:20.176 ロボットにエネルギーを供給し 汚染物質を処理する必要があるので 00:06:20.200 --> 00:06:21.736 汚染物質が中に入り 00:06:21.760 --> 00:06:23.256 何かを行います 00:06:23.280 --> 00:06:26.856 真ん中の この部分には 微生物燃料電池という電池があります 00:06:26.880 --> 00:06:29.640 これを置いて 燃料電池をお見せします 00:06:30.200 --> 00:06:32.056 これはバッテリーを 装備する代わりとなり 00:06:32.080 --> 00:06:34.256 従来の電力装置の 代わりとなるものです 00:06:34.280 --> 00:06:35.536 1つお見せしましょう 00:06:35.560 --> 00:06:36.816 これはロボットの胃です 00:06:36.840 --> 00:06:38.096 本当に胃の働きをします 00:06:38.120 --> 00:06:41.536 こちらの側から汚染物質という形で エネルギーを入れる事が出来るからで 00:06:41.560 --> 00:06:43.216 それが電気を生み出すのです NOTE Paragraph 00:06:43.240 --> 00:06:44.456 これは何でしょう? 00:06:44.480 --> 00:06:46.136 微生物燃料電池と 呼ばれるものです 00:06:46.160 --> 00:06:48.256 少しだけ 化学燃料電池に似ています 00:06:48.280 --> 00:06:50.296 それを学校で 見かけたかもしれないし 00:06:50.320 --> 00:06:51.936 ニュースで見たかもしれません 00:06:51.960 --> 00:06:54.096 化学燃料電池は 水素と酸素を取り込み 00:06:54.120 --> 00:06:56.936 反応させて 電気を生み出します 00:06:56.960 --> 00:07:00.376 技術は十分に確立されたもので アポロ宇宙計画で使われました 00:07:00.400 --> 00:07:01.880 40〜50年前の事です 00:07:02.440 --> 00:07:03.696 それより少しだけ新しいのが 00:07:03.720 --> 00:07:05.176 微生物燃料電池です 00:07:05.200 --> 00:07:06.456 原理は同じです 00:07:06.480 --> 00:07:07.896 片側に酸素を入れますが 00:07:07.920 --> 00:07:10.016 もう片側には 水素を入れる代わりに 00:07:10.040 --> 00:07:11.336 スープを少量入れます 00:07:11.360 --> 00:07:14.176 そのスープの中には 生きた微生物が入っています 00:07:14.200 --> 00:07:16.896 少し有機物質を入れると― それは廃棄物や 00:07:16.920 --> 00:07:19.256 サンドイッチの残りといった 00:07:19.280 --> 00:07:20.776 残飯かもしれませんが― 00:07:20.800 --> 00:07:23.616 そこに入れると 微生物がそれを食べ 00:07:23.640 --> 00:07:25.520 それが電気に変わるのです 00:07:26.400 --> 00:07:29.896 そればかりか 適切な微生物を選べば 00:07:29.920 --> 00:07:33.680 汚染物質を処理する為に 微生物燃料電池が使えるのです 00:07:34.400 --> 00:07:36.016 適切な微生物を選べば 00:07:36.040 --> 00:07:38.656 微生物は藻類を食べます 00:07:38.680 --> 00:07:41.016 別の種類の微生物を選べば 00:07:41.040 --> 00:07:44.560 石油溶剤や原油を 食べるでしょう 00:07:44.960 --> 00:07:47.656 この胃がどうやって 汚染物質を処理する為に 00:07:47.680 --> 00:07:50.936 使われているか だけでなく どうやって汚染から電気を 00:07:50.960 --> 00:07:53.760 生み出すのに使われているかが 分かるでしょう 00:07:54.400 --> 00:07:57.176 ロボットは 食べ物を胃の中に入れ 00:07:57.200 --> 00:07:59.296 消化して電気を作り 00:07:59.320 --> 00:08:01.816 自然環境の中で動き回る為に 00:08:01.840 --> 00:08:04.336 電気を使う行為を 繰り返すのです 00:08:04.360 --> 00:08:05.576 電気を使う行為を 繰り返すのです NOTE Paragraph 00:08:05.600 --> 00:08:09.136 Row-botを作動させると 何が起こるか見てみましょう 00:08:09.160 --> 00:08:10.536 水を漕ぐとどうなるか― 00:08:10.560 --> 00:08:12.216 ビデオを2つお見せします 00:08:12.240 --> 00:08:14.896 最初にお見せするのは 00:08:14.920 --> 00:08:16.216 開いた口です 00:08:16.240 --> 00:08:19.256 前方と後方の口が開き 00:08:19.280 --> 00:08:20.816 十分に開ききると 00:08:20.840 --> 00:08:22.856 ロボットは 前方に漕ぎ始めます 00:08:22.880 --> 00:08:24.136 食べ物を取り込み 00:08:24.160 --> 00:08:27.256 処理物を排出する為に 水中をかき分けています 00:08:27.280 --> 00:08:28.536 ひとしきり動き終えると 00:08:28.560 --> 00:08:31.496 止まり 口を閉じますー 00:08:31.520 --> 00:08:33.936 ゆっくりと口を閉じるのです 00:08:33.960 --> 00:08:35.616 そしてそこに留まり 00:08:35.640 --> 00:08:37.280 食べ物を消化します NOTE Paragraph 00:08:38.000 --> 00:08:40.696 もちろんこれは 微生物燃料電池で 00:08:40.720 --> 00:08:41.976 微生物を含んでいます 00:08:42.000 --> 00:08:43.856 本当は出来るだけ早く 00:08:43.880 --> 00:08:46.496 沢山のエネルギーを 微生物から出したいのですが 00:08:46.520 --> 00:08:48.096 微生物に無理は利かず 00:08:48.120 --> 00:08:51.136 毎秒ミリワット又は マイクロワットといった 00:08:51.160 --> 00:08:54.416 ごく少量の電気しか 作り出せません 00:08:54.440 --> 00:08:56.296 これを分かりやすく説明すると 00:08:56.320 --> 00:08:57.856 例えばあなたのスマホは 00:08:57.880 --> 00:08:59.256 特に新型のものでは 00:08:59.280 --> 00:09:01.496 約1ワットが必要です 00:09:01.520 --> 00:09:05.336 それは微生物燃料電池と比較すると 千倍、百万倍の 00:09:05.360 --> 00:09:07.320 エネルギーとなります 00:09:08.000 --> 00:09:09.576 それをどう使えるのでしょうか? 00:09:09.600 --> 00:09:12.456 Row-botが消化を完了し 00:09:12.480 --> 00:09:13.936 食べ物を取り入れると 00:09:13.960 --> 00:09:17.496 すべての食物を消化するまで じっと待ちます 00:09:17.520 --> 00:09:20.736 それには数時間 時には数日かかります 00:09:20.760 --> 00:09:24.456 典型的なRow-botのサイクルは 次のようなものです 00:09:24.480 --> 00:09:25.736 口を開け 00:09:25.760 --> 00:09:27.016 動き 00:09:27.040 --> 00:09:28.296 口を閉じ 00:09:28.320 --> 00:09:30.176 その場にじっとして待つのです 00:09:30.200 --> 00:09:31.576 一旦食べ物を消化すると 00:09:31.600 --> 00:09:34.416 再び同じ事をして 動き回るのです 00:09:34.440 --> 00:09:37.416 しかし本当の 生物のようだと思いませんか? 00:09:37.440 --> 00:09:39.296 まるで私達が 行なっている事のようです 00:09:39.320 --> 00:09:41.376 土曜日の夜に 外出して口を開け 00:09:41.400 --> 00:09:42.936 腹を満たし 00:09:42.960 --> 00:09:45.896 テレビの前に座って消化をします 00:09:45.920 --> 00:09:48.296 十分消化したら 同じ事を繰り返します NOTE Paragraph 00:09:48.320 --> 00:09:51.176 このサイクルを繰り返すと 00:09:51.200 --> 00:09:54.736 最後には他の事が出来る程の 余分なエネルギーが得られます 00:09:54.760 --> 00:09:56.896 最後には他の事が出来る程の 余分なエネルギーが得られます 00:09:56.920 --> 00:09:58.936 例えばメッセージを送ります 00:09:58.960 --> 00:10:00.456 こんなメッセージです 00:10:00.480 --> 00:10:02.816 「最近これだけ汚染物質を食べたよ」 とか 00:10:02.840 --> 00:10:05.416 「こんな食べ物に出くわしたよ」 とか 00:10:05.440 --> 00:10:07.120 「僕はここにいるよ」 00:10:07.800 --> 00:10:11.056 「僕はここにいるよ」 とメッセージを送る能力は 00:10:11.080 --> 00:10:13.016 非常に重要なものです 00:10:13.040 --> 00:10:15.536 以前目にした油膜の事や 00:10:15.560 --> 00:10:17.016 藻類の過剰繁殖を考えると 00:10:17.040 --> 00:10:19.736 求められるのは 自然の中でRow-botを浮かべて 00:10:19.760 --> 00:10:21.736 全ての汚染物質を食べ尽くし 00:10:21.760 --> 00:10:23.936 その後 回収する事です 00:10:23.960 --> 00:10:25.176 何故でしょう? 00:10:25.200 --> 00:10:27.016 今のロボット― 00:10:27.040 --> 00:10:28.376 私がここに 持って来たRow-botは 00:10:28.400 --> 00:10:30.256 モーターやワイヤーがあり 00:10:30.280 --> 00:10:33.736 それ自体が生物分解性でない パーツで出来ています 00:10:33.760 --> 00:10:36.496 現在のRow-botは 有害な電池のような物が付いています 00:10:36.520 --> 00:10:38.496 それを自然の中に 放置する事は出来ないので 00:10:38.520 --> 00:10:40.016 それを探知する必要があり 00:10:40.040 --> 00:10:42.376 仕事を終えてしまったら 00:10:42.400 --> 00:10:43.656 回収する必要があるのです 00:10:43.680 --> 00:10:46.016 従って使用出来る Row-botの数は制限されます 00:10:46.040 --> 00:10:47.296 一方で 00:10:47.320 --> 00:10:50.456 少しばかり生物のような ロボットであるなら 00:10:50.480 --> 00:10:52.576 命の終焉となり 00:10:52.600 --> 00:10:55.056 朽ち果てます NOTE Paragraph 00:10:55.080 --> 00:10:57.416 だから こんなロボットが 00:10:57.440 --> 00:10:59.679 プラスチック製ではなく そこらに捨てておくと 00:10:59.703 --> 00:11:01.296 生分解する別の素材で 00:11:01.320 --> 00:11:04.416 出来ていたら良いですよね? 00:11:04.440 --> 00:11:06.536 そうなったら ロボットの使い方が変わります 00:11:06.560 --> 00:11:09.936 10〜100個のロボットを 自然に放ち 00:11:09.960 --> 00:11:11.216 それらを追跡し ロボットが 00:11:11.240 --> 00:11:12.576 死んだ時 回収するのでなく 00:11:12.600 --> 00:11:13.816 死んだ時 回収するのでなく 00:11:13.840 --> 00:11:15.536 千、百万、十億個の 00:11:15.560 --> 00:11:18.296 ロボットを自然環境に 放つ事が出来ます 00:11:18.320 --> 00:11:20.136 ばら撒くだけで良いのです 00:11:20.160 --> 00:11:23.776 命の終わりには ロボットが 朽ち果てるのが分かっているので 00:11:23.800 --> 00:11:25.496 心配には及びません 00:11:25.520 --> 00:11:28.136 これはロボットに関する概念と 00:11:28.160 --> 00:11:29.536 その使い方を変えます NOTE Paragraph 00:11:29.560 --> 00:11:31.416 問題は そんな事が 可能かということです 00:11:31.440 --> 00:11:33.616 可能だと私達は実証しました 00:11:33.640 --> 00:11:35.736 生物分解性のロボットを 作る事は可能です 00:11:35.760 --> 00:11:38.616 実に興味深い事に このロボットを作るには 00:11:38.640 --> 00:11:40.336 ありふれた素材が使えるのです 00:11:40.360 --> 00:11:42.936 いくつかご紹介しましょう 驚きですよ 00:11:42.960 --> 00:11:45.856 ゼリーから ロボットが作れるのです 00:11:45.880 --> 00:11:48.656 現在あるモーターを 付ける代わりに 00:11:48.680 --> 00:11:51.136 人工筋肉と呼ばれる物が 使えるのです 00:11:51.160 --> 00:11:53.456 人工筋肉はスマート素材で 00:11:53.480 --> 00:11:54.936 電気をその素材に通すと 00:11:54.960 --> 00:11:57.136 収縮したり 曲がったり 捻れたりします 00:11:57.160 --> 00:11:59.376 本物の筋肉のようです 00:11:59.400 --> 00:12:02.400 モーターを取り付ける代わりに この人工筋肉を付けるのです 00:12:02.424 --> 00:12:05.256 人工筋肉は ゼリーから作れるのです 00:12:05.280 --> 00:12:07.216 ゼリー少しと塩少々を用意し 00:12:07.240 --> 00:12:08.816 少しばかり細工をすると 00:12:08.840 --> 00:12:10.616 人工筋肉が出来上がるのです NOTE Paragraph 00:12:10.640 --> 00:12:14.216 先程 紙から微生物燃料電池の胃も 作れると言いました 00:12:14.240 --> 00:12:15.656 先程 紙から微生物燃料電池の胃も 作れると言いました 00:12:15.680 --> 00:12:19.160 生物分解性の素材から ロボットの全体が出来るのです 00:12:19.480 --> 00:12:22.360 野外に放置すると その後 朽ち果てます 00:12:23.600 --> 00:12:25.456 心の底からワクワクします 00:12:25.480 --> 00:12:28.671 これは私達のロボットに対する概念を 全く変えてしまいそうです 00:12:28.695 --> 00:12:30.936 それだけでなく これらのロボットを使って 00:12:30.960 --> 00:12:34.296 出来る事への考え方が 実に クリエイティブな物にもなるのです NOTE Paragraph 00:12:34.320 --> 00:12:35.576 一例をご紹介しましょう 00:12:35.600 --> 00:12:38.176 ロボットを作るのに ゼリーが使えたらー 00:12:38.200 --> 00:12:40.096 ゼリーを食べますよね? 00:12:40.120 --> 00:12:42.616 こんなものを作っては 如何でしょう? 00:12:42.640 --> 00:12:44.040 グミベアー・ロボットです 00:12:45.120 --> 00:12:47.896 ここにいくつか 予め用意しておきました 00:12:47.920 --> 00:12:49.520 さあここに グミの小袋があります 00:12:50.560 --> 00:12:52.440 レモン味です 00:12:53.600 --> 00:12:56.336 グミベアーを食べます この熊はロボットっぽくないですね? 00:12:56.360 --> 00:12:57.576 でもそういうふりをします 00:12:57.600 --> 00:13:00.616 1つ口の中に放り込みます 00:13:00.640 --> 00:13:01.880 レモン味 美味いですね 00:13:02.720 --> 00:13:05.625 あまり噛まないように気をつけます ロボットですから 嫌でしょうし 00:13:06.840 --> 00:13:09.056 そして飲み込みます 00:13:09.080 --> 00:13:10.776 胃の中に入ります 00:13:10.800 --> 00:13:14.616 そこでロボットは動き、思考し 曲ったりくねったりします 00:13:14.640 --> 00:13:15.856 何かをするのです 00:13:15.880 --> 00:13:18.056 更に腸の方まで移動して 00:13:18.080 --> 00:13:20.416 潰瘍やがんが あるかどうかを見極め 00:13:20.440 --> 00:13:22.536 注射のような事を するかも知れません 00:13:22.560 --> 00:13:25.416 一旦その仕事を終えたら 00:13:25.440 --> 00:13:27.656 ロボットは胃で消化されたり 00:13:27.680 --> 00:13:29.376 それを望まなければ 00:13:29.400 --> 00:13:31.016 そのまま消化器官を通り 00:13:31.040 --> 00:13:32.256 トイレに流され 00:13:32.280 --> 00:13:34.496 環境の中で安全に分解されます 00:13:34.520 --> 00:13:37.760 これは又 私達の ロボットへの概念を変えます NOTE Paragraph 00:13:38.720 --> 00:13:43.016 はじめに汚染物質を食べるロボットを ご紹介しました 00:13:43.040 --> 00:13:45.696 次に私達が食べられる ロボットでした 00:13:45.720 --> 00:13:47.376 これが将来のロボットとの 00:13:47.400 --> 00:13:49.840 関わりのヒントを 与えてくれると思います NOTE Paragraph 00:13:51.560 --> 00:13:53.456 ご清聴有難うございました NOTE Paragraph 00:13:53.480 --> 00:13:56.963 (拍手)